雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

家族トランプ

2010-10-31 19:17:30 | 
明野 照葉
実業之日本社
発売日:2010-04-15


明野照葉著"家族トランプ"を読みました。
風見窓子は33歳、化粧品を通信販売している会社に
努めています。毎日同じような仕事をしている一般職の
女性です。
一人っ子で両親と暮らしていますが、母親から30過ぎの
娘に食事の支度をしてやる必要はないと言われ、一人分
作って部屋で食べる生活です。
その上35歳になったら家を出て行けと通告されます。
親とは分かり合える関係ではありません。
家を出たら家賃と生活費で給料が消えるぎりぎりの
生活になって簡単には出て行けません。

有磯潮美は会社の副部長です。
ばりばりのキャリアウーマンです。
きびしいことを誰に対しても言いますが、誰もが一目
おいている女性です。

屋台村で潮美が男性と楽しそうに食事をしているのを
目撃します。
その数日後に潮美に食事にさそわれます。
まったく対照的は二人です。
リソさん、ザミちゃんと呼び合う付き合いが始まります。
窓子は潮美に心酔しきっています。

下町の三ノ輪にある潮美の実家は潮屋という食堂です。
なんでも出てくるような賑やかな下町のお店です。
お婆さん、両親、弟の由多加でやっている店です。
この店につれてこられてこの店や潮美の家族の
楽しげな雰囲気に惹き付けられてしまいます。
土曜日ごとに店に通うようになります。

この人たちと家族になりたい、潮美とずっといっしょに
いたいという欲望がわいてきます。
そして…、窓子は家族になりました。

最初のころの窓子はにっちもさっちもならない状態の
夢も希望もない女性でした。
潮実と出会ったことで人生が明るい方へと転換
していきます。
読んでいてとても楽しい本です。
ちょっとばかり他力本願で夢物語のような気が
しないではありませんが物語がハッピーエンドに
なる本は好きです。
手を差し伸べられた時、その手をつかむのはその人の
意思ですし、生かすことができるのはその人の能力です。

窓子の家族のひややかさと、潮美の家族の暖かさが
対象的です。窓子が幸せになり変っていけば両親も
変っていくことでしょう。10/26

マザーウォーター

2010-10-30 22:40:34 | 映画
映画を見てきました。
"マザーウォーター"です。
その話の前に、映画館の入り口のロビーすごく混んで
いました。
おもちゃの箱を抱えた大人の男の人たちや、若い女の子
たちが何かを買うために行列を作っていました。
何なんだろう、すごいね。
映画ガンダム何とかの券は今日一日分売り切れだという
放送が流れていました。ガンダムって何?

"マザーウォーター"は"かもめ食堂"、"メガネ"、"プール"
の監督や出演者で同じような感覚の映画です。
今回のはどうもすっきりよかったと感じられません。
なんかぎくぎくとひっかかります。
ウィスキーの水割りしか出さないお店、コーヒー店、
豆腐屋をやっている三人の女性とその人たちの間を行き来
しているお婆さん、お風呂屋さんとその赤ちゃん、手伝って
いる若い男の人、ウィスキーを飲みにやって来る若い男の
お客さん、これらの人が登場人物です。
ぜんぜん説明がなくたんたんと日々を描いたものでどこから
来て何を考えこれからどうするのかのはわかりません。

赤ちゃんはポプラという名でお母さんはどうしたのか
説明はありません。
登場人物たちの間でかわいがられ誰かと歩いています。
どんどん別の人に渡されたりしているのでだいじょうぶか
と心配になります。
それだけみんな信頼し合っているということなんでしょうね。

交わされる会話がどうも噛み合っていなくていらいらします。
発せられた言葉がどこかへ消えていくようです。
ちゃんと受け取ってはいるのでしょうが、答えははぐらかされて
いるということが多いです。
言葉なんていらないということなんでしょうか。
たぶんこの人たちはずっといっしょにこの場所にいるという
ことはないでしょう。
ずっと友達でい続けるかどうかもわかりません。
未来は会わないで過ごすのかもしれません。
そんな感じを受けます。
同じ場所にいる今、共に過ごせればいいのですね。
一見淡い関係みたいですがこの関係が心地よいものなのかも
しれません。

藩医宮坂涼庵

2010-10-29 20:24:12 | 
和田 はつ子
新日本出版社
発売日:2005-02


和田はつ子著"藩医宮坂涼庵"を読みました。
奥州の小藩の秋川藩の話です。
ゆみえは庄屋の関野家に嫁いできました。
年の離れた夫はすでに亡くなっています。
ゆみえの母のしのぶは医師の娘で医術の心得がありました。
ゆみえは母から医術の一端を学びました。
藩医は宮坂涼庵です。貧乏な人たちを見てくれるお医者様です。
家老の遠藤源右衛門が私服を肥やそうともくろんでいます。
そのためには飢えに苦しむ者たちがどのようになっても
かまわないという人です。
食べるものがなくなるひどい飢饉のときには野草やきのこ
など食べられそうなものはすべて採ってきて食べます。
しかし中には毒草があってそれで命を落とす人が
数知れません。
絵を描いて食べていいもの、毒のあるものを人々に
教えようとする涼庵やゆみえの行動さえじゃまが入ります。

飢えを克服しようとする涼庵やゆみえたちと
領民が死のうがどうでもいいと私服を肥やそうとする
遠藤派との戦いです。

どうもわからない話です。
まず題名の藩医宮坂涼庵からしてなぜこの題名なんだろうと
疑問に思います。ゆみえがこの本の主人公だとしか
思えないですから。
遠藤派の行動もじゃまが入らず実現できていたら権力を
得るという夢とは裏腹に藩が底辺から崩れ去るだろうと
思われます。
最後にはいい方向に向いていくという終わり方をして
欲しいのに最後まで一向に改善のきざしがみえずに
終わってしまいます。
なんだかすっきりしない話です。10/22

ファミリーツリー

2010-10-28 20:26:58 | 
小川 糸
ポプラ社
発売日:2009-11-04


小川糸著"ファミリーツリー"を読みました。
リュウこと流星、その姉蔦子、リリーの3人は小さなころ
から夏休みになるといっしょに過ごしました。
リュウとリリーの関係はリュウの父方の祖父とリリーの
お母さんが兄妹です。
リリーはリュウより3週間前の生まれですが早生まれで
1学年上になりで、リュウの姉の蔦子と同学年です。

安曇野のリュウの曾おばあさんの菊さんが経営する旅館に
リュウたち家族は住まわせてもらっています。
リリーは夏休みになるとやってきていっしょにすごします。

リュウはずっとリリーに魅かれています。
3人でいっしょに拾った子犬に海と名づけてかわいがります。
リュウと海とは強い絆で結ばれています。

火事が起こって旅館は焼け落ちます。その時庭につながれて
いた海は焼け死んでしまいます。
助けられなかったことでリュウはずっと苦しみます。

リュウが中3の時リリーとセックスします。
その後高校生の間は会わずに過ごします。
後半から菊さんの出番が多くなります。
火事で旅館を失くし、息子が始めたペンションを手伝い
失敗して息子は逃げ出してしまい、菊さんは畑にある
小屋で暮らすようになります。
しっかり大地に根をはって生きている菊さんです。

ファミリー・ツリーとはてっぺんに菊さんを置いて
書いた家系図です。
リリー、リュウはそのツリーの一片です。
人の繋がりを書いた物語です。
リュウとリリーはいっしょにずっと生きていくのでしょうね。

読みやすいです。でも私はこういう人間関係からは
逃げていたい方ですからちょっと重苦しいです。
本当はどっぷり浸かって人間や人生を知った方が
生きている甲斐があるというものでしょうね。10/19

善人長屋

2010-10-27 23:17:30 | 
西條 奈加
新潮社
発売日:2010-06-19


西條奈加著"善人長屋"を読みました。
お縫の父親は質屋を営む一方で長屋の差配をしています。
そこに住むのは表の家業を持ちながら裏の家業も持って
いる子悪党です。
知り合いの盗人の頭から錠前破りの加助を空いている家に
住まわせてくれるよう頼まれます。
やってきた錠前師の加助を家に住まわせます。
ところが頼まれた加助ではなく、別人のまっとうな
錠前師でした。

人がいい加助はトラブルを抱え込んでは長屋へ持ち込んで
きます。長屋の住人はそれぞれの裏家業をいかして
助けてやります。
美人局の唐吉、文吉の兄弟、情報屋の半造、盗みの庄治、
証文偽造の新九朗、菊松、お竹の詐欺夫婦、類焼させずに
家を一軒きれいに焼く火事屋源平などがいます。

最後の2編の短編は加助の話です。
加助は火事で女房、娘を行方を失ってしまいます。
その姿を見かけ必死で町を探し回ります。
奥さんは加助から逃げているように見えます。
長屋の人たちは加助、女房、娘を助けてやろうと
手をつくします。

おもしろい本でした。
悪人ではありますがその力を人助けのために使います。
加助によってそう動かされてしまいます。
痛快な話です。みんないい方に問題は解決しますから
安心して読めます。10/18

横道世之介

2010-10-26 22:20:40 | 
吉田 修一
毎日新聞社
発売日:2009-09-16


吉田修一著"横道世之介"を読みました。
評判がいいので読んでみようと思いました。
帯に「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが
変るだろうかと、ふと思う。たぶん何も変りはない。ただ
青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢
いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような
気持ちになってくる。」と書かれています。

この言葉を聞いていったい世之介とはどんな人物かと
期待をいだいて読み始めました。
でも読み終わって感じるのは世之介は特別人と違う人物では
ないということです。
帯の言葉はちょっと気をもたせ過ぎです。ひょうし抜けです。
倉持、阿久津唯、加藤、さくら、祥子、石井、千春等が
主な登場人物です。

倉持と唯は大学入学してすぐ知り合い、ひょんなことから
世之介と3人でサンバサークルへ入る友達です。
倉持と唯は子供が出来て大学を中退して結婚することになります。

加藤との付き合いが一番妙で世之介が押しかけて友達になります。
加藤はいつもふきげんに邪魔扱いしているのに世之介は
あっけらかんと押しかけてきます。
世之介の部屋にはクーラーがありません。加藤が部屋にいない
時にも部屋に入ってクーラーを入れ勝手に寝てます。
ご飯も当たり前に食べさせてもらっています。
加藤も嫌そうな態度をとっていますが本気で追い出そうとは
してません。

さくらは高校時代のガールフレンドです。

祥子は裕福な家のお嬢様です。運転手付きの車で現れます。
おっとりした女性で世之介が好きです。
夏休みに世之介の実家にやってきてお母さんと仲良くなって
しまいます。ちょっと風変わりな女性です。

石井はサンバサークルの上級生でホテルのルームサービルの
アルバイトを紹介してくれます。

千春は正体不明の女性です。世之介は千春に惹かれています。
高級娼婦といううわさがあります。

80年代の話だそうです。
そのころの若者の雰囲気をかもし出している物語です。10/12

スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン

2010-10-22 21:33:57 | 

小路幸也著"スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン"を
読みました。
"東京バンドワゴン"、"シー・ラブズ・ユー"、"スタンド・
バイ・ミー"、"マイ・ブルー・ヘブン"とシリーズの1冊です。
紺と亜美の夫婦にはかんな、青とすずみの夫婦には鈴花の
赤ちゃんが同じ日に生まれて東京バンドワゴンはにぎやかに
なりました。
藍子とマードックは結婚しました。

"秋 あなたのおなまえなんてぇの"
勘一が若いころ孤児になってバンドワゴンに引き取られ
いっしょに暮らしていたかずみがリタイアして町に
戻ってきます。

"冬 冬に稲妻春遠からじ"
昔かずみと同じころバンドワゴンに住んでいたジョー・
タカサキはその後アメリカで暮らしました。
亡くなって遺言で蔵書が送られてきました。
あらわれたのがハリー・リード、ブックエージェントです。
ジョーがCIA長官だったロスコーの日記を持っていた、
それがあるはずだと探しています。
小料理屋春の真奈美はすっと年上の料理人のコウにプロポーズ
しますがコウは理由があって受け入れてくれません。

"春 研人とメリーちゃんの羊"
小学生研人の同級生のメリーは仲がいい友達です。
メリーは下校後バンドワゴンへ寄って本を読んでいきます。
羊が後をつけてくるとメリーちゃんは言います。

"夏 スタンド・バイ・ミー"
青は我南人と有名女優池沢百合枝との間の子供です。
スキャンダルを暴こうとする記者がうろうろします。
藤島社長はバンドワゴンの隣の土地を買って家を
建てます。
人が多くなって部屋が足りなくなったバンドワゴンに
部屋を提供してくれるため建てたのです。

まだ続きそうだなと思ったらもう次の本が出ている
ようです。"オール・マイ・ラビング "です。
大家族でホームドラマのように仲良く暮らしている
堀田家のめんめんで、ほっとする本です。10/08

細線のはずなのに太線

2010-10-21 22:39:18 | コンピュータ
「この部分の線は細線のはずなんだけどなぜか太線に
なってちょとみっともない。」
と言われて調べてみますと、帰ってきました。
線種を間違えて書いてあるのかとディスプレイ上で
確認してみました。
間違いなく細線になっています。
それなのにプロットすると太線となります。
ははぁ、と思い当たることがあります。
一度その線を削除してから再表示してみると現れました、
太線が。
太線の上に細線が二重書きしてあるのです。
画面の上では細線でも太線でも同じ太さです。
線の太さは色で区別します。
太線の上に細線が乗っていても、細線が太線を隠して
して細線の色が表示されます。

でもプロットすればその線の持っている太さで
書かれます。
二重線の下側の太線が太さを現し上に乗っている細線を
隠してしまいます。

上側の細線を削除して再表示して太線を出現させて
太線から細線へ変更で一件落着です。

恋する空港 あぽやん2

2010-10-20 20:37:23 | 

新野剛志著"恋する空港 あぽやん2"を読みました。
前に読んだあぽやんの続編です。
空港で働く旅行社の人たちの仕事の話です。
遠藤が主役です。
グアムで働いていた現地スタッフの枝元が成田空港で
働くことになりました。まだ正社員ではありません。
教育中です。
調子がよくお客さんのうけがいい男です。
いっしょうけんめい働いていますが遠藤からみると
不満がいっぱいです。

貧しい国のすばらしい彫刻の技量をもった男の子を
支援してやりたいというハマという人がその国へ
行こうとして小型機が墜落して死にます。

臨月なのに外国へいこうとしている女性。
子供が二人いるのにその子たちを置いてでも行こうと
しています。

一番先端のお客さまと接する女性たちの仕事の割り振りが
偏っていっしょにランチにいけなくなって女性たちに
不満が起こります。

台風がくると空港は大騒動です。

空港の事務所を身売りする話が起きています。
そうすると規模が縮小されリストラされる人が
出てくることになります。
正社員にするわけにいかなくなったから早めに
止めたほうがいいと勧告された枝元ですが
最後までいっしょうけんめい仕事がしたいと
枝元は決めました。

どこも縮小、縮小でサービスが低下していきます。
サービスは必要ないと考える人が多いということ
なんですよね。
いっしょうけんめい働いてもばさっと切られてしまい
それまでの経験が次にいかせないということも
多いです。
最近の仕事はつらいですね。

狸汁 銀次と町子の人情艶話

2010-10-19 22:53:00 | 

柴田哲孝著"狸汁 銀次と町子の人情艶話"を読みました。
銀次とその妻の町子は「味六屋」という小料理屋を営んでいます。
一見さんおことわりのお店です。政治家のような人が
集まる店です。
"狸汁"、"初鰹"、"鯨のたれ"、"九絵尽し"、"鱧落とし"、
"鮎うるし"の連作短編集です。
コミックの美味しいんぼと似た部分があります。

食べに来る人は成功者や裕福な人たちです。
食材は高級品で私とは縁のない世界です。
人情艶話の艶話は私にはよけいな話と思えます。
無いほうがすっきりしていいです。
こういう艶話、好みではありません。

最初の狸汁が強烈な話です。
聞きたくない人もいるでしょうからこの先注意を。
政界の裏の実力者吉村が狸汁を要望しました。
狸そばみたいに何かを指して狸といっているのではなく
本物の狸です。
日本では手に入らないので中国から輸入しました。
狸汁、気分が悪くなるほどにものすごくまずいもの
らしいです。
吉村は戦争中に中国で狸汁を食べたことがあります。
その後に食べた狸汁とその時のものが別ものだった
ことからある疑問をいだきます。
今回食べた狸汁は2度目に食べたものといっしょ、
最初の時のものとは違います。

その時愛している女性と逃げている途中で追手に
女性を殺されます。
吉村はマラリアで身動きができない状態でした。
部下が狸を仕留めたと数日間食べさせてくれました。
あの時の狸は実は彼女ではなかったかと。

数日後に銀次が吉村に食べさせたものは最初の
時に狸だといわれて食べたものでした。
じつは狸といわれる動物が地方によって違うのです。
狢(むじな)のことを狸と呼ぶ地方があります。
狸のことを狢というところがあります。
狢は狸と違っておいしいものだそうです。

吉村はあの時食べたものが狢だったことがわかり
長年の苦しみから解放されました。

謎の転倒犬

2010-10-18 20:51:46 | 

柴田よしき著"謎の転倒犬 石狩くんと㈱魔泉洞"を読みました。
就職活動中の石狩拓也はぜんぜん手ごたえのない状態に
あせっています。就職活動に必要だろうとパソコンや
カメラ、スーツを買い込んで数十万の借金をかかえています。
お金を返すためきついバイトをこなしているのに銀行で
すりにあってしまいます。
その時出会ったのが魔泉洞社長の摩耶優麗(ゆうれ)と
いう人気者の占い師です。
優麗に勧誘されて石狩はしぶしぶ魔泉洞の社員になります。
連作短編集になっています。
持ち込まれた謎を解き明かしていきます。

"時をかける熟女"
石狩と優麗の出会いの場面です。
優麗がすりをつかまえます。

"まぼろしのパンフレンド"
ゆくゆくはパンの店を出したいと思っている男の人が
女性の友達とパンの買い歩きをしていた時に行方不明と
なってしまいます。

"謎の転倒犬"
こてんと転ぶ犬の謎は?
政治家も決断の時に優麗を訪ねてきて占ってもらいます。

"狙われた学割"
あと数日で切れる定期券を機械から出てきたところを
かっさわれてしまいます。
金目でないものを盗んでいくその目的は?

"七セットふたたび"
石狩は会社内でなぐられ優麗のゴーストライターが
書いたゲラを盗まれてしまいます。

優麗、石狩の上司になる宇佐美ことうさぎの人間性が
おもしろいです。
どうして石狩を社員にしておきたいのかその理由は
なぜかはわかりません。
主人公なのに石狩にはあまりおもしろさは感じられません。10/05

ありがとう、伊勢志摩ロッジ

2010-10-17 20:32:37 | 日常の出来事
昨日、今日と伊勢志摩旅行をしてきました。
20代中ごろから気分転換したい時や、疲れた時などは
ふらっと伊勢志摩へ行くことにしています。
20年ぐらい前から宿はきまって伊勢志摩ロッジを
利用しています。
1年に1回ぐらいは利用していたかと思います。
高台にあってここからの眺めは好きですし、普通の
メニューなんだけどほんとにおいしい食事ですし、
料金が他の宿と較べて格段に安いです。
一人でも嫌な顔をしないで泊めてもらえることが
一番うれしいことでした。
電車を利用して旅行をしていましたが駅への送り迎えも
気持ちよくしてもらえました。

今回行ってみたら宿泊は3人だけのようです。
料理もなんだかいつものようではないし、どうして
しまったのだろうと感じました。
駅まで送ってもらったあと、宿の方にあと1月ほどで
ロッジを閉めるとお聞きしました。
ものすごく悲しいです。ふらっと行く所がなくなって
しまいました。
事前に計画することなく、行こうかと思いたったら電話を
入れて予約して気軽に出かけられました。
生活の中に組み込まれたパターンになっていたので、
これから一人旅をしたいという欲求がわき起こったら
どこへ行ったらいいのか戸惑っています。

20代のころ1週間とか10日とか休みが続くことが
結構あったので日本中のあちこちをリュックを担いで
ふらふらと旅行してまわりました。
全国を網羅したというところまではいきませんが
かなりな場所に行きました。
そんな中で海の美しさは志摩が一番だと感じました。
遠くまで行かなくても近くにいいところがあるでは
ないかという結論に達しました。
でも最近の志摩地方の荒れ方はひどいです。
年々すさんでいくような気がします。
セイタカアワダチソウが群生しているところが数多く
なりました。
昔はもっと手入れがされていた土地ではなかったかと、
記憶は定かではありませんが思うのです。
お店がどんどん閉まっていきます。鵜方の駅の売店も
閉まっていました。
志摩磯辺の駅のエスカレーターはカバーがされていました。
何より観光客の姿が少なくなりました。
日本は豊かになったのでしょうか、こんな風景を見ると
貧しくなったとしか思えないのです。
都会の一部だけが最新技術を謳歌しているだけで日本の
広い部分が壊れていくように見えます。

伊勢志摩ロッジが閉じるというのはこんな流れにあって
仕方がないのかと思う反面、ひじょうに残念です。
今回もふっと行こうと思い立って出かけたわけですが
ロッジに泊まれてよかったと思います。
閉鎖を知らないまま行かずに終わっていたらどうして
もう一回行っておかなかったのかと悔やまれたと思います。
ほんとに今までお世話になりました、感謝しています。

伊勢志摩ロッジからの眺め


伊勢志摩ロッジの前にある鸚鵡岩


御座の海岸


御座


御座

蒼林堂古書店へようこそ

2010-10-15 21:51:20 | 

乾くるみ著"蒼林堂古書店へようこそ"を読みました。
林雅賀(まさよし)が店長の蒼林堂古書店へ集まる
常連は高校の同窓生の大村龍雄、現在高校生の柴田五葉、
その友人の木梨潤一、小学校の先生の茅原しのぶです。
本を買うか、売るかでその金額が百円を越えていたら
コーヒーのサービスがあります。
コーヒーを飲みながら買った本を1冊読み終えてまた
その本を売って帰っていきます。
インターネットでの売買が主です。それにしてもこの
常連さん以外のお客さんはいないみたいですね。
みんなが集まった時に持ち出される日常の小さな
出来事が話題に出て議論が交わされます。
14の話から成ります。
各章の終わりに話題と関係する推理小説が4,5冊
紹介されています。
14章ありますからかなりの数になります。
推理小説を読んでみようと思っている人には
うってつけの紹介本になるでしょう。

1つ1つで完結しているのですがところが最後に
きて全部がヒントになる謎が解き明かされます。
よくここまで考えて物語を考えられるものです。
びっくりです。
でも難しい。そうなんだ、とわかったふりで読み
続けます。

百円以上でコーヒーサービスがあって本を読める場所も
あるそんな本屋さんがあったら私も行きたいです。
これが古本屋さんなのがいいです。
新刊本では汚すんじゃないかと気になりますし、誰かが
コーヒー読みながら読んでいた本は買う気には
なりませんから。

最近は長編の推理小説を読むのが辛くなってきました。
いつかまた戻ってくるかもしれませんが今は別の
種類の本を読みたいです。10/05

ボーイズ・ビー

2010-10-14 20:49:02 | 

桂 望実著"ボーイズ・ビー"を読みました。
男の子二人の兄弟でお母さんが亡くなります。
お父さんと三人の生活がはじまります。
隼人は小学6年、直也は1年です。
直也はお母さんが亡くなったことが理解できなくて
お母さんを待っています。
お父さんは消防士で忙しくしています。
隼人に直也の面倒を見るようにいいます。
隼人がけなげにがんばるのです。ぴーんと張りつめた
糸のように直也やお父さんに気を使うのです。
お父さんずるいです。自分がやらなければいけない
ことを隼人に押し付けています。

栄造は靴職人です。ビル内に仕事場を持つ頑固で
人づきあいのきらいな老人です。
良い靴が作れなくなって悩んでいます。
栄造の仕事場のビルに直也が通っている絵画教室が
あり隼人は付き添いで来て栄造の仕事場の前の廊下に
座り込んで待っています。

人と関わりあいたくない栄造が隼人を部屋に入れ
話をするようになります。
悩みを話し栄造の乱暴なアドバイスを貰います。
いつの間にか隼人が来るのを心待ちにしている栄造です。
隼人も栄造に話を聞いてもらいたくてしげしげと
やってきます。

栄造に靴のコンテストに出品しないかという話が
持ち込まれます。スランプの栄造は出品したいが
いいものが作れないと苦しんでいます。
いつの間にかビルの住人たちがやって来るようになって
みんなが応援するようになります。

頑固な老人と母親を亡くしてとまどっている男の子の
付き合いがいいです。
ほのぼのとした話です。

この本を読みながら昔々の映画を思い出しました。
イタリア映画の"天使の詩(うた)"です。
設定がちょっとばかり似ています。こちらの方は
悲しみが深くて父親と上の男の子の心がこじれてしまって
最後は男の子が事故で死んでしまう悲劇です。

本の方は新しい生活を築いて生きていこうとしています。
老人もスランプから抜け出せそうです。
お父さんは子供たちとしっかり向き合おうとしていません。
子供に言われてちょっとは変わろうとしているみたいです。10/04

春期限定いちごタルト事件

2010-10-13 21:39:46 | 

米澤穂信著"春期限定いちごタルト事件"を読みました。
高校一年生の小鳩君と小左内さんはなんかわけありの
関係です。
恋人というわけではなく何かの協定を結んでいる様です。
二人とも目的は小市民になること。
それなのに学校では事件が起きて巻き込まれていきます。
消えた女子生徒のポシェット。
卒業した美術部員が残していったほとんど同じ2枚の絵。
小鳩君の小学生時代の友達の堂島が作ってくれたココアの謎。
テスト中に割れたガラス瓶。
小左内さんのいちごタルトごと盗まれた自転車をめぐる謎。
最初のうちはなんだか二人が何を隠そうとしているのか
わからなくてなんのことなんだろうともやもやとしました。
最後の方でそういうことなのかとわかりました。
小さくてめだたない感じの小左内さんですが最後の事件では
押さえていたものを爆発させて大活躍です。

高校一年生が二十歳と偽って自動車学校で免許を取り
その免許を悪用して消費者金融からお金を騙し取ろうと
した者たちを警察に捕まるよう追い込んでいきます。
しかしこの悪巧み、彼らがじゃましないでもはたして
うまくいったでしょうか。
偽物の免許といえど本人の顔写真が付いているわけだから
犯罪がばれたら写真からすぐ誰だかわかってしまい
そうなものです。

小鳩君に小左内さんに堂本君、人物がはっきりしていて
けっこうおもしろかったです。
シリーズになっているようです。9/30