雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

海岸通りポストカードカフェ

2012-07-28 20:48:06 | 

吉野万里子著"海岸通りポストカードカフェ"を
読みました。
横浜にあるポストカードカフェが舞台です。
店一杯にポストカードが張られています。
店宛に届いた誰かに読んでもらいたいカードです。
来たカードは店に張り出され読んでもらいたい本人には
手渡されることはありません。
女子高の社会の教師五月雨丈司に昔の生徒からカードが
届いていると店から連絡があります。
ポストカードカフェはマスターの瀬尾龍之介、店員の
松井朝陽の二人でやっています。
五月雨宛に来た「もう二度と会えません」というさきと
いう生徒からのカードに何とかしてやりたいと思い
ますが誰なのかわかりません。
五月雨はポストカードカフェの常連となりました。
店にはムッチャンと呼ばれる睦子や耕太郎さんという
常連がいます。
睦子はスーパーに勤めています。
30年以上前に追われるように出て行った夫から
カードが届くのをずっと待っています。
耕太郎は娘の結婚に反対したため娘とずっと疎遠に
なっています。
耕太郎は娘のことを思い続けています。
朝陽や常連たちは娘への思いを書いてポストカードカフェへ
送ったらいいと大量のカードを耕太郎へ押し付けます。
耕太郎はだんだん物事がわからなくなっています。
切手も宛先も書いてない耕太郎からの大量のはがきが
カフェへ届きます。
耕太郎は亡くなりました。

さきが誰だかはだんだんわかってきました。
彼女の身に何が起きたのかもわかりました。

店は建て直すかリホームするかが迫っていますが費用が
ありません。
店を売れという不動産屋があらわれマスターは売ろうと
決心します。
しかしこの話は流れてしまいました。

何十年とカードを待っていた睦子宛にカードが届きます。
店には役割りがあるのだ、これからも続けようという
ところで終わっています。

連作短編集でカードごとの話になるのかなと思って
いましたが長編です。
なかなかいい話でした。
こういうお店どうなんだろう。行きたいと思うかな。
自分もカードを出したり、受け取ったりする立場で店の
人達や常連さん仲良くなればきっと居心地いいでしょう。
でも馴染むまでは居心地悪いかもしれません。

検事の本懐

2012-07-27 21:29:20 | 

柚月裕子著"検事の本懐"を読みました。
検事の佐方が主人公の連作短編集です。
本の中で清く正しく生きる人が描かれるのは稀です。
自分の利益を求める生き方がいいのだと言っているような
話が多くて辟易とします。
佐方は頭の切れそして当たり前に正しい方に向かって
進んでいく検事です。
すっとする話で読後感はとてもいいです。

"樹を見る"
連続放火が発生しています。
刑事部長の佐野と米崎東署の南場は警察学校の同期です。
佐野は南場を目の敵にして放火事件が解決しないことを
大勢の前で非難します。
必死の捜査の結果犯人が逮捕されます。
連続火災の中に1件手口が違うものが混じっています。
ほとんどが大火災にならないように放火されています。
その1件は1軒家が焼け死者が三人出ています。
警察はあせって全部が同一犯のものだと断定します。
しかし検事の佐方が疑問を持ちこの1件を調べて
真実を突き止めます。

"罪を押す"
真面目に働いていた男がパチンコを知ったため転落
しました。
妻子と別れ刑務所暮らしが続いています。
自分で生きるより刑務所に寝る場所、食事を確保した方が
ましと出所してもすぐ捕まり刑務所へ戻る生き方を
してきました。
就職することになった息子から最後の手紙だと書かれた
手紙を手にしました。
出所してすぐ時計の万引きで捕まりました。
自白していますし誰もがこの男の犯行を疑いませんでした。
お金がまだ残っているのに使わない前に捕まるような
事をするのは不自然だと佐方は調べます。
防犯カメラに映っていたものは・・・

"恩を返す"
高校時代の女性の同級生から助けて欲しいと電話が
架ってきます。
場所は広島です。
高校を中退し美容師になった弥生は結婚する予定です。
昔のビデオをネタに警察官に恐喝され、すでに百万円
渡しました。
きりが無いので佐方に助けを求めてきました。
佐方は弥生を助けてやります。

彼らが高校生の時事件が起きました。
弥生と佐方が二人で歩いていた所を同じ高校生グループに
絡まれました。
弥生がナイフで相手を傷つけてしまいました。
弥生だけが退学処分となりました。
二人にはこんな関係がありました。

"拳を握る"
東京地検特捜部へ政治家の汚職事件を追及するため
各地から応援が派遣されました。
佐方もその一人として派遣されました。
すでに一人自殺者を出しています。
なかなか目鼻がつきません。
上層部は実際には起きていないことを無理やりに
起きたと言わせ書名させようとしています。
佐方はそれを命じられます。
捏造に手を染められない佐方は真実を書いて提出し
特捜部から外されます。
最期にここを調べるべきと提案したことは無視されました。
事件は公になりました。
佐方が言った通りのところから道は開けました。

"本懐を知る"
佐方の父の佐方陽世は弁護士でした。
顧問弁護士をしていた建築会社のお金を横領したとして
捕まり実刑を受けています。
父は建築会社の亡くなった小田嶋隆一郎に子供のころから
恩を受けています。
この事件は隆一郎と陽世との約束があって真実が表に
されなかった事件です。

ネタバレです。
隆一郎は困っている人を助ける大きな人です。
従業員が病気になった時も支えました。
でもその従業員の妻と間違いを犯し娘が生まれました。
娘はその夫婦の子として育ちました。
生活の面倒は見ていました。
隆一郎が病気で死の前に陽世に今後も二人にお金が
渡るよう計らってくれるよう頼みました。
横領したといわれるお金はそういったものだったのです。
隆一郎から受けた恩のために犯罪者の汚名を受けても
真実は明かしませんでした。

佐方の気持ちがいい行動は後味がとてもいいです。

ドルチェ

2012-07-26 20:06:55 | 

誉田哲也著"ドルチェ"を読みました。
練馬署強行犯係魚住久江42歳が主人公の連作短編集です。
捜査一課へ戻らないかと言われても所轄で仕事する方を
選びました。
久江は普通のどこにでもいる女性という感じの人です。
他の男性メンバーも普通の人という感じです。

"袋の金魚"
1歳2ヶ月の子供が死亡していて妻が行方不明の事件が
発生しました。
夫はやくざっぽい男です。
しばらくして妻が警察に出頭してきました。
意外なことを話し始めます。

"ドルチェ"
学生の川西恵が刺されました。
付き合う男とは長続きしなくて次々と変っています。
准教授と不倫していました。
アルバイトで高校生の家庭教師をしています。
実は恵は犯人が誰か知っていてかばっています。

"バスストップ"
夜遅くバスを降りた女性が襲われそうになりました。
バスをじっと見つめていた男がいました。
交番勤務で刑事志望の峰岸が捜査協力します。
本庁の佐久間が捜査に首を突っ込んできます。
佐久間は襲われる女性側に問題があるとか、性的マイノリティ
の人をばかにする言動をします。
言いたい放題の佐久間は所轄の里中に叩きのめされます。

"誰かのために"
刑事志望の峰岸は念願かなって久江たちのグループの
一員となります。
元従業員が専務を傷つけ逃げました。
目撃者は貸した何かを返せと言っていっていました。
しかし専務は何を借りたのか覚えていません。
興味がないのについつい今度貸してくれっと言って
しまう人で借りても覚えていないのです。
犯人は自宅にいてすぐ捕まりました。
捜査員が現場で捕まえたのはサソリ3匹です。
やけくそになって飼っていたサソリ17匹を庭へばら撒いた
と打ち明けます。
大騒動でサソリの捜索が始まりました。

社会に馴染めない男に久江がお説教する場面があります。
常識的で正しい言い分です。でも心に響きません。
私がその男だったらそんなことはわかっている、でも
実際にどうしていいのかわからないのだと言い返して
しまいそうです。

ブルードパラサイト"
吉沢徹が妻の明穂に刺されました。
ミホという子供がいます。
久江は明穂が夫を刺した心理を突き止めます。

徹は阿川祐子と付き合っています。
祐子は徹の学生時代の恋人で今は女優です。
妻が夫を刺した理由はもっともだと思う理由です。
祐子の本名は美保です。
子供に付けた名前は美保です。
せめて美穂とすればいいのに。
昔の恋人の名前をゆめゆめ自分の子供に付けては
いけません。

"愛したのが百年目"
柿内と神野は何軒かで酒を飲みました。
柿内が運転して神野を家に送っていき神野の家の前で
神野を降ろして誤って轢いてしまいました。
柿内と神野と神野の妻の逸美は学生時代からの知り合い
でした。
柿内も逸美が好きでした。ずっと見守ってきました。
神野が不倫をしていることを知りました。

柿内が夫であり父である神野を轢いたにもかかわらず
妻の逸美と娘の和美は柿内の行為が何から出たのか
理解しています。
家族は大切にしないとさみしい思いをすることに
なりますね。

読みやすい本です。
久江や、もしかして年上の久江に気があるのかと感じさ
せる(そうでなかったらちょっと残酷)峰岸や、他の捜査員も
馴染みやすい人達です。
ドルチェとは甘いとか、スイーツ、デザートとかの
ことだそうです。
一般的な言葉なんでしょうか、私は知りませんでした。

弥勒の月

2012-07-24 20:03:00 | 

あさのあつこ著"弥勒の月"を読みました。
"木練柿"、"夜叉桜"のシリーズの1冊目です。
変な読み方をしてしまって後ろから前に読んでしまいました。
木暮信次郎と伊佐治が遠野屋真之介と出会う巻です。
小間物屋問屋の真之介の妻おりんが川に飛び込んで
自殺します。
信次郎は真之介にことごとくに激しい言葉を浴びせます。
時には頬を叩いたりします。
信次郎の父右衛門は信次郎と性格が違ってやさしく人に
慕われた人です。
伊佐治は右衛門に仕えていました。
右衛門が亡くなった後は息子の信次郎の下で働いて
いますが信次郎のことがよくわからなくてやめようか
どうしようか考えています。

おりんが死んだのは自殺と見て間違いがありません。
しかしどうして自殺したのかその理由がわかりません。
おりんの母のおしのが首吊り自殺をします。
幸いにも命は助かりました。

おりんは朝顔の種を持っていました。
誰にもらったのかわかりません。
おりんが川に飛び込んだのを目撃しておりんの下駄を
持っていた稲垣屋惣助が一太刀で殺されました。
夜鷹蕎麦屋がやはり殺されました。

真之介は元は周防清弥といいました。
妾腹の子としてして生まれました。
父は清也に剣道を教え込みました。
そして人を斬ることを命じました。
最初に斬ったのは自分を育ててくれた婆やでした。
次々に理由も知らずに人を斬りました。
そして父は兄を斬れと命じました。
人殺しの集団の首領となって裏で生きるよう命じます。
しかし清也に兄は斬れません。
父を斬ってしまいます。
兄は清也に江戸に出て生き直せと送り出します。

真之介は絶望して川を眺めていた時おりんに出会いました。
真之介はおりんは弥勒のようだったといいます。
おりんを自殺へ導いたのは真之介の過去に繋がる人物です。
稲垣屋と蕎麦屋を殺したのは信次郎のよく知る人です。

何も考えず人を斬っていた真之介と現在商人として
生きている真之介はまったく別人のようです。
人というのはこんなにも変るものなのでしょうか。
信次郎も父親とまったく違う性格はいったいどこで
身につけたのでしょうか。
伊佐治はずっと右衛門に仕えていたのですから信次郎の
子供のころのことは知っていそうなものですが知らない
みたいな書かれ方です。

真之介にとっておりんは一生に一度出会うかどうかの
大切な人だったのでしょう。
失った苦しみはいかばかりでしょう。

冬姫

2012-07-23 19:25:49 | 

葉室麟著"冬姫"を読みました。
冬姫は織田信長の娘です。
戦国の時代を気丈に生きた女性です。
あまり知られていない人です。
蒲生忠三郎(のちの氏郷)に嫁ぎました。
どちらも十代半ばの時に結婚しています。
忠三郎は信長に見込まれた人です。
信長の妹のお市が信長を崇拝して結婚しても心は織田に
あるのに対して冬姫は蒲生の人間として生きます。
いろんな女性が登場しています。
女の戦いがあります。
信長の側室の鍋の方には何度も殺されかけます。
母はおらず乳母のいおに育てられます。
ただ一人冬姫が心許せるいおは殺されてしまいます。

冬姫にはもずという下忍だった人と又蔵という身近に
いて冬姫を命がけで守ってくれる家来ができました。
もずは女性として生きていますが実際は男性です。
ずっと信頼できる家来として物語に登場しています。
この二人はお話をおもしろくするための架空の
人物でしょう。

冬姫は信長の正室の帰蝶とも呼ばれる濃姫の娘だと
濃姫が打ち明ける場面があります。
この話はたぶん真実ではないでしょう。

忠三郎と冬姫はずっと心が通い合った夫婦として
過ごしています。
冬姫が30代半ばの時に忠三郎は若くして死んで
しまいます。
蒲生家は子そして孫と継ぎますがどちらも若くして
亡くなり家は断絶してしまいます。

この時代には有名な女性たちがたくさんいます。
お市、お市の娘の三姉妹、濃姫、五徳、鍋の方、築山、
細川ガラシャ等々。
淀の方となる茶々は破滅型の激しい女性です。
本の中で描かれる人たちは描き手によって大きく違っています。
実際はどんな人たちだったのでしょう。

冬姫は心通わせることができた夫を持って幸せな人でした。
かといって彼女は運命に身をゆだねて生きていくという
柔な人ではなく人生に立ち向かって切り開いていく強い人です。

調べたら冬姫は再婚することなく後半は尼として過ごしたと
あります。
尼になるとか出家するとかよく昔の話には出てきますが
どうやって食べていくのだろうといつも不思議に思います。
蒲生家は断絶しています。
後ろ盾になって金銭の面倒を見てくれる人がいればいいの
ですが無い人はどうしたのでしょう。

トラップ・ハウス

2012-07-22 21:20:45 | 

石持浅海著"トラップ・ハウス"を読みました。
序章で中井戸がある男を怪我させようと待ち伏せして
いましたが二人連れで帰ってきたため果たせず
あげく自分が車に撥ねられて死んでしまいます。

大学の卒業を前にして仲の良いグループ10人は
トレーラハウスで一泊する旅行に2台の車で出発しました。
古木だけは前日にバイクで出発しました。
トレーラーハウスの利用者は彼らだけでまわりには人は
いません。
トレーラーハウスに9人が入ってドアを閉めます。
ソファーにもたれた一人が死にました。
ソファーに仕掛けてあった針が首に刺さっていました。
トレーラーハウスから出て連絡しようとしますがドアが
開きません。
どこからも出られないよう細工がしてあります。
携帯も繋がりません。

1時間後とにどこかにおかれている目覚まし時計が鳴り出します。
あちらこちらに画鋲がおかれています。
火が出ます。
彼らに考えさせるためのメモが置かれています。

やがて中井戸が死んだことと関係があることがわかってきます。
2年前に中井戸の紹介で彼らはとても感じのよい店で
アルバイトをしていました。
そこの従業員たちと全員で慰安旅行でスキーにいくことに
なっていました。
出かける前日に中井戸は亡くなり彼らはスキーに
行きませんでした。
やがてその店が危険な宗教団体で洗脳するために旅行に
誘ったのだとわかります。
かろうじてその魔の手より逃れました。

中井戸がすでに洗脳されていたのか、あるいはそうでは
なかったのか議論されます。
まだやってこない古木が助けてくれるのを待っていましたが
やってこない彼が犯人なのか疑いだします。

意識を失う怪我人が何人かでます。
やがて犯人は内部にいることがわかります。
中井戸が死ぬことになった状況を知っている者を暴き
出すために仕組まれた出来事です。

犯人は道具を使って車から脱出してしまいます。
そして全員を殺そうとします。
窓をある方法で破壊して危機一髪の所を脱出します。

彼らは教団と関係があったのではないかと疑われるのを
極端に怖れています。
読んでいた時がちょうどオウムの話題がまたマスコミを
賑わせている時でした。
教団に関係していたということが世の中から排除される
ほどのことなのですね。
彼らは実際にはかかわることなくすみましたがそれでも
疑われたら就職がダメになると考えています。
一旦社会から排除された宗教団体に入信したらたとえ
抜けたいと思っても、そこ意外生きる場所がなくなって
しまうものなのでしょうか。
宗教っていったい何なんだろうとますますわからなく
なります。

トレーラ・ハウスという本当に狭い場所で人が9人も
いたのに誰も基本的な行動してないのはちょっと
不自然でおかしい感じがします。
何が仕掛けられているかわからないからこそ最初に
徹底的に内部を調査しようとするのが普通です。
それなのに少しずつ仕掛けが発動していきます。
広いお屋敷ならいざしらず狭いトレーラーハウスで
別の時計が1時間ごとなるなんて変です。
最初のころに冷蔵庫を開けていたら話は大幅に変わって
いたことでしょう。
終盤で冷蔵庫を開けるなんてかなり都合のいい設定です。
でもおもしろかったです。

ごみ あれころ

2012-07-21 20:54:04 | 日常の出来事
昨日、今日とよく降ります。
おかげで昨晩は涼しくて上掛けが欲しいと目が覚めた
ほどです。
今朝は二ヶ月に一度の町内会の新聞、雑誌等の回収日です。
どんよりと今にも降りそうです。
コンクリートが乾いていましたので数時間前に雨は
止んだようです。
こんな天気では中止になるのではないかと思いつつ
表に出しました。
回収は予定通りされました。
回収の間だけ雨は止んでいた感じです。
その後すぐに降ってきました。

町内会のボランティアの方が回収してくださるのだと
思います。助かります。
この回収以外に名古屋市の回収は一月に一回あります。
市の回収はほんの数メートル先ですが回収場所まで持って
いかなくてはいけません。
町内会の回収は家の前に出しておくと回収してもらえます。
町内会の回収に出すと多少でも町内会の収入になります。

町内会の回収日に雨が降ることは何年もなかったのに
ここ1,2年はたまにあるのです。
一回雨で流れて順延された日に都合が悪く出せなくて
4ヶ月分ためてしまったことがあります。
これが驚くほど大量になりました。
目にするたびじゃまでうんざりしたことがありました。

ちょっと気をぬくとごみってたまりますね。
ごみ屋敷の話題が新聞やテレビで取り上げられます。
処理を怠ると外で拾ってこなくてもあっという間に
ごみ屋敷は出来上がるのではと思います。

子供のころの生活を思い出しました。
あのころは生ごみもカン、ビンも粗大ごみも何一つ
回収される仕組みがありませんでした。
生ごみは庭に穴を掘りいっぱいになると土をかけ
また別に穴を掘ると繰り返していました。
燃えるものは風呂などで燃やしていました。
ですから家の中に処分しきれない品物があるという
ことはしょうがないことでした。
今思うとよく生活が回っていたものだと驚きます。
昔の生活にはそれほどごみになるものがなかったと
いうこともあるのでしょう。
大人になったころには生ごみ回収、粗大ごみ回収も
始まりました。

橘花の仇 鎌倉河岸捕物控

2012-07-20 20:05:29 | 

佐伯泰英著"橘花の仇 鎌倉河岸捕物控"を読みました。
数回しか見ませんでしたけど昔NHKのテレビドラマで
見たことがあるのを思い出しました。
中心的な登場人物は4人の若者です。
しほは浪人の娘です。囲碁を仕事にしていた父を
殺されます。
酒問屋"豊島屋"で働いています。
左吉は呉服屋"松阪屋"で働いています。
亮吉は金座金座裏の宗五郎親分の元で手先をしています。
彦四郎は船宿の船頭をしています。
鎌倉河岸で暮しています。

"仇討ち"
しほの父が殺される話から始まります。
殺した御家人はお金をばら撒きお家断絶とはなりましたが
お構いなしとなりました。
平気な顔をして近所に住んで店を構えました。
しほら4人は敵討ちを企てます。
敵討ちは成功します。
宗五郎親分は見逃してくれます。
あだ討ちって結局人殺しです。
殺されたからやり返すってすぐ決心して実行に移せるもの
なんですね。

"逢引き"
集金帰りの手代や番頭を狙って男女のかっぱらいが
横行しています。
彦四郎が送った成蔵が彼らに殺されました。
しほが雨宿りしていた時に男女が話しているのを
聞きました。
その女が成蔵の妻でした。

"神隠し"
若い女性が神隠しに会うのが頻発しています。
しばらくすると戻ってきますが何も覚えていません。
しほの知り合いの娘が行方不明になり殺されました。
しほは母の持っていた絵の道具で絵や似顔絵書きを
始めます。
外国品の偽の反物の販売と若い娘たちとの乱痴気騒ぎを
望む商人達との引き起こした事件でした。

"板の間荒らし"
上品は老女とその連れとの風呂屋での板の間荒らしが
続きます。
しほの母が残した両親の実家らしい書付が出てきます。
政次が仕事で書かれていた地へ行ったおり取引先で
どんな家か聞いてみます。
父母が許婚同士でありながら人を殺し出奔したことを
知ります。
何年も経っていますが彼らが不正の事実を記した書付を
持って逃げたのを追ってしほを襲う危険があります。

"密会船強盗"
しほの家が荒らされます。
しほは宗五郎の家で当分暮らすことになります。
屋台船の客と船頭が殺されます。
しほがおとりとなって犯人を取り押さえます。
しほの叔母やいとこがあらわれます。

"火付泥棒"
火付泥棒が続きます。
探していた父母が手にした書付が母の絵に隠されて
いたのが見つかりました。
吉原通いをしている船をねぐらにしている穴あけやが
火付泥棒の犯人らしいと目星をつけます。
見つかった書付で今も続く不正の証拠として悪徳家老と
商人を糾弾することができました。

4人はしっかりと友情で結ばれています。
それぞれ個性的です。
短編集でありますが全体を通してしほの両親の過去が
わかる構成になっています。
しほは両親のルーツがわかります。
家の再興を許されますが町人として生きる道を選びます。

映画 "崖っぷちの男"

2012-07-20 10:41:48 | 映画
昨日映画を見に行きました。
暑かったので帽子をかぶっていきました。
置き忘れてはいけないと気にしていました。
それなのに映画が終わって外へ出ていざ帽子をかぶろうと
したらないのです。
どこへ置いてきてしまったのでしょう。
座席を立つときには周りをみまわしたのに。
何年か使って古ぼけてきた帽子で失くして惜しいもの
ではありませんが失くしたということが嫌ですね。
帽子や傘はよく失くします。
若いころはそうでもなかったのに最近はだめです。
デパートの帽子売り場には1万円もする帽子がありますが
しょっちゅう忘れたり飛ばされたりする私には買えません。
まあそうでなくてもそんな高価な帽子は買いませんけど。

見た映画は"崖っぷちの男"です。
久しぶりに単純に楽しい映画でした。
宝石泥棒の汚名をきせられて刑務所にいた元刑事が
脱獄します。
ホテルの高層階の窓から外に出てぎりぎりのでっぱりに
立って自殺する様子を見せます。
警察が出動しホテルの界隈は野次馬でいっぱいです。
交渉人の女性刑事が呼ばれ交渉をします。
隣のビルは彼が宝石を盗んだといわれる会社です。
弟とそのガールフレンドが隣のビルの屋上を爆破して
ビル内に侵入します。
金庫から盗まれたといわれている宝石を盗み出して
汚名を晴らそうというわけです。

騙して罪に陥れた宝石商の社長のなんと悪人ぽいこと。
いかにも極悪非道な人間ですって感じです。
ほかの人物を演じる時は別人になるんでしょうね。

ホテルの部屋にベルボーイに案内されて入ってきた時の
様子がおかしかったのにはわけがありました。
一流のホテルのボーイがなんて態度悪いんだろうと
思いました。
キーカードを渡すのにホイみたいに相手を見ずに
渡していました。
だんだん話が進むにつれてそういうことだったのかと
わかってきます。
宝石を奪う実行部隊の弟とそのガールフレンドも
かっこよかったです。

楽しい映画です。
でもいただけないのは道路で見上げている野次馬達が
「はやく飛べ」ってはやしたてている場面。
えっ、こんな態度とるの?ってすごく悲しい気分
になりました。

赤ちゃんをさがせ

2012-07-19 19:47:58 | 

青井夏海著"赤ちゃんをさがせ"を読みました。
自宅出産の出張助産師の助手が主人公の3編から成る話です。

"お母さんをさがせ"
陽奈は出張助産師の聡子の助手をしています。
健康食品会社の社長の奥さんの出産を依頼されました。
家に行ってみると同じ頃に出産する3人の妊婦さんが
いました。
社長は跡継ぎにする男の子がどうしても欲しくて自分の
子が女の子で他の二人に男の子が生まれたら引き取って
自分の子として届けて育てたいといいます。
その手伝いをして欲しいと頼まれます。
三人に聞いてみるとそれぞれ名前と境遇を語ります。
誰が社長の奥さんなのかわかりません。
誰が奥さんなのかどうしてこの話に乗ったのかを
探していきます。

"お父さんをさがせ"
理帆と透の高校生のペアーから出産の依頼があります。
理帆の家族はいっしょに暮していても無関心で出産間際
なのに気づいていません。
透の両親は外国暮らしをしていっしょに住んでいません。
塾経営者の息子で理帆の家庭教師をしていた米村と
ブライダルコーディネーターの佃の二人が訪ねてきます。
理帆が知らせたのです。
二人とも理帆と結婚してもいいという勢いです。
なぜ理帆は二人を呼ぶようなことをしたのでしょう。

"赤ちゃんをさがせ"
聡子の別れた夫が登場します。
依頼されていた出産が次々とキャンセルされます。
水中出産をする宗教団体が非難されていてマスコミを
賑わせています。
それが影響しているのか元夫がいやがらせをしているのか
陽奈は調べ始めます。

そんなことあるはずないでしょうと思いながら読みました。
小説とは非現実的であっていいのですがなにか
すっきりと受け入れられない話です。

出張助産師って人達がいるのですね。
出産は病院というのが当たり前と思っていますが
家で出産することができるようです。
私は病院でなくて母の実家で生まれたと聞いています。
考えてみればちょっと前まで自宅で生むということは
普通だったわけですから昔は出張助産師は当たり前
だったのでしょうね。

続・森崎書店の日々

2012-07-18 20:55:13 | 

八木沢里志著"続・森崎書店の日々"を読みました。
"森崎書店の日々"の続編です。
前のは中篇が2編でしたが今回は長編です。

貴子の叔父は東京の古本屋街の神保街で近代文学を扱う
古書店「森崎書店」を経営しています。
貴子は二年前に失恋して気力を失くしていた時に叔父に
誘われて書店の二階で暮らしていたことがあります。
叔父や書店に出入りする人達と交流することで元気に
なりました。
今は書店を出てデザイン会社に勤めています。
休みには叔父の書店に遊びに行きます。
叔父は店の前で貴子ちゃーんと大声で呼びかけてくる
人です。
叔母の桃子は一時家を出ていました。
戻ってきましたが病気です。手術してから店を手伝ったり
近所の小料理屋を手伝ったりしています。

貴子には恋人がいます。
書店の近所の喫茶店のすぼうるで出会った和田です。
休日が一致しないのですぼうるで会っています。

貴子は叔父のサトルと叔母の桃子に旅行をプレゼント
します。
しかし帰ってきてから叔父の様子が変になりました。
桃子の病気が再発し末期だと知らされたためです。
後半は桃子を失う叔父の苦しみ、悲しみにあふれた
話になります。
桃子が死後のサトルのために準備しておいた貴子に
依頼したことや手紙などによって書店を再開する
までが描かれます。

叔父が神保町ではありませんが東京で古書店をしていました。
ですので古書店の雰囲気は読んでいてああそうだなぁと
わかります。
街の雰囲気や人々との交流、なんかいいですね。
ほっとした気分になります。
神保町は電車で通り過ぎるだけで一度も歩いたことが
ありません。
一度行ってみたいです。

いとみち

2012-07-17 20:17:38 | 
パソコンを2階から1階へ引越しさせようとしました。
ディスクトップですから重いのです。
せっせと移動させたのにネットワーク接続できずに
半日ケーブルを予備のにしてみたり電源を入れたり
切ったりしてあれこれやってみました。
1階だからだめなのかと再度2階に戻しました。
それでもだめです。
モデムの点かなくてはいけないリンクのランプが
点きません。
モデムが故障したとしか考えられないと思いました。
夜になってしまいどうしようもなくてもう明日に
しようとあきらめました。
1時間ばかりしてモデムを見るとリンクのランプが
点いているではありませんか。
パソコンの電源を入れたらつながりました。
それで今日の分をアップすることができました。
再度移動したらまたおかしくなるかな。
モデムって電源を落とすと正常になるのにかなり
時間がかかるものなのでしょうか。そんなこと
ないと思うけど。壊れかけているのかしら。



越谷オサム著"いとみち"を読みました。
仕事小説です。
高校生の相馬いとが主人公です。
北津軽郡板柳町に住んでいます。
祖母に育てられて津軽弁で話します。
電車で一時間かかる青森のメイド喫茶のメイドの
アルバイトを土日にすることにしました。
店長の工藤と、小学生の子供がいる二十代後半の
葛西幸子と、二十二ぐらいの漫画家志望の
智美の二人のメイドがいます。
店のオーナーは成田です。
太っていて店に時々やって来てジョッキでコーラを飲む
のを楽しみにしています。
メイド喫茶といってもメイド服を着て挨拶は「いらっしゃい
ませ、ご主人様」というだけでほかは特に変った店では
ありません。
いとは津軽弁が強く標準語ではうまく話せません。
あいさつも標準語ではできません。
幸子は気が強い人で、智美は現代っ子です。

母はいとが小学校へ上がる前に亡くなっています。
父は大学教授です。
いとは中学生の時は祖母に習って三味線を弾き大会で
いい成績を残しました。
でも中三から勉強や忙しさを理由に三味線を避けています。
祖母はいっしょに弾きたいのですが無理強いはしません。

メイド喫茶のオーナーや従業員はとても仲がいいです。
旅行にも幸子の娘を加えて全員で出かけます。
しかしオーナーが許可されていない薬の輸入に関わって
警察に逮捕されてしまいます。
メイド喫茶は逮捕前に営業をオーナーから切り離して
あって続けていくことは出来ます。
店長とメイド達は店を存続させようと結束します。
店の客の銀行員が融資が続くよう取り計らってくれます。

いとは店で三味線を弾くミニコンサートを開くことに
なります。
父、祖母や店のお客さんたちがたくさんきてくれて
コンサートは始まります。

いとが仕事をすることで経験する出来事や家族の
絆を深める話です。
登場人物たちは好感が持てる人達です。
孫が三味線を弾こうとするまで無理強いすることなく
まってくれる祖母もいいです。

表紙の絵を眺めていて智美、幸子、オーナー、いと、
父、祖母なんだなと思っていて、あれ店長がいないと
気づきました。
かわいそうに、ちゃんと入れてあげて欲しいな。

野ブタ。をプロデュース

2012-07-16 20:09:39 | 

白岩玄著"野ブタ。をプロデュース"を読みました。
テレビドラマになって題名だけはよく聞きました。
でもドラマは見ていません。
女の子をプロデュースする話だったと聞いたのに本では
男の子をプロデュースする話だったのでよく似た別の
本なのかなと思いました。
ドラマでは設定が変えてあったのですね。

修二は家でも学校でも本来の自分とは違う誰にも
気に入られる人物を装って過ごしています。
小谷信太という男の子が転校してきます。
太った外見の悪い子です。
前の学校でいじめられて転校してきたと思われます。
誰も話しかけません。
信夫はこの学校でも暴力を振るわれいじめられ始めました。
修二は野ブタと呼ぶ信太を人気者とするためプロデュース
するはめになりました。
まず信太の頭を坊主にして話しのきっかけを作ります。
徐々に仲間の環に引き入れていきます。
徐々に信太は変っていきます。

修二はコンビニに行った時に外で騒動が起こっているのに
気づきました。
でも関わりにならないように無視していました。
学校へ行って級友が怪我をしていて彼がコンビニで
殴られていたのだと知らされました。
修二はなぜ助けにこなかったのかとなじられます。
このことを知ったクラスメートからつまはじきに
されることになってしまいました。
修二が意識して自分を作っていたことをクラスメートは
知っていました。

結局修二はリセットして新しく始める道を選びます。

淡々として描かれています。
数時間でさっと読めてしまいます。
うーん、なんか辛い生活ですね。
ちょっと変っているとか自分たちと違うということで
簡単にいじめるのかとため息がでます。
自分を気に入られるよう装うのもきついですね。
ずっと装い続けてそれが本物になってしまえば
それはそれでいいのですが、違うとはっきり意識して
装うのは生まれてきた甲斐がないというものでは
ありませんか。
本来の自分が人に受け入れてもらえないものだと
思っているわけなのでしょう。
自分に自信がないということでしょうか。

赤ひげ診療譚

2012-07-15 20:01:08 | 

山本周五郎著"赤ひげ診療譚"を読みました。
昭和39年発行とあります。
50年近く前に書かれた話です。
古臭い文章なのかなと思いましたが全然違和感は
ありません。
たぶん一度前に読んでいると思いますが覚えていません。
"赤ひげ"の言葉は良心的なお医者さんの代名詞みたいに
使われています。
どんな内容だったかもう一度読んでみようと手にしました。
保本登という長崎で医学を勉強して戻ってきた男が
語る形式で書かれています。
赤ひげと呼ばれているのは小石川養生所の責任者である
新出去定(にいできょじょう)です。
登は婚約していました。長崎で3年間勉強しました。
帰ったら婚約者は別の男と駆け落ちしていました。
養生所へ無理やり行かされました。
始めのうちは反抗していた登ですが殺されかけたところを
赤ひげに助けられてしだいにいっしょに働き始めます。
養生所は貧乏な人達を無料で診る場所です。
無知で健康や医療知識のない人々の悲惨な生活を
目にします。
診療所の経費を削られ通い治療の禁止を言い渡されます。
それでも赤ひげは人々の間を治療して廻ります。
登はお目見え医になるのが目標でしたが養生所で働く
ことを選びます。
赤ひげのしていることは焼け石に水めいています。
でもやらなければいられません。
自分のできる事をせいいっぱいやるしかないのですね。
赤ひげはいつもぶつぶつ言っています。
これで何かが変るというわけではなく自信にあふれて
いるわけでもありません。
やれるだけのことをしようとしている人なのだと
思います。
貧しいということは悲しいことですね。

数多くの本が出版され次々に消えていきます。
この本は残った本です。
読みやすい本です。

心霊探偵 八雲3

2012-07-14 21:42:35 | 

神永学著"心霊探偵 八雲3"を読みました。
BOOK OFFで見かけたので買いました。
2巻で八雲と主義が異なる八雲の父親が登場した
みたいです。
でも読んでなくても特に困ることはありません。
1巻は中篇集でしたが3巻は長編です。
八雲の性格がわかってきました。
1巻では嫌な奴という感じがしましたがだんだんと
薄れてきました。
だけど好きとは言えません。

八雲は片目が赤くて死んだ人が見えます。
八雲が住み着いている大学内の部屋へ不思議な
現象を調べて欲しいと依頼者がやってきます。
屋上から自殺した女性がいます。
彼女は幽霊となってからも何度も何度も自殺を
繰り返しています。

真琴、麻美はスナックで裕也と伸一に出会います。
トイレで幽霊の姿を見ます。
麻美が部屋からいなくなりました。
部屋にいる真美と電話で話していて部屋へ行くまでの
数秒の間に消えてしまいました。
その時は霊媒師の神山もいっしょにいました。

八雲の知り合いの刑事の後藤は石井と共に昔の
強姦事件を調べなおしています。
後藤は命令に従わずに浮いた存在になっています。
八雲の大学の知り合いの学生の春香も調べ物を
手伝います。

たびたび裕也は幽霊を見て恐怖心でいっぱいです。
裕也が消えました。
伸一が自殺した沢口理佳の強姦犯人として服役して
いたことがわかります。
裕也は後藤の上司の井手内の息子です。

今回の幽霊騒ぎは冤罪や自殺に追い込まれた人の
関係者が仇を打つためにしくんだことでした。
警察官が絡んだ悪事です。
強姦の被害者を自殺に追い込み真犯人を隠蔽し
無実の人に罪をかぶせました。

八雲が真実を突き止めていきます。
心霊探偵と銘打っていますが八雲は幽霊が見えると
いうだけです。
あとは普通の探偵です。
またしても悪徳警察官かといいかげんため息がでます。
刑事の後藤と石井のコンビはいい雰囲気です。