雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ホテルジューシー

2010-11-30 21:10:19 | 
坂木司著"ホテルジューシー"を読みました。
"シンデレラ・ティース"と対になった本です。
"ホテルジューシー"の柿生浩美と"シンデレラ・ティース"の
叶咲子は大学の友人です。
夏休みにアルバイトをすることにしますが性格の違う
二人は違う仕事を選びます。
そのアルバイト中の出来事を書いたものです。

浩美は共稼ぎの両親と大勢の妹、弟がいます。
しっかり者の長女として家族の面倒を見てみました。
兄弟も大きくなってやることがなくなりました。
それで沖縄の石垣島のホテルで働くことにしました。
仲間ともうちとけ急がしく楽しく働いていましたが、
オーナーから頼まれます。
沖縄本島の知り合いのホテルで人手がなく困っているので
行ってくれないかと。
断れずに行くことになりました。

"ホテルジューシー"それがホテルの名前です。
アルバイトのフロントの人から仕事を教わります。
ホテルの隣の喫茶店兼バーをやっている人安城がオーナー
代理です。
でもふだんはホテルの仕事にタッチしません。
調理担当の比嘉さん、クメさんとセンさんの双子の
おばあさんが掃除係です。クメばあ、センばあです。
仕事を教えてくれた松谷さんはそれじゃあと行って
しまいます。
昼間はぼーとしていて頼りにならないオーナー代理です。

アルバイトにフロントを任せ、パートの従業員で
回っていくホテル、そんなむちゃなという気にさせます。

"ホテルジューシー"
ヒロちゃんがホテルジューシーに来ることになった
プロローグです。
お客さんの山本さんが部屋で倒れます。
お酒の飲みすぎで胃を壊しています。
ずっとやってきた仕事を止め、子供に疎まれさみしさを
お酒に紛らわしている山本さんです。

"越境者"
高校生と思われる二人ずれの女の子が泊まりにきます。
ふらふらとあぶない感じの女の子です。
男たちにちやほやされ簡単についていってしまいそうで
ひやひやして見ています。
夜は部屋に入らず表にいて、男たちともめて連れ去られ
そうになります。
でも一人の女の子にはある訳がありました。

"等価交換"
古物商のお客が箱をいっぱい抱えて泊まりにきました。
あやしい人がホテルのまわりをうろうろするように
なります。
偽者を売りつけられたと怒鳴り込んでくる人があらわれます。
いんちきくさい商売をしている田中さんです。

"嵐の中の旅人だち"
この話はなんだかいやな話です。お客さんが道を踏み外して
悪の道へ入っていってしまう話です。
まだ引き返せるのだよというオーナー代理の言葉を振り切って
悪い方へ人生の選択をするのはどうしてなのか疑問に感じます。

"トモダチ・プライス"
屋台のお弁当屋さん、ヤスエさんと知り合って家での
餃子パーティに招かれ楽しんでいるヒロちゃんです。
でも経営を無視してやっていた商売は挫折します。
身を持ち崩しそうなヤスエさんを無理やり故郷に
帰してやるヒロちゃんです。
そんな仕事を紹介したのが友達だと思っている人で
ありがたいとおもっているヤスエさんやその友達の
行動に唖然とします。

"同じじゃない"
仲のいい夫婦が泊まりにきます。
3日目あたりから様子がおかしくなり奥さんは市場で
働いているようです。旦那さんはぼんやりと一日を
過ごしています。
この様子から旦那さんに腹を立ててしまったヒロちゃんは
つい旦那さんを非難する言葉を投げつけてオーナー代理に
頬を叩かれます。
実際のことはヒロちゃんが見て感じたこととは異なって
いました。市場で出会った奥さんが実際のことを
話してくれました。
でもなぜオーナー代理は二人のことをヒロちゃんに話して
おかなかったのでしょう。お客さんのプライバシーを
守るためとはいっても却って問題を引き起こすことに
なるでしょうに。

"微風"
エピローグです。
東京へ帰ってサキと夏の出来事を話合っています。

昼はボーとしていて夜と台風などの突発事件が起きると
しゃっきとして対応してくれるオーナー代理です。
ヒロちゃんはちょっと恋心をいだいているようです。
恋人にするには難しい人でしょうね。
ホテルのクメばあ、センばあ、比嘉さんはとてもいい人
たちです。
でも出会う人たちは危険な人たちや信用できない人たちが
多くいます。
沖縄行きたいなという気持ちと、嫌だなあという気持ちが
半々に起こりました。
ジューシーって雑炊のことだそうです。

チョコレートの町

2010-11-29 21:14:04 | 
飛鳥井 千砂
双葉社
発売日:2010-07-21


飛鳥井千砂著"チョコレートの町"を読みました。
遼は東京、正確には川崎で不動産会社の店舗の店長を
している28歳です。
付き合っている沙知はアパレル会社に勤めています。
田舎を嫌って大学から東京で生活をしています。
帰ろうと思えば途中まで新幹線を使って2時間程度で
帰れる場所ですがもうずいぶん帰っていません。
そんな時突然人事部監査室の吉村がやってきてそのまま
故郷に連れて行かれます。
故郷の店舗の店長が不祥事を起こしたため問題が解決
するまでの臨時店長をまかされることになります。
チョコレート工場があり常にチョコレートの甘い香りが
漂う町を遼は嫌っています。
実家に寄宿することになりますが、久しぶりに訪ねた
のに歓迎する言葉はなく元からいたようなふるまいです。
そういう無神経さにもいらだっています。
町を歩けば学生時代の知り合いに行き当たるという
狭さです。

代わりの店長候補は決まらずなかなか帰れません。
店の田村さん、若槻さんとだんだんと打ち解け合う
仲になります。
お兄さんの年上の中学生の娘を持つ恋人の出現や
お父さんの早期退職、チョコレート会社と町の人達との
争い、夏祭りの実行委員会、昔の仲間との交流などが
描かれています。

東京の店には自分は必要とされていないのではないかと
自信を失くす時もあります。

遼はこのまま故郷に残るのでしょうか、それとも東京へ
帰ることになるのでしょうか。読んでください。

遼は故郷を見直し、付き合っていた彼女との関係も
見直し、自分の存在も考えることになりました。

監査室の吉村さんがとてもかっこいいのです。
何回か登場します。
恰幅がよくこわもて、刑事に取り調べられている気に
なるという人がいますが、遼の話をよく聞いてくれて
的確なアドバイスをくれます。
店の若槻さんは50過ぎの女性ですが苦労して培った
魅力を備えています。


祖父江町の黄葉まつりと妙興寺

2010-11-28 20:18:00 | 最近の話題
名鉄電車の沿線ハイキングに参加してきました。
今日は稲沢市祖父江町の森上駅から山崎駅間です。
山崎駅の周辺では黄葉まつりが開催されていて
すごい人出でした。屋台が出ていて、お寺の境内では
バンドが演奏していました。
あたり一面があざやかなイチョウの黄色で敷きつめられ
います。祖父江町は銀杏の産地です。
銀杏を取るためのイチョウですが、その葉っぱの黄色は
見て楽しませてくれるものです。
名古屋のイチョウの街路樹は青いうちに徹底的に刈り
込まれてしまいました。
楽しみにしていたのですが黄色くなることを許され
ませんでした。
沿道の人たちの落ち葉掃除は嫌だという声が出たの
でしょうか。
祖父江町のイチョウを充分堪能してきました。






帰りに一宮から普通電車で名古屋よりに1駅目の
妙興寺へ寄ってきました。
妙興寺という駅があることに気がつきませんでした。
友達に教えられて行ってみました。
大きなお寺です。禅寺だそうです。入ってみて
京都のお寺のようだとふっと思いました。
まわりを木々に囲まれています。池がいくつか
あります。
今は所々にあるもみじが真っ赤になっていて
その部分が明るく華やいでみえます。
訪れる人もほとんどなく静かな雰囲気です。
しかし駅名は妙興寺なのに駅には何の案内もありません。
道路にも表示板もなく来て欲しいという気持ちが
まったくないのでしょうね。
駅から5分程度ということだけはインターネットで
調べておきました。
なんの根拠もなく、こっち、と思って歩いていった
方角に妙興寺はありました。すごい勘。





となりに一宮博物館があってりっぱな建物なので
行ってみました。入場料200円です。
一宮は織機の町でしたので、織物の機械の展示が
多くありました。糸を紡ぐのや織機で織る実演を
していました。子供たちが熱心に見ていました。
あと出土した土器の展示も数多くありました。



世界でいちばん長い写真

2010-11-26 21:22:18 | 

誉田哲也著"世界でいちばん長い写真"を読みました。
宏伸は中学三年生です。親友の洋輔が引越してしまい
元気を失くしています。
宏伸は写真部員ですがしぶしぶ活動しているといった感じです。
近所に住んでいるおじいさんは古いものを集めてきては
再生して売っているリサイクル屋です。
いとこのあっちゃんは5つほど年上の元気な女の子です。
おじいさんが留守の時にあっちゃんに呼びつけられ
行った店にあったのが古い写真機です。
フィルムで撮る不思議な写真機です。
撮り方がわからなくてミヤモト写真館に持ち込みその
写真機が360度のパノラマ写真を撮るために作られた
ものであることを教えてもらいます。
写真機が回転して写し撮っていくのです。
その写真機で撮ったひまわり畑の写真は始めて撮った
写真ですが皆を感動させるいい写真になりました。

写真機がおじいさんのものではなく知人のものを
預かっているのだとわかります。
写真機の持ち主松本さんは長い写真のギネス記録を
持つ人でした。
何度も回転させて長い写真を撮ることができる、
風景だけでなく人を撮ると一度目と違う衣装に着替えたり
プラカードを持ち替えたり、動きに変化を与えて
おもしろいものが撮れると話を聞きます。

中学卒業のイベントを考えている時で宏伸はふとギネス
記録に挑戦する長い写真を撮ったらどうかなとつぶやきます。
それが実現することになり、実行委員長をすることに
なります。
人をリードすることのなかった宏伸がリーダーとして
生徒達をまとめ、、大人たちの協力を得、写真を撮ることを
楽しむ中学三年生の出来事を書いたものです。

回転させる写真の話もおもしろかったし、みんなで何かを
なしとげるためまとまっていく過程もたのしかったです。

いとこのあっちゃんが宏伸をふりまわしていますが、
活発で魅力的な子です。

インフルエンザの予防接種

2010-11-25 22:53:27 | 最近の話題
今日職場でインフルエンザの集団予防接種がありました。
もちろん希望者だけです。
去年も集団予防接種が行われるはずでした。
ですが新型のインフルエンザの流行でワクチンの製造が
新型中心になり従来型の製造が少なくなって必要数
確保出来なくて中止になってしまいました。
個人で打ってくれる病院を探して打ってもらえばいいの
ですがおっくうがっているうちに日は過ぎてしまいました。
幸いにも従来型にも、新型にも罹らずにすみました。
今年のは新型、従来型どちらも入ったものだそうです。

20代に2回ほど熱を出して1週間ほど寝込んだことが
あります。
あの時はつらかったです。トイレに行くため歩くのさえ
体がぎしぎしとして自分の体ではないみたいでした。
熱が下がって仕事へ行き始めた最初の1週間は意識が朦朧
としてただ時の経つのを椅子に座って待っていました。
この間もつらかったです。
病院へ行かなかったのでインフルエンザだったのかどうか
わかりませんが、症状からインフルエンザだったのではと
思います。
あんなことはもう繰り返したくはありません。
予防接種で防げる確率が高いのなら、予防接種は受けます。

今日の夕刊にノロウィルスでの発病が流行っていると
書かれていました。
こちらはお腹をこわすウィルスです。
いろいろ流行っていて嫌ですね。
どちらも手洗い、うがいに、疲労しないように心がける
ことが大切ですね。

キサトア

2010-11-24 21:09:09 | 
小路 幸也
理論社
発売日:2006-06


小路幸也著"キサトア"を読みました。
今まで読んだ小路さんの小説とはちょっと雰囲気が
違います。
現実の世界からちょっと離れた、読者は小学生高学年を
想定しているのだと思います。もちろん大人が読んでも
おもしろいです。
不思議な感覚の本でした。
キサトアは双子の姉妹、キサとトアです。
キサは日の出と共に起き、日の入りと共に寝てしまいます。
トアは反対に日の入りと共に起き、日の出と共に寝ます。
2人が会話出来るのは一人が起き一人が寝るほんの数秒だけ。
主人公は2人の兄アーチー。お父さんのフウガは風の
エキスパートです。風を読む才能があります。
双子のことがあって今は休職中です。
海のそばの町に住んでいます。カンクンジョと言われている
宿をやっています。
アーチは芸術的な才能があって常に何か作っています。
アーチの友人、近所のレストランの主人、パブのママ、
カンクンジョの長期滞在のお客さんたち、大勢の人たちに
囲まれて幸せに暮らしています。

漁師たちが魚の水揚げが減ってお父さんのフウガを責めます。
フウガが設置した巨人の腕と呼ばれる風車を設置したことが
原因ではないかと疑われます。
水のエキスパートのミズヤさんが調査にきます。

海に突き出た泣き双子岩の、双子を呼び寄せ海に引きずり
こむという伝説やマッチ棒で作品を作るというマッチタワー
コンテストなどのエピソードがちりばめられています。

自然と人間との関わりを風のエキスパート、水のエキスパート
がアーチーに語ります。
作者が子供たちに語りたいことなんだろうと思います。

読み終わってさわやかな気分になる本でした。

秋は柿の季節です

2010-11-23 21:15:35 | 日常の出来事
柿の季節となりました。
今日は岐阜の実家へ行って柿をたくさんもらってきました。
私の家族はみんな柿好きです。
岐阜は富有柿の産地です。
へたの部分が黒ずんで市場へ出せないものが一山いくらで
安く売られている店があります。
そこで買ってきたものを、いつももらってきます。
へたの部分さえそぎ落とせば普通のおいしい柿です。
秋のたのしみです。


大きい柿は富有柿、小さい柿は下の弟の家の柿の木に生ったものです。
どちらもおいしかったです。

きまぐれ自動販売機

2010-11-22 22:28:52 | 日常の出来事
職場のコーヒーの自動販売機のことについては今まで
たびたび話題にしてきました。
今日もまた自販機の話です。
100円入れて70円のコーヒーを買いました。
お釣りがちゃらんちゃらんと出てきました。
手に取ってみるとなんと10円玉が5枚もあります。
いままで余分に返してくれたとしても10円です。
今日は20円も余分に返してくれました。
これはちょっと多すぎる。
考えてみました。
私の前に買っていった人が忘れていったのに違いない。
前に買っていたのは同じ課の人です。
その人の所へ行って「取り忘れませんでした?」と
聞いてみました。
「忘れてない。僕も10円多く出てきた。」
今日の自販機はどうやら大盤振る舞いしているようです。

返さなきゃいけないではないか、と言わないで下さい。
なにしろこの自販機は気まぐれで、お釣りを20円しか
返してくれないことがよくあります。
たまに余分に返してくれてそれで辻褄があってちょうど
いいのです。
でも取られた額の方が返してくれる額より多い気がします。
5年も前からこの話題書いています。
この自販機、「取替えてしまえ」と言われないでよく
がんばっているものです。
取られる額も余分に返してくれる額もだいたい10円ですから
みんなまぁいいか、で文句がでないのでしょうね。

庄内緑地公園

2010-11-21 22:54:17 | コンピュータ
昨日は庄内緑地公園へ行ってきました。
数日前に友人がこの公園の写真を送ってくれたので
私も行って写真を撮りたくなりました。
ずいぶん昔に2,3回行ったことがあります。
10年前か、20年前かぐらいの昔です。
ぜんぜん記憶にないんです。
こんな所だったかなぁと頭ひねってました。
スポーツ部の学生たちが何組も来ていました。
いろいろなコートがあり、使われています。
それとは別に陸上部らしい人たちが何組も来ていました。
大会でもあったのでしょうか、ゼッケンをつけてタスキを
かけて走っている人たちがいました。
それにしては審判も応援する人もいなくて不思議でした。
ゆっくり歩いて一回りしてきたら一時間半ぐらいかかって
しまいました。かなり広いです。

バラ園はみごとです。今が見ごろなんですね。
他のバラ園をいくつか見ましたがここのバラ園は一番
きちんと手入れがされていました。
記憶にぜんぜんないのですが、池があります。
魚つりに興ずる人たちがいました。
釣り禁止という看板が出ている所を多く見かけますが、
ここは釣りをしてもいいみたいです。
木々の葉っぱが黄色や赤になっていてそれらを見ていたら
頭の中のもやもやしたものが煙になって抜けていく感覚が
ありました。

前は小さな子供を連れた家族がたくさん芝生をうめていた
ような気がします。今回は少なかったです。
早い時間だったからなのかなぁ。

15,6面ものゲートボール場があったのですが誰も
やっていません。そういえば最近はゲートボールをやって
いるという話聞きません。もうすたったのでしょうか。

歩くのもいいけど自転車で走りたいな、今度は自転車で
来ようかと思いました。前に一度来たことがあります。
来れない距離ではないですが二時間ぐらいは見ておいた
方がいいでしょう。やってみる気が起きるかなぁと思い
ながら歩いていたら入り口の所でレンタサイクルして
くれるようです。今度来た時は借りることにします。











小美代ねえさん 花乱万丈

2010-11-19 21:41:58 | 

群ようこ著"小美代ねえさん 花乱万丈"を読みました。
浅草の見番に勤めている父と、母の間に美代子は生まれました。
右手がうまく開けません。
小学校では先生からどうして動かさないのだと無理を
言われてさぼることが多くありました。
そのため読み書きや計算はあまり出来ません。
三味線を習っています。もっと難しいものを極めたいと
厳しい師匠についています。
14歳のときに芸者になりたいと自ら志します。
置屋もしつけに厳しい店を選びました。
しかし戦争でいったんは家に帰ります。
戦争中は家族で戦火の中あちらこちらへ逃げまどいます。
戦後は子供のころより知り合いの人と所帯を持ち子供を
2人もうけます。
起こした商売は最初はうまくいっていたのですが
そのうちつぶれてしまいます。家によりつかなくなっていた
夫はその時末期の病気にかかっており亡くなってしまいます。
父親の死、自分の病気、母親の病気など苦労をします。
再度芸者に戻ります。
座持ちのよさ、三味線の腕などで重宝がられてずっと
芸者を続けていきます。
50歳過ぎて置屋を止めるという女将から置屋を引き継きます。

小美代ねえさんのがんばった人生を描いた話です。
苦しい時もあったけど明るくたくましく生きました。
続きがあるようです。悪くはない本ですが1冊読めば充分です。

チャリティーコンサート

2010-11-18 23:31:29 | コンピュータ
今日の夕方に愛知県芸術劇場コンサートホールで開催された
名古屋銀行チャリティーコンサートへ行ってきました。
指揮チャールズ・オリヴィエリ=モンローさん、ピアノ奏者
迫 昭嘉さん、名古屋フィルハーモニー交響楽団の演奏です。

曲は次のものです。
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 序曲
ショパン/ピアノ協奏曲第1 番ホ短調 作品11
ドヴォルザーク/交響曲第8 番ト長調 作品88,B.163

一律千円です。席は2階舞台の後ろパイプオルガンの
下でした。演奏者を後ろから見下ろす場所です。
普通後ろ姿しか見えない指揮者は顔が見えてこんなふうに
指揮しているのだとわかります。
聴衆と向かい合わせになって見られているという気に
あまりいい気分ではありません。
こちら側も見ているわけですからおあいこですか。

ピアノ演奏は最近ピアニストを目指してがんばっていると
いうを読んだばかりですのでしっかり聞きました。
流れるような優雅は音でした。
最後の方はうつらうつらして聞いていました。
寝てしまうほど気持ちいい演奏だったということです。
いい演奏会でした。

きままな娘 わがままな母

2010-11-17 23:43:22 | 

藤堂志津子著"きままな娘 わがままな母"を読みました。
母と娘、家族を扱った本です。
二人の関係わかるなと思いつつ読みました。
沙良は37歳、独身で母親と暮らしています。
2級建築士でインテリアコーディネータをしています。
父親は数年前に亡くなり、2つ下の弟は離れた所に
住んでいます。父親は穏やかで家族思いのいい人でした。
頼りないと思っていた弟も父親に似てきてしっかりしてきて
思いやりがあると人間だと最近気づきました。

会社勤めをしていましたが独立することにしました。
家を改装し事務所としました。思っていなかったのに
母が改装費用を貸してくれました。

好みではない男たちが複数で寄ってくるそんな時期が沙良には
人生で数回ありました。
悩みを聞いてもらいたくて数時間もぐちを聞かされたり
追いかけまわされたりしました。
好きだと思う人には手ひどく避けられて落ち込む沙良です。

兄弟5人の一番したに年が離れて生まれたお母さんです。
13歳離れたお姉さんのことを慕っています。
それこそ夫、子供を置いて一番目を占めているほどにお姉さんが
好きです。当のお姉さんにはかなり疎んじられています。
姪の結婚の世話をやいてそのことで恨みに思っているんだと
聞かされてちょっと気持ちが離れたようです。

くも膜下出血で倒れたお母さん、でも幸いなことに手術も
うまくいき後遺症もなく回復しました。
心配し介護する沙良、口うるさい伯父伯母の攻撃を受けている
のをひややかな目でみているお母さん。
数年前に結石で入院した時に仕事と介護で疲れて病院で倒れて
寝ている沙良をみっともないと言ったお母さん。
心を傷つけられその悲しみをぶつけた沙良はお母さんから
そんなことを言った?すまないことをしたと本気であやまられます。

弟の一郎が突然結婚します。相手は不相応な家柄と学歴、
職業の人です。
でもこの美々さんがとてもいい人なのです。
お母さんを慕ってくれます。実家の両親は冷たい人たちで
年の暮れに数日泊まりに来た時はお母さんの後を子供のように
ついてまわっていました。
弟たちの家にいっしょに住まないかとの申し出に喜んで
行った母ですが数ヵ月後に帰ってきます。
ホームシックになったと。
美々さんはまたいつでもどうぞ来てくださいと言ってくれます。

沙良の目線で書かれています。お母さんは結構ものわかりの
いい人で娘のことを理解し支えてくれています。
でも時々わがままで子供達を悲しませるような行動を
取ります。
むかっとしては寄り添う母と娘の心の内が描かれています。
なかなかいい本でした。

図書館の神様

2010-11-16 21:34:18 | 
瀬尾 まいこ
マガジンハウス
発売日:2003-12-18

瀬尾まいこ著"図書館の神様"を読みました。
早川清(きよ)大学を卒業して講師として高校で国語を
教えています。
中学、高校とバレーボールをやってきて生涯バレーボールを
続けていくつもりでいました。
高校時代の試合で補欠の山本さんを試合に出したところ
負けるはずのない試合にぼろぼろに負けました。
試合の後で山本さんにきびしいことを言ったらしい。
次の日山本さんがマンションから飛び降りて自殺したと
伝えられました。
自殺に追い込んだとまわりから見られ、バレーボールを
止め思い描いていた人生から離れた道を生きることに
なりました。

高校で文芸部の顧問になるよう命じられます。
部員は一人だけ。垣内くんだけです。
彼も何かがあってスポーツを止めたらしい。
サッカーをやっていたが仲間が倒れて長期入院するという
ことがあったことが原因のようです。

でも垣内君は文学を楽しんでいます。
清は国語の教師からぬ人物で本も読んでいません。
清と垣内君の関係は先生と生徒という関係より
垣内君が先生をひっぱっていっている感じです。
しっかりものの生徒にたよりない先生です。

不倫相手のパテシエの浅見さん、よき理解者の弟
拓実などが登場します。

1年後、教師採用試験に受かって正規の教師として
出発しようとしている清です。

いい本です。読みやすいし、わかりやすい。
文句をつけるところはありません。
でもそれだから好きかといえば好きではないです。
そんな本はあります。

あすなろ三三七拍子

2010-11-15 22:36:25 | 
重松 清
毎日新聞社
発売日:2010-03-13


重松清著"あすなろ三三七拍子"を読みました。
ずいぶん厚い本で最初のうちつまらないなぁと感じて
途中で投げ出すかも、と思っていたのですがだんだん
おもしろくなって読了しました。

世田谷商科大学は現在は合併してあすなろ大学に
なっています。
応援団は団員がいなくなって廃部寸前です。
それを憂えた応援団OBがとんでもないことを
考え出し実行してしまいます。
藤巻大介45歳、高校生の娘がいる中年サラリーマンです。
あすなろ大学へ社会人入学してして応援団へ入るよう
命じられます。

部員募集して入ってきたのは野口健太、お父さんが
世田谷商科大学OBで元野球部員、末期の病気で
入院中、試合の時の応援団の声援の様子を聞かされて
いました。
保坂翔は大介の娘美紀のボーイフレンドです。
大介にむりやり応援団に引きずり込まれます。
金色に染めた髪で軽いのりのへらへらした青年です。
でも彼がいると場が和みます。人脈もたくさん持っています。
松下沙耶、応援部の部長が女性でその下で学んでいます。
論文を書くため応援団へ入部します。

斎藤、山下は応援団のOBです。現応援団を指導
するため送り込まれてきて仕事そっちのけで毎日のように
大学にやって来て指導します。

いっしょに応援するチアリーダー部や吹奏楽部との交流
もあります。吹奏楽部は応援のための演奏は止めると
言っています。

リーダーと太鼓に旗手の最低限必要な人員しかいない
応援団です。
挨拶は押忍!いつも押忍。押忍が飛び交っています。

ずっと昔からのライバル大学のケイガクとの合戦が
中心の応援団です。相手校の応援団は部員が多いです。

練習にあけくれ合宿生活したりと短い期間だけどに充実
した時を過ごします。団員、OB、ライバルなど多くの
人との絆は深まりました。
そして会社へと戻っていきます。

応援団OB連の力が強烈です。
圧力かけられる現役はありがたいと思うのか、それとも
うるさいと思うのかどちらでしょう。
この人たちの強いノスタルジーが起こした出来事です。
でもそうやってささえていないとばたっと倒れてしまう
応援団ってどうなんでしょう。
自然のままに潰すというのもありだと思うんですけど。
今回はなんとか存続できたようですがこの先はどうなる
のでしょうね。隆盛を誇るようになるのでしょうか。

桜ハウス

2010-11-14 22:12:18 | 
藤堂 志津子
集英社
発売日:2006-09-26


藤堂志津子著"桜ハウス"を読みました。
なかなかいい本でした。
蝶子は36歳の時叔母から古い家を遺産として貰います。
そこをリフォームして2階に3室作って入居者を募集します。
それぞれの部屋に小さいキッチン、ユニットバスが付いて
いますが、この家は大家さんが1階に同居していますが、
今はやっているシェアーハウスといった感じのものです。
住んでいたのは蝶子36歳、遠望子31歳、綾音26歳、
真咲21歳の年齢差がある女性たちです。
何年か後に真咲、遠望子は結婚等で出て行きます。
それぞれに連絡は取り合っていたものの4人そろって
会うということはありませんでした。
七年後に4人はこの桜ハウスに集まって食事会を
開くことになりました。

この4人仲がいいのです。友達というより家族に近い
感覚です。
綾音だけはずっとこの家に住んでいます。
田舎のまだ若いお母さんの野利子が出てきた時のために
空いた一部屋を確保しています。
遠望子は職場の上司と酒の上での一晩の出来事で女の子を
さずかり姉夫婦と同居し仲良く幸せに暮らしています。
真咲は離婚しています。
綾音は申し分のないしっかりした男性と婚約をしては、
一方で浮気をしてどうしようもないいいところのない
職なく暴力をふるうような男と二人いっぺんに付き合い
そしてしばらくしたら二人ともと別れるということを
6回も繰り返しています。

4人+野利子を加えて5人はこの後交流が復活して
しばしば集まっては食事したりおしゃべりしたりして
過ごすことになります。

真咲のお母さんの病気の介護や死、綾音の男付き合いの
ごたごたなどがあります。
最後の話はおもしろいです。
レストランでみんなで食事をしていた時に遅れてきた
野利子の後から連れのようにしてついてきた男性の
久樹が桜ハウスの居候となります。
とてもまめな男で食事、掃除などこなします。
それだけでなく5人の女性の相談相手としてひっぱり
だこです。
そのうちプロポーズしてくれたら結婚したいという
者が続出します。
ある日友達が病気だと出かけたまま戻ってきませんでした。
その時になって誰の知り合いでもない、みんなが誰かの
知り合いなんだと勘違いして連れて来てしまったと
わかります。
詐欺師だ、ホームレスだと言いますがみんな久樹の
ことを懐かしく思っています。

女の友情、いいですね。
楽しい本でした。