雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

女だてら 麻布わけあり酒場

2016-03-31 21:00:00 | 

風野真知雄著"女だてら 麻布わけあり酒場"を読みました。
シリーズ第1巻目です。
2巻を最初に読んでしまいました。
1巻を読んでことの起こりがわかりました。
元同心の星川勢七郎、札差の息子で勘当された日之助、
瓦版書きの源藏の三人が居酒屋を始めます。
三人が通っていた人気の居酒屋の女将のおこうは聞き上手
料理上手で三人は惹かれていました。
居酒屋が付け火と思われる火事で焼け、おこうは亡くなります。
彼女をしのんで同じ店を建て居酒屋を再開します。

信用して雇ったおかまの女将に取り込み詐欺をされ店の
開店は遅れます。
店におこうの娘だという小鈴が母を訪ねてきます。
14歳の時に母に捨てられたと言い、母を好いてはいません。

おこうとの付き合いは1年ちょっとで短いものなのに
ここまで人に好かれるとは人を惹きつけるものをもった女性
だったのですね。

黒い羊 SRO警視庁広域捜査専任特別調査室Ⅳ

2016-03-30 21:00:00 | 

富樫倫太郎著"黒い羊 SRO警視庁広域捜査専任特別調査室Ⅳ"を
読みました。
今回は近藤房子は近況がちょっと書かれているだけです。
やはりシリアルキラー物です。
今回の主役は14歳で祖父、両親、妹を殺し寝袋に入れてその
そばに座っていた少年の太刀川遼一です。
医療少年院で7年間治療を受けて退院し、富良野のペンションで
働いていました。
彼は顔に痣があり、いじめられていました。
蛾の養育が趣味でした。
醜いものが美しく変態することが心を捉えていました。

ペンションから太刀川が姿を消しました。
そのペンションに泊まっていて太刀川とトラブルになった学生が
自転車での旅の途中でやはり行方不明となっています。

阿刀田の治療方針を決めずっと監視していた法務省からSROに
太刀川の行方を捜してくれるよう依頼がありました。
7年間従順で治ったと見なされていました。
SROの山根室長はシリアルキラーのスイッチが入ったのだと
考えます。

北海道、東北とSROのメンバーは出張して活躍します。
最後はまたしても針谷、富田が呼ぶところのハリーがまたまた
やってしまいます。

シリアルキラーはどうにもならない自分で止められないものと
されています。
捕まるか殺されるか自殺するかだとなっていますが別種の人間と
いうことなんでしょうか。
願わくば出会いたくないものです。

なみだ縮緬 着物始末暦 五

2016-03-29 09:27:53 | 

中島要著"なみだ縮緬 着物始末暦 五"を読みました。
前巻のことほとんど忘れています。
着物の染み抜きや汚れ落とし、別の物へ作り変えなど着物に
まつわる仕事をしている余一が主人公です。
偏屈な人で簡単には動いてくれませんが、引き受けてくれた
ことはいい方向へ解決するよう努力してくれます。
一膳飯屋のだるまやの娘のお糸は余一に恋しています。
しかし余一はお糸を受け入れようとはしません。
4話の連作です。

"神の衣"
呉服問屋大隅屋に嫁いだお玉は姑の意向で既婚者としての髪型や
着物などを着せてもらえず娘のように着飾られています。
姑を説得して嫁らしくしたいと思っています。
お糸の前には紙問屋の若旦那の礼治郎が現れます。

"吉原桜"
吉原の花魁の唐橋は面倒を見てきた振袖新造だった紅鶴が本気で
惚れた男を諦めさせようとします。

"なみだ縮緬"
余一はお糸にもうやってくるなと愛想つかしされます。
雨の中倒れたお糸を冷次郎が家まで背負ってきます。
礼次郎はお糸に求婚します。
九年も前の子供のころからお糸を見守ってきたといいます。

"未だ来らず"
陰間茶屋で働いていた千吉が、元の仲間で今は市村座で女形を
している雪弥が客からもらった衣装を盗みました。
古着屋をしている六助のところへ千吉の居場所を教えろと
怒鳴り込んできました。
雪弥はその衣装を着て客の前で踊りを披露することになっています。
余一たちはその衣装の代わりのものを用意してやります。
その踊りはみんなの心を奪う素晴らしいものでした。

余一の生い立ちには秘密があるようです。
前巻までに明かされていたような気がしますが忘れました。
六助は知っているようです。
余一とお糸、じれったいですね。

乙霧村の七人

2016-03-28 21:00:00 | 

井岡瞬著"乙霧村の七人"を読みました。
二十二年前に山奥の一軒しか住民がいない乙霧村で、小学生の
男の子一人を残して祖父母、父母、姉が殺される事件が起きました。
その事件をノンフィクションとして本を出版した大学教授の
ゼミの学生達六人が乙霧村へ旅行に出かけました。
廃墟となった村で学生たちは傍若無人にふるまいました。
白いカッパを着たがっしりした男が現れて一人の頭を殴り倒しました。
一旦姿を消した男は斧を持って彼らを追いかけました。
五人が三年生で一人が四年生です。
四年生の女性の目を通して書かれています。
学生たちは問題ありの者たちでそれぞれ思惑があります。
命がけで必死に逃げ回る様子は、実際にこんな状況に陥ったら
生きた心地はしないでしょう。

事件は冷静に戻った男の意識の喪失で終わりました。
結局は死者は出ませんでした。
行方不明になった者が一人います。
犯人は何も言おうとしません。

二十二年前の事件、今回の事件の真相を彼女は調べようとします。

孤島ものでどんどん死者が出る種類のものかと思いましたが
ちょっと違いました。
前半の逃げ回る場面は迫力がありますが、その反面たいくつです。
後半の真実を見つけていく場面の方がおもしろいです。
へぇ、こういうことだったのかと意外性がよかったです。

それにつけてもなさけない学生たちですね。

キラークィーン SRO 警視庁広域捜査専任 特別調査室 Ⅲ

2016-03-27 21:00:00 | 

富樫倫太郎著"キラークィーン SRO 警視庁広域捜査専任
特別調査室 Ⅲ"を読みました。
Ⅰで捕まったシリアルキラーの近藤房子が再登場です。
厳しい検察庁での取り調べに対して何もしゃべろうとは
しません。
彼女を尊敬し略奪しようとする若者が現れます。
高齢者を騙す詐欺で数十億の資金を持っています。

近藤に刺されて心の傷が治ってないSROのメンバーの沙織は
やっと仕事に復帰します。
そんな時に近藤が移送の途中に逃げられてしまいます。
舜一と宗介の二人が計画して莫大なお金をかけて実行しました。
成功したかに見えましたが昔の部下や中国マフィアに資金も
命も狙われる状況に陥ります。

近藤の逃亡を聞いた沙織は錯乱状態に陥ります。
近藤が沙織と執着していた室長の山根に接近してくることを想定
して厳重な警護がされます。

今までは若い女性を人知れず残酷に殺してきた近藤ですが
今回は一目を憚らず男性を思い切りよく殺していきます。
若い男たちよりおばさんの近藤の方が迫力が違います。

SROのメンバーの麗子にも近藤は手を伸ばしてきます。
沙織にも再度せまってきます。

残酷な部分がありますが一気に読めます。
近藤のすざましさに圧倒されます。
この巻では逃げ切ってしまいました。
まだまだ何かするんでしょうね。



女神めし 佳代のキッチン 2

2016-03-26 21:00:00 | 

原宏一著"女神めし 佳代のキッチン 2"を読みました。
楽に読めます。
でもなんだかなぁ。
人を喜ばす役立つ仕事というより、人に寂しい思いをさせて
しまうのではないかと感じてしまいます。
軽自動車を調理が出来るよう加工して全国の漁港を巡り
その地の湧き水と安く手に入る地元の魚で魚介めしを売るのと
持ち込まれた食材を希望の料理に調理して料理代をもらいのを
仕事としています。
その土地でいろんな人達との交流が生まれます。
しかし結局は途中半端で切り捨てて逃げ出しているように
見えます。
後に残された人たちはどうしたらいいのでしょう。
今回は自分の仕事を引き継いで続けてくれる人を見つけるのだと
いう目的があります。

この仕事無理があるように思えます。


恐怖の流しそうめん 隠密味見方同心 四

2016-03-25 21:00:00 | 
風野真知雄著"恐怖の流しそうめん 隠密味見方同心 四"を
読みました。
兄波之進が殺された訳と、残した言葉の「この世のものとは
思えないほど美味しい料理」を家を継いだ弟の魚之進は
探っています。

"つるもどき"
鶴の肉はおいしいと言われています。
しかし鶴を食べることは禁止されていて見つかると死罪となります。
この世のものと思えない料理とは精進料理ではないかと調べて
いるうちに、精進料理を食べさせる坊さんが殺された事件に
出会います。
つるもどきを作ろうとしていた形跡があります。

"へったれ漬け"
人手が足りなく辻斬りの警戒に駆り出された魚之進の目の前で
辻斬りに人が殺されました。
その近所には評判のへったれ漬けの店がありました。

"ちくび飴"
三人の娘が距離を置いて飴を売っています。
買うのは子供や7女性ではなく男性ばかりです。
いい売れ行きで稼ぎは大きいです。
 
"怪談そうめん"
長屋の子供たちが小さな流れに素麺が毎日流れてくるのを
見つけました。
上流にある別荘から流れ出ている湧き水の流れで、何のために
このようなことをしているのか疑問を持ちました。

事件は起きますが捕物帖というほどの内容ではなく
あっさりと解決します。
それはそれで気楽に読める本です。

兄妹の星 髪結の亭主4

2016-03-24 21:00:00 | 

和久田正明著"兄妹の星 髪結の亭主4"を読みました。
シリーズも4冊目です。
髪結の亭主をしている風祭千之介の弟で家を継いでいる弟の
百太郎に縁談が起こります。
相手は勘定吟味役の父を持つ三田村雪江です。

千之介は女房のおちかと旅先で神童として見世物小屋に出ていた
木三太と阿茶という十歳前後の兄妹を見かけます。
彼らは抜群の知能を持ち、飛び上がったり吹き矢や礫を使います。
着るものや食料は盗みで賄い、何かを探しています。
江戸にやってきた彼らは浮浪児として追われ捕まった阿茶は
千之介とおちかの家に引き取られます。

雪江の兄の与一郎は父と同じく勘定方で働いています。
不正が行われていることを一人で知らべています。
誰を疑っているのか家族にも明かそうとしません。
差し向けられた殺し屋に襲われることが数回ありました。
百太郎や雪江は与一郎を心配して別に調べ始めます。
ねずみ小僧の次郎吉や千之介も手をかします。

木三太と阿茶が追っている人物と与一郎の探っている人物が
重なってきます。

木三太と阿茶が活力にあふれてたくましいし、かわいらしいです。
百太郎と雪江はだんだんいい雰囲気になってきたけど。

七人の証人

2016-03-23 10:16:57 | 

西村京太郎著"七人の証人"を読みました。
お馴染みの十津川警部が登場します。
他の多くのものと雰囲気がちょっと違っていてこの本
よかったです。
十津川よりすべてを掛けた父親の信念が事件の真相を暴いて
いきます。

一年前の殺人事件の裁判で証人になった七人と十津川は殴られ
昏倒しました。
気がつくと孤島にいました。
そこには殺人事件が起きた場所とそっくりの建物が作られていました。
こんなことをしたのは犯人とされた佐伯信夫の父親の佐々木でした。
離婚してブラジルに渡った佐々木は事件のことを知りませんでした。
日本に帰って信夫が捕まり、無実を叫んで獄死したことを知り
真実を知ろうと全財産を投げ打って調査と場所を用意しました。
十津川は事件に関与していませんが、見守る人として連れて
こられました。


一人一人の証言が検証されていきます。
そしてすべての人の証言が嘘かこうに違いないという思い込みで
発言されていたことがわかります。

やがて証人が殺されていきます。
証人たちにはつながりはありません。
佐々木が犯人に違いないと言い募ります。
三人もの人が殺されます。

最後に十津川が推理して事件の全貌をあらわしてみせます。

何だかおそろしくなる話です。
こんな風に仕立てられてしまうことは現実にあることでしょう。
現実にここまで証人が真実でないことを言うなんてことは
ないと思いたいです。
警察や検察がこうに違いないと最初に思い込んだことを
推し進めて広く物事を見ようとしないこともあって
ほしくないです。

新友禅の謎 鎌倉河岸捕物控

2016-03-20 21:00:00 | 

佐伯泰英著"新友禅の謎 鎌倉河岸捕物控"を読みました。
金座裏の若親の政次は定廻り同心寺坂と町廻りの途中におかしな
行動をしている男女を見つけました。
何件もの呉服屋を廻って京友禅を広げさせ買うことなく去って
いきます。
ある特定の反物を探しているようです。

呉服屋を訪ね歩いてその男女が京の潰れた機屋の若狭屋の娘の
お葉と手代の小次郎であることがわかります。
二人は若狭屋を再興することを目指して絹糸の生産地の上州で
京友禅を超える品質のものを上州で開発しようとしています。

彼らは京で出会ったことがある山城国淀藩の納戸方の峰村と
ばったり会ってしまい、峰村を首吊りに見せかけて殺して
しまいます。

金座裏の政次は子分を連れて上州まで追いかけていきます。

シリーズの25だそうでいつもの金座裏の人たちの行動を
安心して読めます。

夏おにぎり 料理人季蔵捕物控

2016-03-19 21:00:00 | 

和田はつ子著"夏おにぎり 料理人季蔵捕物控"を読みました。
シリーズは終了したとなっていたのに、早々と第二シリーズが
開始されたようです。
このシリーズ好きですから歓迎です。

料理屋の塩梅屋のおき玖は南町奉行所の同心の井沢蔵之進と
結婚し、店には四時までということで手伝いに来ています。
季蔵の許婚で心を壊して療養生活をしている瑠璃はほんの少しだけ
良好な状態になってきました。
4人の粗暴な若者たちを見守っている医師の岡野玄良と出会い、
その人柄と腕を見込んで瑠璃を診てくれるようたのみます。

塩梅屋の客で按摩の喜一が殺されました。
喜一はその人柄を見込まれて仲間のお金や大切なものを
預かっていました。
数日後に弟子と喜一の家にいた人がやはり殺されました。

事件の話の間にたくさんの料理が登場します。
作ろうとは思いませんがおいしそうだなと楽しんでいます。
事件の話、料理の話と混在するのではてなんの話だったの
だろうと思うことしばしばあります。

せっかく瑠璃にいい先生が見つかったと思ったら残念なことに
なりました。

空色の小鳥

2016-03-18 13:27:43 | 

大崎梢著"空色の小鳥"を読みました。
西尾木敏也は子供の時に母親が裕福な財界人と結婚したため
連子として豪華な家でくらしました。
しかし義父は養子縁組をしてはくれませんでした。
親戚の者たちからは心無い言葉を浴びせられて育ちました。
母は無理をさせられて彼が高校生の時に亡くなりました。
大学を卒業するまで我慢して暮らしました。
義父の息子の兄雄一は家を出ていた間に結婚するつもりの女性と
娘と暮らしていました。
連れ戻され彼女たちを父に紹介する前に事故死しました。

敏也は彼女たちの存在を知りました。
母親の千秋は末期の病気で数ヶ月の命でした。
敏也は彼女と知り合い面倒をみてやります。
千秋と、娘の結希を養子縁組する手続きをします。
千秋の死後、結希をマンションに引き取ります。
義父が孫の存在を知れば喜んで引き取ることをわかっていて
敏也は内緒で子供の面倒を見始めます。

彼のマンションはいくつも部屋があり、高校の同級生で同性愛者の
汐野や付き合っていた美容師の亜沙子が居ついてしまいます。
小学校に入学したばかりの子供は手こずるばかりですが彼らの
手助けもあって暮らしています。
義父の紹介で入った会社ですが少しずつ存在を認められています。
定時に帰り学童保育により結希を引き取り食事の支度をすると
真面目に取り組んでいます。

しかし敏也には遠大な計画があるのです。
つらく当たってきた親戚を見返し義父の財産を手にしようという
計画です。
さてこの計画はうまくいくのでしょうか。

敏也の暗い計画と真剣に子育てしている部分がかけ離れていて
一人の人間の中でどうやって折り合いをつけて生きていけるのか
わかりません。
人のものをあてにする生き方は却ってつらいのではないのかと
私は思うのですが、必死に奪い取るだけの価値はあるものなの
でしょうか。
自分の力で生きればそれでいいではないですか。

敏也の共同生活の部分は小路幸也さんの小説を思い起こされます。

神無の恋風 湯屋のお助け人

2016-03-18 11:38:05 | 

千野隆司著"神無の恋風 湯屋のお助け人"を読みました。
シリーズになっていて、最新の5から読んでしまいました。
特にわからないということはありません。
大曽根三樹之助は旗本の次男です。
許婚が乱暴され自害してしまい、その元となった小笠原正規は
大曾根家より位が上でどうすることもできません。
小笠原家より親類筋の酒井家の志保との縁談が持ち込まれます。
三樹之助はそれを嫌って家を出て湯屋の夢の島で働いています。
湯屋の主人の源兵衛は岡っ引きもしていて三樹之助は何かが
起きるとその手伝いもします。

縁談相手の志保は最初のうちは傲慢で鼻持ちならない女と
思っていました。
彼女はお半というこれまた不愛想な侍女を伴ってしょっちゅう
湯の島へ湯に入りに来るようになりました。

材木商の信濃屋が夜道で武士に襲われお供が殺された現場に
行きあわせます。
側には白い狩衣を着た祈祷師がいたのが見られました。
続いて寛永寺の僧の麓詮が同じように殺されました。
やがて信濃屋の主人も殺されてしまいます。

寛永寺では工事が予定されどこの材木商が受け合うかが
まもなく決定されようとしています。

斬殺を請け負ったのは武家の次男です。
武家では長男だけが何事においても大事にされそれ以外の
息子はじゃけんに扱われています。
一生をうつうつとして生きるしかない男の不満が罪を犯させます。

ダイイング・アイ

2016-03-17 21:00:00 | 

東野圭吾著"ダイイング・アイ"を読みました。
女性が夜に自転車に乗って帰宅途中に車に押しつぶされて亡くなる
ところから始まります。

話の筋から離れますがすごく疑問に感じたのは夜の3時という
時間に東京の人は普通に出歩いているのかということです。
ピアノ教師として訪問していて遅くなったとしてその時間に
はい、さようならと女性を普通に送り出すんでしょうか。
夫は迎えに行こうと思わないんでしょうか。

バーテンダーをしている慎介が仕事帰りに頭を殴られました。
犯人は慎介が事故死させた女性の夫の岸中玲二で直前に店に
飲みにきました。
玲二は直後に自殺しています。

慎介は事故でところどころ記憶がなくなっている部分があります。
交通事故をおこした部分がすっかり欠落しています。
同棲していた成美が姿を消してしまいます。

不思議な瑠璃子という女性が現れます。
彼女に見つめられると動けなくなります。

段々と記憶を取り戻していき、事故がどんなものだったったか
思い出していきます。

普通の感覚の人がほとんど登場しなくて不正義な人、ずるい人、
お金でものごとはかたずくと思っている人ばかりです。
まさに死のうとする人の怨念は生きている人に作用するもの
なのでしょうか。
こんなことがありそうな気がして怖いです。

ビブリア古書堂の事件手帳6 栞子さんと巡るさだめ

2016-03-16 21:00:00 | 

三上延著"ビブリア古書堂の事件手帳6 栞子さんと巡るさだめ"
を読みました。
ちょっと重苦しい気分になる話でした。
今回は長編です。
二つの本をめぐる話です。
一つは一巻目に登場した太宰治の"晩年"」です。
もう一つはやはり太宰治の"駆込み訴え"です。

40数年前からわだかまっていて真実はいったいなんだったの
だろうと思い続けるなんてやりきれないです。
そればっかり考えていたわけではないでしょうが重苦しい気分
だったことでしょう。

一巻目で栞子に怪我をさせ捕まった田中敏夫が再登場します。
問題を起こしたのにまたしても関わってきます。
栞子が持ってる"晩年"ではなく祖父が持っていた"晩年"を
探してくれるよう五浦は頼まれます。
調べているうちに遭遇したのが"駆込み訴え"が蔵から盗まれ
栞子の祖父が探し出し返した事件です。
犯人は蔵に出入りしていた三人の中にいると思われます。
仲の良かった彼らはそれからずっと付き合いを絶ってきました。
亡くなった人もいます。

田中の探していた"晩年"の件も、"駆込み訴え"の件の栞子の
推理で決着が付きます。

古書をめぐる人々の執着の強さというか、計略を巡らせて
相手を傷つけてもかまわないという態度は胸にどっかと
重しが乗った気分です。
物に強い思い入れは持ちたくはないなという気分になりました。

本って結局は書かれている中身がすべてじゃないかと思うのに
それ以外の部分に価値を求めるなんていったい何なの。