畠山健二著"本所おけら長屋 四"を読みました。
"おいてけ"
おいてけ堀ではかっぱがでるとの噂がたっています。
口入れ屋の江島屋の娘のお紺はよくない男の与三郎と
付き合っています。
手代の常吉は子供のころから店で働いていてお嬢さんの
ことをずっと見つめてきました。
お紺は与三郎にお金を要求されて騙されていることを確信し、
与三郎ともみ合っているうち死なせてしまいます。
"あかいと"
左官の八五郎の親方の息子の文七が仕事先で怪我をしました。
お嬢さんのおつるをかばってのことです。
文七は医院の聖庵堂で静養していますが、おつるが世話をやきに
通ってきます。
文七は八五郎の娘のお糸のことを想っています。
お糸もまた文七のことを想っています。
二人とも打ち明ける度胸がありません。
万造や松吉、お染らが後押しします。
"すりきず"
お駒は元すりでした。
長屋の島田に見つかりその時に足を洗いました。
今は大黒屋で働いています。
お駒は島田に大黒屋の主が怪しい人物だと思うと話ます。
お駒のすりの頭のお露が現れて大黒屋の主が盗すっとの頭で
以前ひどいしうちをされたことを打ち明けます。
彼女らは大黒屋の主の伊八に仕返しをしようと計画します。
この話は他の話とはちょっと違って捕物物となっています。
"よいよい"
若芽錦之助は阿波国徳島藩の藩士でしたが酒の上の失敗で
お役御免になり江戸へ出てきました。
豆問屋北乃屋の娘のお雅は占いで侍と恋に落ちると言われました。
出会った錦之助をその相手なのだと思い込みます。
長屋の万造、松吉と酒を飲んだ錦之助は裸になって踊りだしました。
"あやかり"
松吉は一年前に家に入り込んできた子猫にミーと名付け
かわいがってきました。
ミーがいなくなりました。
金持ちの間で白地に黒の猫を飼うことが流行っています。
猫を捕まえて売る者が現れます。
ミーも捕まえられていました。
取り返すべく知恵を絞ります。