原宏一著"神楽坂のマリエ ヤッさんⅡ"を読みました。
前に読んだ"ヤッさん"の続編です。
この本は"ヤッさん"を読んだ後に読まないとなんのことが
わからないことがあると思います。
前巻のタカオとミサキはヤッさんの元を離れています。
今回の弟子はマリエです。
マリエは神楽坂で喫茶店を経営していましたが失敗して
何もかも失くしました。
金策に失敗して食事にも事欠く事体でふらふらしている
時にヤッさんに出会いました。
ヤッさんについて築地市場を廻ったり飲食店を廻ったり
するようになります。
ヤッさんがいる時は野宿し一人だけの時は焼き鳥屋さんの
小上がりで寝かせてもらいます。
いろんな出来事が起ります。
昔からのやり方を守って変えようとしない父親と、今の
時代にあった寿司を作りたいと思う息子の意見が相違
する親子に出会います。
前の弟子のタカオとミサキ夫婦が働いている蕎麦屋へ
行きます。
タカオが始めたネットでの店の紹介の発信で店は行列が
できて大忙しです。
昔からの常連がこなくなりました。
店主も従業員もこの状態を喜んでいません。
ノルウェーから料理人のヨナスが日本料理を食べ歩いて
勉強したいとやってきました。
店とヨナスがもめているところへ行き合わせてマリエが
ヨナスと知合いました。
食べ歩きに付き合うことになります。
日本の接客に疑問を持ったヨナスの発言に店側とぎくしゃく
とした雰囲気になります。
瀬戸内で鯛の一本釣りをしていて築地に鯛を送ってくる
清次から鯛が送られてこなくなりました。
清次は行方不明になっています。
ヤッさんとマリエはトラックを乗り継いで四国まで
やってきます。
家には清次と住んでいる春菜が留守を守っていました。
彼女は東京の料亭のお嬢さんです。
清次と暮らして十年、野菜を作り、漬物や干物なども全て
手作りです。
ヤッさんがマリエに内緒で店を廻ってお金を受け取って
います。
お金はもらわないというヤッさんの信条と違うでは
ないかとオリエはいぶかしがります。
ヤッさんを取材している記者と出会いヤッさんを
調べてもらいます。
この本もおもしろいですけど、前の巻の方がヤッさんが
どんな生活をしているのか興味深く書かれていて
おもしろかったです。
マリエがすぐ男の人に感情移入してしまってちょっと
頼りない感じです。
でも恋人もできたようで、ヤッさんとの生活も終わりに
なるようです。
最初にコーディネータと称してマリエに近づき店が
潰れる原因を作った男が登場します。
法律に違反しているわけではないですけど、少しは
とっちめられるのかと期待していましたが何も
ありませんでした。
やっつけて欲しかったです。
"ヤッさん"の続編が読めてうれしかったです。