雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

借金取りの王子

2011-04-30 22:34:18 | 
垣根 涼介
新潮社
発売日:2007-09


垣根涼介著"借金取りの王子"を読みました。
前に読んだ"君たちに明日はない"の続編です。
真介はリストラを請け負う仕事をしています。
以前にリストラ対象になって面接をした陽子とつき合って
います。

"二億円の女"
デパートの外商部を担当します。
男性は仕事ができなくて同僚の評価も格段に悪い人です。
女性は成績抜群で会社としては絶対辞めて欲しくない
人材だけど一応面接は受けることになっています。
彼女は毎年上乗せされる目標額に疲れきっていて形だけの
面接の席上で「いいです、辞めます」と言ってしまいます。
能力がある人は辞めても生きていけるという自信がある
があるから言えてしまうのです。

"女癖の相"
生命保険会社です。
エリートコースを歩いていた人が通らなければいけない
ルートからずれることを承知で転勤願いを出してコース
からはずれました。
そのためにリストラ対象になりました。
この人女性恐怖症なんです。保険の外交員の女性たちを
うまく統制していけなかったのです。
会社は辞めることになりましたが最後にいたコンピュータの
システム開発で知り合ったSEにソフト開発の仕事を
紹介されます。
好きだった旅行がきっかけとなりました。

"借金取りの王子"
消費者金融です。
対象となっているのは所長です。所長といってもまだ若い
人です。
成績が悪いというわけではなく、所員の評価もレベルが
高いのです。
ただ常にがむしゃらに成績を上げようとせず評価が悪く
ならないようにと考えて働いているのをうとましく思う
トップの思惑からリストラ対象となっています。
彼の奥さんは彼の元上司です。この女性はすごい人です。
とても魅力的な人です。
この会社を辞めた後、彼から結婚を申し込まれます。
幸せではない家庭、元暴走族で高校も退学しています。
結婚を申し込まれた時8ヶ月待ってくれるよういいます。
彼の両親に会った時、彼女は言います。
彼は今の仕事を続ければ神経がまいってしまうかもしれない、
そうなったら自分が彼と生まれるかもしれない子供を一生
食べさせていきます、と年間一千万円となる給料の明細を
みせます。会わなかった間に新しい仕事をやっていく目途を
立てたのです。かっこいいです。
この男性も会社を辞めても新しい道を奥さんといっしょに
歩んでいける人です。

"山里の娘"
新潟の温泉旅館です。
今回は無理やりリストラさせる必要はなく条件を提示して
辞める人が出てくればそれでいいという気分的に楽な
仕事です。
下見に陽子といっしょに泊まりに行きます。
ここで社長に出合ってしまいます。
陽子が社長に気をとられています。
面接をした二十台後半の女性は辞めてもいいかと思って
います。
このまま田舎で生きていくのに疑問を持っています。
都会へ出てみたいという気持ちでゆれています。

"人にやさしく"
陽子は派遣社員二人を使う事務所の所長です。
一人が辞めることになり派遣社員を新しく雇おうと
しています。
真介の会社が派遣業を新しく始めることになり真介が
チーフとなります。
真介の会社に斡旋してもらうことにします。
その人選についての話です。

この本も興味深く読みました。
あっという間に読んでしまいました。
みんないっしょうけんめい働いているのですね。
ここまで働くのかと思ってしまいます。
結構命がけですね。
仕事というものは命をかけてまでするものとは違うと
思っていたのですが甘いですか。
今回の地震でも皆さん命がけで救助や復興に働いて
みえて、自分の仕事に対する姿勢は間違っていたかも
しれませんね。

題名になっている借金取り王子が一番よかったです。4/19

今日は出勤日

2011-04-29 21:09:45 | 日常の出来事
今日は祝日ですが、私の勤務先は出勤日でした。
帰宅途中なんかへんだなと感じて、あ、そうだ今日は
休みだと思い出しました。
走っている車が格段に少ないのです。道路のまわりが
静かです。
そして明日から9連休です。こんなに長い休みは
めずらしいです。
でもあっという間に終わってしまうのでしょうね。
始まる前から終わる日のこと考えている。

職場のまわりには町工場が多くあります。
最近気になっているのはその外壁の色!
なんで黄色が多いのでしょう。
鮮やかな黄色、それもまっすぐな線で塗り分けられて
いるのではなく斜めや波型。
黄色と青や、黄色と白の組み合わせです。
関連会社なんだろうかとも思うのですが、関係なさそうな
職種みたいです。
このへんを営業区域にしている塗装会社の趣味で依頼が
あったら黄色を勧めているとか。
「黄色にすると幸せになりますよ、どうですか黄色」
なんてね。
出勤前にそんなこと考えていました。

作家と猫のものがたり

2011-04-28 23:04:17 | 

"作家と猫のものがたり"を読みました、ではなく
眺めましたかな。
これは小説ではなくて猫を飼っている小説家の方々の
実際の話と猫の写真集です。
猫は大好きですが飼えません。
猫の写真集を見るのは好きです。
皆さんご自分の猫に対する思い入れがいっぱいです。
読んでいてとても楽しいです。
中で一番感動的な話しは島本理生さんと飼い猫たびの
話しです。
島本さんが旅行にいかれるのでたびを実家にあずけました。
帰ってきて荷物を持ったまま猫を迎えに実家へ行きました。
猫は喜ぶでなし、しらんぷりして毛づくろいをしています。
島本さんは荷物と猫を入れたキャリーの両方を運ぶのは
たいへんだからといったん荷物を置いてこようとしました。
じゃねと玄関からでていきました。
しばらくして弟さんから電話が掛かってきました。
「帰った後、たびが大慌てで玄関に走っていったよ。
今もドアにすがりついて鳴いているよ」

猫にこんなお芝居できるもんだろうかと思いますが、
でもこんなことされたら感激してしまいます。

君は素知らぬ顔で

2011-04-27 22:08:48 | 
飛鳥井 千砂
祥伝社
発売日:2010-03-11


飛鳥井千砂著"君は素知らぬ顔で"
短編集です。
それぞれの話に繋がりはないのですが前の話に登場
していた人が別の話に登場していてあれこの人は
どこかに出ていたなぁという楽しみがあります。
一番登場しているのはともちゃんといわれている
女優でしょうね。実際に登場しているというより
人々の話の中であの女優さんという感じで話題に
上っています。
最後の話で話題の中の人物ではなく実体の人物の
話として登場します。

学生の仲間うちの話や、夫婦の話、恋人間の話、
姉妹の話などがあります。
ほっとする話もありますが、読んでいて痛々しい
話も多くどちらかというと苦手な部類の小説です。4/16

天国旅行

2011-04-26 21:02:13 | 
三浦 しをん
新潮社
発売日:2010-03


三浦しをん著"天国旅行"を読みました。
短編集です。

"森の奥"
自殺しようとして樹海にやってきた明男は失敗します。
出合った青木という男についていきます。
何も持っていない明男は青木の食料を分けてもらい
寝る場所もテントに入れてもらいます。
サバイバルにたけた男です。
そして明男は樹海から助けだされます。
青木がどうしたかわかりません。

"遺言"
若い時に駆け落ちした二人が幸せではなくいつも
死んでおけばよかったという人生をおくることになります。

"初盆の客"
祖母の初盆に一人でいた駒子の前にあったことのない
従兄弟という男が現れます。
祖母は駒子の祖父と結婚する前に別の人と結婚しており
前の結婚で生まれた子の子だと言います。
人の過去って隠しているわけではなくても知られないで
過ぎてしまうものなのですね。

"君は夜"
これは星真一の世界をどろっとさせたものみたいです。
昼間の人生と夜の夢の中の人生と二つを生きる理沙の話です。
子供のころに大人の男女の心中しようかという世界を
見ていたらこれはつらいでしょうね。

"炎"
なんだかおっかない話です。
女子高校生が同級生の女の子をあやつって先生を追い
詰めていきます。

"星くずドライブ"
大学生の佐々木の恋人の香那が死にました。
佐々木は子供のころから幽霊が見えます。
香那の姿が見え話もできるので死んだことに気づかずに
いっしょにいました。

"SILK"
悦也は子供のころに一家心中で死にかけました。
そのことが悦也の性格に影響を与えています。

三浦さんの本は好きなものが多いのですがこの本はよく
わからないものの1つに入れます。
読むのは楽に読めます。4/16

第二音楽室

2011-04-25 22:17:11 | 

佐藤多佳子著"第二音楽室"を読みました。
長編小説かと思っていたら短編集でした。

"第二音楽室"
五、六年は鼓笛隊に入ります。五年生の楽器はピアニカです。
六年になるといろんな楽器を演奏することができます。
でも全員には行き渡らずピアニカのままにまる子が
でてきます。
六人がピアニカになりました。
練習をするということで使用されていない第二音楽室を
使うことが許可されました。
途中で途切れることになりましたが第二音楽室で過ごした
六人の日々の物語です。

"デュエット"
男女でデュエットするようにと音楽の先生に言われます。
相手は自分たちで決めていい、男性は女性の申し込みを
断ってはいけないという取り決めです。

"FOUR"
中学二年生の4人は卒業式でBGMとしてリコーダーの合奏
をしようと先生に持ちかけられます。
リコーダーはいろんな種類があり、アルト、テナー、ソプラノ、
バスとそれぞれが担当します。
4人の卒業式までの練習の様子、心模様が描かれています。

"裸樹"
中学二年でいじめに会いひきこもりとなった望。
公園で女性がギターを弾き歌っているのを聞きます。
その歌に心奪われます。その歌は裸樹という人の歌でした。
公園にいた人が裸樹かどうかはわかりません。
高校は中学の同窓生がいないところを選びました。
軽音部へ入ってバンドを組みます。
いじめにあわないよう必死に自分を押し殺して生きています。
ギターが弾けることをかくしベースを担当します。
苦しそうな生活です。
そんな彼女が自然に生きていけるようにちょっとずつ
変っていく様子が描かれています。

音楽と学生時代を描いた短編集でした。
音楽は聞きますが、やる方は歌うのも演奏するのも
まったくだめです。
ですのでこの本のよさはよくわからないです。
音楽をやっていたという人はわかるものがあるのでは
ないですか。4/16

映画 まほろ駅前多田便利軒

2011-04-24 20:30:47 | 映画
映画を見てきました。"まほろ駅前多田便利軒"です。
三浦しをんさん原作の本を映画にしたものです。
前に読みました。どんなふうになっているか興味が
あって見に行きました。
まほろ駅前というのはもっとうんと小さなさびしい
駅だと想像していました。かなり大きい駅です。
内容は本の通りです。
多田と行天の二人が中心の話しです。
行天は明日は明日の風が吹くさといったかなりいいかげん
でなげやりで、命さえどうでもいいみたいな人物です。
多田は過去の傷を抱えそこから抜けられずにいます。
それでも一応便利屋を営み常識的な生活を送っています。
映画は本より、どんよりと暗い雰囲気がします。
行天はふらふらしてみえますがこういうタイプの人は
どんなことになってもどっこい生きているだろうなと
思わせる人です。
映画で見ると多田のほうが心配です。
この人ちゃんと生きていけるだろうかと思わせられます。
傷を抱えた二人が寄りかかりあいながら生きている、
今はそんな生活です。
いつまでも同じ心境で人は生きているわけではありません
から、いつかはもっと明るい気持ちで生きていける時が
くるでしょう。
いつかは二人が別々の道を歩き出す時がくるでしょう。
そんな場合でも多田がふらっと行天の前に助けを求めて
やってくるとは考えにくいですが、行天が多田の前に
ふらっと現れることは考えられます。
岸辺一徳さんが刑事の役でところどころで登場します。
岸辺さんが登場すると独特の雰囲気がただよいます。

よかったとは言えませんが、悪くもなかった映画です。

佳代のキッチン

2011-04-23 21:49:11 | 
原 宏一
祥伝社
発売日:2010-12-01


原宏一著"佳代のキッチン"を読みました。
佳代はワゴン車で暮らし料理を仕事にしています。
食べ物を売るのではなく食材をもってきてもらい希望の
料理を作るのです。料金は五百円です。
一日10人ぐらいの注文を受けます。
佳代が中学生三年の時に両親はいなくなりました。
おきざりにされた佳代は弟を育てて生きてきました。
弟が大学を出て新聞記者になったのをきっかけに
両親を探すことにしました。
ワゴン車で移動しながら探すために都合がいい仕事と
して調理を選びました。

横須賀、京都、島根、東京押上、盛岡、ニセコと
両親の後を追っていきます。
その場所場所での人々との交流があります。
両親はピッピーでした。
理想の生活を求めて移動をしていました。
子供のことを忘れたわけではありませんでした。
両親の足跡はわかりました。

でも会うことはできませんでした。
佳代は一応ふっきれたようです。
人々との交流の場面は楽しい話です。
でも移動することになる前提がどうも受け入れられません。
捨てたのではないといわれても中学生、小学生の子供を
置いて出て行くなんて考えられません。
とうてい理解できません。
佳代はもし両親に会うことができたらどうするつもり
だったのでしょう。
両親がどう言ったところでそうだったのかと受け入れ
られるものでしょうか。
宙ぶらりんの気持ちに終止符を打つことができると
思ったのでしょうか。

五百円で調理してくれる、そんな人がいたら私も
頼みたいです。

コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状

2011-04-22 21:29:55 | 

村上早紀著"コンビニたそがれ堂 奇跡の招待状"を読みました。
前に読んだもののシリーズ物です。
前の本はとてもよくてほっとする本でした。
今度の本も同じ系統のものだと思いましたがなんだか
雰囲気が違います。
時々ありますね、シリーズだからと思って読んでいると
なんか違うというの。
今回のものの読者は子供ではなく大人だと思います。
コンビニたそがれ堂は出てきますがとってつけた感じで
なくてもお話はつじつまが合うのではないかと感じます。
ちょっとがっかりです。

"雪うさぎ"
継母ができ、引越しをした4年生の女の子が主人公です。
この話は童話的です。
引越す前に田舎の祖母の家にしばらく預けられます。
雪で大きな雪だるま、小さな雪だるま、雪うさぎを
作って友達と思って過ごします。
新しい場所で環境になじめません。
たそがれ堂で買ったはがきをこの3人に出します。
はがきが届いた3人は動けるようになり彼女に会いに
出かけます。

"人魚姫"
真衣は17歳です。中学のころから引きこもっています。
この状態を打ち破りたいと思っていますが、どうしていいか
わかりません。
沖縄にいた従姉妹の秋姫が唯一彼女のことをわかってくれる
人でした。
彼女は活発で力強い女の子でした。
でも真衣に会いに出かけようとした日が台風で海に流され
遺体も見つかりませんでした。
そんなこともあって真衣は引きこもりになってしまいます。
やっと外出したときにコンビニたそがれ堂に行きます。
そこで奇蹟の招待状を買います。
そして真衣は秋姫に会います。
彼女と会ったことで一歩を踏み出します。

"魔法の振り子"
佐藤薫子は大学時代に一文字違う名前の男の子の佐藤薫
という友達がいました。
ほんとうは大事な人だったのに恋人とはいえる関係では
なく友達づきあいをしていました。
薫はふらっと海外へ旅行に出かけていく人でした。
いつものように出かけたまま戻ってきませんでした。
10年たちました。
薫子はコンビニたそがれ堂で失くしたものが見つかる
杖を買います。
薫の遺体が見つかったと連絡が入ります。
薫が側にいる気配を感じます。

"エンディング~ねここや、ねここ"
戦国時代の昔のお話です。
優れた若君がいました。猫を飼っていました。
ねここと呼んでかわいがっていました。
若君は攻められて死にました。幻冥という妖しい男が
中心人物です。猫は妖怪となりました。
ずっと幻冥を探しています。
生まれ変わった若君の側にねここはいます。
コンビニたそがれ堂でねここはコンビニのお兄さんと
花火を見ます。

こうやって思い返すとなかなかいい話ですね。
読んでいる時はあまり感動もなくさらっと読み終わって
しまいました。
真衣の動けない状態、よくわかります。
薫子が薫の存在をいつまでも思い続ける気持ちは
悲しく、それでもそういう人に出会えたということは
すてきなことです。
でもそんなふうに思い続けていいものかとも思います。
ねここの話は現実ばなれした妖怪の世界の話です。
ずっと思う人の側にいるねここ、哀れなのか幸せ
なのかわかりません。

のろわれた山荘

2011-04-21 22:03:55 | 
どうしてだかふっとパット・マガーの本が読みたく
なりました。
でも出版されている4冊の本は持っています。
他にないかと思って図書館の本を検索したら
"のろわれた山荘"という本がありました。
借りて読んでみました。
小学校低学年向けに出版された本です。
あっというまに読めます。
最後の解説でなぁんだと思ったのはこの本、"探偵を探せ"
という題名で出版されていたものだったのです。
でもこういう内容のものを読んだという記憶がまったく
ありません。こういう時なんのために本を読んでいる
のだろうと思います。
でも忘れてしまうから同じ本を繰り返し読んでも
おもしろいと感じるのだからまあいいか、と思うことに
しています。

"のろわれた山荘"は元の本の骨だけ残して後全部そぎ
落としたという感じになっています。
マーゴットはお金持ちの男性と結婚しました。
山の中のホテルを経営しています。夫は病気です。
妻に殺される気配を感じて探偵を呼びます。
探偵が到着する前に夫は殺されてしまいます。
ホテルは休業の連絡がしてあったのですが4人の人が
やってきてしまいます。
この中の誰かが探偵だとマーゴットは思いますが誰か
わかりません。
この人だと思った人を殺します。
昔から付いていてくれた年寄りの使用人の心がふらついて
きてまた殺してしまいます。
次々と怪しんで殺そうとします。
最後はさてどう決着するのでしょう。

あまりのご都合主義で口あんぐりで読んでいました。
"探偵を探せ"を読んだ時はそんな感想をもたなかった
ような気がします。
あまり肉をそぎ落としてしまったら身もふたも
なくなってしまったんでしょうね。4/16

デュアル ディスプレイ

2011-04-20 22:35:31 | コンピュータ
ユーザに呼ばれて見にいきました。
そのパソコンはデュアル ディスプレイ(又はマルチ モニタ)
でした。(前の記事)
図面を書く人には2台あれば1台は製図、1台はEXCEL 等と
使いわければ便利でしょうけど、まだまだ2台使っている
人は少数です。

通りがかった人から
「これどうやって使うの、教えて」
と声をかけられました。
「マウスでつかんでそのままもう一台のディスプレイまで
持っていって放します。」
と実演してみせました。
「おぉ、すごい。これはいいなぁ。」
と大声で感激してもらえました。
私が作ったわけでもないのに、感激してもらえて
うれしくなりました。何か変ですね。

別の人がやってきて私と作業を交替しました。
「もう一台のディスプレイがじゃま。」
と先ほどの人とは反対のことをぶつぶつ言っています。
「どうして?1台だと思って使えばいいじゃない」
「マウスを端の方へもっていくと普通はそこで止まるだろ。
でもこれはすっと通り越して隣のディスプレイへいって
しまう。あれ、カーソルはどこだとさがしてしまう。」
そう言っていました。
なるほど。彼はいつもは1台のディスプレイで作業
しています。でもこれは慣れですから、慣れてしまえば
戸惑うことはなくなるでしょう。

デュアル ディスプレイに対する反応、いろいろでした。

PS.
このデュアル ディスプレイのパソコンは今日から新しい
使用者の手に渡りました。
さっそく電話がかかってきました。
カーソルがどこかへ消えてしまう。…と。
昨日のことがあったのでどういうことが起こっているのか
想像がつきました。
もう少し考えてシステムを作ってくれていたらなぁと
思わせられました。
慣れるまでがたいへんなのにねぇ。4/21

貴族探偵

2011-04-19 21:41:21 | 
麻耶 雄嵩
集英社
発売日:2010-05-26


摩耶雄嵩著"貴族探偵"を読みました。
高級なスーツを着こなした20代の若者が貴族探偵と
名乗って事件現場へ現れます。
ところが事件を調べて推理するのは執事の山本、
小間使いの田中、運転手の佐藤です。
使用人は自分の持ち物で使用人が推理したことは
自分がしたことと同じと公然と言い放ちます。
今時持ち物という発言には驚いてしまいます。
でも使用人たちはこの主人に全幅の信頼をよせています。
お互いに信頼関係で結ばれているのでしょうね。
今までに無い変った探偵です。
この青年ちょっと的外れな感覚の持ち主ではありますが
嫌味な感じはありません。
新しい探偵像を作った本ではあります。
でもその趣向はおもしろいというほどでもありません。

"1.ウィーンの森の物語"
山荘で主人が鍵のかかった部屋で殺されています。
鍵は外から糸を使って服のポケットへ戻そうとされて
いましたが途中で糸が切れて偽装が失敗しています。
この事件は執事の山本が担当しました。

"2.トリッチ・トラッチ・ボルカ"
廃倉庫で女性の死体が発見されます。
彼女は人の弱みにつけこんでゆすりを働いていました。
この事件は若い小間使いの田中の担当です。

"3.こうもり"
高級旅館"風媒荘"に紀子、絵美が遊びにきています。
小説家の大杉が妻の真知子と、同じく小説家の堂本、
真知子の妹佐和子、佐和子の元恋人松野がやはり
風媒荘に泊っています。
近くで開催された蝶陣祭で佐和子が殺されます。
この事件は小間使いの田中の担当です。

"4.加速度円舞曲"
美咲の乗った車に上から大きな石が落ちてきて衝突
します。貴族探偵がその場所へ通りかかります。
石が落ちてきた先の家へ行ってみるとその家の主人が
殺されていました。
この事件は運転手の佐藤が担当しました。

"5.春の声"
莫大な財力をほこる桜川家の当主の鷹亮は病気で車椅子
生活です。両親のいない孫の弥生に婿養子を迎えて
後を継がせるつもりです。
そのため昔世話になった人たちの息子三人を家に呼び
そのうちの一人を選ばせようとしています。
三人は離れのそれぞれのフロアに逗留しています。
その三人が殺されます。
呼ばれて貴族探偵とその使用人たちがこの館に逗留
していました。
山本、田中、佐藤が殺された三人のうちの一人を担当して
事件を調べます。

最後の"春の声"が実際の探偵が三人で場所もスケールが
大きいですから一番いいです。
人の手柄を自分のものだという方法は無理がある
ように思います。
もし続編があったら読むかと問われればもういいと
答えます。4/13

シティ・マラソンズ

2011-04-18 20:58:45 | 
三浦 しをん,近藤 史恵,あさの あつこ
文藝春秋
発売日:2010-10


"シティ・マラソンズ" を読みました。
三浦しをん著"純白のライン"
あさのあつこ著"フィニッシュ・ゲートから"
近藤史恵著"金色の風"
マラソンを主題に3人の作家が書いた話です。

"純白のライン"
不動産会社の営業の安倍は社長からニューヨークマラソンへ
出場するように旅行会社に申し込み飛行機にチケットを
渡されます。社長の娘が出場するので見張るようにと
申し渡されます。
でも実際はがむしゃらに働く安倍を心配した社長や
お嬢さんがマラソンをすることで自分を見直すようにと
計らってくれたのでした。

"フィニッシュ・ゲートから"
悠斗はオリンピックに出場することを期待されていた
選手でした。湊はいっしょに練習した部員ですが
いい成績は出していません。
悠斗は成績を更新するのに行き詰まりその上けがをして
走ることをやめました。
そして走るための靴を作る会社に就職して靴作りを
しています。
湊は高校の同級生と結婚間近に、婚約者を交通事故で
亡くします。原因は道路の反対側から声をかけたため
道路に飛び出して車にひかれたのです。
長いこと行方不明になっていた湊から東京マラソンを
走ると悠斗に連絡がありました。
彼に靴を作ってそれで走ってもらいたいと思う悠斗です。

"金色の風"
ずっとやってきたバレエをやめてフランスへ留学した
ユウです。
最初の部分は誰もしらない街で心細そうに暮らして
いるユウの様子に読んでいる私まで心細くなってしまい
ました。私は外国ではとても暮らせません。
ユウはパリにしだいに慣れ、家の前を犬といっしょに
走っている女性を見かけて自分も走り始めます。
彼女と友人となります。しかし犬が死んでしまい彼女は
自分の国へ帰っていきます。
ユウはパリマラソンへ出場することを決めます。

三篇とも軽い感じの読み物でそれなりにおもしろい
のですが、それだけという感じがします。
いえ、たぶんマラソンをやっているという人なら
もっと違ったものを感じるでしょう。

小夜しぐれ みおつくし料理帳

2011-04-17 19:42:05 | 

高田郁著"小夜しぐれ みおつくし料理帳"を読みました。
シリーズ物です。
この本は買いました。電車の中で読むのに手ごろですから。
発売されたばかりの本はなかなか借りられないのですが
早く読むことができました。

"迷い蟹―浅蜊の御神酒蒸し"
料理屋つる屋の店主の種市の過去のつらい話が明かされます。
奔放な妻に家出され六つの娘のおつるを大事に育てて
きましたが十七の時にいっしょにくらしたいと妻が言って
きます。反対しますがおつるは一年の約束で母親の元へ
行きます。母のいっしょにくらしていた男に借金のかたに
売られてしまいます。そして自殺をしてしまいます。
今また妻があらわれその男の居場所をつげます。
殺そうとしている種市をさがす澪たちが見たその男は
幼い二人の娘のため木切れを拾い集めて生きていました。

"夢宵桜―菜の花尽くし"
吉原の翁屋の楼主に花見の宴の料理を作ってくれるように
澪はたのまれます。
贅をつくした料理を考えます。
油を取るための菜の花を食べるというのは当時はこのうえない
贅沢なことです。
菜の花の料理を作ることを考えつきます。
翁屋は澪の幼馴染の野江があさひ太夫として過ごしている
場所です。
当日将軍につながる僧正が客として参加しています。
まわりの人を不愉快にする態度を取りひんしゅくをかっています。
あさひ太夫が現れ教養の高さを知らしめる歌を詠みます。

"小夜しぐれ―寿ぎ膳"
日本橋の両替商伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を
見るなり泣き始めます。美緒の話によると、伊勢屋の主
九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めていると
いいます。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との
縁談ではなく中番頭の爽助です。
家出をして抵抗する美緒ですが伊勢屋の後を継ぐという
運命を受け入れ親の決めた人といっしょになります。
その祝い膳を澪が作ることになります。
御寮さんの息子の佐兵衛らしい男をみかけます。

"嘉祥―ひとくち宝珠"
この話は小松原が中心の話です。
嘉祥の日に公方さまより大名から小普請までに菓子を
賜ります。その菓子の考案を小松原が仰せつかります。
何にするか決められない小松原です。

このシリーズに出てくる人たちは暖かで思いやりが
あり、仕事に対して真摯です。
安心して読めます。4/3

ゆうとりあ

2011-04-16 21:35:55 | 
熊谷 達也
文藝春秋
発売日:2009-03


熊谷達也著"ゆうとりあ"を読みました。
佐竹は定年退職しました。子供二人は自立しています。
妻はゆうとりあと名づけられた新潟の実家近くの田舎へ
引越したがっています。
定年退職した同期の北川は奥さんから離婚を切り出され
離婚しました。会社を設立しようとしています。
河村はヘビメタ・バンドを同じ年代の人たちと結成した
O.G.B(オヤジでゴメンねバンド)でがんばっています。
佐竹は奥さんの話にしだいにひかれ、田舎で蕎麦屋さんを
開きたいと夢を描きます。
移住しようとしている所は故郷を出て行く人が多く
空いた家をリホームして街の人たちを呼び込もうと
しています。
いろんな思いで引越してきた人たちがいます。
佐竹は都会を引き払ってゆうとりあへ引越します。
ゆうとりあでは猿、猪、熊が里まで下りてきて畑を
荒らします。
田舎での生活は楽ではありません。

こういうお話です。
定年後を田舎で過ごそうと思う人たちは多いでしょう。
興味深い話です。
なのになんだか本にのり切れないです。
たまにどうしてなのか理由が自分にもわからないのに
のれない本があります。3/5