垣根涼介著"借金取りの王子"を読みました。
前に読んだ"君たちに明日はない"の続編です。
真介はリストラを請け負う仕事をしています。
以前にリストラ対象になって面接をした陽子とつき合って
います。
"二億円の女"
デパートの外商部を担当します。
男性は仕事ができなくて同僚の評価も格段に悪い人です。
女性は成績抜群で会社としては絶対辞めて欲しくない
人材だけど一応面接は受けることになっています。
彼女は毎年上乗せされる目標額に疲れきっていて形だけの
面接の席上で「いいです、辞めます」と言ってしまいます。
能力がある人は辞めても生きていけるという自信がある
があるから言えてしまうのです。
"女癖の相"
生命保険会社です。
エリートコースを歩いていた人が通らなければいけない
ルートからずれることを承知で転勤願いを出してコース
からはずれました。
そのためにリストラ対象になりました。
この人女性恐怖症なんです。保険の外交員の女性たちを
うまく統制していけなかったのです。
会社は辞めることになりましたが最後にいたコンピュータの
システム開発で知り合ったSEにソフト開発の仕事を
紹介されます。
好きだった旅行がきっかけとなりました。
"借金取りの王子"
消費者金融です。
対象となっているのは所長です。所長といってもまだ若い
人です。
成績が悪いというわけではなく、所員の評価もレベルが
高いのです。
ただ常にがむしゃらに成績を上げようとせず評価が悪く
ならないようにと考えて働いているのをうとましく思う
トップの思惑からリストラ対象となっています。
彼の奥さんは彼の元上司です。この女性はすごい人です。
とても魅力的な人です。
この会社を辞めた後、彼から結婚を申し込まれます。
幸せではない家庭、元暴走族で高校も退学しています。
結婚を申し込まれた時8ヶ月待ってくれるよういいます。
彼の両親に会った時、彼女は言います。
彼は今の仕事を続ければ神経がまいってしまうかもしれない、
そうなったら自分が彼と生まれるかもしれない子供を一生
食べさせていきます、と年間一千万円となる給料の明細を
みせます。会わなかった間に新しい仕事をやっていく目途を
立てたのです。かっこいいです。
この男性も会社を辞めても新しい道を奥さんといっしょに
歩んでいける人です。
"山里の娘"
新潟の温泉旅館です。
今回は無理やりリストラさせる必要はなく条件を提示して
辞める人が出てくればそれでいいという気分的に楽な
仕事です。
下見に陽子といっしょに泊まりに行きます。
ここで社長に出合ってしまいます。
陽子が社長に気をとられています。
面接をした二十台後半の女性は辞めてもいいかと思って
います。
このまま田舎で生きていくのに疑問を持っています。
都会へ出てみたいという気持ちでゆれています。
"人にやさしく"
陽子は派遣社員二人を使う事務所の所長です。
一人が辞めることになり派遣社員を新しく雇おうと
しています。
真介の会社が派遣業を新しく始めることになり真介が
チーフとなります。
真介の会社に斡旋してもらうことにします。
その人選についての話です。
この本も興味深く読みました。
あっという間に読んでしまいました。
みんないっしょうけんめい働いているのですね。
ここまで働くのかと思ってしまいます。
結構命がけですね。
仕事というものは命をかけてまでするものとは違うと
思っていたのですが甘いですか。
今回の地震でも皆さん命がけで救助や復興に働いて
みえて、自分の仕事に対する姿勢は間違っていたかも
しれませんね。
題名になっている借金取り王子が一番よかったです。4/19