雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

オリエント急行殺人事件

2018-01-13 11:48:48 | 映画
久しぶりに映画を観に行ってきました。
"オリエント急行殺人事件"です。
名探偵ポアロが登場する有名な話です。
何度も映画化やテレビドラマ化されていて内容は
わかっています。
それでもやっぱり観たいです。
今回の映画の良かったところは何といっても
風景です。
イスタンブールの海の風景もよかったです。
でも列車が雪を頂いた山々の間を走る広大な
風景はすばらしかったです。
視点が人の目線ではなく空中からのものが多く
あります。
雪崩で列車が止まった場所が木で組まれた橋の
上です。
この橋の構造も美しかったです。

まず現実にこの場所に行くことはないでしょうから
居ながらにして世界の風景を見られることは
映画の楽しみの大きなところです。
映画にはまっていたのは中学、高校生のころです。
どっぷり映画にのめり込んでいました。
あのころは現在の場所からどこにも行くことは
かなわず映画が別の場所へ連れて行ってくれる
ものでした。
親の庇護の元にある者としてはいかんともしがたい
ことではありますが、苦しさを感じていました。
この映画の風景は、あぁあのころは夢中で映画を観て
いたなぁという懐かしい気持ちを思い出させて
くれました。

話しの内容を知らない人もみえるでしょうから
詳しくは書けませんが、最後の場面はなんとも
さみしく苦しそうに見えました。
この人たち癒されているのだろうか、いやこれから
先も一生辛さを背負って幸せにはなれないのでは
ないのだろうかと思えました。

1974年に映画化されたイングリッド・バーグマンや
ショーン・コネリーが出演していた版では、最後の
部分はハグしたりお酒を飲んだりして笑顔で終わって
いたような気がします。
殺人の後でこれはないだろうという気もしましすが
これからの人生を前向きに切り開いて生きていける
のだろうなという感じをいだかせてくれました。

どちらの映画がよかったかはいえません。
それぞれです。

雪で列車が止まった間の出来事です。
つい先日、新潟で雪のため列車内に十数時間
閉じ込められる出来事があったばかりです。
オリエント急行は豪華列車ですから止まっても
ゆったりと過ごせます。
かたや日本の列車では立っていた人がいたとか、
過酷な状況でしたね。

生きうつしのプリマ

2016-08-05 09:24:18 | 映画
映画"生きうつしのプリマ"を見てきました。
ゾフィはドイツでJAZZ歌手をしています。
父が1年前に亡くなった母エヴェリンにそっくりのオペラ歌手の
カタリーナがニューヨークにいることをネットで見つけます。
NYへ行って彼女について調べてくるよう父に強要されます。
彼女は頑なにゾフィと話そうとしません。
施設にいる認知症のカタリーナの母はエヴェリンの写真を
見せるとエヴェリンだと言いました。

しだいに真相がわかってきます。
なに書いてもネタバレになりかねないのでこのへんに
しておきます。
しかしまあ、なぜ人生をこんなに複雑なものにしてしまう
のだろうと思います。
ゾフィが真相がわかってつい笑いだしてしまう気持ちが
わかるような気がします。
単純な人生もいいけど、複雑な人生だって悪くはないでしょう
という声が聞こえてきそうです。
同じような内容を日本で映像にしたらドロドロの話に
なってしまいそうです。
この映画ではほどんどの人が、からりと真実を受け止め過去に
影響されることなくこれからを生きていくことでしょう。
中には夜な夜なうなされている人もいますけど。

この瞬間を逃したら真実は表に現れなかったかもしれない、
その一瞬にふうせんが割れた、みたいな感じですね。

ミモザの島に消えた母

2016-07-27 19:31:59 | 映画
映画を見てきました。
「ミモザの島に消えた母」です。
アントワンは10歳の時にミモザの島と言われるノアール
ムーティエ島で母を溺死で失いました。
その時、妹のアガッタは5歳でした。
30年経ちました。
母のことは家族の間で禁句になっていました。
アントワンは母の死の真相を知りたいと思います。
妹はどうして知りたがるのか理解しようとしません。
父も祖母も、再会した昔の使用人も話そうとしません。
彼は使用人から渡された母の遺品の中の時計から
真実に近づいていきます。

父や祖母と激しい諍いを起こした数日後に祖母は亡くなります。
葬儀の場でやっと真実を知らされます。

知らないということは重くのしかかることだったでしょう。
妹は知らなくていいという態度だったのに、真実を知ったら
ころっと変わって激しく憤っています。
上映中の映画で詳しくは書けません。
この二人にとって真実を知るということはよかったことでしょう。

ノアールムーティエ島は本土とは海の中の道を通って行き来
します。
この道は満潮になると海の中へ消えてしまいます。
ミステリーにはうってつけの島ですね。
日本にもこんな島があったような、なかったような・・・

いい映画でした。

Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

2016-04-21 18:35:19 | 映画
久しぶりに映画を見てきました。
"Mr.ホームズ 名探偵最後の事件"です。
ホームズ役はイアン・マッケラン、"ホビットの冒険"で
魔法使いのガンダルフをやっていた人です。
ホームズは93歳で田舎に引きこもって養蜂をしています。
家政婦とその10歳ぐらいの息子と暮らしています。
このロジャーという少年とホームズとのやり取りがとても
いいです。
ホームズは初期の認知症になっていて昔のことが思い出せません。
探偵を止めることになった最後の事件のことを思い出して
書き残そうとしています。
ロジャーはその話を聞くのを楽しみにしています。
手助けをしてくれる人がいなくなった養蜂の仕事もロジャーは
手伝うようになります。
思い出しては書いていきます。

ロジャーの母親は別の仕事に移ろうとしています。
ホームズに優しく接してはいますがロジャーがホームズと
あまりに親密になるのを心配して時に冷たくなります。

やっと最後の事件のすべてを思い出します。
そんな時にある出来事が起きます。

題名からはミステリーを思わせますが、ミステリーでは
ありません。
高齢の老人と小さな男の子とその母親との交流の方が
主題だと思います。
年老いたホームズは寂しげです。
イギリスの田舎の風景がたっぷりと見られます。
映画の良さは行けない場所を見られることもひとつに
あります。

最後の方でジャーの母親が、それまで興味を示さなかった
養蜂の手伝いをする気になります。
蜂よけの網をかぶって、どうしたらいいのって出てくるのは
あらら、ずいぶんな変わりようとおかしくなりました。

日本が出てくるのですよ。
なんで日本なのって気がしないではありません。
ホームズは終戦直後の日本に山椒を求めてやってきます。
ウメサキという日本人として真田博之が出演しています。
山椒って山椒魚かと思ってしまいましたが植物の山椒でした。
山椒のスープなんてものがあるんでしょうか。
江戸紫の海苔みたいな山椒を持ち帰って食べていましたが
そんなものもあるんでしょうか。
認知症を遅らせる働きがあるのだそうです。

コードネームU.N.C.L.E

2015-11-20 13:28:59 | 映画
数日前に映画を見てきました。
「コードネームU.N.C.L.E」です。
UNCLEと聞くとナポレオン・ソロと対で答えてしまう
年代です。
まさかと思って広告の看板をみたらそのまさかのナポレオン・
ソロとイリア・クリアキンが目に入ってきました。
これはたとえ見終わってがっかりしても見なくてはと
思いました。
結果からいえば楽しい映画でした。
1960年代のテレビドラマだった時のものと同じなのは
ソロとイリアの名前ぐらいです。
時代は60年代、このころの感じが心地よくて安心して
見ていられました。
最近見るのは単純なアクション映画がほとんどです。
でも見ているとあまりにハイテクな場面とわけがわからない
内容をぼーっとみているだけです。

今の時代と較べるとなんかのんびりした雰囲気で、人間って
このくらいの技術力でよかったんじゃないかって思って
しまいました。

テレビのイリアはハムサム(死語?)でかっこいい人でした。
映画のイリアは力自慢で精神的にもろくって我慢がきかない
人物でまったく違いますがこんなタイプもいいかなって
思わせられました。

途中でUNCLEって言葉が全然出てこなくてどうしてあの
題名が付いているのかなと思いました。
わかるのは最後です。
久しぶりに面白かったという映画を見ました。

久しぶりに文章を書いてみましたが、肩が痛いです。

ホビット 決戦のゆくえ

2014-12-28 20:54:39 | 映画
映画"ホビット 決戦のゆくえ"を見てきました。
三部作の最後の作品です。
一部、二部と見てきたので最後も見ないわけに
いきません。
しかし原作のホビットとはずいぶん離れた話に
なってしまいました。
竜を退治したところで原作は終わっているのに
映画では最初で竜は退治されてしまいます。
あとは戦闘部分が大半です。
二つに分かれての戦いではなくいくつもの種族が
いったい誰と誰が何のために闘っているのかさえ
わかりません。
戦闘の場面を見るのが好きだというならきっと
気に入るでしょう。
ホビットの原作は児童書だったはずです。
これは子供に見せたい映画とは言えません。
戦闘が収まった後、いったい宝はどのように分配
されるのでしょう。
平和はおとずれるのでしょうか。
かなり中途半端です。
竜が宝を守っていた時の方がはるかにましのような
気がします。

"ホビット"が"指輪物語"の前の部分にあたるわけ
ですが"指輪物語"を読むのに以前、挫折しました。
いつか映画の"ロード・オブ・ザ・リング"の三部作を
見てみたいものです。

ふしぎな岬の物語

2014-11-06 10:21:34 | 映画
昨日映画を見てきました。
"ふしぎな岬の物語"です。
小説の"虹の岬の喫茶店"を映画化したものです。
3年前に読んだので本の印象は薄れていますが、映画と
本はまったく違うものと感じました。
海の見える喫茶店やいくつかのエピソードは本に沿って
いますが雰囲気は別物です。
どちらがいいかといったら本の方をとります。
あの喫茶店に行きたいとは思いません。
のんびりコーヒーを飲んでくつろげそうにありません。
行きずりの者が訪れるには敷居が高すぎます。
常連の人が寛ぐ場所として経営しているのでしょうから
それでいいのでしょう。
吉永小百合さん演じる悦子さん、暗いです。
心に悩みを抱えながらも表面は明るいという感じ
だったらいいのになと思います。

隣に住む甥の設定は本とは離れています。
阿部寛さんが演じていますがめちゃくちゃぶりが
いいです。
笑福亭鶴瓶さんも30年間悦子を思い続けた雰囲気が
よかったです。

ガス燈

2014-03-27 21:00:00 | 映画
著者 :
ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日 : 2004-08-06

"ガス燈"のDVDを借りてきました。
1940年の英国映画と1944年の米国映画の2つが
1枚のDVDの表と裏に入っていました。
1944年のイングリッド・バーグマン主演のものは
テレビで放映されたことがあり見たことがあります。
もともと舞台で演じられていたものだということです。
ちょっと登場人物の設定が違っていたりはしますが
二つの映画はだいたい同じ内容です。
家の階段部分だとか鍵が掛かった夫の机は同じといって
いいほでです。
どちらもよかったです。

1944年版で書きます。
ポーラは有名な歌手だった叔母に引き取られ育ちます。
叔母は家で殺されました。
家を出て10年たちポーラは結婚して叔母の家に
帰ってきます。
叔母の持ち物は屋根裏部屋にすべて移され入り口は封印
されました。
夫がポーラが物忘れがひどく物を盗んで隠すように
なったとなじるようになりました。
ポーラにはその記憶がありません。
夜夫が仕事部屋に行くと家を出ていくとガス燈が暗く
なります。
階上で人の歩く音がしてきます。
ガス燈が明るくなってしばらくすると夫は帰ってきます。
ポーラは自分が正気をなくしていっているのだと思い
こみます。
ポーラの叔母を知る警察官が夫を怪しみ調べ見張って
います。
夫が探していたのは叔母の持っていた価値がある宝石です。
ポーラは危ういところを助けられます。

夫によって追い詰められていく女性がうまく演じられています。
人ってこんな風に簡単に操られてしまうものなんでしょうか?
たくみに人の心を操れる人を相手にしたら抜け出せない
ものなのでしょうね。
しかし残酷なことをするものです。
宝石を捜したいのであれば空き家の時に忍び込んで
探せばよさそうなのに。

見知らぬ乗客

2014-02-07 21:00:00 | 映画
著者 :
ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日 : 2008-11-19

ヒッチコック監督の"見知らぬ乗客"のDVDを見ました。
有名になったテニス選手のガイは電車の中で知り合った
ブルーノという男に交換殺人を持ちかけられます。
ガイは妻と離婚したがっています。
上院議員の娘のアンと結婚したいと思っています。
妻のミリアムは男と浮気を繰り返しお腹には浮気相手の
子供を宿しています。
ブルーノは父親にうるさく小言を言われ殺したいと
思っています。
持ちかけられた交換殺人をガイは断ります。
しかしブルーノは遊園地でガイの妻を殺してしまいます。
約束通り父親を殺せとガイに迫ります。
ガイは警察に疑われ尾行者がついています。
ブルーノはいろんな場所に現れてはガイに殺人を迫ります。
ガイは殺人をする気はなく断り続けます。
アンがガイの様子に気づきます。
ブルーノは殺人をしようとしないガイに腹をたてガイが
忘れていったライターを殺人現場に置きにいこうとします。
それを知ったガイはテニスの試合後に後を追いかけて
いきます。

こんな状況に巻き込まれてしまったらどうやって無実を
晴らせるのだろうとすごく怖いです。
交換殺人の約束をしていないと言ってもはたして警察を
納得させられるのかと心配になります。
現実にこんなことが起きたらどうしたらいいのでしょう。
そんな恐怖感が漂っていました。

旅人は夢を奏でる

2014-02-06 23:38:18 | 映画
フィンランドの映画"旅人は夢を奏でる"を見てきました。
35年ぶりで3歳の時に別れた父親が現れていっしょに
旅する話です。
ピアニストのティモは妻子が実家に帰ってしまいました。
現れた父だというトムは胡散臭い人です。
無理やりに車に乗せられて旅に出ます。
姉に会います。
初めて姉がいることを知ります。
異母姉です。
それから父の母親にも始めて会います。
亡くなった母が養母で実母がいることも知ります。
別れた妻子にも会いに行きます。

二人は本物の音楽家だそうで途中には二人で歌う場面が
あります。
ちらしにはユーモアあふれる人間賛歌だなんて書かれて
いますが、私はユーモアは感じませんでした。
なんだかあまりよく理解できていません。

旅の途中よく盗みをするのです。
それがごく普通の行為みたいに。
父はそういうことが普通の生活なんでしょうが、ティモは
まじめなピアニストなのにあっさりと受け入れている
みたいで、すごく抵抗があります。
初めて会う父でも、父だとすぐ受け入れられるもの
なんでしょうか。
今まで知らなかった血縁のある人達とたくさん会います。
ごく普通の家庭で育ちなんの疑問も持たなかったけど
自分のルーツを知るということは安定した気持ちに
なるのかしら。
最後の部分はなんだかねぇ。
人生を狂わされた人ができちゃったじゃない。

暗くなるまでこの恋を

2013-11-18 19:56:21 | 映画
著者 :
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
発売日 : 2005-10-21

映画を見てきました。
名演小劇場という映画館で1週間ずつ3週間カトリーヌ・
ドヌーヴの作品が上演されています。
今日観たのは"暗くなるまでこの恋を"です。
44年前の作品です。
主演はカトリーヌ・ドヌーヴとジャン=ポール・ベルモントです。
題名から単純な甘いロマンス映画だと思っていました。
近松門左衛門のどんどん追い詰められていく心中物みたいな
感じがします。
もっとも近松の作品は角田光代さんが現代風に書き直した
"曾根崎心中"しか知りませんけど。

ルイは南アフリカの近くのフランス領レユニオン島で
タバコ工場を経営しています。
文通で交際した女性と結婚することになりました。
船でやってきたのは写真とは違う美しい女性です。
幸せな新婚生活を過ごします。
妻が個人と会社の預金を引き出せる手続きをした後に
全てのお金を引き出して姿を消しました。
本来の妻となる女性は船上で殺されたと思われます。
女には仲間の男がいました。
ルイは本来妻となるはずの女性の姉と共同で探偵を
雇います。

フランスでルイは女がクラブを紹介するテレビに出て
いるのを見つけます。
彼女のホテルに入り込みます。
殺すつもりでしたがルイにはできません。
二人で逃避行を開始します。

途中で雇った探偵に見つかります。
見逃してくれという願いを聞いてくれません。
ルイは探偵を撃ち殺してしまいます。
探偵を借りた家の地下室に埋めまた逃げます。

工場を安く処分してお金を手にします。
しかし探偵の死体が見つかり警察の手が伸びてきます。
ホテルに置いてきたお金を取りに戻ることも出来ません。

雪の降る中逃げます。
非難小屋のようなところへたどり着きます。
ルイはマリオンに毒を盛られます。
ルイはマリオンに君に殺されてもいいと言います。

二人は雪の降る中歩き出します。

男は女に魅入られてどんどん破滅していきます。
親から引き継いだ工場を経営していれば裕福に暮らせた
ものを持っていたものを失くしていくばかりで最後は
何もありません。
女はいっしょにいれば男の身を滅ぼしてしまう人ですが
悪女とは違うと思います。
男は最初から恵まれた人生で苦労はしていないし、女は
貧乏で惨めな人生を過ごしてきて盗んだり男に貢がせたりの
人生で二人とも普通の人生を生きていく方法を知らない
のでしょう。
女を賞賛する言葉、反対にさんざん非難する言葉、
よくこれだけの言葉がでてくるなと感心します。
男と女の駆け引きを見るのもおもしろいです。

二人は映画が進むにつれどんどん破滅していきます。
雪の中の二人は逃げられるのでしょうか。
まるで雪の中へ心中をしに行くように見えます。

ドヌーヴは美しいです。
ジャン=ポール・ベルモントの懐かしい名前を聞きました。
ちょっと頼りなげな雰囲気が出ていました。

次の作品は"恋のマノン"だそうです。
マノン・レスコーの現代版だそうです。
マノン・レスコーは学生時代に本を読みました。
行けたら観に行きたいです。
その次は"シェルブールの雨傘"だそうです。
これは何回か観ましたし、あまり好きではないので観る
つもりはありません。

映画館は小さな所でチケット売り場が劇場のすぐ脇です。
チケットを買う人の半分ぐらいが題名を言わずに
"ドヌーヴ"って言っているのが聞こえました。
それで通じてしまうのだからすごいです。

パリの恋人

2013-11-12 19:23:43 | 映画
著者 :
パラマウント ジャパン
発売日 : 2006-04-21

映画"パリの恋人"のDVDを借りてきて観ました。
1957年の作品だということですが、古さを感じ
させません。
主演がオードリー・ヘップバーンにフレッド・アステア
のミュージカルです。
本屋の店員のジョーの店に女性雑誌のカメラマンをして
いるディックが撮影場所としてやってきます。
ジョーにモデルとしての才能を見出したディックはパリ
での撮影に誘います。
ジョーは共感主義に惹かれておりパリにいる提唱者の
教授に会えるかもしれないと行くことを承知します。
お決まりのジョーとディックが恋に落ちるという話で、
特に内容がある映画ではありません。
モデルとしてドレスを紹介するのですからオードリーの
美しいドレス姿がたくさん見られます。
現代でもぜんぜんおかしくない洗練された美しいものです。
オードリーは美しい人ですね。
歌やダンスのシーンがたくさんあります。
オードリーはクラシックバレエを習っていたということ
ですがダンスシーンは優雅です。
アステアが闘牛士のまねをして踊る場面があるのですが
ほれぼれと見入ります。
着ていたコートを脱いで赤い裏側を闘牛士の持つ赤い布に
みせて振るのですがその動きが美しいです。
今のダンスは体力がなけれなできないような激しい
動きですがこの映画のダンスは静かで緩やかで優しいです。

ジョーはパリで教授に出会い仕事をめちゃめちゃにしたり
すっぽかすのではないかと大勢の関係者をやきもきさせます。
お話に、現実の責任感を持ち込んでどうのこうのというのは
野暮ですが仕事は真面目にやった方がいいよ。
美しいオードリーをみたり優雅なダンスを見たりと楽しい
映画です。

真夏の夜の夢

2013-09-01 20:50:53 | 映画

シェークスピア作"真夏の夜の夢"のDVDを図書館で
借りてきて見ました。
1935年製作、監督はウィリアム・ディターレです。
"真夏の夜の夢"の題名は知っていても見たのは初めてです。

アテネの女性のハーミアと貴族の若者のライサンダーは
恋仲ですがハーミアの父は交際を許しません。
父はハーミアをディミートリアスと結婚させたいと
思っています。
ハーミアとライサンダーは夜の森へ逃げます。
ディミートリアスが後を追います。
ディミートリアスを好きなヘレナもディミートリアスを
追って森へ入ります。
劇の練習をしようと町の職人たちも森にやってきました。

妖精の王と王女は養子を取り合って喧嘩をしています。
妖精の王は妖精のパックに不思議な花を取ってこさせます。
まぶたに雫をたらすと最初に目にした人に恋してしまいます。
職人の一人のボトムの頭をロバに変えてしまいます。
王女は最初に見たロバの頭をしたボトムに恋します。

雫をたらされたライサンダーは最初に見たヘレナに恋して
追いかけます。
やはり雫をたらされたディミートリアスもそれまで
振り向きもしなかったヘレナを追いかけます。
ヘレナは急に二人の男が好きだと言い出したのでばかに
していると怒り、ハーミアも心変わりされて怒ります。
4人は大騒動です。

やがて朝が近づき王は王女とボトムの魔法を解いてやり
仲直りします。
若者達はハーミアとライサンダー、ディミートリアスと
ヘレナの2組の恋人たちにしてやります。
朝がやって来て妖精たちは帰っていきます。

楽しい話です。
特に注目するのが妖精のパックです。
10歳ぐらいに見えるのにすごく大人びていて演技が
うまいのです。
誰なんだろうと検索してみたらミッキー・ルーニーと
いう人で現在92歳で俳優としてずっと活躍している
そうです。
"ティファニーで朝食を"でおかしな日本人を演じている
のがミッキー・ルーニーだそうです。
"真夏の夜の夢"は15歳ぐらいの時の作品になりますから
大人っぽくてもおかしくないですね。
外観がこどもぽっく見えるということなんでしょう。

この文章2、3日前に一度書いてアップしたつもりなのに
消えていました。
2度書くのはもう嫌だと投げ出しましたが書いておかないと
忘れてしまう頭を持っていますので冷静になったところで
書き直しました。
エディターで書いてそれを投稿する画面に貼り付けて
操作ミスで消えないよう用心しているのに、投稿する前に
閉じてしまい、エディターの方もファイルせずに閉じて
しまいました。
つくづくばかだなぁと思いました。
今回はちゃんと「投稿する」ボタンを押します。

第三の男

2013-06-09 19:06:23 | 映画

映画のDVDを図書館で借りました。
"第三の男"です。
60年も前のモノクロ映画です。
この映画も映画史に残る映画です。
たぶんテレビで見ているとは思うのですがぜんぜん覚えて
いません。
映画が始まる前に亡くなった淀川長治さんの解説が入っています。
どのシーンを取っても必要なシーンで映画の教科書のような
映画だそうです。
完璧過ぎて好きな映画だけどそこが嫌だみたいなことを
言ってみえておもしろいです。

アメリカ人のホリーが20年来の友人のハリーに招かれて
ウィーンへ到着します。
時代は終戦直後のウィーンが4カ国に統治されている
ころです。
アパートへ訪ねるとハリーは建物の前で交通事故に会って
葬式の最中だと聞かされます。
お墓へ行ってみるとイギリス人の少佐やハリーの友人や
女優の恋人のアンナなどに出会います。
彼女は亡命者です。
ホリーは事故の様子を聞いて回ります。
事故を見ていた門番は事故直後にハリーに駆け寄ったのは
3人だと言います。
友人たちは二人しかいなかったと言っています。
題名の第三の男はこのことをいっています。

少佐からハリーが水で薄めたペニシリンの違法な取引きを
していて追われていたことを聞かされます。
何人もの人が犠牲になっています。
ホリーは信じられなくて真実を探ろうとします。
映画の前半は何が何だかわからない雰囲気がただよっています。

アンナの家にいた猫はハリーにとてもなついていたといいます。
町にさまよい出た猫は建物の影に隠れていた男の足に
すりよります。
光が男の顔に当たり姿を現します。
DVDの表紙がそうです。この部分が印象的です。
これがハリーです。
死んではいませんでした。

ホリーはアンナを逃がすためハリーを捕まえる手伝いを
する取引きをします。
ホリーとハリーが話し合いをする観覧車の場面も
見所の一つです。
観覧車の中から地上の人を見て虫けら扱いするハリーを
見ているとぞっとしてきます。
アンナは取引きに気づいて拒否します。
ハリーは追い詰められて下水道に逃げ込みます。
下水道での逃走部分も見所です。

最後はハリーの葬儀の場面です。
葬儀が終わってアンナが並木の間をまっすぐ前を見て
歩いてくる場面です。
印象的な部分です。

アンナのハリーへの愛情は強いです。
しかしハリーは悪人です。
ハリーはアンナをあっさり捨てられる人です。
こんな人を愛するといってもなぁと感じてしまいます。
たとえどんな人でも愛するのが愛情なんでしょうか。
相当に強い自我がなければ負けてぼろぼろの人生に
なりそうです。
たしかにアンナは強い人です。

映画 "十二人の怒れる男"

2013-05-27 21:16:00 | 映画
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
発売日:2001-12-21

図書館では映画のDVDも貸してくれます。
今回初めて借りてみました。
"十二人の怒れる男"です。
映画の話題になると名前が挙がる映画です。
たぶんテレビで放映されたことがあると思います。
見たことがあるような気はするのですが内容は
といわれるとぜんぜん記憶にありません。
一度しっかり見たいと思っていました。

少年が犯したとされる父親の殺人事件を12人の
陪審員が裁くという内容です。
場面はずっと話し合いが行われている一室です。
11人が有罪と判定しましたが一人のみが無罪を主張
します。
少年が犯人だという二人の目撃者がいます。
少年はその時映画を見ていたといいますが家に戻って
きて逮捕された時に題名や内容を答えられませんでした。
少年はずっと父に暴力を振るわれていました。
父に殺してやると叫んでいる声が聞かれています。
ナイフはめずらしいものでどこでも手に入るものでは
ないといわれています。

こうした証言が一つずつ検討されていきます。
目撃者の証言が信用できないものだと確認されます。
ナイフは手に入れることが出来ることが証明されます。
動揺している時には映画の内容を言えなくても
おかしくはないと納得させます。

だんだんと無罪に傾いていく人の数が増えていきます。
スラムの住人に対する偏見から激しく暴言を吐く人物に
対して他の人は背中を向けます。
スパルタで息子を育て、大人になった息子は父から
去り音信が無くなった男は若者に憎しみを抱いています。
陪審なんてどうでもいい、野球を見にいけるかどうか
それが大事だという男もいます。

暑い部屋の中でぶつかり合う人達の熱気がすごいです。
しかし陪審ってこんなこと話あうものなのかと疑問も
感じました。
これは警察がしっかり調べ、裁判で弁護士が明らかに
していくものではないのか。
どうして探偵のようなことしなくちゃいけないのかと
感じます。
映画の中で弁護士が無能だとは何回か言われています。

全員が無罪ということで終了しましたが、実際のところ
少年が本当に無罪なのかどうかはわかりません。
今回裁判に提出された証拠からは無罪だということです。

12人の人それぞれが存在感があり映画は見ごたえが
ありました。
このような死刑にするかどうかの陪審は絶対やりたく
ないです。