下村敦史著"緑の窓口 樹木トラブル解決します"を
読みました。
天野優樹は区役所に勤めています。
岩波先輩と共に緑の窓口に移動になりました。
樹木に関するトラブル、相談事を取り扱う部署です。
優樹は移動に不満はありませんが、岩波は花粉症で
あるため不満一杯です。
"スギを診せてください"
嫁と姑との争いです。
大きくなったスギを嫁は切ってしまうといい、姑は
切らせないと争っています。
訪れた家で樹木医と名乗る柊紅葉と出会いました。
彼女の提案で剪定することで決着しました。
しばらくしてスギの木を見に行くと元気がなくなって
いました。
その根元にはアジサイが植えられていました。
"クヌギは嘘をつきません"
隣の子ども家庭支援課の荻村という女性職員が
樹木がらみのトラブルで窮地に立たされています。
庭のクヌギが車の上に倒れたので、莫大な修理代を
要求されています。
柊に助けを求めます。
"モッコクの落とし物です!"
仕事の帰りにモッコクの葉を拾った柊はモッコクの
植わった庭に侵入しました。
剪定をしていた人は認知症とみられる症状で、1年ほど
剪定していません。
木に虫を撒くといって家の人たちは困っています。
しかし樹木の専門家の柊には何が起こったのか
わかりました。
家の人たちの勘違いがとんでもないことを引き起こして
いました。
"ソメイヨシノは実は、"
華月という少女にタイムカプセル探しを依頼されます。
女性から父親に来た手紙に書かれていたタイムカプセルが
ソメイヨシノの根本に埋めたと書かれていました。
しかし桜の木がありません。
あるのは若いヤマザクラです。
"チャボヒバを前に無力です"
病院の病棟から見える位置にチャボヒバが2本ありました。
元気なものと、ほとんど葉が付いてないものの2本です。
オー・ヘンリーの小説の"最後の一葉"に見立てて木を見ていた
子いました。
しかし木は誰かに切られてしまいました。
残った方の木に思い入れのある別の子がいます。
"全ては、樹木が語ってくれました"
柊の母親は植物学者として忙しく働いています。
子供の時にユリノキの苗木を渡され、妹として育てて
きました。
しかし母親が相談もなく木を切り倒してしまいました。
それ以来、柊は母親を許すことができません。
母からエドヒガンサクラの木で揉め事が起こっている
田舎へサクラを見に行って欲しいと頼まれます。
サクラは急激に弱ってきました。
切り倒したい人と残したい人の地所の境界あたりに桜は
植わっています。
木に問題はなさそうなのに元気をなくしてきた原因を
優樹や柊たちは村の人たちに話を聞いて回ってつきとめ
ようとしました。
柊の母がユリノキを切ったのには理由があるのではと、
優樹は柊に話しかけます。
おもしろかったです。
柊、優樹、岩波とそれぞれ個性的でいい雰囲気です。
柊が一人優秀な能力で問題を解決していくのではなく
優樹らの助けも借りて問題にあたるというのもいいです。
樹木がらみで起きるいろんな出来事でした。