雑記帳

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つくもがみ貸します

2009-09-18 19:32:54 | 
畠中恵著"つくもがみ貸します"を読みました。
通勤の電車の中で読むのにいいですよ。
100年以上経った品物は、妖(あやかし)となる物が
あります。この妖を付喪神(つくもがみ)と言います。
心が宿りしゃべります。
出雲屋は小道具屋兼損料屋です。損料屋とは物を
貸す商売です。江戸時代の人たちはほとんどの
物を借りて生活していたと言います。
出雲屋はお紅(こう)と清二という若い二人が
経営しています。
この出雲屋につくもがみたちが集まっています。
つくもがみたちは貸し出されて行った先々で見聞き
したことを帰ってきて仲間内でおしゃべりします。

つくもがみが話していることをお紅、清二は聞こえます。
お紅、清二が話していることもつくもがみたちは
聞こえます。
それなのにつくもがみはこのふたりとは話そうとは
せず、仲間内で話していることがふたりに伝わるような
話し方をします。
ややこしいことす。つくもがみは人間と口をきかない
ものだそうです。

ここにお紅が好きな飯田屋の佐太郎が絡んできます。
お紅、清二は兄弟のようにして暮らしてきましたが、
実際は兄弟ではありません。
佐太郎と香炉の行方不明と、お紅をめぐる恋の行方を
巡って話は進みます。

つくもがみと呼ばれているけどおしゃべりできる
だけでそれ以上の力はないようです。
中には走ったり飛べたりするものもいますけど。
あちこちで聞いてきたことを間接的に伝えることで
二人に協力します。
つくもがみとお紅、清二とのやり取りがおかしいです。

楽しい本でした。

1 コメント

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つくもがみ (もののはじめのiina)
2018-12-19 15:34:23
「つくもがみ」を「九十九髪」もしくは「付喪神」と漢字表記するそうです。

その壺を持つと天下人になれるからと「天下壺」といいます。
    しかし、いつまでも持ち続けるとわざわいをもたらすので「付喪神」にもなるのだと申します。

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