雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

花の下にて春死なむ

2011-12-16 20:07:15 | 
今日は寒いです。風がびゅうびゅう吹いてます。
帰宅時には雨がぽつぽつ降ってきました。
こういうのを氷雨って言うのでしょうか。
夕食を食べたばかりで何かおやつはないかと探して
います。こんなんだから肥るのですね。
あいにく何もありません。
そうだアイスクリームがあった、と冷凍庫から
取り出しました。
この寒い日になんでこんな冷たいもの食べている
んだろうと思いつつ、でも食べました。


北森鴻著"花の下にて春死なむ"を読みました。
題名からは気づかなかったのですが香菜里屋シリーズの
一冊でした。
小さな見過ごしてしまいそうなバー香菜里屋に人は
集まります。
バーテンダーの工藤が作る料理はおいしそうです。

"花の下にて春しなむ"
自由律句の同人の片岡草魚が部屋で病死しているのが
発見されました。
亡くなってわかったのは草魚の身元がつきとめられない
ことでした。
やはり同人の七緒が草魚の身元を調べます。
彼が口にした方言から故郷を付き止めます。
昔の新聞から何が起きて草魚が故郷を後にして二度と
帰らず身元も明かさなかったのかを付き止めます。

"家族写真"
駅に設置された本棚の本に同じ写真がはさまれていた
ことの謎を香菜里屋のカウンターで話されます。

"終の棲み家"
写真家の妻木がテーマとして選んだのは川原に小屋を
作り野菜を育てている夫婦でした。
個展を開くことになりました。
そのポスターがすべて盗まれました。
夫婦が不愉快に思っているのかと香菜里屋で工藤に
話をします。
夫婦の小屋へ行ってみると行政の手で取り壊されて
いました。
しかし・・・、しばらくして夫婦の妻から小包が送られて
きました。

"殺人者の赤い手"
笹口ひづるは香菜里屋へ行く途中で警官から職務質問を
受けました。近所で殺人事件があったのです。
ひづるの弟は小さなころに公園で亡くなっています。
事件なのか事故なのかはっきりしません。
警官も実はその時の関係者でした。
現実の事件と過去の出来事の話です。

"七皿は多すぎる"
回転寿司店で鮪ばかり7皿もしかも何日も同じように
食べる男を見たと話していた叔父、甥がいたと香菜里屋で
話題となりました。
これは寿司屋の店員に対する暗号なのかと議論がされます。
しかし本当のこの話の意味は工藤が推理します。

"魚の交わり"
最初の話に登場した草魚と七緒が再登場してきます。
七緒が草魚の行き様を書いた文章を見て、読者から草魚が
鎌倉にも住んでいたことがあるのではないかと知らせて
きました。
草魚は引越すたびに姉に白紙のはがきを送っていました。
消印で住んでいる場所だけ教えていたのです。
でも草魚ははがきを送っていません。
ある女性と交際をしていたようです。
彼女は病気でほとんど体を動かせません。彼女の家の前で
人が殺されたことがあります。
何かの関わりがあるのか。

香菜里屋と工藤が登場します。でも大活躍するというわけ
ではありません。
ちょっと不思議な出来事が話題になり工藤がちょっと
こうではというという話です。