「内藤VS亀田家」の因縁、遂に終止符の時がやって来た!WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦「内藤大助VS亀田興毅」が29日、さいたまスーパーアリーナで行われました。チャンピオンの内藤選手はこの試合が6度目の防衛戦、最年長防衛記録更新を目指します。2階級制覇を狙う亀田選手は3年ぶりの世界戦で、日本人選手との対戦はこれが初めてです。「世紀の一戦」と言われていた日本人同士の世界戦、その結果は…。
まず1ラウンド、内藤は左右のフックを放てば、亀田は左ストレートで応戦。終盤に内藤が飛び込んで行くが、亀田の左ストレートが内藤の顔を捉える。
2ラウンド、亀田の左ストレートで内藤は一瞬腰が落ちそうになり、鼻から出血が目立つ。2ラウンドは明らかに亀田優勢。
3ラウンド、内藤は立ち上がりに亀田を追い詰め、ボディ・フックを打ち分ける。亀田はショートパンチを見せる。中盤には内藤の右フックが当たり、終盤に入り亀田が左アッパーを出すも空振り。
4ラウンド、亀田が右のパンチを出せば、内藤はリングを回り出す。1分経過して亀田が左アッパー、内藤が亀田をロープに詰めて連打を見せるが、決定打が出ない。残り10秒、内藤が再びコーナーに詰めてボディ連打、亀田も負けじと打ち合う。4R終了時点の採点は、1人が39-37で亀田リード、残り2人は38-38の同点で、わずかに亀田が有利。
第5ラウンド、劣勢に立たされている内藤が右のパンチを多発。1分30秒過ぎから亀田のガードをかいくぐるように内藤の右がヒット。亀田も2分過ぎに反撃し、終盤に左のショートパンチが内藤の顔面を捉えた。
第6ラウンド、36秒にまたも亀田の左ストレートがヒット、内藤再び鼻血が出る。内藤はロープに追い詰めてボディ連打を見せ、右のパンチが上手く当たる。1分54秒に亀田の左フック。残り20秒で共に打ち合い、終了間際に内藤が右を出すも効かず。
第7ラウンド、内藤は立ち上がりに右ボディ、43秒に右フックを出す。亀田は右ジャブを出すようになった。2分近くに亀田がボディと左のパンチをヒット。内藤はロープに詰めると左ボディ、中央でもう一度ボディ&フックを狙う。内藤はプレッシャーをかけてボディを狙うも決まらず。残り10秒で亀田は追い詰められるが、すぐに入れ替えて内藤と打ち合った。
第8ラウンド、内藤の鼻血がまた目立つ。亀田は足を使い、右ジャブで牽制し、左の強打を出す。2分過ぎに内藤が飛び込んでくるところに亀田のカウンター右フック。内藤は残り10秒で右フックを的中。8ラウンド終了後、2回目のオープンスコアリングで77-75、77-75、78-74と3者とも亀田を支持。
第9ラウンド、内藤が積極的に前に出て、ロープに詰めると連打を見せる。だが亀田はバックステップ。亀田の足の動きは変わらず、内藤のパンチもブロック。左のパンチを出すと、右フックで内藤の動きを止める。内藤も詰めて連打を出すが、亀田がブロック。内藤が出ると亀田は左パンチ。優勢だからリズムが良いのか?
第10ラウンド、序盤から両者が打ち合うが、内藤が左右の連打で前へ前へと攻める。だが亀田もブロックしてから連打。40秒過ぎに内藤の右ボディがヒットすると、51秒に右ストレート。亀田も左パンチを出すと、また距離を置く。1分45秒過ぎに内藤が左フックも亀田がブロック。2分過ぎに亀田が左パンチを出すと、連打を出していくが、内藤が頭を振ってかわす。残り20秒で亀田のフックが2発決まった。内藤は鼻血のほかにまぶた辺りに出血が見られる。
第11ラウンド、このラウンドも内藤が前に出るが、亀田は足を使って逃れる。44秒に亀田の左が入る。内藤はそれでも前進を止めないが、亀田はリングを回る。プレッシャーをかけられると右フック、連打でリードを奪う。強引に攻める内藤だが、亀田のフットワークの前に空振りが目立つ。
そして最終ラウンド、ゴングが鳴った直後両者が抱き合う。内藤が詰めた後、亀田が左のショートパンチが当たる。共に中央で殴り合い、内藤は左フックと右ストレートを放つが、亀田は右ショート、左ストレートで迎撃。左右フックを出す内藤だが、逆転KOするような決定打が出ず。1分30秒過ぎには右が亀田の顔面にヒット。なおも打ち続ける内藤だが、亀田はブロックからフック。最終ラウンドは両者とも3分間打ち合い、ゴングが鳴ると亀田は勝利を確信したかガッツポーズ。対する内藤は疲労困憊の様子。
勝負は判定にもつれ込み、判定の結果1人は116-112、後の2人は117-111というスコア。3-0の判定で亀田興毅が勝利、新王者で2階級制覇達成。敗れた内藤は6度目の防衛に失敗しました。
因縁の日本人対決は、激しい乱打戦とKO決着の期待もありましたが、フルラウンドまで戦い抜き、亀田選手が内藤選手を破りWBCフライ級新王者に輝きました。カウンターの左ストレートが結構入っていて、内藤選手の鼻を出血させ、終盤には右目をカットさせました。内藤選手の反撃も冷静に対処し、最後まで足が止まる気配はなし。試合前は散々内藤選手を挑発していたけど、勝利インタビューで「内藤選手ありがとうございました」と感謝の意を述べていた。試合前は亀田不利と言われていましたが、それを覆しての王座奪取でした。
敗れた内藤選手は、亀田選手の左をもらって鼻が腫れ気味(骨折していないか心配だ)、最後まで果敢に攻め続けたものの、逆転勝利はならず。試合後の会見では「期待に応えられなくて申し訳ない」とファンに謝罪、去就については「ゆっくりと考えます」と述べていました。35歳という年齢から考えても、再起は難しいと思います。ポンサクレックを破り、連続KO防衛など5度の防衛を果たした内藤選手、亀田戦では経験豊富さとベテランの底力を見せつけたかったが、若さと勢いの前に屈しました。
新王者になった亀田選手、次は元王者でWBC暫定王者のポンサクレック・ウォンジョンカム選手(タイ)との王座統一戦が待っています。内藤選手以上の強敵を破れば、評価は上がるのではないでしょうか?2階級制覇の目標を達成、これからが本当の勝負です。