2009日本シリーズ第５戦 最後の東京決戦は終盤にドラマが待っていた！

日本シリーズ「巨人VS日本ハム」は、４試合終えて２勝２敗の五分。東京ドーム３連戦最後の試合となった５日の第５戦は、どちらかが勝てば日本一に王手をかける大事な試合。日本ハムが前日の勢いをそのままに連勝か、それとも巨人が連敗阻止し、ホームで王手をかける事ができるか？第５戦は終盤に試合が動き、９回に劇的な結末を迎えます。


第５戦両チームの先発。
　　巨人　　　　　　　　　　　日本ハム
１（遊）坂本勇人　　　　　　（二）田中賢介
２（中）松本哲也　　　　　　（中）糸井嘉男
３（三）小笠原道大 　　　　（右）稲葉篤紀
４（左）ラミレス　　　　　　　（一）高橋信二
５（一）亀井義行　　　　　　（左）スレッジ
６（右）谷　佳知　　　　　　 （三）小谷野栄一
７（捕）阿部慎之助 　　　　（遊）二岡智宏
８（二）古城茂幸　　　　　　（捕）大野奨太
９（投）ゴンザレス　　　　　（投）藤井秀悟
第５戦の先発は、巨人はシリーズ２回目の先発となるゴンザレス、日ハムは左腕の藤井が登板。日ハムは糸井が先発に復帰、ルーキーの大野捕手がマスクを被ります。巨人は前日ミスを犯した木村拓也がスタメンから外れ、古城が８番セカンドで先発出場。

日ハムは初回、四球で出塁した糸井が盗塁と相手のミスで３塁まで進んで先制のチャンスを迎えるが、稲葉が三振、高橋は遊撃ゴロに倒れてゴンザレスを打ち崩すことができず。２回、先頭のスレッジの２塁ゴロを巨人２塁手・古城が弾いてエラー。小谷野がセンター前ヒットで無死１,２塁。この後２死１,３塁で藤井に打席が回り、ファウルで粘った後の７球目のスライダーを弾き返し、強烈な当たりは三塁手・小笠原がファンブル、ボールが転々とする間にスレッジが生還して１点を先制。記録は小笠原のエラーでした。
自ら援護した藤井は、１回と２回の２イニング連続で巨人打線を３者凡退に抑える見事な立ち上がり。何とか藤井を打ち崩したい巨人は３回、１死から古城がチーム初安打、ゴンザレスの犠打、坂本四球で２死１,２塁と反撃のチャンス。しかし、松本が初球を打ち上げてレフトフライに倒れて２者残塁。藤井は序盤３イニングを無失点。
１点を失ったゴンザレスは、４回まで毎回走者を出しながらも追加点を許さず。３回は糸井にヒットを許すが、稲葉の場面で阿部が糸井の２塁盗塁を阻止。４回には小谷野に２塁打を浴び、２死３塁でピンチになるも大野をライトフライに打ち取りました。５回にようやく初めての３者凡退、ここから調子を取り戻したのか、６回,７回も３人で抑え、３イニング連続３者凡退で日ハム打線にヒットを許さず。７回を投げ終えたところで降板したゴンザレス、味方の反撃を待つ。
一方の日ハム先発・藤井の方は、４回１死からラミレスにヒットを打たれるも、亀井と谷を退ける。５回、古城にヒット、ゴンザレス犠打で２死２塁となり、坂本に高めのスライダーを狙われるが、糸井がフェンス手前でキャッチして何とか無失点。巨人は７回、阿部が死球で出塁するが、古城は２塁ゴロ併殺打で３アウト。藤井は７回まで無失点の好投、完封勝利も見えてきたか。
投手戦となった第５戦は終盤に突入。８回、巨人はゴンザレスに代えて山口鉄也を２番手で投入。ここで日ハムベンチが動き、先頭打者の藤井に代えて鶴岡慎也を代打に起用。その鶴岡は見逃し三振に倒れる。この後山口は田中・糸井をセンターフライに打ち取って３者凡退。
８回裏、日ハムは建山義紀が２番手で登板。巨人はゴンザレスの代打にイ・スンヨプが登場。スンヨプは死球で出塁→鈴木尚広が代走に入る。続く坂本の初球、鈴木が盗塁を決めて無死２塁。坂本三振で１死後、松本の代打・大道典嘉が入る。日ハムは３番手に林昌範が登板。林は２塁に牽制するが、悪送球してしまう。１死３塁とチャンスが拡がり、大道はファウルで粘った後の７球目の直球を振り抜き、セカンドの頭上を超えてライト前タイムリー！鈴木が還って１－１の同点、この瞬間、藤井の白星＆ゴンザレスの負けは無くなった。
同点で迎えた９回、日ハムは先頭の稲葉を空振り三振に倒れた後、高橋が山口の甘く入ったスライダーを狙い、打球は右中間スタンドに飛び込むソロ本塁打！４番の一発で勝ち越した日ハム、あとは守護神・武田久が抑えるだけ。しかし、いつも通りの終わりとはいかず、９回裏に信じられない事が起こりました。巨人先頭の亀井が、武田久の初球・ストレートを捕らえ、ライトへ高く舞い上がった打球はそのままスタンドに吸い込まれた！亀井が起死回生の一発を放ち、土壇場で同点に追い付く！まさかの同点打を浴びた武田久、更なる悪夢が待っていました。谷が倒れて１死後、阿部が２球目のカーブをジャストミート！ライトスタンド一直線のサヨナラホームラン！守護神・武田久をホームランで打ち崩した巨人、奇跡のサヨナラ勝ちで日本一に王手をかけました！


2009年日本シリーズ　2009/11/05（木）
巨　人－日本ハム　第５戦　
（巨人３勝２敗、東京ドーム、１８：００、４５１６０人）
F　０１０　０００　００１　　　２　
G　０００　０００　０１２x　　３
【投手】
（日）藤井、建山、林、武田久－大野、鶴岡
（巨）ゴンザレス、山口－阿部
【責任投手】
（勝）山口３試合１勝
（敗）武田久３試合１敗１Ｓ
【本塁打】
（日）高橋２号ソロ（９回、山口）
（巨）亀井２号ソロ（９回、武田久）、阿部２号ソロ（９回、武田久）


パリーグセーブ王・武田久が炎上、９回裏にホームラン２本でサヨナラ勝ちという結末を誰が想像しただろうか！？東京ドームでの最後の試合となった第５戦は、巨人打線が７回までハム先発・藤井の前に無得点と苦しい展開でしたが、８回に大道のタイムリーで同点に追いつきますが、９回に２番手の山口が高橋にホームランを浴びて敗色が濃厚となります。しかし９回裏、亀井の同点弾、阿部のサヨナラアーチで３－２の大逆転勝利！これで３勝２敗とし、７年ぶりの日本一に王手です！
９回に同点アーチを打った亀井は、ここまで不振が続いていて、６回に凡退した時はバットを叩きつけていました。その悔しさが実を結んだのか、起死回生の一発を放ちました。そしてサヨナラ弾の阿部は、主将の意地を見せつけた一撃でした。８回にタイムリーを打った大道選手は、本当に勝負強い選手ですわ。
先発のゴンザレスは、７回まで99球投げ、３安打・４奪三振・１失点と言う内容。４回までは走者を出し続けていたけど、中盤になってから調子を取り戻して３イニング連続３者凡退の好投を見せました。２番手の山口投手は、９回に一発を許すもその裏のサヨナラで勝利投手となりました。この白星をきっかけに次は無失点で抑えられるか？
日本ハムは４試合連続で先制点を叩き出し、高橋が２試合連続アーチ、小谷野が好調とプラス面があったけど、守護神・武田久がまさかの大誤算…。わずか４球で２発喰らって黒星を喫してしまいました。これは悪夢としか言えません。
先発の藤井が７回まで４安打無失点の好投を見せたんだけど、８回に継投ミスで同点に追いつかれ、藤井の白星が消えました…。もし藤井が８回も続投していたら、巨人の反撃を許さず、そのまま完投勝利or武田久との完封リレーになっていたと思う。今回の敗戦で「なぜここまで無失点の藤井を代えた」、「梨田何考えてるんだ！」と怒ってるファンが多いでしょう。この１敗は大きな痛手だし、今シリーズの分岐点になるはずだ。
東京ドームでの３連戦は、巨人が２勝１敗で勝ち越し。通算成績は巨人が３勝２敗で王手。金曜日は移動日のため試合なし、第６戦からは再び札幌ドームで行われます。７日の第６戦で巨人が勝てば日本一決定、敗れれば日曜日の最終戦まで持ち越されます。第６戦は日ハムが武田勝、巨人はオビスポが先発予定。巨人が一気に決めるか？それとも日ハムが逆王手をかけるのか？週末の札幌決戦は見逃せない。



　　
　

ニューヨーク・ヤンキースがワールドシリーズ制覇！ゴジラ松井が日本人初のMVP！

アメリカ・ニューヨークから嬉しいニュースが入ってきました！ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手が、現地時間４日・ヤンキースタジアムで行われたメジャーリーグのワールドシリーズ「ニューヨーク・ヤンキースVSフィラデルフィア・フィリーズ」の第６戦で１試合６打点の大活躍。チームも試合に勝利してワールドチャンピオンに輝き、松井選手はMVPに選ばれました。


３勝２敗で世界一に王手をかけているヤンキースは、左腕のペティット投手が先発。初回にフィリーズ２番・ビクトリーノに内野安打を許すが、アトリーを併殺打に打ち取ります。２回には四球の走者を出すと、暴投で２塁まで進められるが、後続を打ち取って無失点。
ヤンキースは２回裏、先頭のアレックス・ロドリゲスが四球で出塁すると、５番・DHの松井が登場。松井は２球目と５球目に惜しいバッティングを見せた後、フィリーズ先発・マルチネス投手の８球目の直球をジャストミート！ライトスタンド２階席まで飛び込む豪快な２ラン本塁打でヤンキース先制！松井は今シリーズ３本目のホームランだ！
フィリーズに１点を返された直後の３回、ヤンキースは１死からジーターのヒット、デーモン四球、テシェイラ死球で満塁と追加点のチャンス。Aロッドに一発の期待がかかるも三振。２死となり、先制２ランの松井が登場。その松井がまたもやってくれました！２球連続ファウルの後の３球目、マルチネスのストレートをセンター前に弾き返す２点タイムリーを放った！２打席連続で打点を稼ぎ、この試合４打点と絶好調！
３点リードの５回、ヤンキースは先頭のジーターが左中間へのエンタイトル２塁打、１死３塁でテシェイラが右中間へのタイムリーで１点を追加。続くロドリゲスが四球を選び、１死１,２塁の場面で松井の第３打席。カウント１－３、フィリーズ３番手・ハップの５球目のスライダーを捕らえ、右中間へ高く舞い上がり、また本塁打かというような当たりはフェンス直撃。送球がもたつく間にジーターとテシェイラが生還し２点追加。松井の３打席目は２点タイムリー２塁打、３打席連続打点で６打点！ヤンキースタジアムはファンによる「MVPコール」の大合唱！この回２本のタイムリーで３点追加、７－１とリードを更に拡げました。
試合はこの後、６回にフィリーズが不振の続く主砲・ハワードが、ペティットからレフトスタンドへの２ラン本塁打を放ち２点を返す。７回には２死１,２塁とまたも反撃チャンスを迎えるが、アトリーがヤンキース３番手・マルテの前に空振り三振に倒れて２者残塁。その裏、１死１塁で松井の第４打席を迎えます。もう一度打点を稼ぎ、３塁打が出ればサイクルヒットの場面でしたが、結果は空振り三振…。８回からはヤンキースの守護神・リベラが登場。フィリーズの反撃を許さない好投が続き、最後の打者・ビクトリーノを２塁ゴロに打ち取って試合終了！７－３でヤンキースが勝利し、９年ぶり27度目のワールドシリーズ優勝を果たしました！


2009年ワールドシリーズ　　2009/11/04（水）
ヤンキース－フィリーズ　第６戦　（ヤンキース４勝２敗、ヤンキースタジアム）
PHI 　００１　００２　０００　　３
NYY　０２２　０３０　００Ｘ　　７
【投手】
（フ）マルティネス、ダービン、ハップ、朴賛浩、エア、マドソン－ルイス
（ヤ）ペティット、チェンバレン、マルテ、リベラ－ポサダ
【責任投手】
（勝）ペティット２勝
（敗）マルティネス２敗
【本塁打】
（フ）ハワード１号２ラン
（ヤ）松井秀３号２ラン

ヤンキースが９年ぶりにメジャーの頂点、松井選手はメジャー挑戦７年目で悲願の世界一に輝きました。松井選手はこの試合で４打数３安打６打点と大爆発、フィリーズ先発・マルチネスからホームランとタイムリーの４打点を叩き出しました。マルチネスからは４安打５打点、２本塁打と相性は抜群でしたね。
今シリーズは13打数８安打、３本塁打８打点、打率.615の好成績。それに第６戦での大活躍が評価されてワールドシリーズのMVPを獲得。日本人選手がMVPを受賞したのは史上初となります。第２戦ではマルチネスから決勝本塁打、第３戦は代打で登場してホームランを放ち、２試合連続本塁打を記録。連日の活躍を知った時は、もしかしたらMVP獲れるんじゃないかと期待してたけど、６戦目の大活躍で現実なものとなりました。
メジャー１年目の2003年は活躍したものの、世界一になれず。その後は手首骨折、両ひざの負傷とケガに苦しみ続け、いつしか移籍話が出てきました。今季は４年契約の最終年、序盤は不振が続きましたが、夏場に調子を上げ、８月には８本塁打・25打点を記録。最終的には28本塁打という結果に終わりました。７年目での世界一、第６戦の６打点は７年間の集大成ともいえるものでした。
MVPを獲った事で来季の残留も見えてきたはず。松井本人は「僕はニューヨークが好きだし、ヤンキース、チームメートも好きだし、ファンが大好き」と前向きな様子。しかしGMは再契約を明言していない…。MVP獲った後に退団なんて考えられない、来季もヤンキースのユニフォームを着る松井選手を見てみたいです。