秋の中距離王座決定戦「第170回天皇賞・秋」(GⅠ・芝2000m 15頭立て)が27日、東京競馬場で行われました。3冠牝馬⑫リバティアイランド、GⅠ3勝⑦ドウデュース、大阪杯の勝ち馬①ベラジオオペラ、2023年ダービー馬④タスティエーラ、皐月賞馬⑥ソールオリエンス、昨年の春天覇者⑪ジャスティンパレスとGⅠ馬が6頭も参戦。さらには重賞2連勝中の⑭レーベンスティール、3年連続挑戦の⑩ダノンベルーガ、毎日王冠2着⑨ホウオウビスケッツ、札幌記念を制した⑤ノースブリッジも参戦しました。
単勝の人気は、1番人気リバティアイランド(2.3倍)、2番人気ドウデュース(3.8倍)、3番人気レーベンスティール(4.7倍)。その後はベラジオオペラ、ダノンベルーガ、ジャスティンパレス、ソールオリエンスと続きました。
1コーナー奥ポケットからのスタートで、⑮ニシノレヴナントが少し出遅れる。好スタートを決めたベラジオオペラが先頭で行くかと思いきや、ホウオウビスケッツが先手を奪い取る。大外の⑬シルトホルンも先団に加わる。ダノンベルーガ・リバティアイランド・タスティエーラは好位につけ、レーベンスティールとソールオリエンスは中団より後ろ、ジャスティンパレスとドウデュースは後方から。
2コーナーから向正面に入り、ホウオウビスケッツが先頭、2番手シルトホルン、3番手ベラジオオペラ、4番手タスティエーラ、5番手のところにリバティアイランドがいる。6番手②マテンロウスカイ、7番手タスティエーラ。中団グループは⑧キングズパレス・ソールオリエンス・③ステラヴェローチェの3頭が並ぶ。11番手ジャスティンパレス、外側12番手にレーベンスティール、13番手ノースブリッジ、ドウデュースは14番手を追走し、ニシノレヴナントしんがり。
3コーナーを通過し、先頭のビスケッツは前半1000m59秒9のゆったりとした流れで逃げる。3,4コーナー中間でリバティが3番手に上がり、ベラジオ4番手。タスティ5番手、ダノベルが外に持ち出す。ソールは中団馬群、レーベン11番手、ジャスパレ12番手、ドウデュはまだ後方2番手。
4コーナーから最後の直線に差し掛かり、逃げるホウオウビスケッツが後続との差を少し拡げ、2番手からベラジオオペラ、真ん中からリバティアイランドが追いかける。残り200mを切ってもビスケッツが逃げ粘り、リバティは脚が伸びない!一番外からドウデュースが飛んできて、タスティエーラも一緒に上がって来た!ラスト100mでドウデュがビスケッツに迫る一方で、リバティが馬群に沈む。そしてゴール前でドウデュースがベラジオオペラを捕らえ、ドウデュース先頭でゴール!タスティエーラ2着、ホウオウビスケッツが3着に粘りました。
【全着順】
1着⑦ドウデュース 武豊
2着④タスティエーラ 松山弘平
3着⑨ホウオウビスケッツ 岩田望来
4着⑪ジャスティンパレス 坂井瑠星
5着②マテンロウスカイ 横山典弘
6着①ベラジオオペラ 横山和生
7着⑥ソールオリエンス 横山武史
8着⑭レーベンスティール C.ルメール
9着③ステラヴェローチェ 佐々木大輔
10着⑮ニシノレヴナント 田辺裕信
11着⑤ノースブリッジ 岩田康誠
12着⑧キングズパレス A.シュタルケ
13着⑫リバティアイランド 川田将雅
14着⑩ダノンベルーガ C.デムーロ
15着⑫シルトホルン 大野拓弥
【払戻金】
単勝 ⑦ 380円
複勝 ⑦ 200円 ④ 1,020円 ⑨ 1,000円
枠連 3⃣-4⃣ 3,240円
馬連 ④ー⑦ 9,660円
馬単 ⑦-④ 13,560円
ワイド ④ー⑦ 3,000円 ⑦-⑨ 2,980円 ④-⑨ 18,280円
3連複 ④ー⑦-⑨ 102,180円
3連単 ⑦-④-⑨ 397,100円
秋の最強古馬を決める戦いは、スタートから後方2番手に控えていたドウデュースが、最後の直線で大外から追い上げて、ゴール前で逃げ粘るベラジオオペラを差し切り優勝しました。2着には9番人気のタスティエーラが入り、ダービー馬のワンツーフィニッシュとなりました。序盤からレースを引っ張ったホウオウビスケッツも3着と健闘。3連複と3連単はともに10万円オーバーの高配当でした。
3番人気だったレーベンスティールは8着に敗れ、ルメール騎手の3週連続GⅠ勝利&秋天3連覇はならず。1番人気のリバティアイランドは直線で伸びを欠いて13着大敗。今年3月のドバイシーマクラシックで3着のあと、右前脚の種子骨靱帯の炎症で半年以上も休養。好位追走で直線で一気に突き抜けるか思いましたが、残り150mあたりでズルズル下がってしまいました。2走前のジャパンカップから22キロも増えた影響もあるだろうし、また脚を痛めたということもありそうですね・・・。リバティと同じくドバイからの直行組だったダノンベルーガもブービーだったので、とても厳しい結果に終わりました。
ドウデュースはこの勝利でGⅠ4勝目、2021年の朝日杯フューチュリティステークス、2022年の日本ダービー、2023年有馬記念、そして今年の秋天と4年連続でGⅠ勝ちを収めました。鞍上の武豊騎手は秋の天皇賞7勝目。かつては「平成の盾男」と言われていましたが、令和になってからは春秋通じて初勝利だそうです。昨年はレース当日に他の馬に蹴られて負傷して乗り替わりの憂き目に遭いましたが、その雪辱を果たしました。友道康夫調教師と馬主のキーファーズは共に秋の天皇賞初制覇です。
今年のドウデュースはドバイターフで出遅れが響いて5着、ファン投票1位で臨んだ宝塚記念では道悪に苦しんで6着と完敗。目標としていた凱旋門賞を断念し、今年限りでの引退を表明しました。最後の秋の初戦となったこの日は、日本ダービー、有馬記念に続き、3度目となる「逆襲の末脚」が炸裂!上がり3ハロンは32.5秒と他馬を圧倒しました。
次走はジャパンカップに出走を予定。ディープインパクト産駒の最終世代であり、2023年の英国&アイルランドダービー馬であるオーギュストロダンとの夢の対決が見られるかもしれない?ドウデュースの最終章はこれからも続きます。