日本のトップホースと海外の強豪馬が激突する国際GⅠレース・第35回ジャパンカップ(GI・芝2400m 18頭立て)が29日、東京競馬場で行われました。日本勢からは、秋の天皇賞馬①ラブリーデイ、春の天皇賞馬⑫ゴールドシップ、2冠牝馬⑪ミッキークイーン、2014年秋華賞馬⑮ショウナンパンドラ、昨年のダービー馬③ワンアンドオンリー、重賞2着4回⑩サウンズオブアースなどが出走。外国勢からは今年のパリ大賞典を勝った⑧イラプト(フランス)、英国ゴールドカップ覇者②トリップトゥパリス(イギリス)、ドイツから⑭イトウと⑱ナイトフラワーの2頭が参戦しました。
単勝の人気は、1番人気ラブリーデイ(2.7倍)、2番人気⑫ゴールドシップ(4.7倍)、ミッキークイーンが3番人気(5.0倍)。4番人気のショウナンパンドラ(9.2倍)までが10倍以下。5番人気以降はサウンズオブアース、イラプト、⑥ラストインパクト、イトウ、ナイトフラワーと続きました。
スタートは18頭横一線で飛び出し、出遅れ癖のある⑤ペルーサ、宝塚記念でやらかしたゴールドシップも良いスタートを切った。スタンド前での先行争いで、内から③ワンアンドオンリー・イラプト・ミッキークイーンの3頭が前を行くが、外から⑯カレンミロティックが思い切って鼻に立つ。⑰アドマイヤデウス2番手、ワンアンドオンリー3番手、ラブリーデイ6番手、サウンズオブアース7番手、ミッキークイーンとショウナンパンドラは中団につけ、ゴールドシップは後方2番手で1コーナーを回った。
1,2コーナーを通過し、向正面で縦長の展開となり、ミロティックが単騎で逃げ、デウス2番手、イトウ3番手追走。4番手ワンオン、5番手イラプト、ラブリーデイは6番手を追走し、7番手⑨ダービーフィズが内側からラブリーに並びかける。ショウパン・ラストインパクト・アースの3頭が8番手集団を形成し、その後ろの11番手集団には④ジャングルクルーズ・ナイトフラワー・ミキクイ・⑤ペルーサの4頭が並ぶ。15番手トリップトゥパリス、その外側にゴルシがポジションを上げる。後方は⑬ヒットザターゲット、⑦ショウナンバッハが最後方追走。
3コーナーを回り、カレンミロティックが軽快に飛ばし、アドマイヤデウスが2番手独走。ゴールドシップが徐々に押し上げ、ラブリーデイとペルーサも3番手集団に加わる勢い。サウンズオブアースも好位に接近。ミッキークイーンとショウナンパンドラはまだ中団馬群の中。
4コーナーを回り、勝負は最後の直線へ。ミロティックがまだ先頭だが、ゴールまで残り400mのところでラブリーデイが馬場の真ん中から追い上げ、残り300mを切って先頭に躍り出た。後続からアース、最内からラスパクが迫ってくる。ミキクイとゴルシは伸びない。残り200mを切り、ラブリーが抜け出し、このまま押し切れるか?しかし、内からラストインパクト、さらに外からショウナンパンドラがラブリーを捕らえ、最後は2頭並んでゴールしたが、外のショウナンパンドラが先着!ラブリーデイは押し切れず3着…。
ジャパンカップ 全着順&払戻金
1着⑮ショウナンパンドラ 2分24秒7
2着⑥ラストインパクト クビ
3着①ラブリーデイ クビ
4着④ジャングルクルーズ 1馬身1/4
5着⑩サウンズオブアース ハナ
6着⑧イラプト クビ
7着③ワンアンドオンリー アタマ
8着⑪ミッキークイーン ハナ
9着⑨ダービーフィズ クビ
10着⑫ゴールドシップ クビ
11着⑱ナイトフラワー クビ
12着⑦ショウナンバッハ クビ
13着⑬ヒットザターゲット クビ
14着②トリップトゥパリス アタマ
15着⑯カレンミロティック クビ
16着⑰アドマイヤデウス 3馬身1/2
17着⑤ペルーサ 1馬身1/4
18着⑭イトウ 大差
単勝 ⑮920円
複勝 ⑮ 220円 ⑥ 380円 ① 130円
枠連 [3]-[7] 6,230円 21
馬連 ⑥-⑮ 10,160円 26
馬単 ⑮-⑥ 18,510円 53
ワイド ⑥-⑮ 1,960円 ①-⑮ 410円 ①-⑥ 890円
3連複 ①-⑥-⑮ 6,350円
3連単 ⑮-⑥-① 53,920円
国内外のGⅠ馬9頭が参戦した今年のジャパンカップは、ゴール前で大接戦となりましたが、外から追い込んだショウナンパンドラが優勝しました。最内を突いたラストインパクトはクビ差の2着。これはラスパクに乗っていたライアン・ムーア騎手の好騎乗が光りました。その前の東京9Rの「オリエンタル賞」と10Rの「ウェルカムステークス」でイン突き差しで勝利しました。ショウパンがいなかったら特別競走3連勝でしたが…。
1番人気ながら3着に終わったラブリーデイは、GⅠ競走3連勝ならず。残り200mで抜け出したときは「これで決まりだろう」と思いました。最後は脚が止まった感じがしました。8着に終わった3番人気・ミッキークイーンは、古馬の壁もあれば、混合戦の経験不足が露呈。2番人気のゴールドシップは、目隠しされながらもすんなりとゲートに収まり、スタートも良かったし、3コーナーで徐々に順位を上げたけど、最後の直線で伸びきれず10着に終わりました。やっぱり府中との相性が悪かった。
外国勢はイラプトの6着が最高。3歳勢の中では最上位でしたが。ナイトフラワーは11着、トリップトゥパリスは14着、イトウは大差の最下位に沈みました。
勝ったショウナンパンドラは、昨年の秋華賞に次いで2度目のGⅠ制覇。鞍上の池添謙一騎手はJC初勝利。GⅠ競走の勝利は、オルフェーヴルとのコンビで勝った2013年の有馬記念以来です。管理する高野友和調教師は、JC初挑戦で初制覇を成し遂げました。これでJCは10年連続で日本馬が勝利。日本勢を脅かすような強い外国馬が出てきて欲しいです。
ショウナンパンドラはこの秋3度目の関東遠征。オールカマーで勝った後、前走の秋の天皇賞は4着。「叩き3走目」となった今回、道中は中団に位置づけ、直線で馬群をうまく割って追い上げ、ゴール手前でラブリーデイとリアルインパクトをかわしました。初めての2400mの距離で強い競馬を見せ、それに直接対決で2連敗していたラブリーデイに、3度目の正直で初勝利です。
「最優秀4歳以上牝馬」争いは、GⅠ2勝のストレイトガールが一歩抜け出していたんですが、ショウパンがJCを勝ったため、混戦ムードに。ストガーの香港スプリントの結果次第では、ショウナンパンドラが選出される可能性ありかも?
レース後の表彰式では、ラグビー日本代表・五郎丸歩選手がプレゼンター役を務めました。競馬場での観戦は初めてだといい、発想前の地鳴りのような声援に感動したんだとか。日本代表での背番号15と同じ番号の馬(ショウナンパンドラ)が勝ったことについては、「まさか15番が来るとは思いませんでした。馬券買ってない…」と苦笑い。五郎丸さんとショウパンの番号が一致したのは、たまたまだろうけど、「サイン馬券」としては完璧でしたね…。
来週・12月6日は中京競馬場でダート現役最強馬決定戦「チャンピオンズカップ」が行われます。史上初のGⅠ10勝を目指すホッコータルマエ、JBCクラシックで復活勝利を挙げたコパノリッキー、3歳ダート王者・ノンコノユメ、みやこステークスを勝ったロワジャルダン、牝馬のサンビスタ、JBCスプリントを勝ったコーリンベリー、JBCクラシック2着サウンドトゥルー、地方の星・ハッピースプリント、グレープブランデー、ローマンレジェンド、ワンダーアキュート、ナムラビクター、さらに香港からガンピットが参戦。ガンピットは「オールウェザー馬場」で7戦7勝ですが、日本のダートでは如何に?