2012年生まれのサラブレッド6819頭の頂点を決める一戦・第82回日本ダービー(GⅠ・芝2400m 18頭立て)が31日、東京競馬場で行われました。今年のダービーは、皐月賞馬⑭ドゥラメンテが2冠に挑み、皐月の雪辱に燃える⑬リアルスティールと⑪サトノクラウン、北島三郎さんの愛馬⑰キタサンブラック、京都新聞杯を勝った①サトノラーゼン、青葉賞馬⑦レーヴミストラル、他にも⑥ポルトドートウィユ、②タンタアレグリアなどが参戦しました。
単勝上位人気は、1番人気がドゥラメンテ(1.9倍)、2番人気リアルスティール(3.8倍)、サトノクラウンが3番人気(6.3倍)。4番人気以降はレーヴミストラル、サトノラーゼン、キタサンブラック、タンタアレグリア、ポルトドートウィユ、⑮ミュゼスルタンと続きました。
スタートでリアルスティールとドゥラメンテが好スタート、サトノクラウンも上手く飛び出した。一方でポルトドートウィユがやや出遅れる。スタンド前の先行争いで、⑩ミュゼエイリアン、キタサンブラック、⑱タガノエスプレッソの3頭が行く中、ミュゼエイリアンがハナに立つ。ドゥラメンテは中団、レーヴミストラル・サトノラーゼン・リアルスティールは中団より後ろ、サトノクラウンは後方で1コーナーを回る。
1,2コーナーを回り、向正面のところで縦長の展開に。エイリアンが単独先頭、キタブラが2番手追走、内の3番手に③コメート、外の4番手に⑯スピリッツミノル、5番手にエスプレッソ。6,7番手に⑧ベルラップと⑨コスモナインボール、その後ろの8番手にドゥラメンテ、内側9番手にラーゼンがつけている。10番手にミストラル、11番手④グァンチャーレ、12番手の位置にリアスティがいる。13番手⑫アダムスブリッジ、14番手に⑤ダノンメジャー。サトクラは15番手から追い上げ、後方はタンタアレグリア、ミュゼスルタン、最後方にドートウィユが追走する。
3コーナーに差し掛かり、ミュゼエイリアンが先頭で引っ張り、ミノルが3番手に浮上。ドゥラメンテはまだ8番手、レーヴミストラルとリアルスティール、サトノクラウンも中団まで押し上げてきた。4コーナー手前で18頭が一団となり、勝負は府中の長い直線勝負!残り500mを切り、エイリアンとキタブラが並ぶ。馬場の真ん中からサトノラーゼンとドゥラメンテが迫り、残り300~200mにかけてドゥラメンテが先頭に出た!これは2冠間違い無しだ!内からラーゼン、大外からサトクラが追い込み、リアルスティールは4,5番手までか。抜け出したドゥラメンテは、後続の追撃を抑えて1着ゴールイン!ドゥラメンテ皐月賞に続き、堂々の2冠達成です!
日本ダービー全着順&払戻金、
1着⑭ドゥラメンテ 2分23秒2
2着①サトノラーゼン 1馬身3/4
3着⑪サトノクラウン ハナ
4着⑬リアルスティール 2馬身
5着③コメート 3/4馬身
6着⑮ミュゼスルタン クビ
7着②タンタアレグリア クビ
8着④グァンチャーレ 1/2馬身
9着⑦レーヴミストラル 2馬身1/2
10着⑩ミュゼエイリアン 3/4馬身
11着⑤ダノンメジャー 3/4馬身
12着⑥ポルトドートウィユ 3馬身
13着⑱タガノエスプレッソ 1馬身
14着⑰キタサンブラック クビ
15着⑧ベルラップ 4馬身
16着⑨コスモナインボール 3馬身1/2
17着⑫アダムスブリッジ アタマ
18着⑯スピリッツミノル 1/2馬身
単勝 ⑭ 190円
複勝 ⑭ 130円 ① 310円 ⑪ 210円
枠連 [1]-[7] 580円
馬連 ①-⑭ 1,980円
馬単 ⑭-① 2,220円
ワイド ①-⑭ 730円 ⑪-⑭ 400円 ①-⑪ 1,420円
3連複 ①-⑪-⑭ 3,950円
3連単 ⑭-①-⑪ 15,760円
年に一度の競馬の祭典・日本ダービーは、単勝1.9倍の1番人気だったドゥラメンテが快勝し、2012年生まれのサラブレッドの頂点に立ちました。勝ちタイム・2分23秒2は、2004年のキングカメハメハと2005年のディープインパクトが持っていた「2分23秒3」を0秒1上回るレースレコードです。2着争いはサトノラーゼンとサトノクラウンの2頭が並びましたが、ラーゼンが2着、サトクラが3着でした。サトクラは上がり3ハロンで33.8秒とメンバー最速だったんですが…。2番人気だったリアルスティールは直線伸びず4着。今年こそ福永祐一騎手が悲願のダービージョッキーになれるかと思われたけど、完敗でしたね。これでドゥラとリアスティの差が拡がったかな。
青葉賞馬のレーヴミストラルは9着に終わり、今年が最後のダービー挑戦となる松田博資調教師の夢は叶いませんでした。「もう1頭のエアグルーヴの孫」ポルトドートウィユは12着、キタサンブラックは2番手で追走しながらも、直線で沈み14着。北島三郎さんも観戦に訪れたけど、「まつり」はお預けです。まぁ、ダービーの表彰式を私物化しても困りますが。
皐月&ダービーの2冠制覇を果たしたドゥラメンテは、前走に続いての連勝。通算成績も6戦4勝としました。
鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、JRA移籍後GⅠ2勝目で、2003年のネオユニヴァース以来となるダービー2勝目。12年前の初勝利のときは男泣きを見せたけど、今年も感極まってましたなあ。管理する堀宣行調教師は同レース初勝利。サトノクラウンも3着に入り、堀厩舎にとっては大満足の1日だったと思います。そして、キングカメハメハ産駒はダービー初勝利。史上9組目のダービー親子制覇となりました。
いやぁ~、ドゥラメンテは本当に強い!皐月賞のときは4コーナーで外側に膨れながらも力で捻じ伏せ、馬名の由来通り「荒々しい」走りで勝ちましたが、今回はゴールまで残り300mのところで早めに抜け出し、後続を抑えて優勝。1番人気の連敗をストップさせ、2着に1馬身4/3をつけ、父・キンカメが持っていた「ダービーレコード」を塗り替えての完勝でした。皐月賞とダービーでの内容からして、ドゥラメンテこそ間違いなく世代最強であり、これからの日本競馬界を背負って立つ存在になりそうです。
春のクラシックで2冠達成、この秋は菊花賞で3冠獲りか、あるいは海外GⅠに挑戦するのか気になるところ。日本ダービーの結果を受け、凱旋門賞のオッズを作成しているイギリスのブックメーカーが、ドゥラメンテを2番人気にしたという情報も入っています。日本はもう同世代のライバルがいないから、海外の強豪を相手に互角以上の勝負をするところが見たいです。
来週は府中GⅠ5連戦のラストを飾る、春のマイル王決定戦・第65回安田記念が行われます。7歳にしてオーストラリアのGⅠを勝ったリアルインパクト、昨年のマイルチャンピオンシップを制したダノンシャーク、マイラーズカップ覇者・レッドアリオン、京成杯スプリングカップ優勝のサクラゴスペル、東京新聞杯を勝ったヴァンセンヌ、GⅠ2勝・ロゴタイプ、マイルCS2着・フィエロ、ヴィクトリアマイル2着・ケイアイエレガント、ダービー卿チャレンジトロフィーを圧勝したモーリス、昨年の3歳マイル王・ミッキーアイル、ダイワマッジョーレなどが登録しています。マイル戦線は現在主役が不在、混戦から抜け出すのはどの馬だ?