JRAの現役ジョッキーとして活躍している後藤浩輝騎手が、27日未明に茨城県内の自宅で首を吊って死亡しました。40歳でした。人気と実力を兼ねたトップジョッキーの突然の訃報は、競馬ファンに大きな衝撃を与えました。
報道などによると、27日午前8時ごろ、自宅の脱衣所で首を吊っていた状態の後藤騎手を家族が発見し、すぐさま119番通報。救急隊員が自宅に駆けつけるも、後藤騎手はすでに亡くなっていたということです。牛久警察署の調べでは、26日は家族と一緒に普段通りの生活をしており、26日夜から27日未明にかけて死亡したと見られています。事件性は無いとことから自殺と判断しています。
後藤騎手の訃報に競馬関係者から悲しみの声が相次ぎました。
JRA後藤正幸理事長「突然のご訃報に接し、ただただ、驚いております。見事な騎乗で活躍されていたご生前の姿をお偲びし、悲しみにたえません。心からご冥福をお祈りいたします」
日本騎手クラブ副会長・蛯名正義騎手「大きな怪我から、せっかく戻ってきた矢先だったのに…。周りに悩みなど見せるタイプではないので、何かひとりで抱えてしまったのでしょうか。本当に残念でなりません」
デビュー時代の恩師・伊藤正徳調教師「先々週、うちで一緒に食事をした時は変わった様子はなかった。起こったことをみんなが現実として受け入れられていない」
今週は土日合わせて15鞍騎乗予定でしたが、後藤騎手死去に伴い全て乗り替わりとなりました。
・2月28日(土) 2回中山1日目
2R⑫ワールドハーモニー 戸崎圭太騎手
3R⑤ストリートオベロン 田辺裕信騎手
5R⑬ジャングルスコール 田中勝春騎手
6R⑧アイノカケハシ 吉田豊騎手
7R⑩タマノブリュネット 三浦皇成騎手
9R⑧コティニャック 田辺裕信騎手
11R⑦キングヒーロー 柴田大知騎手
3月1日(日) 2回中山2日目
3R ワンダータイム 石川裕紀人騎手
4R ダイワインパルス 田中勝春騎手
5R ピンクシャンパン 柴田善臣騎手
7R ニューエディション C.デムーロ騎手
8R レッドダニエル C.デムーロ騎手
9R ダイワレジェンド 三浦皇成騎手
10R タガノミューチャン 岩田康誠騎手
12R アールプロセス 三浦皇成騎手
また、今週末から3月29日まで中山、阪神、小倉(28日と3月1日)、中京(3月7日から)の4競馬場で献花台と記帳台を設置します。
後藤騎手は1992年にデビューし、1994年の福島記念で重賞初勝利。その後も着実に勝ち星を積み重ね、「関東のホープ」の1人として活躍。2000年には自身初の年間100勝(101勝)を達成すると、2002年の安田記念でアドマイヤコジーンとのコンビでJRA・GⅠ初制覇。2006年~2008年にかけて3年連続で年間100勝以上を挙げ、2007年には自己最多の116勝をマークし、関東リーディングジョッキーの座を獲得しました。
晩年は落馬による負傷が続き、2012年のNHKマイルカップで落馬したときは「頚椎骨折の疑い、頚髄不全損傷」と診断され、その4ヵ月後に復帰を果たすも、今度は馬場入りで再び落馬、頸椎と頭蓋骨を骨折。2013年10月に復帰するまで、1年以上の長期離脱を余儀なくされました。さらに2014年4月27日の「府中市市制施行60周年記念」のレース中に落馬。またしても頚椎骨折の重傷を負いました。
今年に入ってからは2月22日までに11勝を挙げ、先週・21日はダイヤモンドステークスでも落馬して頚椎を捻挫。翌日は京都競馬場で2勝。京都9レースの「宇治川特別」が生前最後の勝利となりました。
通算成績…JRA・1447勝、地方・63勝、重賞53勝。 JRAでの通算勝利数は歴代16位、現役でも10位の記録。
JRA・GⅠ実績…2002年安田記念、2004年朝日杯フューチュリティステークス(マイネルレコルト)、2006年ジャパンカップダート(アロンダイト)、2010年安田記念(ショウワモダン)、2011年オークス(エリンコート)
地方GⅠ…2000年マイルチャンピオンシップ南部杯(ゴールドティアラ)、エスポワールシチー(2013年南部杯&JBCスプリント)
このニュースを初めて知ったとき、私も絶句せずにいられませんでした。現役バリバリで、バラエティ番組にも積極的に出演していて、いつも明るく元気でひょうきんな後藤騎手が亡くなるなんて、信じられない気持ちでいっぱいです。後藤騎手のフェイスブックを見ても、リハビリも積極的に取り組んでいたし、宇都ノ宮晃さん(ご当地演歌歌手?)との2ショット写真で笑顔を見せていたのに…。見た目は元気そうでも、何か心の闇を抱えていたのでしょうか?天国にいるステイゴールド、リキサンステルス、シゲルスダチも悲しんでいるし、残された後藤さんの奥さんと子供がかわいそうです。
後藤さん、何度も落馬で負傷しながらも、その度に復帰する不屈の闘志は忘れません。40歳で天国へ行くなんて早すぎる!40歳ならまだまだ現役を続けられていたし、GⅠタイトルも1つか2つは取れていたと思います。それに、引退後は解説者やタレントの道もあったはずだし…。あなたの姿が一生見られないと思うと、残念というか、悔しいというか、悲しいです。今までお疲れ様でした。天国でゆっくりお休みください。