日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

ありがとうコントレイル!ジャパンカップで三冠馬の意地と貫禄見せつける!

2021年11月28日 | 競馬

日本と海外の実力馬が集結する国際GⅠレース・第41回ジャパンカップ(GⅠ・芝2400m 18頭立て)が28日、東京競馬場で行われました。昨年はアーモンドアイVSコントレイルVSデアリングタクトの「3冠馬対決」で盛り上がりましたが、今年のJCは、②コントレイル、今年のダービー馬③シャフリヤール、京都大賞典で5年ぶりの勝利を挙げた⑮マカヒキ、2018年のダービーを制した⑰ワグネリアンと「4世代のダービー馬」が揃い踏み。さらには、昨年は大逃げを見せた⑤キセキ、今年のオークス馬⑭ユーバーレーベン、アルゼンチン共和国杯連覇の⑦オーソリティ、菊花賞でコントレイルを追い詰めた⑨アリストテレス、秋天4着⑫サンレイポケット、③ブルーム(アイルランド)と⑱ジャパン(アイルランド)の「キーファーズ&エイダン・オブライエン厩舎コンビ」、フランスGⅠ馬⑤グランドグローリーの海外勢3頭も参戦しました。



単勝の人気は、コントレイルが1.6倍で1番人気。2番人気はシャフリヤール(3.7倍)、3番人気オーソリティ(7.1倍)。4番人気以降はアリストテレス、ユーバーレーベン、ブルーム、キセキ、グランドグローリーという順でした。

スタンド前でのスタートで、ブルームと⑩ロードマイウェイが少し遅れ気味。コントレイルは好スタートを決めた。先行争いで⑪シャドウディーヴァとアリストテレスの2頭の競り合いから、アリストテレスが前に出る。3番手グループにワグネリアン・シャフリヤール・オーソリティ・サンレイポケットと固まり、ユーバーレーベンは7番手あたり。コントレイルは中団に位置付け、マカヒキ11番手、ブルーム後方4番手、キセキは最後方でゴール板を通過。
1,2コーナー中間のところで縦長の展開となり、向正面に入ってアリストテレスが先頭、2番手にワグネリアン、シャドウディーヴァ3番手、4番手にオーソリティ。5番手シャフリヤール、その外側からキセキが一気に中団から先団まで上がっていく。7番手サンレイポケット、コントレイルは8番手。9番手ユーバーレーベン、10番手グランドグローリー、11,12番手の位置にブルームとジャパンのキーファーズコンビ。13番手ロードマイウェイ、14番手⑯ユーキャンスマイル、15番手⑧ウィンドジャマー、16番手⑬モズベッロ、17番手マカヒキ、①ムイトオブリガードが最後方。
3,4コーナー中間を通過し、先頭に立ったキセキが後続を大きく引き離す。アリテレ2番手、3番手ワグネリ、オーソリティ4番手。シャフリ7番手、コントレ8番手は変わらない。中団にはユーバー・ジャパン・ブルーム・グラグロの4頭が控える。
4コーナーから最後の直線コースに入り、残り400mを切ってもキセキが逃げる。オーソリティが2番手に浮上すると、残り300mでキセキを掴まえて先頭に浮上。外からコントレイルとシャフリヤールが追い上げ、シャドウディーヴァも内を突いてやってきた。残り200mでコントレがオーソリティに並ぶと、残り100mで抜け出し堂々先頭!シャフリも3番手で頑張るが、コントレイル先頭でFINISH!これが三冠馬の底力!コントレイルがラストランを勝利で飾りました!!




【ジャパンカップ全着順】
1着 コントレイル     2分24秒7
2着 オーソリティ      2馬身
3着 シャフリヤール    1馬身1/2
4着 サンレイポケット    3/4馬身
5着 グランドグローリー   3/4馬身
6着 ユーバーレーベン 
7着 シャドウディーヴァ
8着 ジャパン 
9着 アリストテレス
10着 キセキ
11着 ブルーム 
12着 ユーキャンスマイル
13着 モズベッロ 
14着 マカヒキ 
15着 ロードマイウェイ 
16着 ムイトオブリガード
17着 ウインドジャマー
18着 ワグネリアン

【払戻金】
単勝 ② 160円
複勝 ② 110円  ⑦ 140円  ④ 120円
枠連 1⃣-4⃣ 530円
馬連 ②-⑦ 530円
馬単 ②-⑦ 670円
ワイド ②-⑦ 210円  ②-④ 150円  ④-⑦ 330円
三連複 ②-④-⑦ 510円
三連単 ②-⑦-④ 1,780円


国内外のGⅠ馬9頭が参戦した今年のジャパンカップは、コントレイルが1番人気に応えて快勝。ラストランでGⅠ5勝目を挙げ、有終の美を飾りました。2着のオーソリティは残り300mで一旦は先頭に立つもコントレイルにかわされました。それでも府中との相性の良さを示し、GⅠで好走したのは見事。2番人気で3着のシャフリヤールは、残り100mで伸びきれませんでした。来年こそはダービー馬の意地を見せてもらいたいところ。
オークス馬のユーバーレーベンは6着、昨年同様大逃げを見せたキセキは10着、元ダービー馬のマカヒキは14着、ワグネリアンは最下位の18着に終わりました。海外勢はフランスのグランドグローリーが5着が最高で、ジャパンは8着、ブルームは11着でした。
勝ったコントレイルは、昨年の菊花賞以来となる勝ち星を挙げ、通算成績11戦8勝。鞍上の福永祐一騎手、矢作芳人調教師、馬主のノースヒルズはジャパンカップ初勝利。

今年に入ってからは、大阪杯では不良馬場に苦しみ3着、その後の疲労が残って宝塚記念回避。半年ぶりの休み明けとなった天皇賞・秋では、外から追い上げるもエフフォーリアをかわし切れず2着。もどかしい状態が続いていましたが、最後のレースとなったこのレースで、強いコントレイルを見せてくれました。ゴールした後には、福永騎手が感極まる場面もありました。最後ぐらいは勝ってほしいなぁと思っていたから、その通りの結果となって本当に良かった。
コントレイルの現役生活はほとんどコロナ禍の下でしたが、無観客の皐月賞とダービーを勝ったのはいい思い出だし、ラストランで大勢のファンに祝福されて嬉しかったと思います。コロナ禍に苦しむ日本競馬界に現れた救世主でもあり、日本全体に希望の光をもたらしたヒーローでした。馬名の由来が「飛行機雲」だけど、コントレイルには青空がとても似合っていました。
今後は社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送るコントレイル。種牡馬としての成功も期待したいし、何よりも親子三代での三冠馬が生まれたら、熱くなりますね。多くの興奮と感動を与えてくれたコントレイルには心から感謝したいです。現役生活お疲れ様でした!

グランアレグリアが引退レースのマイルCSで連覇!ルメールはJRA通算1500勝目!

2021年11月21日 | 競馬

秋のマイル王者決定戦・第38回マイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m 16頭立て)が21日、阪神競馬場で行われました。前回覇者の⑫グランアレグリアは今回がラストラン。連覇で有終の美を飾れるか注目されました。勢いに乗る3歳世代からは、NHKマイルカップを制した③シュネルマイスター、昨年の最優秀2歳牡馬⑬ダノンザキッド、朝日杯FS覇者⑨グレナディアガーズ、アーリントンカップ覇者①ホウオウアマゾンらが参戦。他にも一昨年の優勝馬⑦インディチャンプ、復活を期す元2歳王者④サリオス、サマーマイルシリーズチャンピオン⑩ロータスランド、ダービー卿チャレンジトロフィーを制した⑪カテドラル、⑤サウンドキアラも出走しました。


単勝の人気は、グランアレグリアが1.7倍で1番人気。2番人気はシュネルマイスター(4.6倍)、3番人気がサリオス(9.6倍)。その後はグレナディアガーズ、ダノンザキッド、インディチャンプ、ホウオウアマゾン、カテドラルと続きました。

スタートで、ホウオウアマゾンと②クリノガウディーの1枠2頭が好スタートを見せたのに対し、カテドラルは少し後手を踏んだ。シュネルマイスターとグランアレグリアもまずまず。ホウオウアマゾンが先頭に立つと、クリノガウディー2番手、サリオスが3番手。4番手サウンドキアラ、グレナディアガーズ5番手。6番手の位置にインディチャンプ、外側7番手ロータスランド、内側8番手にシュネルマイスターが追走。中団勢はダノンザキッドと⑧ダーリントンホール、11番手リプレーザ、グランアレグリアは12番手から。後方勢はケイデンスコールが13番手に下がり、14番手カテドラル、⑮サウンドカナロア、⑯レインボーフラッグが最後方。
外回り3,4コーナー中間を迎え、先頭のホウアマが少し後続を引き離し、サリオスが2番手浮上。ディアガーズとガウディーが3,4番手で並走し、インディ5番手、キアラ6番手。シュネル・キッド・グラアレと有力勢たちは中団に控える。残り600mのところでロータスが外からじんわり押し上げた。そして4コーナーを回るところで、グラアレが外に持ち出した!
ラストの直線に入ってもホウオウアマゾンが逃げ粘るが、インディチャンプとサリオスが迫ってくる。真ん中からグレナディアガーズ、大外からロータスランドとグランアレグリアが追い込み、先頭争いは横に拡がる。シュネルマイスターは前が詰まって追い出しに手こずり気味。さらにダノンザキッドも足を伸ばす。残り200mを切ってサリオスが前に出たかと思ったら、外から飛んできたグラアレが一気に先頭に浮上!シュネルとキッドも追い上げ、ゴール前でインディをかわしたが、グランアレグリアが先頭でゴールイン!マイル女王の貫禄を示したグランアレグリア、マイルチャンピオンシップ連覇達成!


【マイルチャンピオンシップ 全着順】
1着 ⑫グランアレグリア    1分32秒6 
2着 ③シュネルマイスター    3/4馬身
3着 ⑬ダノンザキッド      1/2馬身
4着 ⑦インディチャンプ      ハナ差
5着 ①ホウオウアマゾン     1馬身1/4
6着 ④サリオス
7着 ⑧ダーリントンホール
8着 ⑥サウンドキアラ
9着 ⑪カテドラル 
10着 ⑤ケイデンスコール 
11着 ⑯レインボーフラッグ
12着 ⑩ロータスランド 
13着 ⑨グレナディアガーズ
14着 ②クリノガウディー 
15着 ⑭リプレーザ 
16着 ⑮サウンドカナロア 

【払戻金】
単勝 ⑫ 170円
複勝 ⑫ 110円 ③ 140円 ⑬ 300円 
枠連 2⃣-6⃣ 270円
馬連 ③-⑫ 370円
馬単 ⑫-③ 540円
ワイド ③-⑫ 190円 ⑫-⑬ 630円 ③-⑬ 970円
3連複 ③-⑫-⑬ 1,960円
3連単 ⑫-③-⑬ 5,460円



GⅠ馬が6頭も参戦したマイルチャンピオンシップは、1番人気のグランアレグリアが豪脚で差し切り優勝。昨年に続いての連覇を果たし、引退レースを勝利で飾りました。2着には2番人気シュネルマイスター、3着にダノンザキッドと3歳勢が続きました。5着のホウオウアマゾンを含め、3歳世代が3頭も掲示板内に入りました。2年前の覇者・インディチャンプは4着、3番人気のサリオスは6着、3歳馬・グレナディアガーズは13着に終わっています。
優勝したグランアレグリアは、これでGⅠ6勝目。マイルチャンピオンシップの連覇はダイワメジャー(2006年&07年)以来史上6頭目で、牝馬としては初の快挙。鞍上のクリストフ・ルメール騎手もこのレースでJRA通算1500勝を達成。この秋のGⅠでは2着が3回も続いた時もありましたが、ようやく勝つことができました。藤沢和雄厩舎は同レースで最多の通算6勝目。来年2月末に調教師を勇退する藤沢調教師にとって、これが最後のGⅠタイトルとなるのでしょうか?

グランアレグリアのラストランを見て、やっぱり女王は強かったなぁって思いました。序盤から中団より後ろの位置を走り、4コーナーで大外に持ち出し、直線では鋭い末脚で突き抜けました。前走の秋の天皇賞から中2週なのにこの強さですよ。昨年のスプリンターズステークスの再現を見るかのような走りでしたねぇ。今年マイルのGⅠで2勝しているから、「最優秀短距離馬」は確実でしょう。
GⅠ6勝のうち、マイル戦で5勝をマーク。マイル戦の他にも1200mや1400mのレースでも勝利し、2000mのGⅠに2度も参戦。どんな距離にもチャレンジする姿勢は素晴らしかったです。スプリント、マイル、中距離の「3階級制覇」は果たせませんでしたが、グラアレのようにその夢に挑戦する馬が現れてほしい。


来週は東京競馬場で「ジャパンカップ」が行われます。「アーモンドアイVSコントレイルVSデアリングタクト」の伝説的3強対決からもう一年が経ちます。今年は、ラストランとなるコントレイル、今年のダービー馬・シャフリヤール、京都大賞典で復活勝利のマカヒキ、平成最後のダービー馬・ワグネリアンの「4世代ダービー馬」が集結。他にも、今年のオークス馬・ユーバーレーベン、アルゼンチン共和国杯2連覇のオーソリティ、アリストテレス、海外からジャパン(アイルランド)、ブルーム(アイルランド)、グランドグローリー(フランス)が参戦します。




エリ女の主役はアカイトリではなくアカイイト!キズナ産駒は待望のGI初制覇!

2021年11月14日 | 競馬

ラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌが日本馬としてブリーダーズカップ初制覇という歴史的快挙から1週間が経った14日は、阪神競馬場で秋の最強牝馬決定戦・第46回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m 17頭立て)が行われました。大阪杯を圧勝した①レイパパレ、秋華賞を勝った3歳牝馬③アカイトリノムスメ、オールカマーでワンツーの⑨ウインマリリン&⑮ウインキートスの「ウインウインコンビ」、今年重賞2勝⑧テルツェット、ヴィクトリアマイル2着⑤ランブリングアレー、重賞では善戦続き②クラヴェル、もう一頭の3歳世代⑤ステラリアなどが参戦しました。

単勝の上位人気は、1番人気がレイパパレ(2.9倍)、2番人気アカイトリノムスメ(3.4倍)、3番人気ウインマリリン(5.5倍)。4番人気テルツェット(9.6倍)、5番人気ウインキートス(9.7倍)まで一ケタ台。その後はランブリングアレー、ステラリア、⑫デゼル、クラヴェル、⑯アカイイトと続きました。

正面スタンド前でのスタートは17頭綺麗に出揃い、レイパパレが先に行くかと思いきや、⑦シャムロックヒルと⑭ロザムールの2頭が先手を主張。ウインマリリンが3番手につけ、レイパパレは5番手、さらにその後ろにアカイトリノムスメが控えている。アカイトリはパパレとマリリンにプレッシャーをかける狙いだ。ランブリングアレーとステラリアとウインキートスとテルツェットは中団に位置付けた。
1,2コーナーのところで縦長となり、向正面でシャムロックヒルが先頭、ロザムール2番手、3番手ウインマリリン、内側4番手レイパパレ、アカイトリノムスメが5番手。ランブリングアレーと④イズジョーノキセキが6,7番手で並び、9番手グループにはテルツェット・⑬リュヌルージュ・ウインキートス・ステラリアと固まっている。中団より後ろの12番手にデゼル、13番手アカイイト、14番手クラヴェル、15,16番手のところに⑩ムジカと⑪ソフトフルートが並び、最後方に⑰コトブキテティスという体勢。
内回り3コーナーを回り、シャムロックが先頭、3番手のパパレが2番手のロザムールに並び、マリリン外側4番手、アカイトリとランブリングが5,6番手。残り600mでパパレが2番手に浮上し、シャムロックをかわせばあとは押し切るだけ。4コーナー目前にして後方にいたアカイイトが急上昇、ステラリアも大外に持ち出した。
4コーナーを回るところでレイパパレが満を持して先頭。2番手争いはアカイトリノムスメとランブリングアレーとアカイイトが競り合い、アカイトリが挟まれて後退してしまう。その間にアカイイトが脚を伸ばし、レイパパレをかわす勢いだ。残り200mでアカイイトがパパレを捕らえて先頭。後続からステラリア、クラヴェル、ソフトフルート、ランブリングアレーなどが追い込んでくるが、ゴール前抜け出したアカイイトが先頭でゴールイン!ステラリアが2着、3着争いはクラヴェル・イズジョーノキセキ・ソフトフルートと大混戦。レイパパレとアカイトリノムスメは最後に沈みました。


【エリザベス女王杯 全着順】
1着 アカイイト     2分12秒1
2着 ステラリア      2馬身
3着 クラヴェル      クビ差
4着 ソフトフルート    クビ差
5着 イズジョーノキセキ  ハナ差 
6着 レイパパレ 
7着 アカイトリノムスメ 
8着 デゼル 
9着 ランブリングアレー 
10着 ウインキートス 
11着 テルツェット 
12着 ムジカ 
13着 コトブキテティス
14着 リュヌルージュ 
15着 シャムロックヒル
16着 ウインマリリン 
17着 ロザムール

単勝 ⑯ 6,490円
複勝 ⑯ 1,180円  ⑤ 650円  ② 810円
枠連 3⃣-8⃣  2,610円
馬連 ⑤-⑯ 51,870円
馬単  ⑯-⑤ 137,500円
ワイド ⑤-⑯ 9,600円  ②-⑯ 15,440円  ②-⑤ 7,450円
三連複 ②-⑤-⑯ 282,710円
三連単 ⑯-⑤-② 3,393,960円

3歳から6歳までの世代が集結し、レイパパレVSアカイトリノムスメの2強対決と言われていた今年のエリザベス女王杯でしたが、10番人気の伏兵・アカイイトが直線抜け出して優勝。GⅠ初挑戦で重賞初制覇を成し遂げました。2着には7番人気の3歳馬ステラリア、3着には9番人気のクラヴェルが入り、3連単で339万円オーバーの大波乱。4着も11番人気、5着も12番人気と5着までに2ケタ人気だった馬が3頭も来ました。
一方で、1番人気のレイパパレは6着、2番人気のアカイトリノムスメは7着。レイパパレ鞍上のルメール騎手曰く「ずっと引っかかった」という。3,4コーナーで少しバランスを崩す場面も見られ、4コーナーで一旦は先頭に立ったんだけど、最後に沈んでしまいました。2200mは3戦走ったんですが、宝塚記念で3着、オールカマーで4着、エリ女で6着。距離も長いし、徐々に着順を下げていってるなぁ。アカイトリの方は、ラストの直線で不利を受けたのが響いてしまいました。3番人気だったウインマリリンは、ブービーの16着と大敗。レース後には横山武史騎手が下馬してたので、何かアクシデントがあったのでしょうか。

番狂わせを起こしたアカイイトは、栗東・中竹和也厩舎に所属。父はキズナ、母はウアジェトの間に生まれました。キズナ産駒は初めてのGⅠ制覇。阪神JFのマルターズディオサをはじめ、天皇賞春のディープボンド、NHKマイルカップのソングライン、秋華賞のファインルージュと、GⅠ勝ちまであと一歩の状態が続きましたが、ここでようやく初タイトルを掴みとりました。2着のステラリアもキズナ産駒だそうで、同産駒のワンツーフィニッシュとなりました。
鞍上の幸英明騎手は、16度目の参戦でエリ女初勝利。自身のGⅠ勝利も2018年のヴィクトリアマイル以来3年半ぶり。中竹和也調教師も、2018年ホープフルステークスのサートゥルナーリア以来のGⅠ勝ち。馬主の岡浩二オーナーもGⅠ初勝利。九州産馬のヨカヨカが北九州記念を制した後、スプリンターズステークス目前にケガで引退。その無念をアカイイトが晴らしました。
向正面でレイパパレ、マリリン、アカイトリの有力勢が牽制しあう中、アカイイトは後方でじっくり待機。3,4コーナー中間あたりから一気に進出すると、残り200mでレイパパレを抜き去りました。人気になってない分、変なプレッシャーを持たずに走れたのかなって思います。今回の勝利がマグレか実力かは、今後の活躍次第と言えるでしょう。





これが世界の矢作厩舎だ!ブリーダーズカップで日本馬が2勝!

2021年11月07日 | 競馬
日本時間7日早朝、競馬ファンにとって嬉しいニュースが届きました!アメリカ・デルマー競馬場で開催された「2021ブリーダーズカップデー」で、日本から参戦したラヴズオンリーユーが「BCフィリー&メアターフ」で優勝すると、マルシュロレーヌが「BCディスタフ」を制覇!日本勢のブリーダーズカップ初制覇どころか、2勝という快挙を成し遂げました。




「ブリーダーズカップ フィリー&メアターフ」(GⅠ・芝2200m 12頭立て)は、⑧ラヴズオンリーユーの他に、GⅠ5勝の⑥ラブ(アイルランド)、昨年の勝ち馬⑫アウダーリャ(イギリス)、オペラ賞優勝④ルジール(フランス)、4連勝中の⑦ウォーライクゴッデス(アメリカ)、重賞2連勝中①ゴーイングトゥベガス(アメリカ)などが参戦しました。
スタートでゴーイングトゥベガスが好ダッシュを見せたのに対し、⑩オーシャンロード(アイルランド)が出遅れ。先行争いでゴーイングトゥベガス・②ポケットスクエア(アメリカ)・⑪ドッグタグ(アメリカ)の3頭が先頭集団を形成し、ラヴズオンリーユーは4番手、5番手③アカネラ(アイルランド)、ラヴは6番手。7番手ルジール、8番手グループには⑤クイーンスプリーム(イギリス)・アウダーリャ・⑨マイシスターナット(アメリカ)。11番手オーシャンロード、ウォーライクゴッデスが最後方。
1周目の正面スタンド前のところで、ゴーイングトゥベガスが単独先頭、ドッグタグ2番手、ポケットスクエア3番手、ラヴズオンリーユーは4,5番手、ラブは外側6番手、ルジールとアウダーリャは中団馬群、ウォーライクゴッデスは最後方でゴール板を通過。
1,2コーナーを回り、2周目の向正面に入って、ベガス先頭、ドッグタグ2番手、3番手ポケスク、4番手アカネラ、ラヴオンは5番手、6番手ラブ、内側7番手からアウダーリャが並びかける。その後ろの8番手にルジール。後方集団はゴッデスが早めに動きだし、オーシャン,スプリーム,マイシスと続く。
2周目3コーナー、先頭争いはベガス・ドッグ・ポケスクの3頭が並び、4番手集団にはアカネラ・ラヴオン・ラブ、さらに最後方からゴッデスも押し上げてきた。
最後の直線コースでウォーライクゴッデスが先頭に躍り出るが、内でラブが抵抗。マイシスターナット3番手、ラヴズオンリーユーは4番手。残り100mでゴッデスが抜け出すが、ラヴオンがマイシスとゴッデスの間を割って突き抜けて先頭ゴールイン!ラヴズオンリーユーが日本馬として初めてのブリーダーズカップ制覇!2着にマイシスターナット、ウォーライクゴッデス3着、ラブは4着。

ラヴズオンリーユーが今年5月の香港GⅠ「クイーンエリザベス2世カップ」に続き、今年2度目の海外GⅠ勝利を手にしました。日本馬のアメリカGⅠ制覇は、2005年アメリカンオークスのシーザリオ以来だそうです。鞍上の川田将雅騎手は国外のGⅠ競走初勝利です。道中はラブにマークされ続けましたが、直線で前詰まりになりながらも、最後は間を上手く突いて差し切りました。ラヴオンと川田騎手の勝利の執念を見せつけましたね。
ラヴオンは今年3月のドバイシーマクラシックで3着、香港QE2世カップで1着、今回のBCフィリー&メアターフでも勝ち、海外で3戦2勝。日本・香港・アメリカの3か国でGⅠ勝利を収めました。今後の体調次第では、12月の香港カップに参戦予定。「海外GⅠ年間3勝」の偉業も期待したいです。




「ブリーダーズカップ ディスタフ」(GⅠ・ダート1800m 11頭立て)は、日本の⑩マルシュロレーヌの他、今年GⅠ4勝⑥レトルースカ、今年のケンタッキーオークス馬③マラサート、前年のケンタッキーオークス馬⑧シーデアズザデビル、1800mで3勝②ロイヤルフラッグ、前走GⅠ初勝利⑦クレリエール、昨年3着⑪ダンバーロードなどが参戦。
スタート後の先行争いで、①プライベートミッション、レトルースカ、シーデアズザデビルの3頭が飛び出し、⑨アズタイムゴーズバイ4番手、⑦ホロロジスト5番手。マルシュロレーヌは9番手追走。
向正面のところで11頭縦長となり、プライベートミッション先頭、2番手レトルースカ、アズタイムゴーズバイ3番手、シーデアズザデビル4番手、5番手ホロロジスト、④ブルーストライプが6番手。マルシュロレーヌは3コーナー時点で7番手、あとはロイヤルフラッグ、③マラサート、ダンバーロード、クレリエールが最後方。
3,4コーナー中間でマルシュが先頭集団に追いつき、大外のロイフラが連れて上昇。内のシーデアも仕掛け、先頭争いはマルシュ・ロイフラ・シーデアの3頭。
4コーナーを回るところでマルシュロレーヌが先頭に浮上。外からロイヤルフラッグ、大外からクレリエールも追い込み、後続からダンバーロードとマラサートもやって来る。ゴール前でマルシュがダンバーに並ばれ、最後はほぼ同体でフィニッシュ。写真判定となったが、外のマルシュロレーヌがわずかに優勢!ラヴズオンリーユーに続いてのBC制覇を果たしました。


ダート競馬の本場・アメリカで、日本のマルシュロレーヌが米国馬を降す大金星!日本の牝馬が海外ダートGⅠを勝利したのは史上初です。マルシュロレーヌはダートに転向後、地方の交流重賞で4勝を挙げていますが、JRAの重賞は未勝利。当初は同じ厩舎のラヴズオンリーユーの帯同馬扱い。それが「ダート界の牝馬世界一」に上り詰めるというアメリカンドリームを掴み取りました。
今年のダート界は、長らくダート界のトップにいたクリソベリルが引退。交流GⅠでも地方勢が大活躍し、JRA勢のレベルが下がっている印象があります。もしかしたら「BCディスタフ」を勝ったマルシュロレーヌが「JRA賞最優秀ダートホース」の最有力と言えるでしょう。