29日に行われた日本VSパラグアイは、日本代表がPK戦の末に敗れてベスト8進出を逃しました。日本戦が終わった後、ケープタウンの「グリーン・ポイント・スタジアム」でスペインVSポルトガルが行われました。決勝トーナメント1回戦最後の試合は、ヨーロッパの強豪同士で因縁の隣国対決。FIFAランキングではスペインが2位、ポルトガル3位と上位につけています。勝ったほうがベスト4に前進する一戦は、序盤から両チームとも決定機が続出するハイレベルな試合となりました。
試合開始直後にスペインがいきなりチャンス。フェルナンド・トーレスが左サイドでボールをキープすると、そのまま直接シュートを狙ったが、ポルトガルGK・エドワルドが横っ飛びで防ぐ。さらに3分、今度はダビド・ビジャがミドルシュート。しかしこれはGKの正面。ビジャは7分にペナルティエリア内に進入し、ドリブルで刻んで狙っていったが、またしてもGKに阻まれた。
対するポルトガルは8分にCKのこぼれ球をメイレレスが狙うもDFに跳ね返され、9分には右サイドのクロスにアウメイダが飛び込むも届かない。17分の左サイドのFKをクリスチアーノ・ロナウドが直接狙うもGKの正面。20分、メイレレスのパスを受けたチアーゴが中央からミドルシュート!スペインGK・カシージャスがパンチングし、こぼれ球をアウメイダが詰め寄っていくが、カシージャスがクリア。27分、左からのFKをロナウドが無回転で狙ってきた!カシージャスが正面で阻むもキャッチしきれず、ペペなどが詰めるもスペインDFがクリアする。
スペインは31分にシャビ・アロンソのスライディングパスにシャビがミドル放つもダメ。ポルトガルは38分に左サイドのメイレレスのクロス→アウメイダが頭で合わせるも枠とは違う方向へ…。42分、スペインのCKをGKがキャッチすると、スルーパスにシモンが走りこむも、飛び出してきたカシージャスがクリア。両チームとも決定機が生まれるも1点が遠く、前半は0-0で終了。
エンドが変わった後半、両チームとも一進一退の攻防が10分以上続く。迎えた後半13分、スペインはトーレスを下げてジョレンテ、ポルトガルはアウメイダに代わってダニーを投入する。すると後半15分、右サイドのセルヒオ・ラモスのクロスにジョレンテがダイビングヘッド!これはGK・エドワルドの正面。エドワルドよく防いだ!スペインはさらに攻撃を仕掛け、ビジャが左の位置からミドルシュート。これは僅かにゴール右。
そして後半18分、スペインはイニエスタがエリア手前でパス、シャビのヒールパスにビジャが抜け出してシュート、GKがいったん弾くも、こぼれ球を右足で押し込んでゴール!遂に均衡が破れてスペイン1点先制!勢いに乗るスペインは25分、右サイドを駆け上がっていたセルヒオ・ラモスが相手DFをかわし、左足シュートもGKに弾かれる。
追いかけるポルトガルは27分、メンデスとリエジソンの2選手を同時投入。32分に追加点のピンチを迎え、ビジャのミドルをエドワルドがセーブ。ロナウドを中心に反撃を続けるも、スペインDFの壁を崩すことができない。後半41分、ポルトガルはコエントロンが左サイドからシュートもダメ。逆にスペインは左サイドのクロスにジョレンテが頭で合わせるも外れた。ロスタイム直前、スペイン陣内でのハイボールの競り合いで、ポルトガルのリカルド・コスタがスペインDF・カプデビラにエルボーを入れたとして一発退場。この退場劇でポルトガル万事休す。スペインがビジャの1点を守り切り、1-0でポルトガルに勝利してベスト8最後のイスを手に入れました。
1回戦屈指の好カード・スペインVSポルトガルの「イベリア・ダービー」は、両チームとも激しくて華麗なプレーが続出し、スピーディー溢れる攻撃で「これぞ世界最高峰レベル!」といえるような試合内容でした。結果はダビド・ビジャの決勝ゴールでスペインが制しました。これだけ素晴らしい試合を見ると、日本の試合なんて「大した事ない」と思ってしまう…。
勝ったスペインは2大会ぶりのベスト8進出、準々決勝で日本を破ったパラグアイと戦います。敗れたポルトガルは2大会連続ベスト8を逃し、クリスチアーノ・ロナウドの南アフリカワールドカップはここで終わりました。
スペインは攻撃面で圧倒し、序盤の15分間で決定的シーンが3度も生まれたんですが、ビジャ、トーレスのFW組のシュートがGKの好セーブに阻まれ続けました。いったんはピンチを迎えるも、カシージャスがゴールを守り切り、後半18分にビジャが待望の先制点を奪いました。決勝点を挙げたビジャは今大会4得点目、得点王争いで首位タイに躍り出ました。最大で残り3試合出場すれば、単独での得点王の座に輝く可能性も高そうです。
これでベスト8に進出したチームが全て出揃い、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ガーナ、スペイン、ドイツ、オランダの8カ国が勝ちあがりました。8チーム中7チームがグループリーグで1位通過を果たしており、南米勢が4カ国も残っておりますね。
準々決勝の組み合わせは、「ウルグアイVSガーナ」、「ブラジルVSオランダ」、「ドイツVSアルゼンチン」、「スペインVSパラグアイ」に決定。ドイツVSアルゼンチンは2大会連続で実現。そしてブラジルVSオランダの試合も見逃せません。オランダはロッベンが復帰し、攻撃力が増しました。この一戦は点の取り合いになるかもしれない。全て南米勢だと困るので、ヨーロッパ勢とガーナには頑張ってもらいたいのですが…。