28日に行われた春の天皇賞はフィエールマンが優勝、香港ではウインブライトがクイーンエリザベス2世カップを制しました。昭和の日の29日は、新潟競馬場で平成最後のJRA重賞競走・第41回新潟大賞典(GⅢ・芝2000m 16頭立て)が行われました。①ミッキースワロー、④スズカデヴィアス、⑤メートルダール、⑦アストラエンブレム、⑧ブラックスピネル、⑩エアアンセム、⑪ダッシングブレイズ、⑭ドレッドノータスと重賞ウィナー8頭の他に、2連勝中の⑥ロシュフォールと⑮メールドグラース、日経新春杯2着⑯ルックトゥワイス、⑬クリノヤマトノオー、③ランガディアなどが参戦しました。
揃ったスタートの後の先行争いで、ドレッドノータスとブラックスピネルの2頭が積極的に前に出て、ブラックスピネルが先手を奪う。ドレッドノータスは2番手、3番手にアストラエンブレム、4番手エアアンセム、5番手に⑨サンデーウィザード。その後ろの6,7番手のところにランガディアとメールドグラースが並び、中団8番手にメートルダール。内側9番手にスズカデヴィアス、外側では⑫アウトライアーズが10番手に押し上げる。後方グループは、11番手ルックトゥワイス、12番手クリノヤマトノオー、ミッキーロケット13番手、14番手ダッシングブレイズ、15番手ロシュフォール、最後方に②ショウナンバッハという展開。
外回りコースに差し掛かり、先頭を行くブラスピは前半1000mを60秒8で通過。ドレッドがピッタリと2番手、アストラが3番手。エアアンとランガが4,5番手で並び、トゥワイス・メートル・ミキスワ・ロシュは中団から後方の位置。
外回り4コーナーを回って長い長い直線コースに入り、ブラックスピネルがまだ先頭を快走。2番手からアストラエンブレム、エアアンセム、メールドグラースも外から追い上げる。残り200mを切ってもブラスピが粘るが、外からメールドが捕らえる。それにミッキースワローとロシュフォールが馬群を割いて上がって来て、一番外からルックトゥワイスもやってきている!しかし、メールドグラースが先頭でゴールイン!2番手はミキスワとロシュがほとんど並び、トゥワイスは4番手まで。
春の新潟の名物重賞・新潟大賞典は、ゴール前で大激戦となりましたが、単勝7番人気のメールドグラースが、ロシュフォールとミッキースワローを抑えて優勝。自身3連勝で重賞初勝利を飾り、平成最後のJRA重賞ウィナーとなりました。1番人気・ロシュフォールと2番人気・ミッキースワローの2着争いは、ミキスワが2着、ロシュがハナ差の3着。2頭とも馬群を捌いて追い上げたんですが、前が止まりませんでした。3番人気のルックトゥワイスは4着、4番人気のメートルダール9着。前回優勝のスズカデヴィアスは11着でした。
勝ったメールドグラースは、栗東・清水久嗣厩舎に所属。父はルーラーシップ、母はグレイシアブルーという血統。鞍上のダミアン・レーン騎手はJRA重賞初勝利。オーストラリアの若手の期待の星であるダミアン騎手は、週末から短期免許で日本に騎乗し、日曜日の東京5レースで初勝利を挙げると、7R~9Rまで3連勝を果たし、1日4勝の固め打ち。この日の1勝を含わせ、3日間で5勝をマーク。いきなり素質の片りんを見せつけたので、来週以降も大暴れしそうな予感がします。
メールドグラースは2017年9月にデビューしましたが、新馬戦から4戦続けて3着止まり。初勝利を挙げるまで6戦かかりました。今年に入ってからは、1月の1000万下(@京都)で1着、前走の尼崎ステークス(@阪神)も1着。昇級戦となった今回のレースも勝ち、3連勝で重賞タイトルを手にしました。連勝中の勢いに乗って宝塚記念に参戦もあり得ると思いますが、格上と互角の勝負ができるか難しいし、道悪なら苦戦するでしょう。
この日の新潟競馬場は、メイン以外にもいろんな話題がありました。JRA通算1000勝にリーチをかけていたクリストフ・ルメール騎手が、第5レースのサラ系3歳未勝利戦(芝1800m)で⑦エクセランフィーユとのコンビで1着になり、通算1000勝目を飾りました。
外国人ジョッキーのJRA1000勝は初めての快挙であり、野平祐二氏の5209戦の「最少騎乗記録」を上回る5122戦目での記録到達となりました。フランス時代は通算1120勝を挙げていますが、今年中にもフランスでの勝利数を超えるでしょう。この春はドバイターフ、桜花賞、皐月賞、天皇賞とGⅠを勝ちまくり。5月5日のNHKマイルカップではグランアレグリアに騎乗し、JRA・GⅠ4連勝に挑みます。
そして、藤田菜七子騎手が1日2勝をマークしました。前日の東京3Rで約1カ月ぶりの勝ち星を挙げた菜七子騎手は、この日は8鞍に騎乗。2R・3歳未勝利(ダート1200m)では、5番人気の③ワールドイズマインに乗り、向正面で5番手を追走し、最後の直線で⑨イッツザファーストと⑮マイネルナイペスの間から抜け出して1着。2日連続勝利で今年の10勝目をマーク。
8レースの4歳以上500万下(芝2400m)は⑩コロンバスデイに騎乗。スタートから中団でレースを進め、3,4コーナー中間地点で3番手に浮上。直線コースでグイグイ追い上げると、残り150mあたりで大逃げを打っていた④ロイヤルディクリーを抜いて先頭に立ち、外から追い込んだ⑧シゲルシイタケの追撃を凌いで1着でゴールしました。
この日は2勝目を挙げた菜七子騎手ですが、それ以外でも好騎乗を連発。5レースでは⑪スパークオブライフで2着に持ち込むと、最終12レースでは⑧サンタナブルーに騎乗し、後方2番手追走から、直線一気に伸びて3着。⑤ボナヴィーゴ、③ララロワとの2着争いでしたが、ボナヴィーゴにアタマ差及ばず。それでも馬券圏内に入りました。この日は1着2回、2着と3着が1回ずつ。平成最後の新潟で大活躍の一日でした。
4週連続勝利と絶好調だった3月から一転、4月はスランプに陥っていましたが、日曜と月曜の2日間で3勝をマーク。3年連続で10勝に到達し、芝2400mのレースで勝ったのも初めてです。長距離戦で勝ったのはとても大きいですね。長いトンネルから解放された菜七子騎手、今後も勝つ星を積み重ねていけるかな。