

2025年春のGⅠシリーズの開幕戦・第55回高松宮記念(GⅠ・芝1200m 18頭立て)が30日、中京競馬場で行われました。昨年の勝ち馬①マッドクール、昨年のスプリンターズステークス覇者⑥ルガル、2023年スプリンターズステークス優勝の⑮ママコチャのGⅠウィナーの他に、2年連続2着⑭ナムラクレア、香港スプリント3着⑩サトノレーヴ、昨年のスプリンターズS2着⑫トウシンマカオ、シルクロードステークスを制した⑬エイシンフェンサー、阪急杯優勝⑧カンチェンジュンガ、③ビッグシーザー、JRA初の女性調教師・前川恭子厩舎所属⑦モズメイメイなどが参戦しました。
単勝オッズは、1番人気ナムラクレア(3.5倍)、2番人気サトノレーヴ(3.8倍)、3番人気ルガル(5.7倍)。その後は4番人気マッドクール(7.1倍)、5番人気のトウシンマカオ(7.6倍)まで10倍以下でした。
スタートで②ウイングレイテストとマッドクールの1枠勢が好スタートを決めたが、ビッグシーザーが先手を奪う。ルガル2番手、3番手にウイングレイテスト、⑱ペアポルックスも先団に加わる。モズメイメイ5番手、マッドクールは6番手、外側7番手エイシンフェンサー、8番手サトノレーヴ。中団グループはママコチャ・カンチェンジュンガ・トウシンマカオ・⑰ドロップオブライトの4頭が並ぶ。その後ろの14,15番手にナムラクレアと⑯バルザムノートが並走、後方は15番手⑨キタノエクスプレス、16番手④トゥラヴェスーラ、17番手⑤オフトレイル、最後方に⑪スズハローム。
3,4コーナー中間を通過し、シーザー先頭、ルガル2番手、ポルックスとウイングレが3,4番手、マッド最内、サトレヴとマカオとクレアは中団馬群。ママコチャが外に出した。
4コーナーを回って直線コースに差し掛かり、先頭争いはビッグシーザーとルガルの2頭。真ん中からペアポルックス、外からエイシンフェンサーとママコチャも迫ってくる。後続からサトノレーヴも上がって来るが、ナムラクレアは馬群の中。残り200mでママコチャが前に出るが直後にサトレヴが襲い掛かる。クレアも馬込みから脱して大外から追い上げてきたが、残り100mでサトノレーヴが抜け出してゴールイン!ナムラクレア猛追届かず2着まで。
【高松宮記念 全着順】
1着⑩サトノレーヴ
2着⑬ナムラクレア
3着⑭ママコチャ
4着⑫トウシンマカオ
5着⑮エイシンフェンサー
6着①マッドクール
7着⑥ルガル
8着⑰ドロップオブライト
9着③ビッグシーザー
10着⑧カンチェンジュンガ
11着④トゥラヴェスーラ
12着⑯バルサムノート
13着⑦モズメイメイ
14着⑤オフトレイル
15着⑨キタノエクスプレス
16着②ウイングレイテスト
17着⑪スズハローム
18着⑱ペアポルックス
【払戻金】
単勝 ⑩ 380円
複勝 ⑩ 160円 ⑭ 140円 ⑮ 330円
枠連 5⃣ー7⃣ 570円
馬連 ⑩-⑭ 820円
馬単 ⑩-⑭ 1,460円
3連複 ⑩-⑭-⑮ 2,900円
3連単 ⑩-⑭-⑮ 11,080円
ワイド ⑩-⑭ 360円 ⑩-⑮ 1,150円 ⑭-⑮ 860円
春のスプリント王決定戦は、単勝2番人気のサトノレーヴが力強い末脚で捻じ伏せて優勝。3度目のGⅠ挑戦で初制覇を果たしました。1番人気のナムラクレアは、3/4馬身差の2着に敗れ、またしてもGⅠ初タイトルに届かず。一昨年と昨年も2着に敗れ、クリストフ・ルメール騎手を背にラストチャンスにかけた結果が「同一GⅠ3年連続2着」の珍記録。過去には春の天皇賞のディープボンド、エリザベス女王杯のクロコスミアがいましたが、クレアで史上4頭目だそうです。彼女も今年で馬齢6歳、無冠のまま終わってしまうのか?
3着のママコチャはGⅠ馬の意地といったところか?4着のトウシンマカオまでが6歳世代が独占。イクイノックス&ドウデュース世代はまだまだ強いです。連覇を狙ったマッドクールは6着、昨年の最優秀スプリンターのルガルは7着でした。
優勝したサトノレーヴは、重賞3勝目で通算8勝目。鞍上のジョアン・モレイラ騎手は高松宮記念初勝利で、JRAのGⅠ勝利は昨年の桜花賞以来通算3度目。今週末から短期免許で来日した「雷神」が、春の中京に雷を落としました。サトレヴの父・ロードカナロア産駒は、2021年のダノンスマッシュ、2023年のファストフォースに次いで同レース3勝目。管理する堀宣行調教師は、2010年と11年にキンシャサノキセキが連覇を達成しましたが、14年ぶりの宮記念勝利となりました。
デビューからずっと右回りしか走っておらず、左回りは今回が初めてで不安視されていましたが、最後の直線で外に持ち出した直後にギアを上げ、前の馬達をまとめて抜き去りました。モレイラ騎手の手腕もあったし、直線で長い分末脚が上手く使えたんじゃないかと思います。
5歳だった昨年の夏に北海道で重賞2連勝を飾り、6歳の春にGⅠレースで優勝。まさに遅咲きのスプリント王座と言えます。 4月の香港GⅠ「チェアマンズスプリント」の参戦も期待したいけれど、香港短距離の怪物・カーインライジングを倒すのは難しいか?