2009プロ野球日本シリーズ・日本ハムVS巨人はいよいよ大詰め。ここまで5試合終えて、日本ハムが2勝に対し、巨人は3勝。木曜日の第5戦は、亀井選手と阿部選手が9回に日ハム守護神・武田久から本塁打を放ち、巨人が劇的サヨナラ勝ちで王手をかけました。決戦の舞台は再び札幌ドームに戻り、7日は第6戦が行われました。王手の巨人が連勝して日本一を決めるか、それとも日ハムが逆王手で最終戦に持ち込むか?
第6戦スタメン
日本ハム 巨人
1(二)田中賢介 (遊)坂本勇人
2(左)森本稀哲 (中)松本哲也
3(右)稲葉篤紀 (三)小笠原道大
4(一)高橋信二 (指)ラミレス
5(指)スレッジ (右)亀井義行
6(三)小谷野栄一 (左)谷 佳知
7(中)糸井嘉男 (捕)阿部慎之助
8(捕)鶴岡慎也 (一)李 承
9(遊)二岡智宏 (二)古城茂幸
(投)武田 勝 (投)東野 峻
第6戦は日ハム・武田勝と巨人・東野が先発。武田勝は今シリーズ2度目、東野は第2戦の中継ぎ以来の登板となります。日ハムは東京ドームでレフトに就いたスレッジがDHに戻り、森本が2番レフト、糸井は7番センターで出場。巨人は大幅に守備&打順を入れ替え。ラミレスは4番DH、レフトには谷が起用。イ・スンヨプは8番ファースト、古城は9番セカンドというオーダー。
初回、巨人は上位打線が武田勝の変化球に対応できず3者凡退。勝はこの回僅か8球と上々の立ち上がり。その裏の日ハムは、先頭の田中がライト前ヒットを放つが、森本が送りバント失敗。稲葉三振で2死後、高橋が巨人先発・東野の初球をピッチャー返し、打球は東野の右手に直撃する強襲ヒット。東野はマウンド上でうずくまり、治療のためベンチに引き返したが続投不可能。初回14球で無念の降板となった。巨人は2番手に内海哲也が登板。2死1,2塁と先制のピンチの場面でスレッジを1塁ゴロに打ち取り2者残塁。緊急登板の内海、たった1球でピンチを防ぎました。
2回、巨人は1死から亀井が勝のスライダーを捕らえ、左中間を破る2塁打でチャンスを作ります。谷の投手ゴロの間に亀井は3塁出塁、2死3塁で阿部がスライダーをセンターに弾き返し、打球は高く伸びてフェンスに直撃。阿部のタイムリー2塁打で巨人が1点を先制します。1点を追うハムは、糸井がヒットで出塁するも、二岡のセンターへの当たりは巨人中堅手・松本のダイビングキャッチに阻まれ3アウト。
1点を失った武田勝は、3回は巨人の1,2番コンビを抑えて3者凡退。4回は小笠原とラミレスに大きな当たりをされるも、共にフェンス手前で失速して外野フライ。亀井には遊撃ライナーで打ち取り、巨人の中軸にヒットを許さず。6回も3人に抑え、3イニング連続3者凡退で巨人打線に追加点を与えないピッチングが続きます。武田を援護したい日ハム打線は、毎回ヒットが出てチャンスを迎えるものの、内海を打ち崩す事ができない。4回は2死2,3塁で二岡が2塁ゴロ、5回は1死2塁で稲葉と高橋が直球に手が出ず見逃し三振…。内海は走者を出しながらも日ハムの反撃を許さない好リリーフを見せました。
1点リードの巨人は6回、2死後に松本がレフト前ヒット、続く小笠原が勝の初球・チェンジアップをライト前に弾き返す。すると日ハム右翼手・稲葉が後逸&転倒。処理がもたつく間に1塁走者・松本が俊足を飛ばして一気にホームイン!小笠原のタイムリーで巨人に待望の2点目、日本一にまた一歩近づいた。2点を追う日ハムはその裏、巨人2番手・豊田清を攻め立て、小谷野と鶴岡のヒットで2死1,2塁とまたチャンスを迎えるが、二岡が2塁ゴロで2者残塁。またも無得点に終わった日ハム、この日は本塁が遠い…。
終盤に入り、7回に巨人が亀井のヒットで2死3塁となるも、スンヨプが2塁ゴロに倒れる。日ハムは直後に田中が3本目のヒットを放つが、森本が2塁ゴロ併殺打でチャンスを潰した。8回、巨人は坂本ヒット&小笠原敬遠で2死1,2塁と再びチャンス、しかしラミレスが空振り三振に倒れた。対する日ハムは、先頭の高橋が巨人5番手・越智大祐からヒットを放ち、スレッジと小谷野が連続三振で2死となった後、糸井が四球で歩いて2死1,2塁。ここで巨人は守護神・クルーンを投入。クルーンは代打・坪井智哉を2塁ゴロに打ち取りピンチ脱出。
試合はいよいよ9回に突入。9回表、日ハム3番手・林昌範が谷と阿部を連続三振に仕留めて3者凡退。9回裏、8回2死から登板しているクルーンが続投。クルーンは先頭打者の二岡にレフト線を破る2塁打を許すと、1死3塁で森本の代打・稲田直人に四球を与えて1死1,3塁のピンチ。ホームランが出ればサヨナラの場面で稲葉が登場。日ハムファンによる「稲葉ジャンプ」で札幌ドームは揺れ、ボルテージは最高潮に!稲葉の勝負強い打撃に期待がかかったが、クルーンのフォークの前に見逃し三振。この間に1塁走者は2塁盗塁で2死2,3塁。次は4番・高橋信二。タイムリーなら同点の場面。同点&サヨナラのピンチを背負ったクルーンは、高橋をフォークで3球三振に仕留めてゲームセット!巨人が2-0で日ハムを降し、7年ぶりの日本一に輝きました!
2009年日本シリーズ 2009/11/07(土)
日本ハム-巨 人 第6戦(巨人4勝2敗、札幌ドーム、18:16、40714人)
G 010 001 000 2
F 000 000 000 0
【投手】
(巨)東野、内海、豊田、山口、越智、クルーン-阿部
(日)武田勝、江尻、林-鶴岡、大野
【責任投手】
(勝)内海2試合1勝1敗
(S)クルーン3試合3S
(敗)武田勝2試合2敗
2009年日本選手権シリーズを制したのは、読売ジャイアンツ!巨人ファンの皆さん、日本一おめでとうございます。そして最後まで諦めず逆転サヨナラを信じて応援し続けた日ハムファンの皆さん、お疲れ様でした。
第6戦は巨人が少ないチャンスを活かし、日ハム先発・武田勝から2点を奪い、2番手で緊急登板した内海が日ハムの反撃を何度も退け、その後は豊田→山口→越智→クルーンの投手リレーで2-0の完封勝ち。対戦成績4勝2敗として、7年ぶり21度目の日本一を成し遂げました。ところで、初回に右手に打球を受けて降板した先発の東野投手は、病院で検査を受けた結果右手甲の打撲と診断されました。
原辰徳監督は胴上げで10回宙に舞い、優勝インタビューで「日本ハムの素晴らしい選手、素晴らしいファン、非常に素晴らしいチームと日本シリーズを戦うことができた」と相手を讃えた後、「日本一になったことを誇りに思う。胴上げも感無量だった」と喜びを明かしました。そして巨人ファンに向かって「日本一になりました!」と絶叫。今年はWBCで侍ジャパンを世界一に導き、巨人ではリーグ優勝&日本一と最高の1年といえるでしょう。監督になって2度の日本一に輝いた原監督は、21世紀の名監督の道を着実に歩み続けます。
MVPの阿部選手は、インタビューでは決め台詞の「最高です!」が飛び出し、「やっと念願がかなった。サポートしてくれた裏方さんにも、ファンにも感謝したい」と喜んでおりました。今シリーズは攻守に渡りチームを引っ張り、第5戦ではサヨナラ本塁打、第6戦は先制の2塁打を放ちました。昨年はケガで泣きましたが、今年は主将の意地を見せるような場面が何度もありましたなあ。
敗れた日本ハムは、第5戦のサヨナラ負けのショックを引きずったまま負けたのか?武田勝投手が8回途中まで2失点のピッチングを見せるも敗戦投手。打線は田中賢介が3安打、糸井と高橋が2安打のマルチヒットを記録。しかし、11本のヒットを放ち、チャンスの場面が6度もあったけど1点も奪う事ができず。その結果13残塁の拙攻。特に二岡選手はチャンスで2度凡退しました。嫌な流れを最後まで断ち切れませんでした。
小谷野選手は全試合でヒットを放ち優秀選手賞、高橋選手は2本塁打などの活躍で4番の責務を果たし、敢闘選手賞を受賞しました。小谷野と高橋が活躍した一方で、稲葉選手は第4戦以降調子を落とし、この日は打撃面で3三振、守備ではエラー&転倒で2点目を献上してしまいました。スレッジ選手は第2戦まで調子がよかったんだけど、第3戦以降バットが沈黙…。来季は横浜ベイスターズに移籍するという噂があり、今季限りでの退団の可能性も。スレッジの不振は「移籍報道」の影響なのか?
梨田監督は現役&監督を通じて5度目(近鉄4回・ハム1回)の日本シリーズ挑戦でしたが、またしても日本一にはなれませんでした。歴史は何度も繰り返されるんだね…。梨田監督の悲願はいつ頃叶うのか?
巨人の日本一で2009年の日本プロ野球はこれにて終了!今年のプロ野球は例年以上に長かった…。WBCで日本が連覇、福岡ソフトバンクホークスが交流戦でV2を達成し、パリーグ優勝争いに加わったけど、9月に失速してCSで楽天に負けました。ホークスは強かったか弱かったかと言えば、「Aクラスに入ったけど弱いチームだった」と言ってもいいだろう。
来年は王者・巨人の連覇達成、それを阻止するセリーグのチームは現れるか?それにホークスの復活Vも期待したい。来年の日本シリーズは「巨人VSソフトバンク」だったら有り難いけど…。どうかな?プロ野球ファンの皆様、シーズンオフを「つまんねーよ」なんて言わずに楽しくお過ごしください。