「2018 明治安田生命J1リーグ」は、12月1日に第34節が行われました。川崎フロンターレのリーグ連覇は決定していますが、来季のAFCチャンピオンズリーグ出場権争い、J1残留争いはまだ決着がついていません。Vファーレン長崎と柏レイソルのJ2降格は既に決定済みで、16位のチームが「J1参入プレーオフ(要は入れ替え戦)」に回ることになります。運命の残留争い、生き残ったのはどこだ!?
横浜Fマリノス1-2セレッソ大阪@日産スタジアム
第33節の時点で12位の横浜Fマリノスは、ホームのセレッソ戦で大敗さえしなければ残留は確実という状況でした。
両チーム無得点で迎えた後半5分、マリノスはMF仲川輝人がペナルティエリア内でドリブルを仕掛け、シュートのこぼれ球をFW天野純が左足で押し込み、マリノスが試合の均衡を破る。
しかし、セレッソは後半11分にMF山村和也が同点ゴールを奪うと、後半16分には右サイドのショートコーナーから、DF木本恭生のヘディングシュートがクロスバーに当たるも、MF清武弘嗣が跳ね返ったボールを頭で押し込んで勝ち越しに成功。
劣勢に立たされたマリノスは後半32分、左サイドのクロスにFWウーゴ・ヴィエイラが頭で合わせるもGKにキャッチされる。終盤にはDF中澤佑二がピッチに入るも、最後まで同点ゴールは生まれず。マリノスに勝ったセレッソは、今季限りで退任のユン・ジョンファン監督の有終の美を飾りました。
鹿島アントラーズ0-0サガン鳥栖@カシマサッカースタジアム
名古屋グランパスと勝ち点40で並んでいるサガン鳥栖は、アウェーでACL王者の鹿島アントラーズと対戦。残留を決めたい鳥栖、ACL出場権がかかっている鹿島、両チームとも負けられない一戦でした。
前半は両チームともに得点がなく、後半15分に鹿島は右サイドからのクロスボールを受けたFWセルジーニョがシュートを放つも、相手DFにクリアされる。鳥栖も後半17分、FWフェルナンド・トーレスが左サイドから右足を振り抜いたが、ロングシュートは枠を捉えられず。後半23分、鳥栖はMF高橋義希がPA手前からミドルを放つも決められず。後半40分、鹿島は左サイドのクロスにFW鈴木優磨が合わせるもノーゴール。結局試合はスコアレスドローに終わっています。
名古屋グランパス2-2湘南ベルマーレ@パロマスタジアム瑞穂
16位・名古屋と14位・湘南の直接対決。プレーオフ圏内の名古屋は、勝って残留を決めておきたいところだ。
前半19分、湘南は左サイドでMF金子大毅が左足で低めのクロス→ゴール前でFW菊地俊介が左足シュートを決めて1点先制。前半37分にはDF山根視来が名古屋GKランゲラックに倒されてPKを獲得すると、MF梅崎司がPKをしっかり決めて2点目を奪います。
2点を追う名古屋は、後半開始からFW前田直輝が入り、後半14分にFW玉田圭司が前田とのワンツーからシュートをを放つも、GKの正面を突く。後半21分、PA内でFWジョーが相手に倒されてPKを獲得すると、ジョーがゴール右隅に決めて1-2と1点差に詰め寄る。さらに後半30分、右サイドでDF和泉竜司がクロス→ボールは相手選手の手に当たってPK。同点のチャンスを得た名古屋は、再びジョーがPKを蹴り、またもや右隅に決めて2-2の同点に。
勢いづく名古屋は後半40分、ゴール前の混戦から、FWシャビエルが左足ボレーシュートを放ったが、相手DFのブロックに阻まれる。名古屋は2点のビハインドを追いつきながらも、逆転とはならず。直接対決は2-2の引き分けです。
川崎フロンターレ2-1ジュビロ磐田@等々力陸上競技場。
川崎戦で勝つか引き分ければ残留が決定の磐田は前半25分、MF山田大記のロングパス→FW川又堅碁がPA左からシュートを放つもクロスバーの上。32分、中盤で山田が相手ボールを奪うと、川又がドリブルで持ち込んでから左足シュートを打ったが、ゴール右に外れる。
後半6分、川崎がカウンターを仕掛け、MF長谷川竜也→MF守田英正→ME家長昭博の縦パス→MF中村憲剛の折り返し→ファーサイドで長谷川が飛び込んだが、シュートは枠を外してしまう。川崎は絶好の決定機を逃したのに対し、磐田は命拾い。
0-0のまま迎えた後半33分、右サイドでMF松本昌也が絶妙なクロスを上げると、ゴール前走り込んだFW大久保嘉人が頭でゴールを突き刺す。大久保が古巣・川崎から先制ゴールを奪います。しかし後半38分、川崎は右CKからDF奈良竜樹のヘディングシュートが決まり1-1の同点。
このまま引き分けかと思われた後半アディショナルタイム、川崎は左サイドで味方の縦パスを受けた家長がDFを振り切ると、PA内で左足のグラウンダークロスを入れる。このボールが磐田DF大井健太郎に当たってゴールイン。終了間際のオウンゴールが決勝点となり、磐田が川崎に逆転負けを喫しました…。
北海道コンサドーレ札幌2-2サンフレッチェ広島@札幌ドーム
ACL出場権を争う2位の広島と、4位の札幌が最終節で直接対決。前半3分、札幌はPA右でMF三好康児からボールを繋いで、最後はDFチャナティップが右足でゴールに流し込み、早々と先制点を奪取。さらに21分、相手GKFWジェイが左サイドから左足のロングシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれ、札幌が2-0とリードします。
だが広島も前半39分、PA内での競り合いから、最後はMF馬渡和彰の右足ゴールで1点を返す。後半6分には左サイドの柏広文のクロス→柴崎晃誠のヘッドが決まり2-2の同点に。
この後、札幌は戸倉賢、広島はパトリックと両チームの点取り屋を送り込んだが、そのまま2-2の引き分けに終わりました。
その他の試合
ヴィッセル神戸 3-2 ベガルタ仙台@ノエビアスタジアム神戸
神戸は後半8分にイニエスタにゴールが生まれる。仙台は0-3から2点を返すもあと一歩及ばず。
浦和レッズ 3-2 FC東京@埼玉スタジアム2002
浦和は今季初先発の李忠成が2得点の活躍を見せると、ルーキー・柴戸海にもプロ初ゴールが生まれ、FC東京に競り勝ちました。
柏レイソル 4-2 ガンバ大阪@三協フロンテア柏スタジアム
前節に3度目のJ2降格が決まった柏は、これまでの鬱憤を晴らすかのようなゴールラッシュで、ガンバに完勝。シーズン最後に連勝したが、遅すぎたなあ。一方のガンバは連勝が9でストップ。
V・ファーレン長崎 4-4 清水エスパルス@トランスコスモススタジアム長崎
前半から点の取り合いとなったこの試合、後半27分にFW鄭大世のPKで一旦は清水が逆転したが、後半42分にFW鈴木武蔵がこの日2点目となるPKを決め、引き分けに持ち込みました。
というわけで、2018年のJ1リーグは全日程が終了。連覇を果たした川崎フロンターレは、21勝6引き分け7敗・勝ち点69という成績で終えました。札幌に引き分けたサンフレッチェ広島は勝ち点57で2位を確保。前半は首位をひた走りながらも、リーグ終盤は9試合未勝利でした(7敗2分け)。ACL優勝で「20冠」を達成した鹿島アントラーズは勝ち点56で3位となり、来年のACL出場権を獲得。勝ち点55の北海道コンサドーレ札幌は、クラブ史上最高順位となる4位。「エレベーターチーム」から脱したと言えるかも。
残留争いでは、横浜FM、湘南、鳥栖、名古屋、磐田の5チームが勝ち点41で並びましたが、得失点差で名古屋が15位に浮上してJ1残留決定。磐田が16位に転落し、J1参入プレーオフに回ることになりました。名古屋VS湘南の試合が終わったときは、名古屋がプレーオフかなって思いましたが、磐田が終了間際にオウンゴールで逆転負けという大どんでん返しが発生しました。残留が決まった瞬間、ジョー選手が涙目になってましたね。磐田の選手&サポーターにとっては悪夢でしかないよなぁ。
17位の柏レイソル、18位のVファーレン長崎は、来年はJ2で戦います。J2には大宮、甲府、新潟がいるから、1年で復帰できるのは難しいぞ。
J1リーグは終わりましたが、天皇杯が控えています。12月5日に準決勝2試合が行われ、9日に埼玉スタジアム2002で決勝戦が行われます。5日の準決勝の対戦カードは、浦和レッズVS鹿島アントラーズ、ベガルタ仙台VSモンテディオ山形となっています。もし鹿島が天皇杯で優勝した場合は、リーグ4位の札幌がACLの切符を手にすることになります。
その後、12月13日からUAEで「2018 FIFAクラブワールドカップ」が行われ、ACL王者・鹿島は準々決勝でグアダラハラ(メキシコ)と戦います。勝てば準決勝でレアル・マドリード戦。2年前の決勝での名勝負が再び実現できるでしょうか。