2007年3月、千葉県市川市のマンションでイギリス人女性の遺体が発見された事件から約2年8か月、死体遺棄容疑で全国に指名手配されていた市橋達也容疑者が、10日に大阪市内で身柄を確保され、死体遺棄容疑で逮捕されました。
大阪府警によると、午後6時45分頃に大阪市住之江区・南港のフェリー乗り場から通報があり、警察官らが待合室のベンチで座っている市橋容疑者と見られる男の身柄を拘束。職務質問で「自分は市橋達也です」と名乗り、住之江警察署内で指紋を調べたところ、市橋容疑者のものと断定し、午後8時17分に死体遺棄容疑で逮捕しました。容疑者は沖縄へ向かい、逃亡を図ろうとしていたらしい。取り調べでは「弁解することは何もありません。何も話したくありません」と供述。
容疑者は新大阪駅で報道陣に囲まれながら千葉県警の捜査員とともに新幹線に乗り込み、午後11時45分に東京駅に到着。その後身柄は千葉・行徳警察署に移送され、午前0時40分ごろに容疑者を乗せた車が警察署に到着。千葉でも取り調べを受け、改めて「何も言う事はない」と供述。疲れ切っていたのか質問にうなずくだけでした。
これまでの経緯ですが、
①2007年3月26日、市橋容疑者が住むマンションで、英会話講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の遺体が発見。容疑者は捜査員の職務質問を振り切り逃走、その翌日に死体遺棄容疑で全国に指名手配された。容疑者は喫茶店で個人レッスンを受けていたそうだ。
②6月に警察庁が報奨金100万円を出したが、全く進展がないため2年後に1000万円まで引き上げた。
③事件から1年経った2008年3月、被害者家族が来日し、記者会見で「最愛の妹を奪い、私たち家族の心を打ち砕いた。どうか罪を償ってほしい」と市橋容疑者の出頭を求めた。
④11月に急展開を迎え、10月に名古屋市内の美容整形外科で鼻の整形手術を受けた事が判明。翌日には整形後の写真が公開され、鼻を高くする以外に二重まぶた、下唇を薄くし、左頬のほくろが消えていた。その前には福岡市内に潜伏している事もわかった。
⑤容疑者は事件発生時から約1年半も行方不明になっていたが、昨年8月から今年10月11日まで、整形する資金を稼ぐために大阪・茨木市内の建設会社で作業員として働く。その時は「井上康介」という偽名を使い、赤い帽子に黒メガネ姿、ヒゲを蓄えていた。市橋容疑者のニュースを見た同僚が、「あっ、あいつや!」と声を上げ、指紋を取り出した。
市橋容疑者の両親が記者会見に応じ、お父さんは「事件からこれまで、ずっと苦しい思いだった。捕まってホッとしている」母親は「やっと捕まえてくれたか」と安堵の様子を浮かべていました。リンゼイさんの父親は「2年半以上も逃走を続け、最後の瞬間までも逃げようとしていたことに怒りを感じる」と厳しく非難、母親は「日本のみなさんは逮捕に協力してくださり、警察は最後まであきらめずに捜査してくれた」と感謝の言葉を述べました。
市橋容疑者が2年半以上の逃亡の末、大阪で逮捕されました。一部メディアでは死亡説まで流れていましたが、建設作業の仕事に取り組んでいました。名古屋で整形を受けたというニュースを見た時は「もしかしたら大阪や広島辺りまで逃げてるんじゃないか?」、逮捕の数日前には福岡にいた事が判明した時は「市橋は九州にいそうだ」と思っていました。整形後の写真を見ると、何だか「これで成功したの?」と突っ込みたくなるような残念な顔、ブサイクに変化している。整形する前の方がカッコよく見えるわ。事件の新展開は突然訪れたし、身柄確保→逮捕も突然だったよなあ。
市橋が逮捕され、ひとまず一件落着したこの事件。今後はリンゼイさんを殺害したかが焦点となり、殺人容疑で立件されるか気になるところです。まあ市橋がリンゼイさんを殺したのは間違いないと思いますが。