秋の中距離王者決定戦「第164回天皇賞・秋(GⅠ・芝2000m 16頭立て)」が31日、東京競馬場で行われました。今年の秋天は、復活に懸ける昨年の三冠馬①コントレイル、「3階級制覇」を狙うマイル女王⑨グランアレグリア、今年の皐月賞馬⑤エフフォーリアと、3歳・4歳・5歳世代のトップホースが激突。他にも春の天皇賞馬⑦ワールドプレミア、シルバーコレクター⑭カレンブーケドール、全レース3着以内④ポタジェ、中山記念から8カ月の休養明け⑮ヒシイグアス、札幌記念で激走⑬ペルシアンナイト、サマー2000シリーズ王者⑥トーセンスーリヤなどが参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がコントレイル(2.5倍)、2番人気グランアレグリア(2.8倍)、3番人気エフフォーリア(3.4倍)と「3強」が10倍以下。その後はカレンブーケドール、ポタジェ、ワールドプレミア、ヒシイグアス、トーセンスーリヤと続きました。
1コーナー奥ポケットのスタートで、コントレイル、グランアレグリアが好スタートを決める。先行争いで、トーセンスーリヤが前に出るも、2コーナー手前で⑩カイザーミノルが先頭に躍り出る。グランアレグリアが向正面のところで2番手に浮上。トーセンスーリヤ3番手、4番手カレンブーケドール、5番手ポタジェ、6番手エフフォーリア、外側7番手にヒシイグアス、コントレイルは中団の8番手を追走し、9番手⑫ラストドラフト、10番手⑧サンレイポケットが内側から進出する。11番手⑪ムイトオブリガード、12番手③モズベッロ、13,14番手の位置にワールドプレミアと⑯ユーキャンスマイル、15番手ペルシアンナイト、最後方に②カデナ。
3コーナーを回り、先頭のカイザーは前半1000mを60秒5で通過。3,4コーナー中間のところで2番手のグラアレがカイザーに並びかける。ブーケドール3番手、ポタジェ4番手、エフフォーは6番手ガッチリキープ、コントレはエフフォーと前の集団の動向を見ている。
ラストの直線コースに差し掛かり、グランアレグリアが先頭に浮上。トーセンスーリヤが最内に入り、後続からエフフォーリアとポタジェが上昇し、大外からコントレイルが末脚を伸ばしてやって来た!残り200mを切り、先頭争いはグラアレ・エフフォー・コントレの3強に絞られ、残り100mでエフフォーがグラアレをかわして先頭。コントレが2番手に上がったが、エフフォーリア先頭でゴールイン!コントレイルは2着、グランアレグリアは3着!
【天皇賞(秋)全着順】
1着 ⑤エフフォーリア 1分57秒9
2着 ①コントレイル 1馬身
3着 ⑨グランアレグリア クビ差
4着 ⑧サンレイポケット 1馬身3/4
5着 ⑮ヒシイグアス 1馬身3/4
6着 ④ポタジェ
7着 ⑬ペルシアンナイト
8着 ⑫ラストドラフト
9着 ⑯ユーキャンスマイル
10着 ⑪ムイトオブリガード
11着 ⑦ワールドプレミア
12着 ⑭カレンブーケドール
13着 ③モズベッロ
14着 ⑩カイザーミノル
15着 ⑥トーセンスーリヤ
16着 ②カデナ
【払戻金】
単勝 ⑤ 340円
複勝 ⑤ 120円 ① 110円 ⑨ 110円
枠連 1⃣-3⃣ 400円
馬連 ①-⑤ 390円
馬単 ⑤-① 850円
ワイド ①-⑤ 170円 ⑤-⑨ 200円 ①-⑨ 170円
3連複 ①-⑤-⑨ 350円
3連単 ⑤-①-⑨ 2,040円
3世代のトップが競い合った秋の天皇賞は、3歳世代のエフフォーリアが、コントレイルとグランアレグリアら古馬勢を撃破。3歳馬が秋の天皇賞を制したのは、2002年のシンボリクリスエス以来となります。1番人気のコントレイルは大外から追い込むも、エフフォーリアを捕えきれず2着。グランアレグリアは直線で一旦は先頭に立ちましたが3着に終わりました。先行勝負に出たのは予想外でしたが、上位2頭と引けを取らない走りをしました。春の天皇賞馬・ワールドプレミアは11着、4番人気のカレンブーケドールは12着。ワープレは距離が短すぎた、ブーケドールは目立たなかったです。
優勝したエフフォーリアはGⅠ2勝目で、重賞では3勝目。鞍上の横山武史騎手は、先週の菊花賞のタイトルホルダーに続き、2週連続でのGⅠ制覇。レース後にはファンからの大歓声を受け、感極まる場面もありました。このレースは祖父の富雄さん、父・典弘騎手も勝っており、今回武史騎手が勝ったことで史上初となる「父子3代制覇」を果たしました。武史騎手は今年だけでGⅠを3勝。「横山武史の時代」が来ましたね~。
前走の日本ダービーでは、シャフリヤールの強襲に遭い2着惜敗。それ以来となる一戦は古馬との初対戦。道中は6番手を走り、直線では外から追い上げ、残り200mを切って先行するグランアレグリアに並ぶと、ゴール前で抜け出しました。ほかの馬に比べて斤量2キロ軽いですが、その差を感じない勝ちっぷり。負けられない一戦で3歳世代最強の意地を示したエフフォーリア、年間GⅠ2勝、尚且つ古馬のGⅠを勝ったから、年度代表馬&最優秀3歳牡馬争いで一歩リードしました。
スプリンターズステークスでのピクシーナイト、秋天でのエフフォーリアとこの秋のGⅠシリーズは3歳世代が大活躍中。この後のエリザベス女王杯には秋華賞馬のアカイトリノムスメ、マイルCSでシュネルマイスターとソングライン、ジャパンカップでシャフリヤールが参戦予定。競馬界に旋風を巻き起こしている3歳世代の快進撃は何処まで続くのか!?