今週から秋のGⅠシリーズが開幕。9月30日は中山競馬場で秋のスプリント王者決定戦・第52回スプリンターズステークス(GⅠ・芝1200m 16頭立て)が行われました。同一GⅠ3連覇を狙う⑯レッドファルクス、⑩レッツゴードンキ、③ワンスインナムーン、2014年覇者③スノードラゴンと、昨年の1~4着馬が揃って参戦。さらにはスプリントGⅠ春秋連覇を目指す⑧ファインニードル、「雷神」ジョアン・モレイラ騎乗の⑫ナックビーナス、CBC賞&北九州記念を勝った⑤アレスバローズ、函館スプリントステークスで復活勝利を挙げた⑪セイウンコウセイ、アイビスサマーダッシュを制した⑥ダイメイプリンセス、メンバー唯一の3歳馬⑨ラブカンプーといった「サマースプリントシリーズ」で活躍した馬達、香港GⅠ馬⑭ラッキーバブルズも出走しました。
単勝のオッズは、1番人気がファインニードル(2.8倍)、2番人気がナックビーナス(3.4倍)。10倍以下は2頭のみで、3番人気以降はワンスインナムーン、レッツゴードンキ、レッドファルクス、アレスバローズ、⑮ムーンクエイク、セイウンコウセイと続きました。
スタートでナックビーナスがポンと飛び出したが、すぐさまラブカンプーとワンスインナムーンの2頭が先手を争う。ナックビーナスは3番手、内側4番手①ラインスピリット、5番手にセイウンコウセイ。離れた6番手にファインニードル、すぐ後ろの7番手にファインニードルがいて、②ヒルノデイバローが8番手。9番手グループには外側にラッキーバブルズ、真ん中⑦キャンベルジュニア、内側にスノードラゴン。12番手ダイメイプリンセス、13,14番手の位置にレッツゴードンキとレッドファルクスが並び、15番手⑬ティーハーフ、最後方にムーンクエイクという展開。
3,4コーナー中間のところで、ワンスインが先頭で引っ張り、前半600mを32秒9で通過。2番手争いではカンプーがわずかにリードだが、外からナックとコウセイが接近。ライスピも内ラチ沿いを走る。アレスバ6番手、ニードルは8番手。ファルクスは大外に持ち出し、ドンキはまだ後方馬群。バブルズが4コーナー手前で故障を発生してズルズル後退。
最後の直線コースに入っても、ワンスインナムーンが先頭をひた走る。真ん中からラブカンプー、外からはナックビーナスも追い上げ、ラインスピリット4番手。ファインニードルは大外から追い込む。レッドファルクスとレッツゴードンキはまだ来ない。ゴール残り100mを切り、カンプーがワンスインをかわして先頭浮上。しかし、ニードルが外から強襲し、ゴール前でカンプーを抜いてゴールイン!ファインニードルが最後に差し切り、スプリントGⅠ春秋連覇を果たしました!
スプリンターズステークス 全着順&払戻金
1着⑧ファインニードル 1分08秒3
2着⑨ラブカンプー クビ差
3着①ラインスピリット 1/2馬身
4着⑥ダイメイプリンセス クビ差
5着⑩レッツゴードンキ 3/4馬身
6着③ワンスインナムーン
7着⑫ナックビーナス
8着⑦キャンベルジュニア
9着②ヒルノデイバロー
10着⑯レッドファルクス
11着⑬ティーハーフ
12着⑪セイウンコウセイ
13着⑮ムーンクエイク
14着⑤アレスバローズ
15着④スノードラゴン
中止⑭ラッキーバブルズ
単勝 ⑧ 280円
複勝 ⑧ 150円 ⑨ 510円 ① 1,400円
枠連 4⃣-5⃣ 1,150円
馬連 ⑧-⑨ 4,140円
馬単 ⑧-⑨ 5,260円
ワイド ⑧-⑨ 1,340円
①-⑧ 3,740円
①-⑨ 13,850円
3連複 ①-⑧-⑨ 65,370円
3連単 ⑧-⑨-① 209,620円
雨が降る中でのレースとなった今年のスプリンターズステークスは、ファインニードルが大外から差し切って優勝。残り200mを切った辺りから末脚が爆発し、ゴール前でラブカンプーを捕らえました。ラブカンプーもラスト100mで抜け出した時は、番狂わせが起きるんじゃないかと思いました。年明けからずっと連戦続きだというのに、その疲れを感じさせない好走でした。重賞での2着はこれで4回目だから、今度こそ重賞初タイトルが欲しいところだ。
3着には12番人気のラインスピリットが入りました。人気薄の馬を3着に持って来た武豊騎手の巧さが光りましたね。ちなみに、この上位3頭はみんな「セントウルステークス組」でありました。そういえば先日のセントウルも重馬場だったなー。
悲願のスプリントGⅠ初制覇を狙ったレッツゴードンキは5着、3番人気のワンスインナムーンは6着、2番人気のナックビーナスは7着。モレイラが鞍上だから勝つだろうと思っていましたが、ゴール前で伸びを欠いちゃいました。史上初の同一GⅠ競走3連覇を狙ったレッドファルクスは10着。加齢というのもあるけど、ミルコ・デムーロ騎手から戸崎圭太騎手への乗り替わりが影響しました。やはりJRAの同一GⅠで3連覇は無理なのか。
香港から参戦してきたラッキーバブルズは、4コーナーで失速し、馬体に故障を発症して競走を中止。レース後の検査で左前繋靭帯不全断裂と診断されました。せっかく香港から来日したのに、可哀そうな結果になりました…。
優勝したファインニードルは、前走のセントウルステークスに続いての連勝。GⅠ競走は通算2勝目。同一年でのスプリントGⅠ春秋連覇は、ロードカナロア以来史上5頭目の快挙です。スプリンターズS初勝利の川田将雅騎手は、今年のGⅠ競走2勝目です。
「短距離界の絶対王者」と言われたロードカナロアが引退して以降、スプリント路線は群雄割拠の時代が続いていました。しかし、今年に入ってからファインニードルが国内のスプリント重賞で4連勝したから、ファインニードル1強時代といえます。次は香港スプリントでアジアの頂点に立てることを期待したいところです。
来週からは秋の東京&京都開催が開幕。10月7日は東京競馬場で「毎日王冠」、8日は京都競馬場で「京都大賞典」が行われます。中央の他にも、7日夜にロンシャン競馬場で凱旋門賞、その翌日には地方・盛岡競馬場でダートGⅠの「マイルチャンピオンシップ南部杯」もあります。10月の3連休は天気が良くなるといいですね…。