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先週は急に暖かくなり、春を感じさせる週でした。
寒暖の差が大きいと体調はイマイチなのですが、水が温かくなると、料理するのはずいぶんと楽。冷たいとそれだけで料理する気が半減していまいますね。
暖かくなってくると、オーブン料理への関心が薄れてしまうので、今のうちにとローストポークの実習。
今回は、中に詰め物をしたスタッフドポークで、肉の塊だけを焼くものより豪華で、アメリカの料理では詰め物をした料理は人気があるようです。塊肉だけでなく、普通の鶏胸肉やステーキの間にも何かを挟んで焼くのも定番で、これがうまく焼けると見た目も豪華で肉のボリュームも出せるし、詰め物を変えるとバリエーションも広がりいいことずくめ。
でもなかなか"うまくできない"、"おいしく仕上がらない"料理でもあるらしく、御用達書の解説を読み解きながら作ってみました。
御用達書では、スタッフド・ポークロインの定番の問題点は3つあるのこと。1つ目は肉がパサパサで固く、詰め物に火が通りすぎてしまうこと。二つ目は、詰め物の風味が単調か食感が貧弱であること。3つ目は、仕上がりが水っぽくなり、焼いている間に詰め物が流れ出てしまうこと。これらの解決法を採用しつつ、いつものように手に入る身近な材料でアレンジしながら作ってみました。
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先ず豚塊肉を端の方から薄く桂剥きの要領でロール状に切り開きます。肉は御用達書ではロース肉を使っていますが、安価で手に入りやすい豚モモ塊肉を使いました。
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開いた肉にビニールをかぶせて麺棒で厚みが均一になるように叩きます。うまく包丁で肉塊をロール状に切り開くことができれば厚みはほぼ一定になるのですが、肉を叩くことで繊維が切れ、柔らかくする効果もあるので、叩く方がお勧めです。特に今回はモモ肉なので肉の柔らかさへの貢献は重要な作業です。
次に肉を調味液につけます。この作業は"Brine"と言って、日本ではあまり使われない方法ですが、御用達書ではよく使われる方法。
つまり、塩水につけて味をつけるだけでなく、肉を加熱前後で保湿して柔らかく焼き上げることができます。
塩水につけると、脱水するのではないかと思うのですが、御用達書の解説によれば浸透圧の関係で塩水につけるだけで生肉の状態で6%も水分量が増え、焼き上げ後の重量の減りは7%程度に抑えられるとのこと。ちなみに、そのまま焼いた場合は12%、水につけた場合でも焼き上がり後は12%も重量が減ってしまうとの結果が出たようです。
つまり重量ロスが少なくなる分、肉の保水率が上がりしっとりと焼き上げることができます。
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器に砂糖と塩を加え、熱湯を注ぎ、調味料を溶かします。
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ビニール袋に液を移し、月桂樹の葉、オールスパイス、こしょう、冷水を加えて混ぜ合わせます。
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この液に開いて叩いた豚肉を入れて浸し、封をして冷蔵庫で1時間30分ほど寝かせます。
浸水時間は肉の厚みや種類、味の好みによって変動します。
とりあえず今回は御用達書のとおり1時間30分としました。
浸している間に詰め物を作ります。通常は詰め物は生の状態で生の豚肉に詰めて一緒にローストして火を通すのですが、今回は二つ目の問題点の解消のため、先に詰め物だけをローストしてから、もう一度肉に詰めてローストする二段階法を採用。
詰め物の下焼き時間を豚肉の浸水時間中に仕上げるように手際よく作ります。
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フードプロセッサーに食パンをちぎって加え、30秒ほど回して荒い生パン粉を作ります。
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パン粉をフープロから取り出して、次にりんご、玉ねぎ、レーズン、カシュナッツを加えます。
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さらに風味と色付けにクミン、にんにく、コリアンダー、シナモン、タイム、パセリ、こしょうを加え、20秒ほど全体が細かくなるまで回転させます。
御用達書ではドライ杏とプルーン、松の実をメインのベースにしてありましたが、日本ではなかなか高価なので大量使用しやすいりんご、レーズンとカシュナッツに変更しました。
今回のフィリングには多種のスパイスを少量ずつ組み合わせているので、こういう使い方も非常に勉強になりますね。
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パン粉を加えて全体になじむよう10秒ほど回転させ、卵、生クリームを加えさらに10秒ほど回転させて全体に水分が行き渡ったらボウルに取り出します。
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ボウル内で水分量を確かめます。今回はやや多いべたつきがあったので水分の調整のためオカラを少量加えました。さらにゴムベラで軽く押し固めてまとめておきます。水分が多いとまとまりが悪かったり、焼き時間がかかるだけでなく、仕上がりが水っぽくなり、フィリングの役割とおいしさが半減してしまうので、水分量の調整はとても重要です。オカラがない場合はパン粉を追加するといいでしょう。
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天板にアルミホイルとオーブンペーパーを重ねて敷き、その上にまとめておいたフィリングをのせ、ゴムベラで肉の幅と同じ長さの棒状に成形します。
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アルミホイルで表面を覆い、200度で25分間焼きます。
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液から豚肉を取り出して、水気をふき取り、まな板の上に広げて、焼きたてのフィリングを肉の中央部にのせて、両端の肉で包み込みます。
御用達書では串で仮止めしてから紐をかけて固定していましたが、今回は豚モモ肉についていたネットを再利用してかぶせました。ネットの方がかなり簡単。紐で結ぶ場合はかなりしっかり結んでおかないとフィリングが2度目のロースト中に流れ出てしまいます。
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再度オーブンに入れて15分ほど焼いて一度オーブンから取り出し、上下をひっくり返してさらに15分焼きます。焼き上がりは温度計を直に肉とフィリングにさして70度になっていればO.K.。肉に焼色を強めに付けたい場合は、蜂蜜やジャムを肉の表面に塗ってから焼くといいですね。御用達書ではアプリコットジャムを塗っていましたが今回は何も塗らずにそのまま焼いてみました。
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焼き上がりを確認後、オーブンから出して5分ほどだけ荒熱をとって休ませてから切り分けます。
たいていのローストものは焼き上がり直後に食べることはなく、20分程度休ませてから食べるのがアメリカ流ですが、今回は意外に早く切り分ける指示がでていました。
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ネットをはさみで切って肉を取り出し、スライスすると、型崩れすることなく、綺麗に切り分けることができました。今までだとフィリングが柔らかく過ぎるせいか、肉から抜け落ちてしまうことがしばしば。。。
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味の方は、モモ肉を使っていますが、調味液にブラインしたおかげで柔らかく仕上がり、フィリングはほんのり甘くて美味。クミンの色が映えて鮮やかでした。思ったよりフィリングのハーブは効いていないので、もう少し加えても良かったかも。ほんのりとモモ肉の塩味とフィリングの甘みが対照的でいい感じでした。どちらもほんのりと味がついているので、クドくなく好相性。
甘みのあるフィリングを使ったのは初めてなのですが、なかなかおいしかったです。
御用達書に書かれていた問題点はほぼ解決されていたと思います。
後はもう少し見た目よく成形できるといいですね。味の方もフィリングにはまだ改善の余地はありそうですが。。。
フィリングや肉の種類を変えて何度か作ってみたい料理ですね。まだまだ修行は続きます。
P.S.先日のわさび豚のレシピがS&Bさんのホームページで紹介されました。↓
S&B本生わさび おうち居酒屋
このロースト・スタッフドポークを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
ロースト・スタッフドポーク。 by PCWP
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寒暖の差が大きいと体調はイマイチなのですが、水が温かくなると、料理するのはずいぶんと楽。冷たいとそれだけで料理する気が半減していまいますね。
暖かくなってくると、オーブン料理への関心が薄れてしまうので、今のうちにとローストポークの実習。
今回は、中に詰め物をしたスタッフドポークで、肉の塊だけを焼くものより豪華で、アメリカの料理では詰め物をした料理は人気があるようです。塊肉だけでなく、普通の鶏胸肉やステーキの間にも何かを挟んで焼くのも定番で、これがうまく焼けると見た目も豪華で肉のボリュームも出せるし、詰め物を変えるとバリエーションも広がりいいことずくめ。
でもなかなか"うまくできない"、"おいしく仕上がらない"料理でもあるらしく、御用達書の解説を読み解きながら作ってみました。
御用達書では、スタッフド・ポークロインの定番の問題点は3つあるのこと。1つ目は肉がパサパサで固く、詰め物に火が通りすぎてしまうこと。二つ目は、詰め物の風味が単調か食感が貧弱であること。3つ目は、仕上がりが水っぽくなり、焼いている間に詰め物が流れ出てしまうこと。これらの解決法を採用しつつ、いつものように手に入る身近な材料でアレンジしながら作ってみました。
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先ず豚塊肉を端の方から薄く桂剥きの要領でロール状に切り開きます。肉は御用達書ではロース肉を使っていますが、安価で手に入りやすい豚モモ塊肉を使いました。
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開いた肉にビニールをかぶせて麺棒で厚みが均一になるように叩きます。うまく包丁で肉塊をロール状に切り開くことができれば厚みはほぼ一定になるのですが、肉を叩くことで繊維が切れ、柔らかくする効果もあるので、叩く方がお勧めです。特に今回はモモ肉なので肉の柔らかさへの貢献は重要な作業です。
次に肉を調味液につけます。この作業は"Brine"と言って、日本ではあまり使われない方法ですが、御用達書ではよく使われる方法。
つまり、塩水につけて味をつけるだけでなく、肉を加熱前後で保湿して柔らかく焼き上げることができます。
塩水につけると、脱水するのではないかと思うのですが、御用達書の解説によれば浸透圧の関係で塩水につけるだけで生肉の状態で6%も水分量が増え、焼き上げ後の重量の減りは7%程度に抑えられるとのこと。ちなみに、そのまま焼いた場合は12%、水につけた場合でも焼き上がり後は12%も重量が減ってしまうとの結果が出たようです。
つまり重量ロスが少なくなる分、肉の保水率が上がりしっとりと焼き上げることができます。
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器に砂糖と塩を加え、熱湯を注ぎ、調味料を溶かします。
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ビニール袋に液を移し、月桂樹の葉、オールスパイス、こしょう、冷水を加えて混ぜ合わせます。
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この液に開いて叩いた豚肉を入れて浸し、封をして冷蔵庫で1時間30分ほど寝かせます。
浸水時間は肉の厚みや種類、味の好みによって変動します。
とりあえず今回は御用達書のとおり1時間30分としました。
浸している間に詰め物を作ります。通常は詰め物は生の状態で生の豚肉に詰めて一緒にローストして火を通すのですが、今回は二つ目の問題点の解消のため、先に詰め物だけをローストしてから、もう一度肉に詰めてローストする二段階法を採用。
詰め物の下焼き時間を豚肉の浸水時間中に仕上げるように手際よく作ります。
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フードプロセッサーに食パンをちぎって加え、30秒ほど回して荒い生パン粉を作ります。
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パン粉をフープロから取り出して、次にりんご、玉ねぎ、レーズン、カシュナッツを加えます。
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さらに風味と色付けにクミン、にんにく、コリアンダー、シナモン、タイム、パセリ、こしょうを加え、20秒ほど全体が細かくなるまで回転させます。
御用達書ではドライ杏とプルーン、松の実をメインのベースにしてありましたが、日本ではなかなか高価なので大量使用しやすいりんご、レーズンとカシュナッツに変更しました。
今回のフィリングには多種のスパイスを少量ずつ組み合わせているので、こういう使い方も非常に勉強になりますね。
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パン粉を加えて全体になじむよう10秒ほど回転させ、卵、生クリームを加えさらに10秒ほど回転させて全体に水分が行き渡ったらボウルに取り出します。
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ボウル内で水分量を確かめます。今回はやや多いべたつきがあったので水分の調整のためオカラを少量加えました。さらにゴムベラで軽く押し固めてまとめておきます。水分が多いとまとまりが悪かったり、焼き時間がかかるだけでなく、仕上がりが水っぽくなり、フィリングの役割とおいしさが半減してしまうので、水分量の調整はとても重要です。オカラがない場合はパン粉を追加するといいでしょう。
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天板にアルミホイルとオーブンペーパーを重ねて敷き、その上にまとめておいたフィリングをのせ、ゴムベラで肉の幅と同じ長さの棒状に成形します。
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アルミホイルで表面を覆い、200度で25分間焼きます。
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液から豚肉を取り出して、水気をふき取り、まな板の上に広げて、焼きたてのフィリングを肉の中央部にのせて、両端の肉で包み込みます。
御用達書では串で仮止めしてから紐をかけて固定していましたが、今回は豚モモ肉についていたネットを再利用してかぶせました。ネットの方がかなり簡単。紐で結ぶ場合はかなりしっかり結んでおかないとフィリングが2度目のロースト中に流れ出てしまいます。
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再度オーブンに入れて15分ほど焼いて一度オーブンから取り出し、上下をひっくり返してさらに15分焼きます。焼き上がりは温度計を直に肉とフィリングにさして70度になっていればO.K.。肉に焼色を強めに付けたい場合は、蜂蜜やジャムを肉の表面に塗ってから焼くといいですね。御用達書ではアプリコットジャムを塗っていましたが今回は何も塗らずにそのまま焼いてみました。
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焼き上がりを確認後、オーブンから出して5分ほどだけ荒熱をとって休ませてから切り分けます。
たいていのローストものは焼き上がり直後に食べることはなく、20分程度休ませてから食べるのがアメリカ流ですが、今回は意外に早く切り分ける指示がでていました。
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ネットをはさみで切って肉を取り出し、スライスすると、型崩れすることなく、綺麗に切り分けることができました。今までだとフィリングが柔らかく過ぎるせいか、肉から抜け落ちてしまうことがしばしば。。。
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味の方は、モモ肉を使っていますが、調味液にブラインしたおかげで柔らかく仕上がり、フィリングはほんのり甘くて美味。クミンの色が映えて鮮やかでした。思ったよりフィリングのハーブは効いていないので、もう少し加えても良かったかも。ほんのりとモモ肉の塩味とフィリングの甘みが対照的でいい感じでした。どちらもほんのりと味がついているので、クドくなく好相性。
甘みのあるフィリングを使ったのは初めてなのですが、なかなかおいしかったです。
御用達書に書かれていた問題点はほぼ解決されていたと思います。
後はもう少し見た目よく成形できるといいですね。味の方もフィリングにはまだ改善の余地はありそうですが。。。
フィリングや肉の種類を変えて何度か作ってみたい料理ですね。まだまだ修行は続きます。
P.S.先日のわさび豚のレシピがS&Bさんのホームページで紹介されました。↓
S&B本生わさび おうち居酒屋
このロースト・スタッフドポークを作ってみたい方はこちらを参考にしてください。↓
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