冬の天気は実に変わりやすいですね。昨日の夜、何となく雷のような音を夢見心地に聞いたと思っていたら、朝目覚めてみるとすっかり道が濡れそぼち、所々氷が張っている様に見えました。そしてあっと驚いたことには、昨日まるで雪の気配すらなかった葛城山が、山の麓まですっかり真っ白に変わっていた事です。明日午後から明後日にかけてぐっと冷え込み雪もどかどかっと降るらしいので、週末の休みはなるべく布団にくるまって惰眠を貪るといたしましょう。
さて、韓国のES細胞研究が、随分きな臭くなってきているようです。アメリカの科学雑誌が主催する、今年世界を代表する科学者50人のリスト入りをはたしたソウル大学の教授がチームリーダーとなって研究し、サイエンスに華々しく掲載された論文の中身が、捏造されたものである可能性が高まったというのです。先にこの教授の研究に関しては、チームの女子学生に圧力をかけて不正に卵子を提供させた、と言う疑惑が明るみに出て、欧米の共同研究者がチームからの離脱を決めるなど一騒動あったところでしたが、今回はそうまでして得られたはずの研究データが、一文の価値もないガセネタだったかも知れないと言うのですから、大変な問題です。当の教授は疑惑を否定し、近くその事を証明する結果を公表すると明言されているそうですが、報道の内容を信じるとすれば、かなりこの教授には不利な風が嵐となって吹き荒れていると言う感じです。これはまだ決着が付いてはいませんが、仮に黒と認定されれば、韓国の科学振興政策は大変な痛手をこうむることでしょう。既に過ぎたことでも蒸し返して罪に問おうとするような国ですから、英雄とされた教授が実はとんでもない詐欺師だったと知れたときには、本当に極刑にだってしてしまうかも知れません。
まあそれはともかく、捏造というと日本でもちょっと前に大きな話題になった大阪大学のスキャンダルがありましたし、もっと前には今も考古学会に深い傷を残している旧石器捏造事件がありました。今回ソウル大教授を非難している欧米諸国でも研究データの捏造問題は深刻化しており、ある調査では、過去3年間に、実に研究者の3人に一人が、何らかの形で職業上の不正行為を犯したと認めたそうです。その理由は色々あるようですが、もっとも大きいのが、論文を発表しなければならないという職業上のプレッシャーの増大だそうです。成功を納めれば納めるほど、高い評価と共に、より大きな成果への期待が寄せられてしまいます。当然と言えば当然なのですが、研究はやれば必ず結果が出ると言うものではありませんから、そうしているうちには思うような成果が出ないことだって間々あります。そんなときに、極小さな、誤差レベルと言えるかも知れないほどのデータの改竄を一度でもやってしまうと、余程克己心の強い人でないと、後は坂道を転げ落ちるばかりになります。そこまで行くと、もはや間違いを認めることは出来なくなります。認めてしまえば、研究者生命はそこで終わりです。このあたり、今巷を騒がせている建築不正と同じ様な所があると言えるでしょう。
研究に置いても、その進展には競争が必要ですし、成果を上げるべく、研究者は努力を惜しまずs仕事を進めるべきではあります。でも研究者もまた人間ですから、いつも全力で競争していたら、いずればててしまうのは自明の理です。その弊害を避け、健全に研究を進展させるには、単なる競争とは異なる何かが必要な気がいたします。その何か、はまだ今ひとつ明確に頭に描ききれないのですけど、もう少し各自の創造性をのびのびと活かせる状況を作る方法が、あるような気がするのです。捏造は良くない、してはいけないんだ、と言うだけでは、捏造はなくなりはしません。また、それについて処罰を厳しくしても、あまり効果が期待できないことは、犯罪者と刑法の関係を見ても明らかです。それよりも、なぜ貴重なデータを捏造してしまうのか、どうすればそれを防止できるのか、人として無理でない方法で、それらが解決される日を迎える努力をしないと、科学は自らの手で、自らの首を絞め、世界は中世の暗黒時代へと逆戻りするようなことになるやもしれません。
さて、韓国のES細胞研究が、随分きな臭くなってきているようです。アメリカの科学雑誌が主催する、今年世界を代表する科学者50人のリスト入りをはたしたソウル大学の教授がチームリーダーとなって研究し、サイエンスに華々しく掲載された論文の中身が、捏造されたものである可能性が高まったというのです。先にこの教授の研究に関しては、チームの女子学生に圧力をかけて不正に卵子を提供させた、と言う疑惑が明るみに出て、欧米の共同研究者がチームからの離脱を決めるなど一騒動あったところでしたが、今回はそうまでして得られたはずの研究データが、一文の価値もないガセネタだったかも知れないと言うのですから、大変な問題です。当の教授は疑惑を否定し、近くその事を証明する結果を公表すると明言されているそうですが、報道の内容を信じるとすれば、かなりこの教授には不利な風が嵐となって吹き荒れていると言う感じです。これはまだ決着が付いてはいませんが、仮に黒と認定されれば、韓国の科学振興政策は大変な痛手をこうむることでしょう。既に過ぎたことでも蒸し返して罪に問おうとするような国ですから、英雄とされた教授が実はとんでもない詐欺師だったと知れたときには、本当に極刑にだってしてしまうかも知れません。
まあそれはともかく、捏造というと日本でもちょっと前に大きな話題になった大阪大学のスキャンダルがありましたし、もっと前には今も考古学会に深い傷を残している旧石器捏造事件がありました。今回ソウル大教授を非難している欧米諸国でも研究データの捏造問題は深刻化しており、ある調査では、過去3年間に、実に研究者の3人に一人が、何らかの形で職業上の不正行為を犯したと認めたそうです。その理由は色々あるようですが、もっとも大きいのが、論文を発表しなければならないという職業上のプレッシャーの増大だそうです。成功を納めれば納めるほど、高い評価と共に、より大きな成果への期待が寄せられてしまいます。当然と言えば当然なのですが、研究はやれば必ず結果が出ると言うものではありませんから、そうしているうちには思うような成果が出ないことだって間々あります。そんなときに、極小さな、誤差レベルと言えるかも知れないほどのデータの改竄を一度でもやってしまうと、余程克己心の強い人でないと、後は坂道を転げ落ちるばかりになります。そこまで行くと、もはや間違いを認めることは出来なくなります。認めてしまえば、研究者生命はそこで終わりです。このあたり、今巷を騒がせている建築不正と同じ様な所があると言えるでしょう。
研究に置いても、その進展には競争が必要ですし、成果を上げるべく、研究者は努力を惜しまずs仕事を進めるべきではあります。でも研究者もまた人間ですから、いつも全力で競争していたら、いずればててしまうのは自明の理です。その弊害を避け、健全に研究を進展させるには、単なる競争とは異なる何かが必要な気がいたします。その何か、はまだ今ひとつ明確に頭に描ききれないのですけど、もう少し各自の創造性をのびのびと活かせる状況を作る方法が、あるような気がするのです。捏造は良くない、してはいけないんだ、と言うだけでは、捏造はなくなりはしません。また、それについて処罰を厳しくしても、あまり効果が期待できないことは、犯罪者と刑法の関係を見ても明らかです。それよりも、なぜ貴重なデータを捏造してしまうのか、どうすればそれを防止できるのか、人として無理でない方法で、それらが解決される日を迎える努力をしないと、科学は自らの手で、自らの首を絞め、世界は中世の暗黒時代へと逆戻りするようなことになるやもしれません。