かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

韓国が世界初の松茸人工栽培に成功! とのニュースに心躍りましたが、内容は残念ながらぬか喜びでした。

2017-09-19 20:25:56 | Weblog
 今朝の奈良市アメダスの最低気温は18.1℃、最高気温は28.1℃、五條市アメダスの今日の最低気温は15.7℃、最高気温は28.5℃でした。ようやく朝冷えて昼温かい、普通の気候に戻りました。今日はよく晴れて昼間もそこそこ気温が上がりましたが、流石にもう30℃にはなりませんね。関東では台風の影響で30℃超えが頻発したそうですが、こちらはそんな事がなくて助かりました。

 さて、韓国で、これまで不可能とされてきた松茸の人工栽培技術の開発に世界で初めて成功、とのニュースを観ました。これはすごい、ついに椎茸のホダ木栽培やえのきやエリンギの菌床栽培みたいなやり方が松茸で実現したのか! と心を踊らせて詳しく観てみたら、何の事はない、既に日本でも一応の成功事例のある「林地栽培」と呼ばれる自然まかせのものでしかありませんでした。せめて毎年一定量の松茸が生えてきた、という実績でもあるのならまだしも、2001〜4年に松茸菌感染松の苗木を植えて、2010年に1本生え、今年3本生えた、というだけで、安定性・収量性とも、とても技術と呼べるレベルではないように見えます。第一「技術」というからには、その技術要素がちゃんと解明されていて、それを元に他の複数の栽培試験地でも同じような結果が出るようになっているべきでしょうが、複数の試験地で成功、というふうにもニュースには書いてありません。よくよく観てみたら、そもそもここで生えてきた松茸が自然に勝手に出てきたものか、研究で持ち込んだものなのか検証されているのかすら不明です。一番成績の良いチャンピオンデータを元に論文を書いたり成果として発表したりすることは特に珍しいことではないですが、成功例がこんな僅かでは統計的な有意性を検証することもできませんし、成果と呼ぶにはあまりに無理のある、STAP細胞並の眉唾情報です。ひょっとしたら実はもっと色々データもあって、松茸が生えてくる条件の特定が進んでいたりするのかもしれませんが、このニュースだけでは、とても「これで松茸が食べ放題になる未来が見えてきた!」と楽観する事はできそうにありません。
 人工栽培というからには、せめて椎茸の原木栽培のように、安定的に大量生産できる仕組みを作ってから話をして欲しいですが、果たして韓国のこの仕事にその未来が訪れるのか。もちろんそうなってくれれば安くて美味しい松茸を、かつて松尾芭蕉が門人菅沼曲水へ宛てた手紙の中で、「松茸・御所柿は心のまゝに喰ひちらし、今は念の残るものもなしと・・・」と語ったような夢の食卓が実現できるかも知れません。そういう意味では、これはもう是非成功して欲しいと思いますが、それを信じるのは、本当に韓国産人工松茸がお値打価格で店頭に並んでるのを観てからになるでしょう。韓国、是非がんばって下さい。あまりあてにはしませんが、本当に成功した暁には、心から驚き喝采を上げたいです。

コメント
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