かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

月11万円少々でイラレを駆使できるプロのデザイナーさんを雇えるもんなんでしょうか?

2014-06-12 22:23:37 | Weblog
 今日はいつ雨になるか、と気にかけながら一路大津に向けて仕事でひとっ走りしてきました。結局道中雨はほとんど無く、戻ってきてからゴロゴロゴロと不機嫌そうな唸りを伴ってざあっと一当て来たくらいで、大したことなく一日が終わってしまいました。今年の梅雨は今のところ梅雨らしい天気が続いてはおりますが、思ったほど雨が降っていない気がします。さて今後はどのような天気になりますことか。過ごしやすければ多少の変動は瑣末事ではありますが。

 さて、大阪市内で地下鉄や市バスを運営している大阪市交通局が、イラストレーターを扱える実務経験のあるデザイナーを月額112,600円で募集しているのだそうです。採用の条件は、広告デザインの実務経験に加えて、エクセルで表計算ができること、ワードで文書作成ができることだそうで、具体的な業務は、ポスターの作成、WEBページの運営、ワードなどによる文書作成、電話応対などの一般事務もあるとのことです。
 給与は、週30時間勤務の金額なので、時給800円程度という計算になり、かつ、募集するのが非常勤嘱託職員というためなのか、募集要項には、しっかり「昇給・昇格なし」と明記されていたりします。
 この募集に、プロのデザイナーさん達から「あまリに安すぎる!」と非難轟々だそうで、交通局の今後の対応が注目されるところですが、多分担当者は専門性など全く考慮せず、市の臨時職員募集ガイドラインに沿って杓子定規に決めただけなんじゃないかと思われます。それにしても、そもそもなんでそんな特殊な技能を持つ人間をわざわざ職員として迎え入れようとしたんでしょうね? 必要のある都度外注すれば十分じゃないかと思うのですが、事務職員が欲しいけれど、ただの事務員よりもついでにデザインも出来る人がいたらお得でいいよね? 的な軽い気持ちでやったんでしょうか? でも一次試験はポスター審査を実施するそうですし、やっぱりデザイン能力が主で事務処理能力はついで、という風にも思えます。
 大阪市には、大阪工芸協会という、200名を超えるデザイナーさんや工芸作家さんが集まる、90年余の歴史ある団体があります。ここは、大阪府の外郭団体である大阪産業振興機構が所有する展示場「マイドームおおさか」に事務局を置き、大阪の行政ともかなり密な付き合いをしているデザイナー集団です。ポスター位ならそんな団体を通じて若手の有望株を推薦してもらうなりすればかなり気合の入ったものがリーズナブルに作成できたと思うのですが、これも府と市の断裂から生じている齟齬なのでしょうか。まあ府が正当にデザイナーを評価しているかどうかは判りませんし、単に交通局の担当者がデザイナーを不当に見下しているだけなのかもしれませんが、そろそろ行政の事務屋さんも、専門性の高い職種の価値を正当に評価できるようにしていかないと、いつまでたってもお役所仕事な情報発信しかできないと知るべきではないでしょうか。

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