これまで、TPPを殊更喧伝してきて、これがないと日本がどうにかなってしまう、と大袈裟に脅してきた連中の言い分というものが、いかに出鱈目だったかということが、明らかになってきたわけです。
安倍総理の言い分をまず見てみますか。
・成長戦略の切り札
H27年10月9日 第1回TPP総合対策本部
『「TPPはオープンで活力あふれる経済を創る、成長戦略の切り札であります。今般の大筋合意を踏まえ、TPPを真に我が国の経済再生、地方創生に直結させていきたいと考えています。政府一体となって総合的な政策を策定してまいります。私が先頭に立って取り組んでまいります。
TPPのもたらすメリットは大きいのであります。工業製品については我が国から参加11ケ国への19兆円の輸出額の99.9%の関税が撤廃されます。鯖江の眼鏡、今治のタオルなど地方の中堅中小企業の特産品の輸出の大きな後押しになります。輸入品の価格の低下により消費者の生活を豊かにしていきます。』
・国家百年の計
H28年1月 施政方針演説
『模倣、過酷な労働、環境への負荷。安かろう悪かろうは、世界のマーケットから一掃すべきであります。二十一世紀にふさわしい経済ルールを世界へと広げる、大いなる「挑戦」。TPPは、その最初の一歩であります。
(中略)
おいしくて、安全な日本の農産物にとって、TPPは、ピンチではありません。世界に売り込む大きなチャンスであります。
朝早く起き、額に汗して草を引き、精魂込めて作物をこしらえてきた、農家の皆さんの手間暇が、真っ当に評価されるようになる。それがTPPです。
農産物の地理的表示を始め、投資、労働、環境など幅広い分野で、透明で公正なルールが共有されます。日米両国が主導して、「良いものが良い」と評価される経済ルールを世界へと広げる。TPPは正に「国家百年の計」であります。』
大きなことを言うのは、容易い(笑)。
TPPは経済だけでなく、安全保障なんだ、対中国包囲網なんだ、といった主張もあったわけだが、これがどうなるのでしょうかね?
いくつか、例示をしてみます。
・TPPと安全保障の深い連関
>http://www.fsight.jp/10644
山下一仁 (11年7月20日)
・TPPは安全保障でも効果、シーレーン・ダイヤモンド構想推進で中国の軍事覇権抑止
15年11月19日
>http://www.sankei.com/politics/news/151119/plt1511190012-n1.html
【マニラ=坂本一之】安倍晋三首相とオバマ米大統領は18日、フィリピンで開かれた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)首脳会合で、固い握手を交わした。TPPは交渉を牽引(けんいん)してきた日米の同盟関係を強化するだけでなく、緊密な経済関係が地域の安定を促進することから、安全保障面でも大きな役割を果たす。政府はこの点を重視し、高圧的な海洋進出で覇権拡大を目指す中国にブレーキをかけたい考えだ。
安倍首相は会合で、TPPの意義について「経済的相互依存関係を深め、その輪を広げていくことはアジア太平洋地域の安定に資する」と各国首脳に訴えた。
TPPによって域内では人・モノ・カネが行き交うだけでなく、行政ルールの統一も行われることから、加盟国は互いに支え合う形になる。外交筋は「加盟国間で安全保障上のトラブルがあっても、経済を重視して平和的なプロセスを志向するようになる」と指摘。貿易に不可欠な海上交通路(シーレーン)の安定も各国共通の利益となり、中国などの軍事圧力に対し、連携して押さえ込む国際世論を形成できる。
こうした効果は、首相が唱える日本と米ハワイ、豪州、インドをひし形に結ぶ「安全保障のダイヤモンド構想」による面的な抑止力の強化にも貢献する。東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で領海侵入を繰り返す中国は、南シナ海でも軍事拠点化を進めているが、元米国務省幹部は「中国の覇権拡大を止める有効な手立てがないの実態」と漏らす。このため、政府は米国と連携して中国に対する国際世論の圧力を高めたり、中国をTPPに巻き込んだりすることで、中国を融和的な姿勢に転換させることをもくろんでいる。
議長役のオバマ大統領は会合で、「安倍首相のリーダーシップでTPP合意が達成されたと言ってもいい」と首相の手腕に期待を表明した。
・TPPの本質は「安全保障」 安倍首相は対中国包囲網の形成を急げ
14年4月26日
>https://the-liberty.com/article.php?item_id=7752
沖縄県・尖閣諸島周辺の海や空をはじめとした、中国の軍拡が目の前に迫っている今、このTPPは、一部の専業農家に補償してでも、のまなければいけない「安全保障」なのである。
・[古森義久]【TPP合意は日米の対中勝利】〜中国の軍拡に備えた安全保障に寄与〜
15年10月9日
>http://japan-indepth.jp/?p=22294
どれも、紋切り型みたいな主張が書かれています。もしもTPPが完全に頓挫した場合、彼らは何て言うのでしょうかね。
別にTPPがなくても、日本がそんなに死活的に困ることってないのではと拙ブログでは言ってきたわけですが、狂ったような「TPP教」の狂信者たちがそうじゃない、日本が危うくなるだの日本沈没だの日本は世界の孤児だの落ちぶれるだのと、喚いていたので、大笑いですね。
今回のトランプ勝利という大統領選の結果を招いた要因について、何年も前から「ダメな見方」「大局観なし」「先を考える力のなさ」というものを明白に示していたのが、日経の社説です。
社説を書くような論説委員たちが、いかに先々について考える力が劣っているか、ということが分かりますね(笑、細切れの改行が多くて読みづらいですが、ネット用なので仕方がたないのかも)。
・TPP参加で経済の安全保障を高めよ
12年8月23日 日経新聞社説
>http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45286500T20C12A8EA1000/
野田佳彦首相は昨年11月に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に加わる意欲を示しながら、いまだに参加表明をしていない。国内の政治情勢に目を奪われて、決断を何度も先送りしたためだ。
その優柔不断な姿勢のツケがまわり、時間切れが迫っている。交渉を主導する米オバマ政権が国内で大統領選挙の対策に追われ、日本の参加問題に十分に対処できなくなる恐れがあるからだ。TPPの入り口が狭くなり始めている。
首相は一日も早く交渉参加を宣言すべきだ。尖閣諸島や竹島の領有権をめぐる中国や韓国との対立が深まり、日本の安全保障は揺らいでいる。TPPの枠組みを通して、経済の面からも日米の同盟関係を強化すべき局面だ。
米国は来週から大統領選の熱気が一気に高まるだろう。8月27日に共和党が、9月3日には民主党が全国大会を開く。この時期を過ぎると、米議会や産業界に対する米政権の交渉力は低下する。
米国内では、政治力が強い自動車業界が日本のTPP参加に反対の立場だ。大統領選は接戦が予想される。オバマ大統領の民主党陣営に、自動車業界の反対論を封じる腕力を期待すべきではない。
日本の意思決定が11月の米大統領選後にずれ込めば、実際の交渉参加は早くても来春以降となってしまう。年明けに米国の新政権が発足した後に、日米の政府間協議や、米新政権と米議会の意見調整などに最低でも3カ月の準備期間が要るとみられるからだ。
その間にも、現在の参加国によるTPP交渉は進展する。新規で年内に交渉に参加するカナダ、メキシコを含めて、日本不在のままアジア太平洋地域の新しい通商秩序の骨格ができてしまう。
オバマ政権は米国内の自動車業界の意向を気にしながらも、本音では日本のTPP参加を強く期待している。経済大国となった中国が、投資や貿易の相手国に対して政治的にも強大な影響力をふるう状況を懸念しているからだ。
国々の相互依存が進んだグローバル経済の下では、一国の安全保障を軍事力だけで盤石にすることはできない。自国優先の通商戦略を採る中国と公正に競争できる市場を築き、中国を共通ルールの世界に引き出さなければならない。
そのための最有力の手段がTPPだ。野田首相と民主党は、国内の政局だけでなく、今こそ世界の大局を見て判断すべきである。
米国の「自動車業界の反対論」を、ずっと前から見くびっていた連中が考えることというのは、この程度なんだということです(笑)。
拙ブログでは、米国の政治こそが、ひょっとするとTPPを阻止できるチャンスがあるかもしれない、発効を止める微かな希望があるかもしれない、そう思って、いくつかの記事を書いてきました。
そのお陰だったとは思いませんが、しかし、結果的にはラストベルトの投票結果が示すように、かつての産業基盤だった自動車産業界のような方々が、トランプを押し上げたんだということなのですよ。大統領選さえ終わってしまえば、なんとでもなるかのような、安倍自民のごときペテン政治を推進する日本とは、アメリカ合衆国の大統領や議会は違うんだ、と、当方は考えてきました。だからこそ、サンダース候補を応援していたのですよ。
5年の歳月を経て、実ったかもしれない、そう思うんですよ。たとえ、自分の力が弱くて、何にも役に立っていないとしても。
日本でも、政治を変えられるチャンスがあるとすれば、やはり選挙で政治家を震え上がらせることができなければならない、ということだろうと思うのです。
日本が貿易協定を活用したい、というのであれば、何もTPPじゃなくてもいいでしょう、ということも書いてきましたよ。
12年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2c27a24dbf52bdc5badafc35ba10dd97
ASEAN+6のRCEPを動かせば良かっただけでは?
因みに、当方は最初からそう書いてきましたよ?
「TPP頼み」でこれに全力投球をしていたことが、かえって失敗となっているのでは?
一本槍ってのが、必ずしもよいとは限らないでしょう?
TPP狂信者たちが騒ぎ続けた結果、こうなったということでしょうね。自ら招いたのですよ。
韓国がTPPに加入するかも、とかって、負け惜しみ風味で焚きつけていたけど、交渉参加なんて正式表明があったんですか?
観測記事を流すのは、簡単だものね(笑)。韓国の参加正式決定、マダ~?
1か月過ぎたけど。
・韓国、TPP参加近く決定 経団連と会談で表明
2016/10/11 3:08
>http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040004_Q6A011C1000000/
『韓国を訪問中の経団連の榊原定征会長は10日、ソウルで会談した周亨煥産業通商資源相が環太平洋連携協定(TPP)に関し「近く公式に参加を決定する予定なので、日本の経済界や政府の協力をお願いしたい」との考えを示したことを明らかにした。韓国の担当閣僚が参加決定の方針を示したのは初めて。』
日本がTPP交渉に参加しなければ、「韓国がTPPに先に参加してしまい、競争に負ける」って、野田政権時代に喧伝しておったバカどもがいたでしょう?霞が関にも、マスコミにも。
けど、韓国は全然参加の気配さえなかったでしょう?
もし、そんなに参加したかったのなら、最終合意までに4年以上もやってたんだから、どの時点でも参加表明くらいできたでしょうに。
11年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a5c77f80ab202c5d5a68430dbc4d2843
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/815f3d20a7e355ef5cafb54bcb382aad
韓国参加を脅し文句に使ってたのは、霞が関。
11年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d88200b0b96ab4706b90dae6acf46cee
踊るマスコミ連中。
アホだな。
安倍総理の言い分をまず見てみますか。
・成長戦略の切り札
H27年10月9日 第1回TPP総合対策本部
『「TPPはオープンで活力あふれる経済を創る、成長戦略の切り札であります。今般の大筋合意を踏まえ、TPPを真に我が国の経済再生、地方創生に直結させていきたいと考えています。政府一体となって総合的な政策を策定してまいります。私が先頭に立って取り組んでまいります。
TPPのもたらすメリットは大きいのであります。工業製品については我が国から参加11ケ国への19兆円の輸出額の99.9%の関税が撤廃されます。鯖江の眼鏡、今治のタオルなど地方の中堅中小企業の特産品の輸出の大きな後押しになります。輸入品の価格の低下により消費者の生活を豊かにしていきます。』
・国家百年の計
H28年1月 施政方針演説
『模倣、過酷な労働、環境への負荷。安かろう悪かろうは、世界のマーケットから一掃すべきであります。二十一世紀にふさわしい経済ルールを世界へと広げる、大いなる「挑戦」。TPPは、その最初の一歩であります。
(中略)
おいしくて、安全な日本の農産物にとって、TPPは、ピンチではありません。世界に売り込む大きなチャンスであります。
朝早く起き、額に汗して草を引き、精魂込めて作物をこしらえてきた、農家の皆さんの手間暇が、真っ当に評価されるようになる。それがTPPです。
農産物の地理的表示を始め、投資、労働、環境など幅広い分野で、透明で公正なルールが共有されます。日米両国が主導して、「良いものが良い」と評価される経済ルールを世界へと広げる。TPPは正に「国家百年の計」であります。』
大きなことを言うのは、容易い(笑)。
TPPは経済だけでなく、安全保障なんだ、対中国包囲網なんだ、といった主張もあったわけだが、これがどうなるのでしょうかね?
いくつか、例示をしてみます。
・TPPと安全保障の深い連関
>http://www.fsight.jp/10644
山下一仁 (11年7月20日)
・TPPは安全保障でも効果、シーレーン・ダイヤモンド構想推進で中国の軍事覇権抑止
15年11月19日
>http://www.sankei.com/politics/news/151119/plt1511190012-n1.html
【マニラ=坂本一之】安倍晋三首相とオバマ米大統領は18日、フィリピンで開かれた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)首脳会合で、固い握手を交わした。TPPは交渉を牽引(けんいん)してきた日米の同盟関係を強化するだけでなく、緊密な経済関係が地域の安定を促進することから、安全保障面でも大きな役割を果たす。政府はこの点を重視し、高圧的な海洋進出で覇権拡大を目指す中国にブレーキをかけたい考えだ。
安倍首相は会合で、TPPの意義について「経済的相互依存関係を深め、その輪を広げていくことはアジア太平洋地域の安定に資する」と各国首脳に訴えた。
TPPによって域内では人・モノ・カネが行き交うだけでなく、行政ルールの統一も行われることから、加盟国は互いに支え合う形になる。外交筋は「加盟国間で安全保障上のトラブルがあっても、経済を重視して平和的なプロセスを志向するようになる」と指摘。貿易に不可欠な海上交通路(シーレーン)の安定も各国共通の利益となり、中国などの軍事圧力に対し、連携して押さえ込む国際世論を形成できる。
こうした効果は、首相が唱える日本と米ハワイ、豪州、インドをひし形に結ぶ「安全保障のダイヤモンド構想」による面的な抑止力の強化にも貢献する。東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で領海侵入を繰り返す中国は、南シナ海でも軍事拠点化を進めているが、元米国務省幹部は「中国の覇権拡大を止める有効な手立てがないの実態」と漏らす。このため、政府は米国と連携して中国に対する国際世論の圧力を高めたり、中国をTPPに巻き込んだりすることで、中国を融和的な姿勢に転換させることをもくろんでいる。
議長役のオバマ大統領は会合で、「安倍首相のリーダーシップでTPP合意が達成されたと言ってもいい」と首相の手腕に期待を表明した。
・TPPの本質は「安全保障」 安倍首相は対中国包囲網の形成を急げ
14年4月26日
>https://the-liberty.com/article.php?item_id=7752
沖縄県・尖閣諸島周辺の海や空をはじめとした、中国の軍拡が目の前に迫っている今、このTPPは、一部の専業農家に補償してでも、のまなければいけない「安全保障」なのである。
・[古森義久]【TPP合意は日米の対中勝利】〜中国の軍拡に備えた安全保障に寄与〜
15年10月9日
>http://japan-indepth.jp/?p=22294
どれも、紋切り型みたいな主張が書かれています。もしもTPPが完全に頓挫した場合、彼らは何て言うのでしょうかね。
別にTPPがなくても、日本がそんなに死活的に困ることってないのではと拙ブログでは言ってきたわけですが、狂ったような「TPP教」の狂信者たちがそうじゃない、日本が危うくなるだの日本沈没だの日本は世界の孤児だの落ちぶれるだのと、喚いていたので、大笑いですね。
今回のトランプ勝利という大統領選の結果を招いた要因について、何年も前から「ダメな見方」「大局観なし」「先を考える力のなさ」というものを明白に示していたのが、日経の社説です。
社説を書くような論説委員たちが、いかに先々について考える力が劣っているか、ということが分かりますね(笑、細切れの改行が多くて読みづらいですが、ネット用なので仕方がたないのかも)。
・TPP参加で経済の安全保障を高めよ
12年8月23日 日経新聞社説
>http://www.nikkei.com/article/DGXDZO45286500T20C12A8EA1000/
野田佳彦首相は昨年11月に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に加わる意欲を示しながら、いまだに参加表明をしていない。国内の政治情勢に目を奪われて、決断を何度も先送りしたためだ。
その優柔不断な姿勢のツケがまわり、時間切れが迫っている。交渉を主導する米オバマ政権が国内で大統領選挙の対策に追われ、日本の参加問題に十分に対処できなくなる恐れがあるからだ。TPPの入り口が狭くなり始めている。
首相は一日も早く交渉参加を宣言すべきだ。尖閣諸島や竹島の領有権をめぐる中国や韓国との対立が深まり、日本の安全保障は揺らいでいる。TPPの枠組みを通して、経済の面からも日米の同盟関係を強化すべき局面だ。
米国は来週から大統領選の熱気が一気に高まるだろう。8月27日に共和党が、9月3日には民主党が全国大会を開く。この時期を過ぎると、米議会や産業界に対する米政権の交渉力は低下する。
米国内では、政治力が強い自動車業界が日本のTPP参加に反対の立場だ。大統領選は接戦が予想される。オバマ大統領の民主党陣営に、自動車業界の反対論を封じる腕力を期待すべきではない。
日本の意思決定が11月の米大統領選後にずれ込めば、実際の交渉参加は早くても来春以降となってしまう。年明けに米国の新政権が発足した後に、日米の政府間協議や、米新政権と米議会の意見調整などに最低でも3カ月の準備期間が要るとみられるからだ。
その間にも、現在の参加国によるTPP交渉は進展する。新規で年内に交渉に参加するカナダ、メキシコを含めて、日本不在のままアジア太平洋地域の新しい通商秩序の骨格ができてしまう。
オバマ政権は米国内の自動車業界の意向を気にしながらも、本音では日本のTPP参加を強く期待している。経済大国となった中国が、投資や貿易の相手国に対して政治的にも強大な影響力をふるう状況を懸念しているからだ。
国々の相互依存が進んだグローバル経済の下では、一国の安全保障を軍事力だけで盤石にすることはできない。自国優先の通商戦略を採る中国と公正に競争できる市場を築き、中国を共通ルールの世界に引き出さなければならない。
そのための最有力の手段がTPPだ。野田首相と民主党は、国内の政局だけでなく、今こそ世界の大局を見て判断すべきである。
米国の「自動車業界の反対論」を、ずっと前から見くびっていた連中が考えることというのは、この程度なんだということです(笑)。
拙ブログでは、米国の政治こそが、ひょっとするとTPPを阻止できるチャンスがあるかもしれない、発効を止める微かな希望があるかもしれない、そう思って、いくつかの記事を書いてきました。
そのお陰だったとは思いませんが、しかし、結果的にはラストベルトの投票結果が示すように、かつての産業基盤だった自動車産業界のような方々が、トランプを押し上げたんだということなのですよ。大統領選さえ終わってしまえば、なんとでもなるかのような、安倍自民のごときペテン政治を推進する日本とは、アメリカ合衆国の大統領や議会は違うんだ、と、当方は考えてきました。だからこそ、サンダース候補を応援していたのですよ。
5年の歳月を経て、実ったかもしれない、そう思うんですよ。たとえ、自分の力が弱くて、何にも役に立っていないとしても。
日本でも、政治を変えられるチャンスがあるとすれば、やはり選挙で政治家を震え上がらせることができなければならない、ということだろうと思うのです。
日本が貿易協定を活用したい、というのであれば、何もTPPじゃなくてもいいでしょう、ということも書いてきましたよ。
12年8月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/2c27a24dbf52bdc5badafc35ba10dd97
ASEAN+6のRCEPを動かせば良かっただけでは?
因みに、当方は最初からそう書いてきましたよ?
「TPP頼み」でこれに全力投球をしていたことが、かえって失敗となっているのでは?
一本槍ってのが、必ずしもよいとは限らないでしょう?
TPP狂信者たちが騒ぎ続けた結果、こうなったということでしょうね。自ら招いたのですよ。
韓国がTPPに加入するかも、とかって、負け惜しみ風味で焚きつけていたけど、交渉参加なんて正式表明があったんですか?
観測記事を流すのは、簡単だものね(笑)。韓国の参加正式決定、マダ~?
1か月過ぎたけど。
・韓国、TPP参加近く決定 経団連と会談で表明
2016/10/11 3:08
>http://www.nikkei.com/article/DGXLAS0040004_Q6A011C1000000/
『韓国を訪問中の経団連の榊原定征会長は10日、ソウルで会談した周亨煥産業通商資源相が環太平洋連携協定(TPP)に関し「近く公式に参加を決定する予定なので、日本の経済界や政府の協力をお願いしたい」との考えを示したことを明らかにした。韓国の担当閣僚が参加決定の方針を示したのは初めて。』
日本がTPP交渉に参加しなければ、「韓国がTPPに先に参加してしまい、競争に負ける」って、野田政権時代に喧伝しておったバカどもがいたでしょう?霞が関にも、マスコミにも。
けど、韓国は全然参加の気配さえなかったでしょう?
もし、そんなに参加したかったのなら、最終合意までに4年以上もやってたんだから、どの時点でも参加表明くらいできたでしょうに。
11年11月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a5c77f80ab202c5d5a68430dbc4d2843
>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/815f3d20a7e355ef5cafb54bcb382aad
韓国参加を脅し文句に使ってたのは、霞が関。
11年10月>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/d88200b0b96ab4706b90dae6acf46cee
踊るマスコミ連中。
アホだな。