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原油の09年需要予測

2008年12月06日 18時55分59秒 | 経済関連
供給能力が足りないからだ、とか言っていた人たちは、どう説明をつけてくれるのか、非常に興味がありますね。


Bloombergcojp 日本

12月5日(ブルームバーグ):国際エネルギー機関(IEA)は、世界経済の減速を理由に、2009年の世界石油需要見通しを下方修正した。
IEAは、来年の世界石油需要見通しを11月時点での予想から日量17 万バレル引き下げ8637万バレルとした。

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今年の中国の原油輸入量は、1~10月で前年同期比約10%増だそうです。累積で約1.5億トンですので、ざっと1350万トンくらいは増加したわけです。
で、今年の原油価格高騰時には、OPECで増産という話が出されましたが、サウジ以外は反対し、価格下落となって以降は逆に150万バレルの減産になってしまいました。

中国の輸入量が「10%も」増加したのに?(笑)
また減産?

おかしいですね。
「需要が増加しているからこそ、原油は高騰するんだ」という理屈を言っていた人たちは、今年の需要量が昨年とほぼ同じか、増加しているということについて、どのように説明するのでしょう?

上のIEAの見通しとかデータが誤りが多すぎるのだ、ということなら、それはそれでいいでしょう。信頼のできない、いい加減な数値やデータを出す機関なのだな、と思えばいいだけですので。

そこそこ信頼できる、ということなら、07年より増加率は鈍化し、08年はほぼ同じ水準の日量8619万バレル、という数字も、そういう水準の数字なのだな、ということが判るでしょう。

需要が同じか僅かに増大し、供給は「減産」によって減らされたのだから、普通に起こり得る現象というのは何か、ということなんですよ(笑)。

ええ、ええ、そうですね、「価格上昇」なのですね。


ところが現実には、大幅に下落していってるわけです。それは何故か?
供給に見合う需要がないから、ということでしょうね。供給側は生産調整してまで価格を上げようとしているにも関わらず、原油価格は大幅に下落している、ということです。「中国の輸入量が増えた」のに、です。

中国やその他新興国が買っているからだ、ドルが安くなったからだ、米国の在庫が減ったからだ、とか色々と言っていたわけですが、今の原油価格下落を説明できる要因が一つでもありますか?(笑)


来年は、11月時点の予測が8654万バレル、その後僅か1ヶ月で8637万バレルという下方修正だそうです。ここ数年は伸びがほぼ止まる、ということですかね。まあしょうがないでしょうな。

需要がほぼ同じくらいで、供給が減っている(OPEC生産だけ見れば)のに価格が下落するとなると、それはどういった需給バランスで価格が決まっているのか、ということですわな。謎なんですよ。
あくまで需給だ、と主張していた人たちならば、きっとうまく説明できることでしょう(笑)。


少し離れますが、幾つか疑問があるのですね。

・元からある産油国以外に巨額投資をして新たな油田を見つけるのは、どうしてなんでしょう?

例えば日量100万バレル分をアップさせるとして、サウジの設備増強には100億円、別な何処かの国の海底油田なら1兆円が必要、という時、誰がどう考えても100億円で済ます方がお得だ。なのに、どういうわけか、非OPEC国以外の国に多額投資をして新たな油田開発をするんですね。安い方がいいじゃないか、と思うのが甘いのでしょうか?

持ち主(例えば産油国)が嫌がるから、とか、拒否するから、といったことなのでしょうか?
それとも、既存の産油国の油田に必要な投資額と、新たな油田開発に投資するのがあまり変わらないから、ということなのでしょうか。ちょっとよく判らないんですがね。


・産油国自身が何故巨額投資を行わないのか?

普通の企業であると、例えばある「おもちゃ」がバカ売れで、需要が大きく上回っており、長期的にその需要は毎年増大していく、という予測が立っているものとしましょう。そのおもちゃは特定の企業にしか作れません。

こういう時、おもちゃを作る企業は、生産体制をこれまで1日100個体制だったものを、大幅に生産体制を強化・向上させ1000個体制にする、といった設備投資を行うことが多いんじゃないのかな、ということですね。どうして生産体制を強化するかというと、儲かるから、ということでしょう。いや、儲けたい、ということか。
折角売れるチャンスがあるのだから、100個だけ売るよりも1000個売って利益を多くしたい、と思うのが人情ってものでは(笑)。

なのに、どうしてなのか判らないのだけれど、不動産とかホテルとか金融とか、そういう多角化に巨額投資をして、元からある油田や設備にはあまり投資していないんですよね。新たな油田を自国内に発見する、ということも、あんまりやらないわけです。今後「価格は上昇していく、需要量は増加していく」という確かな見込みがあるのであれば、それは儲けられるチャンスがやって来るのだから、生産体制を強化しようとするのが「経済原則」なんじゃないでしょうかね、という話です。

あれだ、大麻を栽培して捕まっていたような大学生なんかも、そういう点でいうとおんなじだよね。1本の苗木を栽培するよりも、10本とか100本とか多く栽培できる生産体制に強化しようとするのが、誘引というかインセンティブが働くということでしょう。


それならば、資金を持つ産油国は自国内の新規生産能力増強の為に、設備投資を行いたい、と考えるのが普通なのでは?なのに、どうしてなのか判らないけれども、長期戦略として「原油生産」に投資するよりも、全然別な分野とか異業種に多額の投資を行っているわけですよ。それは儲からないと考えているから、なのではありませんか?(笑)

ヒマワリの種を生産する為にヒマワリを植えて育てようとするのと、大麻を栽培して育てようとするのと、捕まった大学生たちは選択できたわけだけれども、誰も「ヒマワリの種を生産するので、育てていました」という人はいない(多分、だけど。聞いたわけではないから、不正確)。つまり、ついつい儲かる方を選択してしまう、ということなんですよ。

ならば、原油生産設備に巨額投資をしない理由というのは、普通に考えると長期的展望としては「儲からないから」ということくらいしかないのでは。


まあ、色々と謎といいますか、判らないことだらけでございます。





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