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ミートホープの罪は…?

2007年07月03日 13時33分32秒 | 法関係
少し前には、JAS法では罰せられない、とか何とか出ていたように思いますが、どうやら刑事事件となるようです。耐震偽装の時みたいな処理ということになりそうです、ということなのかな?世間を納得させられないということでしょうね、やっぱり。

Yahooニュース - 読売新聞 - ミートホープ社員立ち会わせ、工場で偽ミンチ再現へ…道警

北海道苫小牧市の食肉製造加工会社「ミートホープ」の牛肉偽装事件で、北海道警は週内にも、ミート社の工場などで従業員らを立ち会わせ、実際に偽装ミンチなどを作る大規模な検証を行う方針を固めた。捜索で押収した資料を基に偽装作業を再現し、田中稔社長(68)らの立件に向けた捜査を進める。
検証を行うのは、ミート社の工場のほか、偽装ミンチを使ってコロッケを作っていた「北海道加ト吉」(赤平市)の工場。道警はすでに、ミート社本社や関係先を不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で捜索。元社員らの自宅や転職先など、直接の容疑がかからない場所にも捜索範囲を広げ、偽装ミンチを作った際の「投入原料日報」などを押収している。


なるほど、不正競争防止法(虚偽表示)で立件ということを考えているようで、先日取り上げた「虚偽表示」などについての話と似ているようで、法律的には全然違うようです。うーむ、中々難しいのですね、法律って。で、一応、見てみました。

不正競争防止法 第二条

この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
一 (中略)
・・・
十三  商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若しくは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為

この第2条第1項第13号の規定による、ということです。条文では何だか難しく連なっておりますが、私の理解で平たく言うと次のような感じです。
○商品:原産地、品質、内容、製造方法、用途、数量
○役務:質、内容、用途、数量
(役務とは提供するサービスみたいなものであると思います)
これらについて、商品、サービス、広告、取引書類、インターネットに誤認させるような表示をしたり、その商品の譲渡・引き渡し、その為の展示、輸出入、インターネットで提供したりする行為で、役務も同じく誤認させる表示をして、サービスを提供したりする行為、ということです。

判りやすく言えば、中国産なのに国産と表示するとか、材料にキャビアと表示してあるけど実はキャビアの匂いだけ付けましたとか、広告に「特価カシミアセーター1000円」と表示して「カシミア」という文字の胸ロゴだけ付けたナイロン製セーターとか(笑、そんなの誰も買わないか)、ネット販売で写真だけ本物のブランドバックをHPに表示しておいて実際の商品は模造品とか、「ロデホボーイ」と表示した模造品とか、そういったものですかね。

今回の偽装は「牛コロッケ」と書いてあるのに、鳥や豚が混ぜられた、ということになるでしょうか。
「牛コロッケ」とは、「牛の何かを混ぜたコロッケという意味だよ」とか、あの社長さんは言いそうな気もしますが、どうなんでしょうか。それとも、「牛ミンチ」とは、「牛もちょっぴり入ってるミンチという意味だよ」とか言ったりするんでしょうか。


参考までに、罰則を見ると次のようになっていました。

不正競争防止法 第二十一条
(中略)
2  次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一  不正の目的をもって第二条第一項第一号又は第十三号に掲げる不正競争を行った者
(以下略)

第22条第2項第1号規定により、第2条第1項第13号に該当する不正競争行為は懲役5年以下若しくは500万円以下の罰金か、混合ということのようです。結構重い罰則も有り得るのですね。更に、法人への罰則もあるようです。

同法 第二十二条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条第一項第一号、第二号若しくは第六号又は第二項に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して三億円以下の罰金刑を、その人に対して本条の罰金刑を科する。
(以下略)

行為者ばかりではなく、法人に対しても罰金刑が科せられることがあります。第21条第2項の違反行為は3億円以下の罰金ですから、重い罰金の可能性はあり、ミートホープは払えないかもしれませんね。どうなるんでしょうか。


ところで「シルバーリング」みたいに表示してある場合、これが純銀製と思ったりする人はいないのでしょうかね。実際指輪の銀の含有率がどうなっているかは判らないと思いますよね。業界内で何か自主規定のようなものがあるかもしれませんけど。合金の組成というのは意外に複雑と言いますか、調べようがないので判らんものね。銀価格も割りと高騰してきていますので、強度の為に銅を混ぜるとかあるかもしれませんが、銅も値上がりしているし。更に円安ですから、輸入価格は上がっているでしょう。日常生活の中でも、ギリギリというかちょっと怪しい表示というのはあると思うけど、まあ、悪質度によるのでしょうね。明らかに「騙そう」と思って、そういう魂胆のようなものがあるのであれば、やっぱりマズイということになるでしょう。


それなら初めから、「マグロ味のする、凄くよくできたマグロ刺身モドキです」とかハッキリ表示して売ってたなら、低価格でマグロ風味を楽しめる商品として認められたかもしれない、みたいなものでしょうか。テレビでミートホープの作ったコロッケとかトンカツをマネしてみたら、「美味しい」という評価だったからね。なので、レシピは企業秘密として、「安くて美味しい、完全な牛じゃない牛モドキのコロッケです」とか独自商品として売っていれば良かったのかもしれませんね。




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