朝から問題続発でした。このhotelは今夜までなので、洗濯物の最後の依頼をしたところ、受け取りに来たメイドさんが、品物がありませんというのです。メイドさんは英語を喋らないので、どうして話が通じたか謎ですが、ともかくドアにぶら下げておいた袋がありません。引取りを頼む電話をしてからぶら下げたので、せいぜい5分も経っていない話で、意思の疎通の困難さとともに問題はやっかいな方向に。彼女のSOSを電話で受けた上司が怪しげな英語で語るには、"ドラにぶら下げろと言ったのは、部屋の内側の意味で、部屋の外に出したら盗られてもしかたがない。危ないことだと認識しろ"と一方的なお説教。それより、誰か他の係員が持って行った可能性はないのかと質問しても、説教の姿勢を変えません。
相手が悪いと判断して、すぐguest serviceに電話で状況を伝え、ともかく洗濯物を見つけてくれと依頼。10分経たないうちに連絡があり、直前に部屋の前を通りかかったメイドが先に回収していたと、私の推理通りの返事をよこしました。それはめでたいことだが、客の話を聞かないで説教する洗濯係には納得がいかないと苦情を申し述べたところ、洗濯係の女性は、このhotelで勤続年数が一番長く、もはや価値観を変えられないので許してくれと泣きつかれてしまい、もはやこれまでと遅れてしまった仕事に飛び出しました。
ところが、RER(郊外電車)が何故か運休中で、30分待たされてやっと到着。快速のはずなのに各駅停車になってしまい、遅れに輪を掛けてくれました。
ここまでがさい先の悪い話で、後はどうにか区切りのついた仕事を残して在来線に乗車。目指すは、昨夜思いついたChartresです。
須賀敦子さんの著作で、二日間歩いて大聖堂にたどり着く話を思い出したのが、この街に行こうというきっかけになりました。ちょうどサンテグジュペリの引用もあったし。
遠くから歩けば、だんだん大聖堂が見えてくる感動があったのでしょうが、安直に電車を使ってしまうと、駅に入る手前で減速し始めた辺りからすでに塔が見えてきます。後は、駅からその方角に歩くのみ。
途中にある観光案内所で街の地図をもらい、大聖堂の螺旋階段(これまた300段あまり、こちらは6.5EU)をひたすら上って撮影したのが、この写真です。安野光雅さんの作品を見ている気分でした。その後、半分駆け足で旧市街を歩き、Paris行きの電車をつかまえて帰還。
Hotelに戻ったら、guest serviveの詫び状のついた洗濯物が届いていて、ご迷惑を掛けたので、今回は無料で洗いましたとのこと。理のある文句は言ってみるものですね。