シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ホテルルワンダ

2006-11-27 | シネマ は行

「本当にツチ族を殲滅できると思ってるのか?」
「どうしてできないってんだ?」
そんなふうに思う人間はいつの時代にもどこの場所にも存在する。人間同士の殺し合いは絶対に終わらない。たとえ、西側の軍隊が助けに来ていたとしてもそれも新たにフツ族を殺すだけだっただろう。最後に登場したツチ族の反乱軍もまるで救世主のように見えたが、フツ族を殺し鎮圧するだけだ。そこには間違いなく終わることのない憎しみが残る。

その殺戮の中にあってもお互いを助け合おうという人々はいる。
思いがけず英雄的な行動をすることになる人間もいる。

「このニュースを見ても“あぁなんてヒドイんだと言ってディナーを続ける」人たちもいる。ワタクシもその一人だ。自分のところに火の粉が飛んで来るまでは。(その時ではすでに遅い場合がほとんどなのだろうが)

西側の軍隊が外国人だけを安全にルワンダ国外に脱出させるためだけにやって来て去っていくとき、涙があふれたけど、その西側、先進国の政治経済に恩恵を受けて生きているワタクシに何を言う権利があるだろう。政治の決定を責めても、自分がその軍隊に入る気も、赤十字のボランティアになる気もないのだから。

社会問題とか政治問題とか差別問題とかを論じるべきなのかもしれないけど、的外れかもしれないけど、正直な感想は今あるこの“生”をできる限り楽しもうと思ったことだった。