シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ソフィーの世界

2005-09-29 | シネマ さ行
「あなたは誰?」こんな手紙が突然14歳のソフィーの元に送られてくる。次の日、「世界はどこから来た?」という手紙が届く…

こういういわゆる「哲学的」な質問が突然に投げかけられ、ヨーロッパ2400年に渡る哲学史のソフィーの大冒険が始まる。

原作は物語の面白さもさることながら、哲学史の初歩入門書としても世界中でベストセラーとなった。この原作が抜群に面白い。哲学に完全に興味がないという人は無理かもしれないけど、ワタクシは興味があるほうなので、非常に面白く読み進んだ。物語の進行をとってみても次に何が起こるのかとドキドキワクワクしたがら読んだ。

そして、その映画化。この本の映画化なんて不可能だと思った。なんせヨーロッパ哲学2400年の旅なのである。しかし、実際には良くできていた。重要なところをうまくかいつまんで物語の最後に潜む重大な謎に向かうドキドキ感もきちんと表現されていた。

映画の話というよりも、どうしても原作の話になってしまうのだけど、これは主人公が14歳の少女だからこその成功ではなかったかと思う。難しい哲学のことをナビゲーターが14歳の少女に説明するというシチュエーションを作り出すことによって見ている(読んでいる)ようも分かりやすい説明を受けることができるうえに、あくまでも14歳の子に説明しているのを見ているわけだから、自分がアホになった気分にならずに済むというわけだ。そして、その歴史の流れもとてもスムーズで見ていて全く違和感がなく素直に入り込めるのである。

さらに、哲学史の話で終わりかと思いきや、後半に進んでいくにつれて大きなサプライズが隠されている。ビックリさせられて心地のよい作品だった。