シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

哀愁

2005-09-28 | シネマ あ行
今日は古い映画から。1940年の作品。すごく切ない作品です。

第一次世界大戦下のロンドン。空襲警報が鳴り響く“ウォータールー橋”で出会った英国将校クローニンロバートテイラーとバレエの踊り子マイラヴィヴィアンリー。ふたりは瞬く間に惹かれ合い、翌日には結婚の約束までも交わすほどその恋は燃え上がる。しかし時代はそんなふたりを引き裂きクローニンは再び戦場へ。健気に彼の帰りを待つマイラ。しかしそんな彼女に届いた報せはクローニンの戦死を伝えるものだった……。

問題はその後…マイラはクローニンの戦死の知らせを聞き自暴自棄に。そして、戦時下で生活も苦しくなりついに彼女は娼婦に身を落としてしまう。しかし、クローニンの戦死の知らせはデマでクローニンは生きて再びロンドンへ。何も知らない彼はもちろん一目散にマイラのところへ駆けつけるのだが…

まさに戦争が生んだ悲劇。ヴィヴィアンリーが悲劇の踊り子を演じるのですから、娼婦に身を落とすところなんて、あの美しさですからねー、見ているこっちも余計ツライです。

原題は「ウォータールー橋」ですが、昔の映画なので「哀愁」というありきたりなというか、昔はこういう題名をよくつけてたなっていう邦題が付いていますが、中身は「哀愁」なんてもんじゃない。最後にこの主人公がとった行動なんてまったく「哀愁」なんて言ってられませんよ。悲しすぎます。

でも、なんか変ですけどこういう物語を見るとちょっとホッとしてしまったりもしますね。なんか純情というかこう貞節っていうんですか。主人公は娼婦になったんだから、貞節というのはおかしいかもしれないけど、それは時代がそうさせただけで、やっぱり好きな人に対する気持ちは純粋なものだったんですもんねぇ。そういう意味ではすごくロマンチックな作品と言えるでしょうね。メロドラマ調ですけど。