シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

デブラウィンガーを探して

2005-09-10 | シネマ た行
ロザンナアークェットが自分の人脈をフルに利用して作ったドキュメンタリーというか女優仲間へのインタビュー映画。何人かの女優の座談会的なシーンもあります。映画ファンにはたくさんの有名女優の話が聞けてたまらない面白さがあるのですが、こんなワタクシでもアメリカのTVシリーズで有名は人までは分からず結構知らない人も出ていたので映画をたくさん観ない人にとっては知らん人ばっかりーってことになりかねませんが、彼女たちが有名人ということを度外視しても働く女性、家庭を選んだ女性それぞれの苦悩や喜び、ハリウッドの内情話を聞くには十分興味深い作品だと言えると思います。

シャーロットランプリングヴァネッサレッドグレーヴのような大御所の話や一線から退いたジェーンフォンダがどんな瞬間が映画を撮っていて一番快感だったかを語るところはかなり素敵で、かつその快感を夫と子供のためにあきらめたことを後悔していない彼女はより輝いて見えた。彼女の夫はよっぽど素敵な人ということなのか。

その他有名どころではシャロンストーングィネスパルトローメグライアンウーピーゴールドバーグなどでしょうか。サルマハエックもメキシコの女性らしい発言をしていますね。

座談会(メラニーグリフィスの家らしい)では、久しぶりに見るマーサプリンプトンサマンサマシスダリルハンナケリーリンチパトリシアアークェットといった面々が。彼女らがハリウッドでプロデューサーたちにどんなイヤな目に合わされたかという話をします。

「中学、高校でモテなかったガリ勉野郎たちがスタジオの大物になって、女優を自分のものにしようとする」

「演技ができるかどうかではなく、fuckableかどうかで選ばれる」 (つまりヤレる女かどうかってことね)

とかいう話はホンマにそんなんあんねんやーって感じでした。

“若い”ということが重要視される世界で、「それでも整形なんてしたくないわ」という彼女たちには、 「嘘つけー、やってるやろー」と思ってしまったけど…
ま、ロザンナだって女優なんだからそんなことを暴いたりしないでしょ。

マルチェロマストロヤンニとカトリーヌドヌーヴの娘、キアラマストロヤンニが「自分の頑張ろうというモチベーションは他の女優の活躍ぶりからくる。」と言っていたのが印象的でした。役の取り合いなどやたらとスキャンダラスに女同士の争いを醜くマスコミは扱いたがりがちですが、本当に一流の人たちはそれぞれをライバル視しながらも理解し尊敬しあってるのではないかなーと思います。お互いの苦労を一番理解し合える仲だしね。

そして、個人的にはエマニュエルベアールが「どんなに頑張って仕事をしていても、いつか私を私の子供ごとさらってくれる王子様を待っているのよ。」と言っていたのが好きでした。(彼女のファンなので)

すべての発言に対して、ま、女優が言うことだからと話半分で聞きながらも結構聞き入ってしまった97分間でした。