今日の勝利を一番にホッとしているのは、もしかしたら工藤かもしれません。
大事な最終回の先頭打者の打球を落球するという痛恨のミスを犯し、もし同点に追いつかれたり逆転をされていたら大変なことになったでしょう。
最初から追い方が不細工でしたので照明が目に入ったのかもしれませんが、しかし在籍が短いとは言いながらも地元ですから言い訳はできません。
それでも汚名返上の場面は今後もあるでしょうから、顔をしっかりと上げてめげずに頑張ってもらいたいです。
そして地味ですが基本に忠実にバックアップに回って傷口を広げることを防いだ岡田には、今後もその守備でチームを助けてくれることを期待します。
今日はとにかくグライシンガーです。
球場に着いたのが二回だったので初回の乱れっぷりは見ていないのですが、岡田と大松の守備に助けられて以降は波に乗って8回を2安打零封ですから言うことはありません。
初回に28球を投げてどうなることかと、持って六回、下手をすると五回での降板もあるのではないかと心配をしたのですが、その後の7イニングで85球の省エネピッチングとオリックス打線を完全に手玉にとっての四回以降のパーフェクトピッチングは左うちわな安定感がありました。
初球にしっかりとストライクを取って有利なカウントからカーブ、チェンジアップ、カットボールを駆使してのピッチングでしたが、それこれもストレートに力があったからこそでしょう。
140キロ前後ながらもきっちりとコントロールができていたことで打者は手も足も出ず、そして最終イニングの八回のMAX144キロは眉唾ながらも次のボールも142キロが出ていましたので、この100球を過ぎてからのストレートのスピードが今日の最大の収穫かもしれません。
石垣島で見たときにはしっかりと腕が振れていたことで肘への不安は払拭できたものの球速が物足りなかったので、これで一つの山を越えたことになります。
さすがにヤクルトや巨人のときのように最多勝争いに加わってくれるとまでの過剰期待はしませんが、とりあえずは昨年のマーフィーに2戦目で並んだことは厳然たる事実です。
あとはここからいくつ上乗せができるか、着実に一つずつでよいので白星を重ねてくれることを願っています。
もう一人のヒーローは値千金のホームランを放った井口です。
真ん中に入ってきたカーブを待ってましたとばかりのフルスイングで、ライナー性の打球をレフトスタンドに叩き込みました。
これこそがクリーンアップに求められる仕事ぶりで、一言一句たりとも文句のつけようがありません。
さらには貴重な、そして結果的に決勝点となった2点目をもたらした盗塁は両チームのベンチのみならずスタンド全体をも驚かせるもので、そこに井口のやる気が見て取れました。
あごを引きながら脇目もふらずに必死に走る姿には感動さえ覚えましたし、まだまだ井口はやってくれるでしょう。
何より相手の虚を突くプレーができるということは野球に集中ができているということでしょうから、春の井口の昇華ぶりを今後も見届けたいと思います。
その2点目を叩き出したのはホワイトセルでしたが、ちょっと気になることがあります。
それはヒッチをすることで、そのことで始動が遅れているのではないかと思ったりもしています。
ホワイトセルの左方向への打球は流したというよりは差し込まれているといった感じの方が強く、パワーがあるからこそ外野まで運べているのでしょう。
打席ではかなりボールを見ようとしている姿が印象的ですが、そのあたりと合わせて自分のペースにまだ持ち込めていないのではないかと考えています。
このあたりは慣れもあるでしょうから暫くすればまた違ったバッティングになってくるのではないかと、まあただの独り言です。
ようやくに動いた西村監督の決断は伊志嶺と岡田の入れ替えで、やはりまだ開幕して間なしですので大きな変化は避けたようです。
目についたのは根元の代わりに塀内がスタメンだったことで、ちょこちょこベンチをのぞき込んでも根元の姿が見当たらなかったので、もしかしたら故障でもしたのかもしれません。
さすがにこの段階で根元を見切ることはないでしょうから、あるいは発熱などかもしれず、試合前の練習に参加をしていたのかどうかが気になります。
何にせよやはり野手の層が薄いと感じたのは七回のチャンスに清田に代えて福浦が出てきたところで、二塁走者が里崎ということを考えればワンヒットでは戻ってこれませんし、もし歩かされていたら次の代打がいないという現状はあまりに寒すぎます。
また工藤のミスはありながらも藪田も登板間隔が空いたことが理由かもしれませんが、5人の打者のほぼ全てに芯に当てられていましたので結果オーライでしかありません。
せっかくの僅差での勝利に万歳をすれば喜んでもらえるのでしょうが、西の外角のボールに押されまくっていたことも含めて、素直には喜べないのが自分の性分です。
それでもグライシンガーの出来が出来でしたので当たり前ではありながらも益田を使わずに勝てたことは大きな一歩ですし、なぜか西を代えなかった岡田監督もオリックスファンからすれば頭の痛い存在だったりもするのかなと、そんなことを考えながら今日はそろそろ終わることにします。
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