電脳筆写『 心超臨界 』

一般に外交では紛争は解決しない
戦争が終るのは平和のプロセスとしてではなく
一方が降伏するからである
D・パイプス

不都合な真実 《 荒唐無稽『アリラン』――李栄薫 》

2024-08-19 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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韓国の民族主義は、西洋で勃興した民族主義とは別のものです。韓国の民族主義には、自由で独立的な個人と言う概念がありません。韓国の民族はそれ自体で一つの集団であり、一つの権威であり、一つの身分です。そのため、むしろ種族と言ったほうが適切です。隣の日本を永遠の仇と捉える敵対感情です。ありとあらゆる嘘が作られ広がるのは、このような集団心性に因るものです。すなわち反日種族主義です。これをそのままにしておいては、この国の先進化は不可能です。先進化どころか後進化してしまいます。嘘の文化、政治、学問、裁判はこの国を破滅に追いやることでしょう。


◆荒唐無稽『アリラン』

『反日種族主義』
( 李栄薫・編著、文藝春秋 (2019/11/14)、p26 )

趙延来(チョジョンネ)は今日の韓国で一番よく知られた人気小説家です。彼の大河小説『アリラン』13巻は、合わせて350万部も売れたそうです。彼の小説が商業的に大きく成功したのは、20世紀後半の韓国の時代精神を取り入れるのに成功したからです。それが何であるか指摘するのは難しいことではありません。一言で反日種族主義です。趙延来は、韓国人の反日種族主義を文学的に巧みに描写しただけでなく、それを促進するのに大きく寄与しました。

私は2007年、『時代精神』という季刊誌に寄稿した論文で小説家・趙延来を「狂気がかった憎悪の歴史小説家」だと定義づけ、批判したことがあります。私が作家の精神世界をそのように想定したのは、作家が小説のあちこちで日帝が朝鮮人をほとんど狂的に虐殺する場面を描いており、それが歴史的には実在しないとんでもないでっち上げだからです。たかが歴史小説に何の是非を問うのか、と言われるかもしれませんが、歴史小説ではあっても、実在した歴史とあまりにもかけ離れた話を捏造してはいけません。読む人々が、それを実在した歴史だと錯覚しやすいからです。まず、次のような虐殺場面を紹介しましょう。

  「え~と。今から重大事実を公布するので、みなよ~く聞け。あそ
  こに縛られている車甲秀(チャガプス)はきのう地主総代に暴行を加
  え、致命傷を与えた。その蛮行はまさに総督府が推進している土地
  調査事業を悪意的に妨害し狂乱させる許されざる犯罪行為である。
  したがって罪人・車甲秀は警察令により射殺刑に処する!」。日本
  刀を抜いて立つ駐在所長の凛とした叫びだった。(中略)「射~撃、
  準備!」。駐在所長が日本刀を持ち上げながら叫んだ。4人の巡査
  が一斉に銃を向けた。「発射~」。銃声が鳴り響いた。車ソバン(
  既婚の男性の呼び方)の体がいきなり伸び硬直したかと思ったら、
  そのままばたりとくずおれた。そして左の胸から真っ赤な血が溢れ
  始めた。駐在所長と巡査たちはすぐに立ち去った。しかし村人たち
  は動くことができなかった。彼らは目をつぶり立っていた。「より
  にもよって党山木(*)に」。誰かが呟いてがりりと歯軋(はぎし)り
  をした。
  (『アリラン』第4巻、81~82頁)

  注(*) 党山木:村の土俗信仰の木で、村を守ってくれる神が宿る
      とされる。しめ縄や白紙が巻かれている場合が多い。

総督府が1910~1918年に実施した土地調査事業を背景にした一場面です。全羅北道金堤竹山面外里がその舞台です。車甲秀という農民が土地を申告すると、地主総代が申告書にハンコを押してくれませんでした。土地を奪われることになった車甲秀が、がまんしきれず地主総代の胸を突きました。後ろに倒れた地主総代は脊髄を損なう重傷を負いました。すると金堤警察署竹山駐在所の所長が、車甲秀を村の党山木に縛り付けて即決で銃殺に処しました。上の場面です。

このように、第一線の駐在所の警察が即決で人を銃殺する場面は、小説『アリラン』で他の村を舞台にもう一度繰り返されます。作家は、土地調査事業の期間に行なわれたこのような警察の即決による死刑は、全土で4千余件にも及ぶ、と言っています。作家によると、総督府が土地調査事業を実施した目的は土地の収奪にありました。農民たちがそれに抵抗すると、上のように、第一線の警察が即決で銃殺する弾圧をほしいままにしました。上の銃殺場面は『アリラン』を読んだ数十万の読者の胸に深く傷となり残りました。私は、大学の図書館でこの本を借りて読んだとき、ある学生がこの場面のページの余白に「あ~、こんなことが」と書き記しているのを見ました。あの学生は作家の作り話を事実だと信じたのです。

しかしながら上のような即決銃殺刑は、土地調査事業当時ありもしないことでした。いえ、あり得ないことでした。当時の新聞と雑誌でこのような事件が報道されたことはただの一例もありません。実際起ったことであるなら、報道されないわけがありません。にもかかわらず作家は、当然あったことのように語っています。「警察令」に言及することで即決銃殺の法的根拠まで提示しています。しかし、そんな法令なども存在しませんでした。

国家権力が人を殺すには所定の手続きによる裁判を通さなければならないのはその当時も今も同じです。
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