電脳筆写『 心超臨界 』

明日死ぬものとして生きろ
永遠に生きるものとして学べ
( マハトマ・ガンジー )

人生を創る言葉 《 気を長うお持ちなされ――志賀瑞翁 》

2024-08-08 | 03-自己・信念・努力
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◆気を長うお持ちなされ


『人生を創る言葉』
( 渡部昇一、致知出版社 (2005/2/3)、p58 )
第1章 偉人たちの人間学――よりよき人間のあり方

[ 志賀瑞翁 ]
人生50年といわれた時代に百歳以上の長生きをした。人々から羨
ましがられ、長命の秘訣を尋ねられること度々だった。

志賀瑞翁(ずいおう)という人は、百歳まで長命し、しかも壮者をしのぐ健康ぶりであった。人生50年、あるいは40年といわれたころの話だから、周囲の人は大変羨ましがって、長生きの秘訣を教えてもらいたいと頼みに行った。しかし、瑞翁はにこにこ笑いながら

「さあ、秘訣があるにはあるがのう――」

と、なかなか教えてくれなかった。それでもある人が特に熱心に何度も頼むと、

「じゃあ、教えてあげますから、7日間精進してください」

といった。7日間は生臭いものは食べないでください、というのだ。

その人は、長生きの秘伝を授かるためになら7日間の精進ぐらいはなんでもないと、いわれた通りにして、8日目に訪ねて行った。すると、

「そうだなあ、もう3日間、精進してください」

といわれたので、また3日間してから訪ねると、

「もう1日精進してくれ」

という。馬鹿にしてやがるなと腹が立ったけれども、乗りかかった船だからしょうがない。また一日精進して、今度教えなかったら承知しないぞとばかり、勢い込んで訪問すると、瑞翁はいった。

「まあまあ、こちらのほうへ」

通された奥の一室で、いよいよ秘法を伝授されるかと胸をときめかしていると、瑞翁はその人の耳に口を寄せて、低い声でこういった。

「あのなあ、気を長うお持ちなされ」

このたった一言で、長生きの秘法伝授は終わりである。その人は呆然とするばかりだった……。

長生きの秘法には私も興味があり、いろいろな長生きの人に話を聞いているが、そこで感じるのは、非常に簡単なことをよく守っているという点である。その秘訣はそれぞれで違っている。この志賀瑞翁という人にとっては、それが「気を長く持つ」ということだったのだろう。

この翁の言葉も聞いてしまえば全く平凡な秘訣であり、だからこそ聞いた人は呆然としてしまったわけだが、これは志賀翁が自分自身を深くみつめたところから生まれた境地といっていい。それゆえ、他人が真似したからといって、必ずしも同じように長生きできるとは限らない。そこに人間の深さ、面白さがあるように感じるのである。
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