電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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◆気を長うお持ちなされ
『人生を創る言葉』
( 渡部昇一、致知出版社 (2005/2/3)、p58 )
第1章 偉人たちの人間学――よりよき人間のあり方
[ 志賀瑞翁 ]
人生50年といわれた時代に百歳以上の長生きをした。人々から羨
ましがられ、長命の秘訣を尋ねられること度々だった。
志賀瑞翁(ずいおう)という人は、百歳まで長命し、しかも壮者をしのぐ健康ぶりであった。人生50年、あるいは40年といわれたころの話だから、周囲の人は大変羨ましがって、長生きの秘訣を教えてもらいたいと頼みに行った。しかし、瑞翁はにこにこ笑いながら
「さあ、秘訣があるにはあるがのう――」
と、なかなか教えてくれなかった。それでもある人が特に熱心に何度も頼むと、
「じゃあ、教えてあげますから、7日間精進してください」
といった。7日間は生臭いものは食べないでください、というのだ。
その人は、長生きの秘伝を授かるためになら7日間の精進ぐらいはなんでもないと、いわれた通りにして、8日目に訪ねて行った。すると、
「そうだなあ、もう3日間、精進してください」
といわれたので、また3日間してから訪ねると、
「もう1日精進してくれ」
という。馬鹿にしてやがるなと腹が立ったけれども、乗りかかった船だからしょうがない。また一日精進して、今度教えなかったら承知しないぞとばかり、勢い込んで訪問すると、瑞翁はいった。
「まあまあ、こちらのほうへ」
通された奥の一室で、いよいよ秘法を伝授されるかと胸をときめかしていると、瑞翁はその人の耳に口を寄せて、低い声でこういった。
「あのなあ、気を長うお持ちなされ」
このたった一言で、長生きの秘法伝授は終わりである。その人は呆然とするばかりだった……。
長生きの秘法には私も興味があり、いろいろな長生きの人に話を聞いているが、そこで感じるのは、非常に簡単なことをよく守っているという点である。その秘訣はそれぞれで違っている。この志賀瑞翁という人にとっては、それが「気を長く持つ」ということだったのだろう。
この翁の言葉も聞いてしまえば全く平凡な秘訣であり、だからこそ聞いた人は呆然としてしまったわけだが、これは志賀翁が自分自身を深くみつめたところから生まれた境地といっていい。それゆえ、他人が真似したからといって、必ずしも同じように長生きできるとは限らない。そこに人間の深さ、面白さがあるように感じるのである。
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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◆気を長うお持ちなされ
『人生を創る言葉』
( 渡部昇一、致知出版社 (2005/2/3)、p58 )
第1章 偉人たちの人間学――よりよき人間のあり方
[ 志賀瑞翁 ]
人生50年といわれた時代に百歳以上の長生きをした。人々から羨
ましがられ、長命の秘訣を尋ねられること度々だった。
志賀瑞翁(ずいおう)という人は、百歳まで長命し、しかも壮者をしのぐ健康ぶりであった。人生50年、あるいは40年といわれたころの話だから、周囲の人は大変羨ましがって、長生きの秘訣を教えてもらいたいと頼みに行った。しかし、瑞翁はにこにこ笑いながら
「さあ、秘訣があるにはあるがのう――」
と、なかなか教えてくれなかった。それでもある人が特に熱心に何度も頼むと、
「じゃあ、教えてあげますから、7日間精進してください」
といった。7日間は生臭いものは食べないでください、というのだ。
その人は、長生きの秘伝を授かるためになら7日間の精進ぐらいはなんでもないと、いわれた通りにして、8日目に訪ねて行った。すると、
「そうだなあ、もう3日間、精進してください」
といわれたので、また3日間してから訪ねると、
「もう1日精進してくれ」
という。馬鹿にしてやがるなと腹が立ったけれども、乗りかかった船だからしょうがない。また一日精進して、今度教えなかったら承知しないぞとばかり、勢い込んで訪問すると、瑞翁はいった。
「まあまあ、こちらのほうへ」
通された奥の一室で、いよいよ秘法を伝授されるかと胸をときめかしていると、瑞翁はその人の耳に口を寄せて、低い声でこういった。
「あのなあ、気を長うお持ちなされ」
このたった一言で、長生きの秘法伝授は終わりである。その人は呆然とするばかりだった……。
長生きの秘法には私も興味があり、いろいろな長生きの人に話を聞いているが、そこで感じるのは、非常に簡単なことをよく守っているという点である。その秘訣はそれぞれで違っている。この志賀瑞翁という人にとっては、それが「気を長く持つ」ということだったのだろう。
この翁の言葉も聞いてしまえば全く平凡な秘訣であり、だからこそ聞いた人は呆然としてしまったわけだが、これは志賀翁が自分自身を深くみつめたところから生まれた境地といっていい。それゆえ、他人が真似したからといって、必ずしも同じように長生きできるとは限らない。そこに人間の深さ、面白さがあるように感じるのである。