電脳筆写『 心超臨界 』

心地よいサマーレインのように
ユーモアは一瞬にして大地と空気とあなたを洗い清める
( ラングストン・ヒューズ )

こころのチキンスープ 《 軍服の天使——ジニー・エック・サウェル 》

2024-07-09 | 06-愛・家族・幸福
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  愛が豊かにあるところには、いつも奇跡がある。
    ウィラ・キャサー


◆軍服の天使

「こころのチキンスープ 10」
( ジャック・キャンフィールド他、ダイヤモンド社、p154 )

これは、父が語ってくれたわが家の昔話である。

1949年に、父は戦争から戻ってきた。ハイウェイでは、ヒッチハイクをして家に帰ろうする帰還兵たちの姿がいたるところで見かけられた。それが当時のアメリカの日常的な光景となっていたのである。

家族との再会の喜びもつかのま、帰郷した父は悲しみに襲われた。父の母親が腎臓の病に倒れ、入院したのだ。医者からは、緊急に輸血をしないと今夜にも命が危ないと言い渡される。

問題は、祖母の血液型が今日でも入手困難なABマイナス型だったことだ。ましてや当時は血液銀行も、血液輸送機もなかった。家族全員が血液型を調べてもらったが、一人として適合する者はいない。医者にも匙を投げられ、祖母はまさに死の縁にあった。

父は、泣きながら病院を出て、家族や親戚を集めるため家路を急いだ。いよいよ最後の別れの瞬間がやってくるのだ。

ハイウェイを走っていると、車を止めようと手をあげている帰還兵がいた。悲しみにうちひしがれていた父は、人に親切にする気にもなれずこの兵士を追い越そうとした。ところがつぎの瞬間、誰かに引っ張られたような気がして、車を止めその兵士を乗せた。

あまりにも気が動転していたので、父は兵士の名前さえ尋ねなかった。だが、兵士はすぐに父の涙に気づき、その理由を尋ねた。このまったくの赤の他人に、父は涙ながらに、同じ血液型の人が見つからないため、母親が夜になる前に死んでしまうのだと話した。

車内に沈黙が流れた。やがて、このどこの誰とも知らない男は何かを握った手を差し出した。それは、首からはずした血液型の札だった。ABマイナス型と書いてある。兵士は父に、すぐにUターンして病院に戻るよう告げた。

祖母は、それから47年間生き、1996年に亡くなった。けっきょく、家族の誰一人としてあの兵士の名前を知らないままだ。

しかし父は今でもよく考えるという。あれは本当に兵士だったのだろうか? いや、軍服を着た天使だったのではないか? と。

     ジニー・エック・サウェル
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