電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが犯す人生最大の過ちは
過ちを犯すことを常に恐れることである
( エルバート・ハッバード )

ひき逃げの絶滅と犯人の厳罰を訴える――岡嶋信治さん

2007-04-30 | 06-愛・家族・幸福
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「走る凶器に姉を奪われて」岡嶋信治
【「声」欄】 1961.11.30 朝日新聞
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「こんなことがあっていいのでしょうか。

私は17日夜、長岡市で起った長谷部美代子、重明の母子ひき逃げ事件の被害者、美代子のたった一人の弟です。あのむごたらしい残酷な仕業は同じ人間のすることでしょうか。私はいま深い暗い谷間に突き落とされた気持ちです。

生まれながらに父をしらない私は、善行と良心と神を信じて生きてきました。しかし、私は小学校4年のとき兄を失い、昨年は姉が亡くなりました。そしていま、去年の春、長岡に嫁いだばかりの姉が、こんなにもみじめな姿に変わりはてたのです。神はいるのでしょうか。

姉は交通事故で死んだのではありません。小型トラックが残忍な人間のために『走る凶器』と化し、それに殺されたのです。ぶっつけられたときは姉はまだ生きていたのです。その時、車をとめていてくれたら死にはしなかったでしょう。いっしょにいた義兄はトラックのドアにしがみつき『止めてくれ』と何度も絶叫したのです。しかし彼らは姉と背中の重明ちゃんを4百㍍も引きずり、自動車がみぞに突っ込んで動かなくなったので逃げたのです。殺人行為となんら変わらない、いや、それ以上に残酷な行為が交通事故という名で軽減され、甘くみられてよいものでしょうか。そして、酔っ払い運転なのです。これは故意犯ではありませんか。だが、いくら重刑に処せられても私の姉は帰って来ないのです。私の悩みを、だれに聞いていただいたらいいのでしょう。

私は再びこのような残酷な犠牲者が出ないよう、ひき逃げの絶滅と犯人の厳罰を訴えるものです。そして皆様にお願いします。交通事故で最も悪質な、酔っ払い運転やひき逃げの絶滅と厳罰に向かって目的達成まで署名運動を続けようではありませんか。『走る凶器』を追放し、明るい社会を作りあげるために立ち上がってください。

私は知っています。万人の力の偉大さを」

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