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不都合な真実 《 敵国条項の存在――藤井厳喜 》

2024-06-26 | 05-真相・背景・経緯
24.06.26
24.06.27


そもそも国連憲章には、武力行使の禁止(第2条4項)や集団的武力行使権限の安全保障理事会への集中化(第42、46、48条など)などの規定があって、国連で集団行動をとる場合は国連安全保障理事会にかけられ、その合意を経てということになるのですが、「旧敵国に対する行動に関する限り、それに拘束されない」とされているのです。


◆敵国条項の存在:日本やドイツは今も国連の敵である――藤井厳喜

『国連の正体』
( 藤井厳喜、ダイレクト出版株式会社 (2021/1/22)、p46 )

戦勝国連合としてのthe United Nationsの憲章のなかには、いまだに敵国条項というものがあります。

敵国条項とは何かと言うと、国連憲章のなかに「the United Nationsの敵だった国々(つまり、日本やドイツのことですね)が不穏な動きを見せたと判断した場合には国連に諮(はか)ることなく、つまり国連の承認なしにいつでも自由に軍事攻撃を加えてよい」という主旨の条文が含まれていることです。

これが敵国条項というもので、第二次世界大戦中に連合国の敵であった枢軸国を対象に、安全保障面で特別の過渡的規定を盛り込んだ国連憲章第107条および53条の別名です。これは、現在に至ってもいまだに改正されておりません。

そもそも国連憲章には、武力行使の禁止(第2条4項)や集団的武力行使権限の安全保障理事会への集中化(第42、46、48条など)などの規定があって、国連で集団行動をとる場合は国連安全保障理事会にかけられ、その合意を経てということになるのですが、「旧敵国に対する行動に関する限り、それに拘束されない」とされているのです。

朝鮮戦争のときに国連軍が組織されましたが、このときはソ連が欠席していて提案が安全保障理事会を通ったため国連軍という名前を使うことができました。ところが、「旧敵国」相手(くどいですが日本やドイツ)には、そのような手続きはいらないのです。日本やドイツは旧敵国だから、この国が悪いことをしていると思ったら、国連に入っている当時の加盟国51カ国はどの国でも、安全保障理事会にかけることなく勝手に攻撃して構わないという、ものすごい差別条項です。

ちなみに、憲章の条文には敵国の相手国は、明示されていませんが、日本政府の見解では、日本、ドイツ、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、フィンランドがこれに該当すると解釈しています。

敵国条項の存在については、ときどき論じられることがあります。そんな条文がいまだに残されている、排除されていないのは大問題でしょう。

憲章の条文には具体的な敵国の名称はないわけですが、明示されていないからこそ敵国条項は残った、とも言えます。そういう遺伝子が今でも伝わっているということは、やはり日本人として知っておくべきです。もしあなたが、国連は真の平和の組織であると信じているのであれば、なおさらです。

日本は、この敵国条項だけはなんとしても排除しなければいけません。これこそ日本が率先して国連改革の一歩として進めなければいけないことでしょう。

第二次世界大戦の終結50周年にあたる1995年、日本やドイツなどが国連総会において第53・77・107条を憲章から削除する決議案を提出しました。総会で賛成多数によって採択され、日本政府にとって懸案だった同条項の削減が一歩進みました。しかし、憲章改正は安全保障理事会5カ国を含む加盟国3分の2以上の批准が必要とされるなど、その後も進展は見られず、改正に至るにはまだかなりの時間がかかると見られています。

*ブログ注:本文中の太字部を赤色にて表記した。
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