電脳筆写『 心超臨界 』

計画に失敗すれば、失敗を計画したことになる
( アラン・ラケイン )

トップ層に見られる無能の例を検討する――L・J・ピーター & R・ハル

2010-11-02 | 03-自己・信念・努力
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『ピーターの法則』
【 L・J・ピーター & R・ハル、ダイヤモンド社、p127 】

★強制的無能

いろいろな階層社会のトップ層に見られる無能のいくつかの例を入念に検討しているうちに、ひとつの注目すべき心理学的現象を発見した。それを以下に述べよう。

〈頂上有能〉――階層社会の頂上に達して、しかも有能を持続している状態――はまれではあるが皆無ではない。第1章で私はつぎのように書いた。――「その階層社会に十分な数の階級があると仮定した場合、時とともに従業員各自はそれぞれの資質に応じた無能レベルに達し、そこにとどまる。」

不敗の将軍、有能な教育者、傑出した会社経営者などは、それぞれの無能レベルに達する暇がなかったのだ。

いっぽう、有能な労働組合の指導者や大学の学長が現われるのは、その階層社会に、その人物が無能レベルに達するのに十分な階級がなかったためにすぎない。

こうした人びとは〈頂上有能〉の状態にあるのだ。

私が観察したところによれば、これらの頂上有能者は各自の有能の地位にとどまることに満足しない場合が多い。彼らはすでに頂上に達してしまっていて、無能の地位に昇進することができず、そこで別の階層社会へ――たとえば軍隊から産業社会へ、政界から教育界へ、芸能界から政界へといった具合に――横すべりし、新しい環境の中で、もとの階層社会のなかでは達することのできなかった無能レベルに到達する。これが〈強制的無能〉である。


【〈強制的無能〉のファイルからの選択例】

マクベスは有能な軍隊の司令官から無能な国王になった。

アドルフ・ヒットラーは完璧な政治家だったが、軍事に手を出したために無能レベルに達した。

ソクラテスは比類のない有能な教師だったが、自己弁明の弁護士として無能レベルに達した。


【何が彼らをそうさせるのか?】

「いまの仕事にははり合いがない。」

頂上有能者たちが、結果的にいって彼らを強制的無能に導く動きをしようとするとき、多少のバリエーションはあるが、きまって口にする理由はこれである。


【そうする必要があるのか?】

各自が自分の無能レベル以下にとどまることには、実はもっと大きい、もっと魅惑的なはり合いがあるのだ。この点については別に後章で論じよう。

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