電脳筆写『 心超臨界 』

人生には三つの重要なことがある
一に親切、二に親切、そして三に親切である
( ヘンリー・ジェイムズ )

病気と共に生きる――瀬尾日東美さん

2024-09-29 | 03-自己・信念・努力
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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病室の窓から見える遠くにそびえ立つ大きな山々……。毎日何時間もその山々を見つめながら、心の葛藤がつづきました。それは、逃げ出すことのできない自分自身への問いかけでもありました。そして、それまでとにかく病気を治したいと思っていたために、どうしても自分のなかから病気を排除したいという願いにとらわれて、いつのまにか終わりのない迷路に迷いこんでいた私はついに、やっと――本当にやっと、この一週間の貴重な入院生活のおかげで「病気と共に生きる」というこたえを見つけ出すことができたのです。慢性腎不全という晩期障害を受け入れることができました。


◆病気と共に生きる

『種まく子供たち――小児ガンを体験した7人の物語』
( 佐藤律子編、ポプラ社 (2001/4/1) )

〈p129〉
『おひさまいろの種――瀬尾日東美(ひとみ)さんのこと』
瀬尾日東美さんは、生後8か月で神経芽細胞腫の診断を受けます。中学生のころに脊髄側わん症の手術を受け、高校生のころには、腎臓も発育不全であることを知らされます。

〈p149〉
当時の私は大の病院ぎらい、医者不信におちいっていました。けれど、初対面の内藤先生のやわらかな笑顔を前にして、私はいつしか、自分の問題やそのことに対する考えを静かな気持ちで話しはじめていました。

内藤先生はすぐに私のおかれている状況を把握し、私がいだいている思いをとてもよく理解してくださいました。医師ときちんとコミュニケーションがとれている自分におどろきながら、私は心の底からおさえきれないほどのうれしさがこみあげてきました。まるで、暗闇から太陽が昇ってくるような感じでした。

それまで心身共に激しく落ちこんでいた私は、先生にお会いして話を聞いていただいただけなのに、すっかり元気をとりもどしていました。私はこのとき、肉体と精神はつながっているのだと強く感じました。

私はしばらく治療を受けていなかったので、日常生活を送るのが困難なほど体調が悪かったのと、新しい主治医をさがして今後の治療方針について検討していく必要があったため、内藤先生は諏訪中央病院を紹介してくださいました。偶然ですが、病院がある長野県茅野市は、子供のころ、家族で毎年山登りにきていた場所でした。

そして、検査のため入院することになったこの病院では、内藤先生と同じように「患者が主役である」という信念のもとに、人にやさしい医療がおこなわれていました。

地域医療の発展や、またチェルノブイリの子供たちを救うために、さまざまな活動をなさっている鎌田院長先生は、私が治療を受け入れられるようになるまでしばらくのあいだ、私に考える時間をあたえてくださいました。また、主治医の安藤先生は、私の病状や今後の見通しについて、納得いくまで、非常にわかりやすく説明してくださいました。

病室の窓から見える遠くにそびえ立つ大きな山々……。毎日何時間もその山々を見つめながら、心の葛藤がつづきました。それは、逃げ出すことのできない自分自身への問いかけでもありました。

そして、それまでとにかく病気を治したいと思っていたために、どうしても自分のなかから病気を排除したいという願いにとらわれて、いつのまにか終わりのない迷路に迷いこんでいた私はついに、やっと――本当にやっと、この一週間の貴重な入院生活のおかげで「病気と共に生きる」というこたえを見つけ出すことができたのです。慢性腎不全という晩期障害を受け入れることができました。
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