電脳筆写『 心超臨界 』

一般に外交では紛争は解決しない
戦争が終るのは平和のプロセスとしてではなく
一方が降伏するからである
D・パイプス

人間通 《 功績――谷沢永一 》

2024-07-24 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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日本人が最も嫌うのは、赤裸々、と受けとれる表現である。その種のずばり評価に接すると、身も蓋(ふた)もない、とぼやいて不機嫌になる。つまり自分を厳正に評価して欲しくないのである。どんぴしゃり決めつけられたら堪(たま)らない。彼奴(あいつ)はあれとこれとの仕事をした、という風にはっきり数えあげられるのを好まず、彼奴はなかなか出来る奴(やつ)や、というほどの朧(ほの)めかした認められ方を期待する。


◆功績

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p79 )

我が国の実に不思議な習慣は人物の業績判定をしたがらない有耶無耶(うやむや)志向である。死亡記事で大学教授だけ詰らぬ者まで載るのは教わった者が全国に散らばっているゆえと聞くが、その人物の研究業績がどの程度であったかが記されているのは非常に稀(ま)れである。大学教授なんかどうでもよいが、もっと国民生活に重要な関わりのある者が引退したとき、彼らの業績を要約する報道が全く等閑に附せられている。いちばん大切なのは内閣が退陣した時である。政権を担当した期間中に如何(いか)なる政策を実行に移しどれだけの成果を挙げたかをとりあえず総括するのは、それほど困難な調査ではない筈(はず)だ。また世間周知の企業経営者が社長職を退いたとき、在任中の業績を点検して一覧するなど苦もない業(わざ)であろう。政治家の評価は多少むつかしいにしても、毎期の決算を公表している会社の実績など直ちに調べがつくではないか。

どうやら我が国では肝心の要点(ポイント)を曖昧(あいまい)にしておく措置が好まれるようである。日本人が最も嫌うのは、赤裸々、と受けとれる表現である。その種のずばり評価に接すると、身も蓋(ふた)もない、とぼやいて不機嫌になる。つまり自分を厳正に評価して欲しくないのである。どんぴしゃり決めつけられたら堪(たま)らない。彼奴(あいつ)はあれとこれとの仕事をした、という風にはっきり数えあげられるのを好まず、彼奴はなかなか出来る奴(やつ)や、というほどの朧(ほの)めかした認められ方を期待する。だから縁のない他人の場合でもあまりに具体的な評価が下されているのを見ると、住みにくい世だ、と鼻白むのであろう。
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