電脳筆写『 心超臨界 』

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永遠に生きるものとして学べ
( マハトマ・ガンジー )

人間通 《 評判――谷沢永一 》

2024-06-26 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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人間界の勝利者は、実は高い評判を得ることに成功した者なのである。世にはさほどの苦労なく一世の評判を博する果報者もあれば、いくら努め励み願っても評判の立たぬ不幸者もいる。評判は多分に時の勢いがもたらす僥倖(ぎょうこう)であって、神の悪戯(いたずら)とでも言いたい要素が認められる。しかし人の世は評判の市である。この世に公平無私などありえない。あらゆる時代の誰も彼もが、歴史と称されている根拠薄弱な評判の記録を信用してきた。


◆評判

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p44 )

人間の値打ちを定める最終の決め手は評判である。もちろん業績なくして評価はありえない。しかし成しとげた成果は誰かの認めるところとなってようやく浮かびあがる。その取り柄を汲(く)みとる眼を通じて価値の見当がつけられる。最初はただひとりの伯楽に着目されたにすぎないとしても、これは秀(すぐ)れているとの褒めそやしが次第に広まる。そうして評判が定まり世間にあまねく伝播(でんぱ)される。もちろん実績もあってこその評判なのだが評判が立ってこそ業績が脚光をあびるのである。

藝術(げいじゅつ)や藝能の場合もまた然(しか)り。文化は作品そのもの演技そのものによってひとりだちしているのではない。文化は評判によって生き死にする。文化をつくりあげるのは評判と呼ばれる窯(かま)であり、文化を後世に伝える決定的な動力は評判である。人間の織りなす歴史は要するに評判の積み重ねである。

したがって人間界の勝利者は、実は高い評判を得ることに成功した者なのである。世にはさほどの苦労なく一世の評判を博する果報者もあれば、いくら努め励み願っても評判の立たぬ不幸者もいる。評判は多分に時の勢いがもたらす僥倖(ぎょうこう)であって、神の悪戯(いたずら)とでも言いたい要素が認められる。しかし人の世は評判の市である。この世に公平無私などありえない。あらゆる時代の誰も彼もが、歴史と称されている根拠薄弱な評判の記録を信用してきた。そして今の世においてもまた評判に頼って万事を判断している。つまるところ人は評判を好むのである。その好むところによって動かされるのも当然ではないか。
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