司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

オンライン申請システムによる登記事項の提出 その5

2012年10月10日 | いろいろ

おはようございます♪

またまた、後日談でございます。くどいですけど。。。^^;
「その4」はコチラ⇒ http://blog.goo.ne.jp/chararineko/e/a949a7e99728b1c995878e10025f3a6a

例の件、待てど暮らせどシステム上の表記は全く変わらず。。。
心の中では「あの電話に出た職員のヒトは、そのうち何とかするって言ったけど、実は無理なんじゃなかろうか!?」と思っていたのです。

そして、ある日のこと。変化が起きました。

「当該登記事項提出書については登記所に申請書が提出されていないか,登記所にて処理が行われていません。
 当該登記事項提出書の状況を登記所にお問い合わせください。本通知送付後,閉庁日を除いて5日以内に処理が行われない場合,当該登記事項提出書は削除されます。」

というメッセージが!

「これは何~っ!?」
と思いまして、法務局で確認しますとね。。。
結局のところ、登記完了後に紙申請とオンラインで提出した登記事項の関連付けを行うのは不可能なのだそうです。
したがって、登記事項の事前提出を行っていたとしても、法務局でそれに気付かずに登記完了してしまうと、普通の紙申請になってしまう。。。というワケ。

そこで、しつっこいワタシ、「申請人サイドで、忘れられないように何かする必要がありますか?」と伺ってみたところ、「特にありません」とのお返事。到達通知(システムからプリントアウトする紙)の順番を先頭にしたらどうかな。。。と提案してみましたが、「順番は変えないように」ということで、却下。

そして、申請書と登記事項を関連付けるタイミングも、どうやら管轄の法務局によって違うらしいことが判明しました。
少なくとも、東京法務局では、調査が終わってから関連付けをするそうです。
多分、登記事項に補正があると面倒だからだろうと思われます。
(。。。ということは、進捗状況がタイムリーに分かる。。。ってことにはなりません。ま、でも、登記完了したことは分かるので良しとするか。。。^^;)


つまりですね。。。
この方法、ほとんど使われていないんですって。。。
滅多にないから、存在を忘れちゃうんでしょう。。。。
喜んで(たまに)使ってるのは、ワタシくらいなものらしい。。。^^;

この間も、危うくオンライン申請と間違えられるところでした。
たまたま受領証を取ろうとしたモンで発覚したのですけど、「あれあれ~?ないないっ?オンラインですよね?」とか言われまして、「ぃ~え違いますっ!登記事項の事前提出なんで、今、受付して欲しいんです。」と言うと、「ぁ~そうなのぉ~?、てっきりオンライン申請だと思った♪」なんていうやり取りが。

危ない危ない!受付けを忘れられるトコロでした^^;

その件もありまして、書面の提出時に、結構しつこく「これ、オンライン申請じゃないです!」って、念押しするようにしています。
申請書にも鉛筆でデッカク「登記事項はオンライン申請システムにより、事前に提出しています!」って書いてます。
同業者の皆様も、どうぞご注意下さい。

さて、もう一つ。

登記事項の事前提出、良い点は、送信後であっても間違いに気付いたら、正しいモノを送信しなおせば良いところ。
(オンライン申請の場合は、補正通知を出してもらわないと補正できません。)
ま、見方を変えると、やり直しが簡単だから、緊張感が足りなくなるのでしょうね。。。

先日、管轄外の本店移転の登記事項を提出したんですが、1回目は連件指定を忘れ、2回目は申請日を直し忘れ、3度目の正直でやっと正しく送信できた、ということがありました。
ところが、間違って送ったモノがどうしても削除できません。(6件送ったうちの4件)
紛らわしいから消したくて消したくて。。。^^;

しかし、概ね1ヶ月で、冒頭に記載したようなメッセージが表示され、その5日後に却下されることが判明。
却下後には、データを削除することができるようになりました。

※ご参考(法務省HP Q&A)
Q13
 登記事項提出書を送信した後,登記の申請は,いつまでに行わなければなりませんか。

A13
 登記事項提出書が登記・供託オンライン申請システムに到達した日の翌日から起算して,おおむね25日以内(閉庁日を除く。)に登記所に登記申請書を提出されず,受付等の処理がされない場合には(注),当該登記事項提出書が登記・供託オンライン申請システムから削除され,お知らせ機能等を利用することができなくなりますので,このときまでには,行っていただく必要があります。

   ただし,この場合には,再度,登記事項提出書を送信すれば,当該登記事項提出書を利用することができます。
    (注) 登記事項提出書が登記・供託オンライン申請システムに到達した日の翌日から起算して20日以内(登記所の閉庁日を除く。)に申請書の受付等がされなければ,当該期間経過後に申請された方に警告コメントが送信され,さらに,警告コメントが送信された日の翌日から起算して5日以内(登記所の閉庁日を除く。)に申請書の受付等がされなければ,当該期間経過後に当該登記事項提出書が自動削除されるとともに,削除した旨の通知が申請された方に送信されます。

法務局の方にはご迷惑かも知れませんが、個人的には、まぁ気に入っている方法なので、また使おうと思っております。
トライアンドエラーとは、このことだ。。。^^;

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議決権行使書と委任状の関係 その5

2012年10月09日 | 株主総会

おはようございます。

これまで、ワタシ共のクライアントさんから議決権行使の委任状の有効性について、ご質問を受けることはほとんどありませんでした。

株主の少ない会社サンの場合には、会社と株主との意思疎通が上手く取れているからだと思います。
つまり、実質的には、株主の指示で株主総会の決議をすることが多く、株主総会は開催するものの可決することが初めから確定しているような状況ですから、委任状は単なる形式にすぎません。

一方、株主の多い会社サンのうち、上場会社サンの場合は、書面による議決権行使の方法により議決権が行使されますし、議決権行使書は、そもそも会社では作らないので、モンダイになりません。
巷では、委任状合戦が繰り広げられているケースがありますが、大株主サンが対象で、弁護士さんなどが関わっていますから、こちらもワタシたちが相談を受けることはありません。

ちなみに、先日、上場会社の方に聞いてみたところ、「株主総会の当日に、委任状出席される代理人は見たことがないデス。」と仰っていました。

最後が、非上場会社で、株主の数がそれなりに多い会社サンの場合ですが、こちらは、予め、代理人の記載をどうするか、説明しているご様子です。

。。。というわけで、今回は、委任状が提出されたのだけれども、こういう場合、有効なの?無効なの?という事後的なモンダイであります。
具体的には、代理人欄が空欄のままの委任状は有効かどうか?です。

これについては、「株主提案と委任状勧誘(商事法務)p151~155」に記述がありまして、いくつかのパターンに分けられています。

(1)代理人欄に株主自身の名前が記載されているケース
(2)代理人欄に会社名が記載されているケース
(3)代理人欄が空欄のケース
(4)押印のないケース
(5)届出印でない印鑑が押印されているケース
(6)委任者の住所等が株主名簿と相違しているケース

結論としては、(1)無効、(3)有効、(2)(4)(5)(6)具体的な事情により結論が異なる、という感じです。

すんごく要約してしまいますけど、委任状の勧誘行為の法的性質は、株主に対する議決権代理行使の委任契約又は議決権代理行使を第三者へ委任することの仲介もしくは媒介契約の申込みまたはその勧誘行為であると考えられているそうです。

したがって、代理人欄が空欄である委任状は無効と解するべきではなく、株主としては、会社等が選んだ第三者に対して議決権の代理行使を委任する意思があると推定され、結果、白紙委任状を取得した者(会社自身は不可)は、当該委任状にしたがって、代理人として議決権を行使することができる、ということのようです。

ワタシなりに理解した結果を噛み砕いて言うと。。。
株主サンには代理人に議決権を行使して欲しいという意思があり、代理人欄が空欄の場合、会社に対して、「適当な代理人を選んで、そのヒトに議決権を行使させてください」という意思を含んでいると解釈することができる。
だとすれば、代理人欄が空欄の委任状は有効なのであり、会社が選んだ代理人が議決権を行使することができる。。。ということかと思います。

(1)については、株主自身が記載されている以上、自分以外の第三者に議決権の代理行使の委任をしたと推定するのは困難であり、無効と解するしかないだろう、ということみたい。

ぃや~。。。難しいんですね~^^;
他のケースもご紹介したいけど、書籍の丸写しになっちゃうと思うので(自分でちゃんと理解しているか、イマイチ自信もないので^^;)、ご興味のある方はご購入くださいませね。

。。。というわけで、(3)のケースだけとは限らないですけど、とにかく、空欄の委任状に関しては、有効ということですから、懸案事項は一応解決しました。

いずれにしても、「議決権行使書 兼 委任状」ってモノは、個人的にはおススメしたくないけど、どうしてそんな書式が出回っているのか、理由が知りたいですね~。
モットもらしい理由があるのでしょうか?

ちょっと最後が尻つぼみっぽかったですね。。。
失礼しました^^;

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議決権行使書と委任状の関係 その4

2012年10月05日 | 株主総会

おはようございます♪

今さらですが、司法書士事務所では、必ずしも登記に関係しない書類の作成をする場合があります。
「場合がある」というのは、「しない」事務所もあるだろうという意味です。

ウチの事務所のように(特にワタシ!?)、登記の書類とか、そうじゃないとか、あまり考えていない事務所もありまして、手続書類全般の作成をお手伝いいたします。
もちろん、作って欲しい書類、アドバイスして欲しい事柄は会社によって違いますが、株主総会の議決権行使の委任状に関しては、作成の依頼も多いし、相談を受けることもそれなりにあります。

で、株主総会の議決権行使の委任状というモノ。大きく分けて2パターンありますね。
「株主が各議案の賛否を表示し、その指示に従って議決権の行使を委任するもの」と「株主総会の議案全てについて、代理人に議決権の行使を委任するもの」です。

前者は、一応、株主の賛否の意思が表示されていて、後者は株主の賛否の意思表示はせず、代理人に一任するものです。
汎用性という意味では、後者の方が使い回しがききます(日付だけ直せば次回に使えます)が、株主の考えを尊重しているか、という点では後者ではモンダイが多いと思います。

したがって、どちらを採用するかは、株主と会社の関係によって異なりますね。
例えば、100%親子会社の場合は、形式的に書面を整えるだけなので、招集通知は詳しく書いたとしても、委任状は簡単なものが多いですね~。同族会社などの場合も同様です。

一方、外部株主サンがいらっしゃるような会社の場合は、株主サンの意思を反映した委任状を作成することがほとんどです。
(外部株主サンがいらっしゃる会社サンは、大体、株主の数もそれなりに多いです。)

。。。というわけで、前置きが長くなりましたが、今回は、賛否の表示のある委任状です。
モンダイは「空欄」や「誤った内容の記載があった場合」の考え方について。

委任状のうち、実際に株主が記入する欄は、代理人の(住所及び)氏名と賛否の「○印」、ご自分の住所・氏名(+届出印押印)くらいなモノです(株主の住所・氏名は既にタイプしてあることも多いですね)ので、そんなに難しくはありません。返信のための送料は基本的に会社が負担しますから、さほど面倒ということもないと思います。

それだけのことなのに、有効性については、まぁ~色々あるようで、ワタシも勉強させてもらいました。

。。。というのも、委任状って、作成はしても登記には使いませんので、出来上がりを拝見する機会が少ないし、代理人を誰にするか。。。などは事前にご相談いただくので、後日、「こういう委任状は有効ですか?」というようなお問い合わせは非常に少ないからなんです。

なるほどぉ~。。。そうだったのね~♪
新鮮な驚きがあったワケですが、続きはまた来週~!

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議決権行使書と委任状の関係 その3

2012年10月04日 | 株主総会

おはようございます_(_^_)_

書面による議決権行使の制度を任意採用されているという今回の会社サン、何故、そこまでする必要があるのでしょうか?
確かに株主の数はそれなりに多いんです。けど、大株主サンがいらっしゃるので、決議要件としては、他の株主が欠席でも何の問題もありません。それに、純粋な外部株主サンはいませんので、必要以上にカッコつける意味もない。。。。

これも、以前書いたことがあると思いますが、招集通知に記載する議案の要領というモノ、会社によって細かさが違います。
参考書類と同じくらい詳細に記載する会社サンもあれば、必要最低限のコトしか書かない会社サンもある。
ただし、すごく詳細に記載する会社サンであっても、「株主総会参考書類」の作成を義務付けられたい会社は非常に少なく(皆無ではないと思います)、書きたくないことは上手く省略することが多いワケです。

そういう中で、今回の会社サンが書面による議決権行使の方法を採用し、株主総会参考書類を作成することにどんな理由があるのか?場合によっては、単に株主が多いから「そうしなければならない」と思い込んでいるんじゃなかろうか?という気もします。

で、結果。
想定外のお答えでした。。。。

要約しますと、もともとは、議決権行使の委任状のつもりで作成していた書面だったのだそうです。しかし、委任者欄が空欄で戻ってくるものが多く、これでは、委任状にならないと考えた。そこで、それは委任状ではなく、議決権行使書であると考えれば辻褄があう。。。ということのようです。
つまり、委任状のつもりで作っていた書面だけれども、たまたま議決権行使書の記載事項が網羅されていて、だったらこれは、「議決権行使書」に該当するだろう。。。と考えた模様。

はぁ。。。そうですか。。。
しかも、別に書面による議決権行使をさせたいわけじゃないし、参考書類を作りたいわけでもない、と仰る。

だったら止めましょうよぉ~。。。そんなコト!

。。。というわけで、今回から議決権行使書による議決権行使をするのはやめにしまして、ちょっと詳しめの招集通知を作ることにいたしました。

残る懸案事項は委任状ですけどね。。。

続きはまた明日♪

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議決権行使書と委任状の関係 その2

2012年10月03日 | 株主総会

おはようございます♪
早速昨日の続きです。

会社サンがいつも使われているという議決権行使書。
記載事項自体はソレらしいのですが。。。。

タイトルは「委任状」。
そして、「代理人に対して議決権行使を委任します。」とか書いてある。。。

「こ、こ、これは。。。。委任状じゃないのかっ?!(汗)」

え~。。。
議決権行使書の記載事項というのは法定されております。
大雑把に言うと、絶対に書かなければいけないのは、「各議案の賛否の記載欄」「議決権の行使の期限」「株主の氏名、その有する議決権の数」でして、今回の「委任状」というタイトルの書面には、この記載事項が網羅されていました。

さらに、タイトルについての制約はありませんので、これが「議決権行使書」だと解釈することも可能なのかも知れません。

けどね~。。。これをワタシの口から「議決権行使書に該当します」とも言い難い。。。

困ったなぁ~と思いながら、ネットを検索してみましたら。。。。
あったあった!!
無料でひな型を提供しているサイトに、同じような内容のモノがございました。

ただし、その書式のお題(文書中のタイトルじゃなくって、何のひな型か書いてあるところ)は、「議決権行使書(兼委任状)」。。。。
当然といえば当然ですけど、解説は一切なし。

おそらく、こういうのを参考にして、会社が独自に作ったんだろうなぁ~。。。

ですけどねぇ~。。。
議決権行使書と委任状を兼ねる場合があるのでしょうか?
まぁ100歩譲って、兼ねる書面だとしても、ソレが「議決権行使書」なのか「議決権行使の委任状」なのかは、どうやって判別するのでしょう?

「議決権行使書・委任状(どちらかに○)」のような箇所があれば別ですけどもね。。。
ない場合は、代理人の氏名が書いてあるかどうかで判断するんでしょうか?
いやはや、困ってしまいました。

しかし、考えてみれば、「議決権行使書」か「委任状」か分からない場合、何か不都合があるんでしょうか?
昨日も書きましたように、書面による議決権の行使を任期採用している会社が、代理人によって議決権を行使するのは、何のモンダイもありません。

「書面による議決権行使」をさせることを取締役会で決議したのなら、株主に対する議決権行使書の交付は必須ですが、議決権行使書によって議決権を行使するか、代理人によって議決権を行使するかは、株主の自由。
だったら、気持ち悪いけど、「議決権行使書の記載事項を網羅しているソレ」は、議決権行使書と考えても良いのかも知れないな~。。。と思い始めました。

理論的には、議決権行使書ならば株主自身が議決権を行使していて、委任状ならば、株主総会において代理人が議決権を行使しなければならない、という違いがありますので、本当は白黒ハッキリさせないと困るはずですが、実質的には支障はないのかな。。。というコトであります。(大株主だけで決議は成立しちゃいます。)

。。。などと考えてはいたのですけどね。。。。
そもそも、ナンデこの会社サン、書面による議決権行使の必要があるのだろう?というギモンが湧いてきまして、聞いてみることにしました。。。すると、意外なお返事が。。。

続きはまた明日♪

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