司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

更正登記イロイロ その6

2010年08月03日 | 商業登記

今回は更正登記の方法について考えてみようと思います。
今回は同業者ネタですね。たぶん、そのほかの方には意味不明かと。。。スミマセン(^_^;)

以前、こんなことがありました。
ある会社が株式分割をしたのですが、何故か、株式分割の効力発生日が間違っていたんです。事業報告の記載と登記の記載が誤っていたために後日発覚しました。

じゃあ、更正登記を。。。ということになったのですが、法務局は、「コレ、更正登記できませんよ(-"-)」とおっしゃる。。。
実は、この会社、誤った株式分割の後に増資をしていまして、そのため、更正登記をするには、現在の発行済株式総数の登記を抹消し、(それによって、その前の登記が回復され)、その後更正登記を行った上で、増資の登記をやり直す。。。しかないってことなんです。
が、法務局のおっしゃるにはですね~、「これは現に効力を有する登記事項じゃないから、間違ってたとしても直せない」のですって!!(ちなみに、現に効力を有する事項は間違ってません)
ワタシとしては、抹消されてるとしても履歴として登記事項証明書に残っている以上、直せないのはオカシイ!と思ったのですが、会社の方が、「それなら直さなくてイイデス」とおっしゃるもので、それ以上は突っ込むことができませんでした。

今でも解せないです。だって、役員変更の場合は、辞任の登記を抹消(及び回復)してやり直すこともできるのに。。。増資が絡んだから特別ってことなんでしょうか。。。?

それからしばらくして、昨日の案件が舞い込んで来たわけなんです。
外国会社の営業所設置をしてから、3~4回の増資の登記をしていましたが、何箇所も違っているのです。前述のケースと大きく異なるのは、現に効力を有する事項も間違っているってことですかねぇ。

現に効力を有する事項しか更正登記できない。。。ってことになったばかりだったのですが、2通りの方法を考えて、登記所に相談に行ってみました。
2通りというのは、①現に効力を有する事項のみ更正する、②最初に誤った登記までを全て抹消したうえで正しい変更登記をやり直す、というものです。

結果としては、どちらでも良いということになりました。つまり、現に効力を有しない事項も直せるってことです。(添付書類としても宣誓供述書の書き方が変わるだけです)
クライアントさんに確認しましたら、コレまでの経緯もキチンと直したいとのコトでしたので、いくつかの事項を抹消し、もう一度変更登記をやり直しました。でも、登記記録は複雑で分かりにくくなってしまいましたケドね(^_^;)

一方、現に効力を有する事項だけを直したとしたら、登記記録は更正登記が1箇所だけなので分かりやすいものになりますね。その代わり、登記の履歴は間違えたままなので、公信力という意味ではどうなのか。。。と思いました。

やってみた感想。。。
もしこれが外国会社でなかったとしたら(日本の会社でこんなにイロイロ間違えることはないはずです)、大変なことになるのでしょうね~。 よく、「登記の利益」ということを言われますが、現に効力を有しない事項をすご~い苦労して更正しても、結局は労力のわりにメリットは少ないということなのかもしれません。

ただ、理論的に解決した問題ではないので、いつかは(?)ちゃんと知りたいと思います。
(更正登記の経験は積みたくないデスけどね(^_^;))

コメント (5)
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